関連記事: 【前編】

212 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:10:18 5YpXy.a6 204/623


 ――????――



????「ふふふ……ようこそ、ベルベット・ルームへ……」

イゴール「度々、済みませぬな……」

イゴール「はい……今回も、現実のあなたは眠っておられます……」

イゴール「それでは、本題に入りましょう……よろしいですかな?」

イゴール「…………」

イゴール「ふふふ……結構」

イゴール「今回の旅路も、かなりの佳境に入られましたが……」

イゴール「正直な所、いかがでございましょうか?」

イゴール「…………」

イゴール「ほう……随分と、お悩みの様でございますな……」

213 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:11:20 5YpXy.a6 205/623


イゴール「様々な道が見えている分、かえってどれを進めば良いのか……」

イゴール「確かに……迷い所でございますな……」

イゴール「…………」

イゴール「ヒント?」

イゴール「ふふふ……それはもう、すでにお伝えしているはずです……」

イゴール「…………」

イゴール「左様でございます……」

イゴール「お客様は、八十稲羽でなされた事を ここでも行えば良いのです……」

イゴール「ふふふ……いささか、おしゃべりが過ぎましたかな?」

214 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:11:59 5YpXy.a6 206/623


イゴール「それから、ささやかながら……」

イゴール「お客様の旅路に役立てられれば、と」

イゴール「武器を用意しておきました……」

イゴール「…………」

イゴール「ふふふ……残念ながら請求させて頂きます……」

イゴール「申し訳ありません……少々手間が掛かりましてな……」

イゴール「しかし、必ず、お役に立つ事でしょう」

イゴール「…………」

イゴール「おお……そろそろ、お目覚めの時刻でございますな」

215 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:12:41 5YpXy.a6 207/623


イゴール「最後に」

イゴール「現在、お客様は、重要な分岐点におられます」

イゴール「その事だけは、お忘れなきよう……」

イゴール「それでは、いずれまた……」


―――――――――――

 ――朝――

 ――鳴上の部屋――



鳴上「…………」

鳴上「……ふあっ」

鳴上「……ん?」

鳴上「何だ? この長細い箱?」

216 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:13:28 5YpXy.a6 208/623


     ゴソ ゴソ…

鳴上「!!」

鳴上「こ、これは!?」

     スラァ…

鳴上「…………」

鳴上(神々しい剣だな……)

鳴上「お? 取説がある……何々?」

     名前 神剣グラム   代金 78200円(税込)

鳴上「…………」

鳴上(地味に結構、痛いな……)

鳴上(おまけにどうやって持ち運ぼう……?)

217 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:14:10 5YpXy.a6 209/623


 ――翌日の午前中――

 ――見滝原中学校・教室――



まどか(さやかちゃん……今日は、お休み)

まどか(学校で会えると思ったのに……)

まどか(……………………)

まどか(……どうして私……昨日、さやかちゃんの事)

まどか(追い掛けなかったんだろう……)

まどか(追いかけなきゃいけなかったハズなのに……)

まどか(…………)

まどか(とにかく、放課後、さやかちゃん家に会いに行こう……)

218 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:14:49 5YpXy.a6 210/623


 ――放課後――

 ――さやかのマンション・ロビー付近――



     インターホン オン状態

まどか「えっ!?」

まどか「さやかちゃん、昨夜から戻ってないんですか!?」

まどか「…………」

まどか「はい……はい……」

まどか「わかりました、見かけたら、必ず連絡します」

     ピッ…

まどか「…………」

まどか「さやかちゃん……探さなきゃ!」

     タッ タッ タッ…

219 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:15:40 5YpXy.a6 211/623


 ――河川敷公園――



     テク テク テク…

恭介「…………」

恭介「志筑(しづき)さん」

仁美「はい?」

恭介「志筑(しづき)さんって、帰り道、こっちだっけ?」

恭介「今まで、一度も姿を見た事が無いんだけど……」

仁美「…………」

仁美「そうですわね……」

仁美「確かに、帰り道は上条君と逆方向ですわ」 ニコ

恭介「……?」

220 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:16:38 5YpXy.a6 212/623

BGM
http://www.youtube.com/watch?v=OHWa2jANl6w&feature=relmfu

221 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:17:33 5YpXy.a6 213/623


 ――河川敷公園・ものかげ――



さやか「…………」

さやか(…………どうして)

さやか(恭介、そんな笑顔なの……?)

さやか(そんな顔……あたし、見た事無いよ?)

さやか(…………)

さやか(なんで……仁美なの……?)

さやか(どうして……あたしじゃ無いの……?)

さやか(どうして……なんで……どうして……)

222 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:18:34 5YpXy.a6 214/623


 ――深夜――

 ――廃屋付近――



     フラ フラ フラ…

??「さやか…」

さやか「……?」

さやか「ああ……鳴上さん」

さやか「よくここが、わかったね……?」

鳴上「…………」

鳴上「さやか、少し話がしたい」

鳴上「来てくれないか?」

223 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:19:32 5YpXy.a6 215/623


さやか「……嫌よ」

鳴上「……どうしてだ?」

さやか「鳴上さんも感じるでしょ?」

さやか「あそこに……使い魔が居るの……」

さやか「倒さなきゃ……」

鳴上「マミに頼めばいい」

さやか「ダメよ……あたしが倒す」

さやか「絶対、あたしが倒すんだから……!」



鳴上(…………)

鳴上(…………だめだ。 何があったのか、わからないが)

鳴上(聞く耳を持ってない……)

224 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:20:26 5YpXy.a6 216/623


鳴上(…………)

鳴上(かなり……危険だが、これしか方法を思いつかないな……)

鳴上(覚悟を決めよう……!)



鳴上「おい、化物」



     ピクンッ



さやか「…………」

さやか「……そんな安い挑発には乗らないよ、鳴上さん」

225 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:21:23 5YpXy.a6 217/623


鳴上「そうか……さすがは、化物だな」

鳴上「人間の言葉も解らなくなったか、化物」

さやか「…………」

鳴上「どうした、化物?」

鳴上「さっさと上に行って化物同士、殺し合って来い」

さやか「…………」 ギリッ

鳴上「ほら、さっさと行って来い、化物」

さやか「……あんた、わかってんの?」

さやか「あんたのペルソナ能力は、魔女の結界内でしか使えないんでしょ?」

さやか「あたしを怒らせない方が、良いと思うけど?」

鳴上「あいにくと、お前程度の化物に遅れを取る程」

鳴上「俺は落ちぶれてはいない、化物」

226 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:22:37 5YpXy.a6 218/623


さやか「……そう」

さやか「本当かどうか」

さやか「確かめてあげるわ……」 スッ…

     キィイイイイインッ!(魔法少女へ変化)

さやか「……さすがに丸腰だと気が引けるわね」

さやか「あたしの剣、貸してあげようか?」

鳴上「必要ない」

鳴上「お前程度の化物、これで十分だ」 ガララッ…

さやか「……何それ? そんな錆びた鉄の棒でいいっての?」

さやか「それとも、負けた時の言い訳にでもするつもり?」

鳴上「御託はいい……」 スッ

鳴上「かかってこい、化物」

227 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:23:17 5YpXy.a6 219/623


さやか「…………」 ギリッ…!

さやか「はあっ!」 ダッ!

     ガキィッ!!

さやか「!!」

     ボコンッ!

さやか「あぐっ!?」 ズザッ…

鳴上「…………」

さやか(……何? 今の!?)

さやか(剣が受け流されたと思ったら、背中に一撃、入れられた……!)

鳴上「…………」

228 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:24:09 5YpXy.a6 220/623


鳴上「どうした? もう お終いか?」

鳴上「化物…」

さやか「……!!」

さやか「だあああああっ!!」 ダダッ!!

     ヒュウッ! バキッ!! ドガッ!!

     ブンッ! バゴオッ!! ゴガッ!!

さやか「くうっ……!」

鳴上「…………」

さやか「はああああああっ!!」 ゴウッ!

     ギィインッ! ボグッ!! ゲシッ!!

     カァンッ! ドガァッ!! バグンッ!!

229 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:24:57 5YpXy.a6 221/623


杏子「……!?」

杏子「おいっ!! 何やってんだ!! てめぇ!!」

鳴上「……手を出すな」 ゴゴゴ…

杏子「!!?」 ビクンッ!

杏子(な……なんだってんだ!?)

杏子(あ、あいつは、人間なんだろ!?)

杏子(しかも……ペルソナ、とか言う妙な技は、使えないはず……)

杏子(なのに……)

杏子(なんで足が、すくむんだよ!)

230 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:25:50 5YpXy.a6 222/623


鳴上(よし、思った通り……)

鳴上(さやかは痛みを無くしているから)

鳴上(それに対する恐怖は全く無い……)

鳴上(だが、それゆえに動きは単純で短調だ)

鳴上(攻撃を読んで、受け流しつつカウンターを入れる……)

鳴上(これを繰り返せばいい……)

鳴上(後は)

鳴上(さやかの根気と、俺の体力……どちらが最後まで持つか……)

鳴上(勝負だ! さやか!) キッ!

231 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:26:44 5YpXy.a6 223/623


さやか「はあっはあっ……」 ダッ!



さやか(なんであたし……鳴上さんに向かって)

さやか(攻撃してるんだろう?)



鳴上「どうした……? それで終わりか?」

鳴上「化物」



さやか(そうだ……それが……嫌なんだ)

さやか(ただ……嫌なんだ)



さやか「……ああああああああああっ!!」 ゴウッ!

232 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:27:42 5YpXy.a6 224/623


さやか(あたしは……決めたよね?)

さやか(正義の味方になるって……)

さやか(この力を正しく使うって……)



さやか「やあああああああああああっ」 ゴウッ!!



さやか(あたし……何……してるの?)

さやか(これは、正しい事なの……?)



さやか「はあっはあっはあっ……」 



さやか(違う……)

233 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:28:24 5YpXy.a6 225/623


さやか(違う……違う……)

さやか(違うっ……!)



鳴上「化物」

鳴上「化物!」

鳴上「化物!!」



さやか(違うっ!!!)

234 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:29:25 5YpXy.a6 226/623


     カラ…ラ…ランッ……

鳴上「……!」

杏子(さやか……剣を放した……)



さやか「……………ひっく………」

さやか「もう……止めて……!」 (魔法少女解除)

さやか「話でも お説教でも 何でも聞くから……」

さやか「あたしを……化物って……呼ばないで……」

さやか「お願いっ……グスッ……ひっく……」



鳴上「…………」

235 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:31:03 5YpXy.a6 227/623


さやか「違うっ……あたし……化物じゃないっ……!」 ポロポロ…

さやか「化物なんかじゃ……ないよ……!」 ポロポロ…



鳴上「…………」

鳴上「……落ち着け、さやか」

鳴上「考えても見ろ……」

鳴上「鉄の棒一本で息一つ乱さず、魔法少女と渡り合える俺の方こそ」

鳴上「化物だ……」 カランッ…



杏子「…………」


―――――――――――



236 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:32:15 5YpXy.a6 228/623


杏子「……任せても大丈夫かい?」

鳴上「まだ、スタートラインに立っただけだが……」

鳴上「勝算がないわけじゃない」

杏子「ふうん……」

杏子「…………」

杏子「じゃ……あたしは帰るわ」

杏子「……またな、さやか」



さやか「…………」

237 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:33:18 5YpXy.a6 229/623

BGM
http://www.youtube.com/watch?v=CUP-hgUdF3k&feature=relmfu

238 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:34:21 5YpXy.a6 230/623


 ――夜明け前――

 ――さやかのマンション・屋上――



さやか「…………」

鳴上「…………」

さやか「……ねえ?」

鳴上「……ん?」

さやか「こんな所に連れてきて、何のつもり?」

さやか「ひょっとして……エロい事とかするの?」

鳴上「中学生に興味はないな」

さやか「うわ……地味にムカつく……」

239 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:35:18 5YpXy.a6 231/623


さやか「…………」

鳴上「…………」

さやか「……ねえ」

鳴上「……ん?」

さやか「話があるんじゃなかったの?」

鳴上「聞く耳は、あるのか?」

さやか「…………」

さやか「……内容によるかな」

鳴上「そうか……」

240 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:36:02 5YpXy.a6 232/623


鳴上「…………」

鳴上「さやかは、ここから見える景色って」

鳴上「どのくらいの広さがあると思う?」

さやか「は? なんなの? 突然?」

鳴上「いいから。 大体で構わない、答えてくれ」

さやか「……10キロ四方くらい?」

鳴上「……人間の目で見える範囲は」

鳴上「障害物が無ければ、大体80キロ前後と言われている」

さやか「へ~……」

鳴上「ここは少し高い位置にあるから……実際は、もう少し広いだろうな」

さやか「ふうん……で?」

241 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:36:49 5YpXy.a6 233/623


鳴上「この見える範囲の景色の中に」

鳴上「さやかの救える人間は、どれだけ居るだろう?」

さやか「!!」

鳴上「まさかと思うが……」

鳴上「全部、救ってやるつもりだったのか?」

さやか「…………」

鳴上「…………そうか」

さやか「あたし、何も言ってない」

鳴上「そうだな……」 クスッ…

242 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:37:27 5YpXy.a6 234/623


鳴上「さやかは、転校した事はあるか?」

さやか「……ない」

鳴上「そうか……」

鳴上「俺は2回程」

さやか「ふうん……それで?」

鳴上「俺は、2回ともいい友人に恵まれたが……」

鳴上「どこか打算的に付き合っている奴もいる……」

さやか「…………」

鳴上「教科書を貸してくれた奴に、たまに昼飯をおごったりした」

鳴上「もちろん逆も然り」

さやか「それってフツーじゃない」

243 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:38:18 5YpXy.a6 235/623


鳴上「でも教科書を貸して『ありがとう』の一言もない奴に」

鳴上「『また貸してやろう』という気持ちに、俺はなれないな……」

さやか「……!」

鳴上「これは小さいけど、打算的だろ?」

さやか「…………」

鳴上「よく、人知れず川の清掃とかやっている奴が居るけど……」

鳴上「やっぱり誰かに褒めてもらいたい、と思っているんじゃないかな?」

鳴上「もちろん、否定も肯定もしない」

鳴上「でも……俺は人って、そういうものだ、と思っている」

さやか「…………」

244 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:39:01 5YpXy.a6 236/623


鳴上「…………」

鳴上「……そろそろだな」

さやか「……何が?」

鳴上「日の出さ」 クスッ

さやか「うっわっ……クサイ演出……」

鳴上「そうか……じゃあ見なくてもいい」

鳴上「俺だけで見る」

さやか「……誰も見ないなんて、言ってない」

鳴上「…………」

さやか「…………」

鳴上「…………お」

さやか「…………わあ」

245 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:39:59 5YpXy.a6 237/623


さやか「綺麗……」

鳴上「…………」

鳴上「さやか」

さやか「ん?」

鳴上「今、つぶやいた言葉は、さやかの何が言わせた?」

さやか「……え? あたしの……?」

鳴上「さやかの魔法少女の部分か? それとも他の何かか?」

さやか「…………?」

さやか「魔法少女な訳ないじゃん……」

さやか「そんなのあたしが……あたしの心が、そう思ったから……」

さやか「!!」

鳴上「…………」

246 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:40:44 5YpXy.a6 238/623


さやか(…………)

さやか(そっか……あたしは、ちゃんとあたしだったんだ……)

さやか(魔法少女の力も……このゾンビの体も……)

さやか(勝手に何かするわけじゃない)

さやか(どんなに嫌っていようとも、あたしを形作る一部でしかない……)

さやか(あたしはあたし……美樹さやか)

さやか(この景色を綺麗だって言える)

さやか(人間の心を持っている、美樹さやか……!)

さやか「……くっ…フフフッ…」

さやか「アハハハハッ……!」

鳴上「…………」

247 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:41:34 5YpXy.a6 239/623


さやか「…………」

さやか「……ホントに綺麗」 クスッ

鳴上「……そうだな」 クスッ

さやか「…………」

さやか「太陽ってすごいね……」

鳴上「ん?」

さやか「ここから見える景色だけじゃなく……」

さやか「もっと広い地域全体に居る人達に、分け隔てなく同じ光を与えてる……」

さやか「ううん……人間達だけじゃない」

さやか「生きとし生ける物すべてを、照らしてる……!」

さやか「それも……何の見返りもないのに」

鳴上「そうだな……」

248 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:43:27 5YpXy.a6 240/623


さやか「……自分は、こんなにちっぽけな存在なのに」

さやか「絶対になれない、太陽になろうとしてたんだ……」

さやか「……あたしって、ホント、バカ……」

鳴上「…………」

さやか「…………」

さやか「えっと……ありがとう」

鳴上「いや……礼はいい」

鳴上「大した事はしていないし……いろいろ酷い事も言った」

鳴上「おまけに鉄の棒で殴っているし……すまなかった」

さやか「アハハ……そういやそうだね」

249 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:44:53 5YpXy.a6 241/623


さやか「…………」

さやか「じゃあ、さ……」 ///

鳴上「ん?」

さやか「すっごい、わがままなんだけど……」 ///

さやか「あたしもマミさんみたいに……あなたの事」 ///



さやか「悠って……呼んじゃダメ……かな?」 ///




250 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:46:16 5YpXy.a6 242/623


 ――次の日(と言うか、今日)の朝――

 ――見滝原中学校・教室――



さやか「おはよ! まどか!」

まどか「!!」

まどか「さやかちゃん!!」

まどか「昨日、さやかちゃん家 訪ねたら、一昨日から帰っていないって……!」

まどか「私、心配で心配で……!」 ウルウル

さやか「……うん、ゴメン。 本当にゴメン、まどか」

まどか「ううん、謝るのは私の方だよ……」

さやか「もういいから、まどか。 お互い様って事にしとこう? ね!」 ニコ

まどか「!……うん!」 ニコ

さやか「それよりも……なってないよね? 魔法少女に……」

まどか「えっ? う、うん。 なってない」

251 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:47:08 5YpXy.a6 243/623


さやか「んー? なんか怪しい……」

さやか「吐け! 正直に吐くんだ! ネタは上がっている!」 ウリャウリャ!

まどか「きゃーん! ごめん! ホントは、なりかけましたぁ!」 クスグルノヤメテー!

さやか「えっ!?」

まどか「はあ、はあ……そ、その、危ない所を ほむらちゃんに……」

さやか「……そっか」

さやか(そういや……あたしが、魔法少女になる前から、ずっと)

さやか(魔法少女になるなって、言ってたっけ……)

252 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:48:20 5YpXy.a6 244/623


 ――休憩時間――



さやか「おーい、転校生……じゃなかった」

さやか「……ほむら」

ほむら「!?」

ほむら「……な、何かしら?」

さやか「まどかの事、ありがとう」 ニコ

ほむら「!!?」 ///

さやか「ほむらが、今までどんな気持ちで」

さやか「あたし達が魔法少女になるのを止めてたのか」

さやか「ようやく、わかったよ……」

ほむら「…………!」 ///

253 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:48:56 5YpXy.a6 245/623


さやか「今までゴメン。 本当にゴメン」

さやか「今更……こんな事言われても、きっと困るだろうけど……」

さやか「良かったらお昼、一緒に食べない?」

ほむら「!!?!?」 ///

ほむら「…………」 ///

さやか「やっぱ……ダメ?」

ほむら「……ええ……悪いけど……」

さやか「……そっか」

さやか「それじゃ、またね!」 タッ

ほむら「……あ……うん」

ほむら「また……」

254 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:49:57 5YpXy.a6 246/623


さやか「あ、仁美」

仁美「あ……さやかさん」

さやか「…………」

さやか「あのね、仁美。 頼みがあるの……」

仁美「はい……?」

さやか「一日だけ……ううん、今日の放課後だけでもいい」

さやか「恭介と、話をさせて欲しいの……」

仁美「!!」

仁美「そ、それは……!」

さやか「お願い、仁美。 あたし自身のけじめを付ける為に……」

さやか「お願い……!」

仁美「…………」

255 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:51:00 5YpXy.a6 247/623


 ――夕方――

 ――上条宅・恭介の部屋――



さやか「うわぁ……久しぶりだね、恭介の部屋……」

恭介「そう? そういえば病院で、けっこう一緒だったから」

恭介「久しぶりって思わなかった……」

さやか「……そっか」

さやか「…………」

恭介「それで? 話って?」

さやか「!……あ、うん」

さやか「えっと、ね……」

256 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:51:50 5YpXy.a6 248/623


さやか「…………」

さやか「あのね、今からちょっと信じがたい行動をするけど……」

さやか「最後まで見て欲しいんだ……いいかな?」

恭介「うん」

さやか「じゃあ……このハサミ、ちょっと貸してね?」

恭介「いいよ」

さやか「…………」 スッ…

     ザクッ!!

恭介「!?」

恭介「さやか! 手! 左手が!!」

さやか「……大丈夫。 見てて」 ズッ…

恭介「だ、大丈夫って……!?」

257 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:52:30 5YpXy.a6 249/623


     シュウウウッ…

恭介「」

恭介「……き、傷が……!?」

さやか「…………」

さやか「驚いた? ……ううん、普通は驚くよね」

恭介「……手品、かい?」

さやか「信じてくれないかもしれないけど」

さやか「魔法なんだ。 これ…」

     キィイイイイインッ!(魔法少女へ変化)

恭介「!!?」

258 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:53:35 5YpXy.a6 250/623


さやか「どう? かっこいいでしょ?」 フフン♪

恭介「…………」

恭介「……いったい、何が何だか……」

さやか「あたしがどうやって魔法少女になったか……」

さやか「今から説明するね……」

―――――――――――
さやか、説明中
―――――――――――

恭介「……へえ、そのQべえという奴に……」

さやか「うん……どんな願いも、ひとつだけ叶える代わりに、ね」

恭介「ふうん……すごいね」

恭介「じゃあ、さやかはどんな」

259 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:54:24 5YpXy.a6 251/623


―――――――――――
さやか「……あるよ」

さやか「奇跡も、魔法も……」

さやか「あるんだよ……!」
―――――――――――



恭介「!!!!!!!!!!!!」



さやか「…………」

恭介「…………ま」

恭介「まさか……」

260 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:55:07 5YpXy.a6 252/623


さやか「……うん。 そうだよ」

恭介「どうして……!?」

さやか「…………」

さやか「それを……聞いちゃう、か……」

恭介「……?」

さやか「いい? 一回しか、言わないからね?」

恭介「あ、ああ……」

さやか「恭介の事が……好きだから」 ///

恭介「!!!」

さやか「…………」

恭介「…………」

261 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:56:05 5YpXy.a6 253/623


恭介「じゃあ……」

恭介「さやかは……僕のために人間をやめて、魔法少女になって」

恭介「魔女と戦っているの……!?」

さやか「…………」

さやか「ねえ、恭介」

恭介「……うん」

さやか「あたしは……たぶん卑怯な事をしている」

さやか「恭介の怪我を、命懸けで直してやったんだから責任取れ!って感じで……」

恭介「…………」

さやか「……でも、ね」

さやか「知って欲しかったんだ」

さやか「あたしのすべてを……」

262 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:57:10 5YpXy.a6 254/623




さやか「……嫌な所も含めて、ぜーんぶ」



恭介「…………」

さやか「でね、あたし今日、ここに来たのは……聞きたい事があるからなんだ」

さやか「だけど……答えがどうであれ、恭介の今日のあたしとの記憶は」

さやか「魔法で消すつもりなの……」

恭介「……!」

恭介「……どうして?」

さやか「きっと……恭介にとって重荷になると思うから……」

恭介「…………」

263 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:58:34 5YpXy.a6 255/623


さやか「じゃあ、聞くね?」

恭介「……うん」

さやか「恭介は……あたしの事をどう思ってる?」

さやか「一人の女の子として……どう、見てるかな?」

恭介「えっ!?」

さやか「……あたしは出来る限り、自分をさらけ出した」

さやか「どんな事でもいい。 どんな悪口でも構わない」

さやか「……大好きな、恭介の口から……正直な気持ちを聞いておきたいの」

恭介「…………」

恭介「……さやか」

さやか「うん」

恭介「僕は……君の事を――」

264 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 20:59:40 5YpXy.a6 256/623



―――――――――――


 ――夜――

 ――さやかの部屋――



さやか「……………………」

さやか(恭介……正直な気持ちをありがとう……)

さやか(これで……あたしは、やっと)

さやか(前を向ける。 前に進める)

さやか(恭介…………)

さやか(仁美と……仲良くね……) ホロリ

265 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:01:20 5YpXy.a6 257/623


 ――翌日の朝――

 ――見滝原中学校・教室――



さやか「おはよう、仁美」

仁美「!……さやかさん。 お、おはようございます」

さやか「…………」

さやか「ありがと、仁美」

仁美「……!」

さやか「恭介と仲良くしてあげてね」 ニコ

仁美「は、はい」 ///

さやか「じゃ……」

仁美「…………」

仁美「さやかさん……」

266 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:02:19 5YpXy.a6 258/623


まどか「…………」

まどか「おはよう、さやかちゃん」

さやか「おはよう、まどか」

まどか「…………」

さやか「? どうかした? あたしの顔に何かついてる?」

まどか「ううん……そうじゃないの。 ただ……」

さやか「ただ?」

まどか「すっごく良い顔してるなぁ……と思って」 クスッ

さやか「へ!? そ、そう!? な、なんか照れるな」 ///

まどか(フフッ……とっても素敵だよ、さやかちゃん)

267 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:03:06 5YpXy.a6 259/623


 ――放課後――

 ――ゲームセンター――



ほむら「こんにちは」

杏子「んー? ああ……お前か……」

杏子「って……!?」

さやか「や!」

杏子「さやか……どうしてここに?」

さやか「ほむらが、杏子に会いに行くって聞いたから」

さやか「ちょっと無理言って、付いて来たんだ」

ほむら「…………」

杏子「……で、何の用さ?」

268 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:03:55 5YpXy.a6 260/623


さやか「ううん……大した用事じゃないよ」

さやか「ただ、もう一度会って、お礼が言いたかったんだ」

さやか「いろいろ、ありがとう杏子」 ニコ

杏子「…………」

杏子(な、なんだ? この前とは、別人じゃないか……)

杏子(あいつ……何をしたんだ?)

杏子「……別にいいさ。 元気になったみたいで良かったな」

さやか「うん。 今度さ、魔法の事とか色々と教えてね! じゃ、これで帰るね? ほむら」

ほむら「ええ……」

杏子「…………」

269 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:05:00 5YpXy.a6 261/623


杏子「なあ」

ほむら「何かしら」

杏子「あいつ……本当にさやかか?」

ほむら「間違いなく彼女よ」

杏子「いくらなんでも変わりすぎだろ……」

ほむら「私も戸惑ってるわ……」


杏子「……で? おめーの話ってのは?」

ほむら「それなんだけど……もう少し時間をくれないかしら?」

杏子「何かあったのかい?」

ほむら「ええ……。 とりあえず、また三日後にここで会えないかしら?」

杏子「ああ、いつでもいいよ。 あたしは大抵ここにいるから」

ほむら「じゃ……また三日後に」

杏子「おー……」

271 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:05:57 5YpXy.a6 262/623


 ――夜――

 ――巴マミの部屋――



マミ「いらっしゃい、悠さん」

鳴上「お邪魔します」

マミ「遠慮は、無用ですよ」 クスッ

まどか「あ、いらっしゃい、鳴上さん」

さやか「はい、このケーキ、悠の分ね」

マミ・まどか「!?」

さやか「ん? どうしたの? 二人共?」

272 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:07:01 5YpXy.a6 263/623


マミ「み、美樹さん? いくらなんでも、なれなれしすぎるんじゃ……」

まどか「そ、そうだよ、さやかちゃん……」

さやか「ちゃんと悠にオッケーもらったよ?」

さやか「ねえ? 悠!」 ニコ!

鳴上「…ああ」

マミ・まどか(……若干、嫌がってる?)

鳴上「それはともかく、急にみんなで集まろうって……一体何があったんだ?」

さやか「あー、それなんだけど……」

鳴上「提案したのは、さやかか」

さやか「簡単に言うと……あたしもマミったんだ」 コト…

273 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:08:21 5YpXy.a6 264/623


     ヒィイインッ…

鳴上・マミ・まど「!!!!」

まどか「ほ、ホントだ! さやかちゃんのソウルジェム、凄く綺麗……!」

マミ「……所で、美樹さん。 その、『マミった』……って?」

さやか「ああ、マミさん状態になった、を略したの。 わかりやすいでしょ?」

マミ「……ええと。 出来れば止めてくれないかしら?」

マミ「何故か背筋が寒くなるの……」 ブルブル…

さやか「えー? そうなんですか? じゃあ……P状態?」

鳴上「……今度は、ペルソナ状態を略したのか?」

さやか「さっすが悠! 冴えてるね~!」 ニャハハ

まどか(なんか……お腹壊してるみたい)

マミ(私は、アレ以外なら何でもいいわ……)

274 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:10:13 5YpXy.a6 265/623


マミ「で? 今日、私達を集めたのは、これの報告をしたかったからなの?」

さやか「うん。 それともう一つ」

さやか「あたしやマミさんがP状態になったのは」

さやか「やっぱり、悠のおかげだと思うんだ……」

鳴上「……そんな事はな」

さやか「あるよ! 絶対!」

鳴上「!?」 ビクッ

さやか「……上手く、言えないんだけど」

さやか「あたしは、悠と話をして、すっごく心が軽くなった」

さやか「それが……P状態になるきっかけだと思ってる」

まどか「…………」

マミ「……私もそれ、わかる気がする」

まどか「! マミさん……」

275 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:11:17 5YpXy.a6 266/623


鳴上「ちょっと待ってくれ」

鳴上「持ち上げてもらって恐縮だが……P状態が『いい事』と決まったわけじゃないんだぞ?」

さやか「ぐっ……で、でも……!」

マミ「『悪い状態』、と、決まったわけでもないんじゃないかしら?」

鳴上「……!」

マミ「現に、あれから私は、すこぶる調子がいいですしね」 クスッ

マミ「何よりも、グリーフシードの確保を考えなくて済むだけでも」

マミ「大きなメリットだと思います」

さやか「そーそー! さっすがマミさん!」

鳴上「…………」

276 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:14:19 5YpXy.a6 267/623


さやか「でね、あたし、悠に頼みたいんだ」

鳴上「……聞こう」

さやか「良かったら……杏子と ほむらにも」

さやか「話をしてあげてくれないかな?」

鳴上「…………」

さやか「この際、P状態がどうとか言うよりも」

さやか「単純にあの二人の悩みを聞いて欲しいんだ……」

鳴上「…………」

さやか「……そして、あたしじゃたぶん無理だと思う」

さやか「あたしが、杏子の差し出した手を振り払ってしまった様に……」

さやか「でも……悠なら、きっと……!」

鳴上「…………」

277 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/17 21:18:14 5YpXy.a6 268/623


鳴上「……必ずいい結果になるとは、限らないぞ?」

さやか「! 悠!」

鳴上「それに、みんなにも協力してもらいたい」

鳴上「頼めるか?」

さやか「もちろんだよ!」

まどか「うん! 私に出来る事なら!」

マミ「大丈夫、上手く行きますよ」 クス

鳴上「そうか……心強いな」

鳴上「頼りにさせてもらおう」 クスッ

283 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:33:50 T2DjYA2k 269/623

BGM
http://www.youtube.com/watch?v=6ChrBp1pEGM&feature=relmfu

284 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:34:41 T2DjYA2k 270/623


 ――翌日・休日の朝――

 ――廃墟の教会――



     コン コン……

杏子「!? 誰だ!?」

??「……突然すまん。 俺だ。 鳴上 悠」

杏子「!? どうしてここが……?」

鳴上「さやかに聞いて来た」

杏子「! さやかが……」

鳴上「ああ」

285 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:35:32 T2DjYA2k 271/623


杏子「それで? 何の用だい?」

鳴上「俺とデートしないか?」

杏子「はあっ!?」 ///

杏子「い、いきなり、何を言ってんだ!!」 ///

杏子「か、体か!? 体が目当てか!?」 ///

鳴上「……何故そうなる」

鳴上「さやかが、杏子を心配していた」

鳴上「彼女の話を聞いて、塞ぎ込んでいる様だから」

鳴上「気分転換に外にでも連れ出そうと思ったんだ」

杏子「…………」

286 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:36:34 T2DjYA2k 272/623


杏子「余計なお世話だよ」

杏子「あたしは、これまで一人でやってこれた」

杏子「だから大丈夫だ。 なりたての魔法少女に心配される様なヘマはしない」

杏子「悪いけど……帰ってくれ」

鳴上「そうか……」

鳴上「じゃあ、ここからはビジネスの話だ」

杏子「……びじねす???」

鳴上「お前には貸しがある」

杏子「何の話だよ」

鳴上「杏子は、俺に言ったな? さやかを頼むって」

杏子「ぐっ……!! け、けどあれは……!」

287 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:37:20 T2DjYA2k 273/623


鳴上「俺は『無償で』とは、言ってない」

杏子「……っ!」

鳴上「…………」

杏子「…………」

杏子「……あんたって、見かけによらず黒いね」

鳴上「多少は、人生経験積んだからな」

杏子「わかった、負けたよ。 付き合ってやろうじゃない」

鳴上「そうか」

杏子「その代わりあんたの事、悠って呼ぶからね……」

鳴上「ああ、構わない。 さやかにも そう呼ばれているしな」

杏子「……イヤミも通じねぇのかよ」

288 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:38:10 T2DjYA2k 274/623


 ――午前中――

 ――遊園地――



杏子「……遊園地か」

鳴上「定番のデート・スポットだ」

杏子「何のひねりもねーな」

鳴上「ほっとけ」

鳴上「ここまで来たら、楽しまないと損だぞ?」

杏子「……それもそうだね」

杏子「何から乗る?」

289 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:38:49 T2DjYA2k 275/623


鳴上「……いきなりジェットコースターか」

杏子「おやぁ? 悠くんは苦手なのかなぁ?」 ニヤニヤ

鳴上「杏子こそ、ちびるなよ?」

杏子「だ、誰がちびるか!!」 ///

鳴上「それだけ元気なら問題ないな」

杏子(……調子狂うなぁ)


―――――――――――


杏子「……おえっぷ」

鳴上「大丈夫か?」

杏子「だ、大丈夫だ……」

杏子(……こ、こんなハズじゃ……)

290 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:39:33 T2DjYA2k 276/623


鳴上「ほら、水を持って来た」

杏子「……ああ、もらうよ……おえっぷ……」

     ゴクッ ゴクッ…

杏子「……ふう」

     ママー! アレ二ノロー? ハイハイ

     コラッ ハシルンジャナイ! パパ…ゴメンナサイ…

杏子「…………」

鳴上「…………」

杏子(……そっか、今日は休日だったな)

杏子(通りで家族連れが多いわけだ……)

291 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:40:14 T2DjYA2k 277/623


鳴上「…………」

鳴上「次は何に乗る?」

杏子「……そーだな」

杏子「カートがいい。 カートに乗ろう!」

鳴上「わかった」


―――――――――――


鳴上(くっ……思った以上に乗りづらい) モゾモゾ…

杏子「…………」

杏子「…………プッ」

杏子「アハハハッ!」

鳴上「……何が可笑しい?」

292 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:41:11 T2DjYA2k 278/623


杏子「ワリィ ワリィ……」

杏子「だってさぁ、今の悠……」

杏子「真面目な顔して、小さいおマルに無理やり座ってるみたいで……」

杏子「プッ、アハハハハッ!」

鳴上(くっ……陽介には、絶対見られたくないな……) ///

杏子「あー……笑った笑った!」

杏子「んじゃ、乗るとするか」

杏子「せっかくだし、競争しない? アイスかけて」

鳴上「……俺、体重的にメチャクチャ不利じゃないか?」

杏子「あー聞こえなーい」 ブロロロ……

鳴上「! ま、待て!」 ブロロロ……

293 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:41:47 T2DjYA2k 279/623


杏子「あたしの勝ちィ!」 ウヒヒヒ…

鳴上「ひ、卑怯な……!」

杏子「うっせーな。 こまけーこたぁいいだろ?」

杏子「じゃあ、約束のアイスな! あたしバニラと チョコと ストロベリーのトリプルで」

鳴上「……遠慮がないな」

杏子「勝負に負けたのは、事実だろ? どうしても嫌って言うのなら……」

杏子「メリーゴーランドに単独で乗れば、勘弁してやるけど?」

鳴上「誰がやるか……バニラと チョコと ラズベリーのトリプルだったな」

杏子「ストロベリー! 間違えんな!」

294 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:42:35 T2DjYA2k 280/623


杏子「ニッシッシッ。 いいね、楽しくなってきたよ!」 ペロペロ

鳴上「それは何より」 ペロペロ

杏子「うし! これ食ったら昼飯にしようぜ!」

鳴上「どんな腹をしてるんだ……」

杏子「甘い物は、別腹なんだよ」

鳴上「普通は食った後に言うセリフだ、それは……」

杏子「魔法少女は、とにかく腹が減るものなんだっつーの!」

鳴上「わかったわかった……」

295 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:43:29 T2DjYA2k 281/623


鳴上「杏子は、お子様ランチか?」

杏子「……死にてーのか?」

鳴上「冗談だ」

杏子「おめーの冗談は、解りづれーよ」

鳴上「じゃあ、真面目な話、何にする?」

杏子「そうだね……」

杏子「ハンバーグ・サラダセットに、コンポタスープ」

杏子「フィッシュフライバーガー×2に、ポテトLサイズ」

杏子「後、チキンフライ×6に、サラダバーガーと、イチゴシェイク」

鳴上「…………」

鳴上「……冗談、だよな?」

杏子「何がさ?」

296 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:44:21 T2DjYA2k 282/623


     ☆チーン☆  アリガトウ ゴザイマシター

杏子「あー、食った食った! ご馳走さん!」 ケプッ

杏子「タダだと思うと、余計に旨く思えるわー(棒)」 ニヤニヤ

鳴上「…………」

鳴上(クマに勝るとも劣らない、食いっぷりだった……) クスン…

杏子「で? 次、何する?」

鳴上「……乗り物は、食事の後だから避けたいな」

杏子「そうだね」

鳴上「ミラーハウスは どうだ?」

杏子「ああ、いいよ」

297 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:45:06 T2DjYA2k 283/623


杏子「ほえ~、思った以上に不思議な感じがするね~」

鳴上「おい、杏子。 先に進みs」 ゴインッ☆

鳴上「……っ!!」

杏子「アハハハハッ!」

杏子「何やってんのさ! 悠!」

杏子「あたしは、先に行くよー」 スタ スタ スタ…

鳴上「ま、待て! 杏子…」 ガンッ☆

鳴上「おうっ!!」


―――――――――――

298 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:45:45 T2DjYA2k 284/623


杏子(は~あ。 何やってんだか……)

     コンッ フエ~ン!! ママー!

     アラアラ… イタイノ イタイノ… トンデケー!

杏子(…………)

     ホウラ… パパノテヲ ハナスンジャ ナイゾ?

     ハーイ! パパ!

杏子(…………)

     キャハハ… ウフフ…


―――――――――――

299 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:46:32 T2DjYA2k 285/623


鳴上「……やっと追いついた」 フウ…

鳴上「? どうした? 杏子」

杏子「…………」

杏子「……帰る」

鳴上「え? どうしたんだ? 急に?」

杏子「うるせえっ!! 帰るっつったら、帰るんだよ!!」 ダッ!!

     タッ タッ タッ…

鳴上「…………」

鳴上「……ふう」

300 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:47:46 T2DjYA2k 286/623

BGM
http://www.youtube.com/watch?v=yKBFtAJaTQ0&feature=related

301 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:48:53 T2DjYA2k 287/623


 ――数時間後の深夜――

 ――郊外の路地――



     テク テク テク…

杏子(…………)

杏子(……何で)

杏子(あたしは、あそこに向かっているんだろう……?)

杏子(あいつ……鳴上 悠が、居るかもしれないのに……)

杏子(…………)

杏子(フフ……そんなわけない)

杏子(これだけ、ほとぼりを冷ましたんだ……)

杏子(とっくに愛想を尽かして、帰っているさ……) クスッ…

302 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:49:35 T2DjYA2k 288/623


 ――廃墟の教会――



     ギィィィィッ……

??「…お帰り」

杏子「!!?!?」 ビクッ!

杏子「…………」

杏子「……悠」

 ――どうして――

鳴上「腹、減ってるだろう?」

鳴上「コンビニ弁当……冷めてしまったけど、一緒に食べないか?」

303 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:50:32 T2DjYA2k 289/623


杏子「…………っ」

 ――ここに居るの?――

鳴上「杏子?」

杏子「……聞こえてるよ」

杏子「物好きだね……あんた」

杏子「こんな時間まで あたしを待ってたなんて……」

鳴上「他に杏子が居そうな場所を知らないし」

鳴上「正直……来なかったらどうしよう、と思っていた所だ」 クスッ…

杏子「……フ」

杏子「アハハハ……!」

304 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:51:29 T2DjYA2k 290/623


※注 照明に燭台(教会にあったもの)&ローソク(コンビニで買ってきた)を使用してます。

     モグ モグ モグ…

杏子「……ごちそうさま」

鳴上「ごちそうさま」

杏子「…………」

杏子「……ねえ」

鳴上「ん?」

杏子「あんた……さやかから、話を聞いたって言ってたけど」

杏子「あたしの家族の事も聞いたのかい?」

鳴上「……ああ」

305 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:52:24 T2DjYA2k 291/623


杏子「そうかい……。 お節介だね」

鳴上「さやかは悪くない……」

鳴上「さやかの身を案じて心配していた、杏子と同じだ」

杏子「そう……だよ、な」

杏子「…………」

杏子「さやか……見違える程、元気になってたね」

鳴上「ああ……」

鳴上「?」

杏子「…………」

306 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:54:03 T2DjYA2k 292/623


鳴上「……気のせい、かもしれないが」

鳴上「さやかが元気になったのを喜んでいないのか?」

杏子「…………」

杏子「半々……ってとこかな」

鳴上「半々?」

杏子「もちろん嬉しいさ……元気になったのは」

杏子「……でも」

杏子「なんて言うか……『同じ仲間』じゃ無くなった」

杏子「立ち直った、さやかを見て……そう感じてね」

鳴上「…………」

307 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:54:50 T2DjYA2k 293/623


杏子「ほら、あたしと境遇が似てる所、あるだろ?」

杏子「誰かの為に祈った願いで、不幸になる所とかさ……」

鳴上「…………」

杏子「それだけに見ていられなかった」

杏子「あたしと同じ様にやれば……少なくとも 損はしなくなる」

杏子「あたしは……」

308 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:55:31 T2DjYA2k 294/623




杏子「さやかにも、そんな風にして欲しかった」



鳴上「…………」

杏子「…………」

杏子「……だけど」

杏子「悠と話をしたさやかは、別人か?と思うほど、明るく元気になっていた」

杏子「……認めたくなかった」

鳴上「…………」

309 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:56:10 T2DjYA2k 295/623


鳴上「何をだ?」

杏子「えっ?」

鳴上「『何』を認めたくなかったんだ?」

杏子「!!」

鳴上「…………」

杏子「……あ……そ、それは……」

杏子「…………」

鳴上「杏子」

杏子「……!」 ビクッ

鳴上「手を つながないか?」

310 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:57:01 T2DjYA2k 296/623


杏子「…………は?」

杏子「ど、どさくさにまぎれて何を……!」

鳴上「嫌ならいい。 でも……」

鳴上「今の杏子を見て、そう思った」 スッ…

杏子「…………」

     どうして……かな?

     たぶん、この手を握ったら……あたしは

     泣いてしまうって、わかってた



     でも……それに逆らう事が

     出来なかった……

311 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:58:22 T2DjYA2k 297/623


杏子「…………」

     ギュッ……!

杏子「…………」

鳴上「…………」

杏子「……大きいな、悠の手」

鳴上「…………」

杏子「それに……」

杏子「暖かくて……」

杏子「……………………っ」 グスッ…

鳴上「…………」

312 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 18:59:24 T2DjYA2k 298/623


杏子「……うっ………ぐっ………ヒック……」 ポロポロ

杏子「……ひぐっ………ううっ………ああ……」 ポロポロ

杏子「………お、父さん……のっ………手、みたい……だよっ」 ポロポロ

杏子「うあああっ……お、父さんっ……! お父さんっ……!」 ポロポロ

杏子「……あ、あだしっ……! あたしはっ………ああああっ………!」 ポロポロ

鳴上「…………」

313 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:00:53 T2DjYA2k 299/623




     ……悠は、泣きじゃくるあたしを

     そっと 抱きしめてくれた



     「今まで、よく頑張ったな」



     そんな優しい言葉と共に…




314 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:01:55 T2DjYA2k 300/623




     あたしは……悠の体温を感じながら

     泣いて、泣いて、ただ……泣いて

     いつの間にか眠っていた……



     こんなに安心して 眠りについたのは

     いつ以来だろう?

     ……ううん

     もしかしたら、生まれて初めてかもしれない……




315 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:02:47 T2DjYA2k 301/623




     あたしは、夢を見た

     今はもう、現実で見る事の出来無い

     家族の夢だった



     どれくらい前だったのか……

     お父さんと お母さんと 妹で

     近くの公園に行った時の

     思い出……




316 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:03:41 T2DjYA2k 302/623




     ……どうして、忘れていたんだろう?

     そうだよ

     あの頃、食うのにも困ってた

     あたしら家族にも

     楽しい思い出はあった



     でも……

     たった一人になってからは ずっと

     悪夢ばかり見ていた……




317 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:05:26 T2DjYA2k 303/623




     父さんは、いつもあたしを罵倒して

     時には、棒か何かで殴って

     そんなあたしを あたしが見ていた

     奇妙で……恐ろしい夢……



     でもあたしは、それが当然だって思っていた

     それが償いだ、とも思っていた



     だけど……それは違う

     そうやって罰を受ければ

     家族に対して、何かしている気になっていた……

     それだけだ




318 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:06:47 T2DjYA2k 304/623




     あたしは気がついた

     今でもこうやって、この廃墟に 時々泊まるのは

     償いとか 過去を忘れない為 とかじゃない



     あたしは……家族を探していたんだ



     もう会えないはずの

     暖かい家族のぬくもりを

     見つけようと 彷徨っていたんだ……




319 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:07:49 T2DjYA2k 305/623




     お母さん……

     お父さん……

     そして、まだ幼かった あたしの妹……



     ごめんね



     こんなに傍に居てくれたのに

     気づくのが遅くなって



     ごめんなさい……




320 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:08:38 T2DjYA2k 306/623


 ――朝――



杏子「う、うーん……」 セノビー…

杏子「ふう…………」



鳴上「…………」

鳴上「……う?」

杏子「お? ……起きたかい? 悠」

鳴上「ん? ……杏子?」

杏子「おはよう、悠!」 ニコ

鳴上「……おはよう、杏子」

杏子「なんつーかさぁ」

321 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:09:46 T2DjYA2k 307/623


杏子「今更、って感じだけど……」

杏子「礼を言っとくよ」

杏子「ありがとう、悠」 ニコ

鳴上「…………」

鳴上「どういたしまして」 クスッ


杏子「……あの言葉」

鳴上「?」

杏子「ここで、『お帰り』って言ってくれたの」

杏子「嬉しかった……」 ///

鳴上「それは何より……」

322 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:10:34 T2DjYA2k 308/623


杏子「あれのおかげで……あたしが『何』を求めていたのか」

杏子「何をしていたのか、よーく、わかったよ」

鳴上「ほう……それは何だ?」

杏子「そいつァ 言えねぇなぁ」 ハッハッハッ

鳴上「…………」

杏子「でも……」 スッ…(胸に手を当てる)



杏子「それは……ここにあったよ」 ニコ



鳴上「……そうか」 クスッ

323 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:11:33 T2DjYA2k 309/623


 ――昼――

 ――巴マミの部屋――



杏子「お邪魔しまーす」

さやか「!! 杏子!」

杏子「ニシシ…さやか、心配かけちまったな」

さやか「ううん……本当は、あたしが何かしてあげたかったんだけど……」

杏子「わかってるって……さやか」

杏子「そして、さやかの判断は、正しい」

杏子「たぶん……さやかの話だったら、あたしは聞く耳を持たなかったと思う」

さやか「……杏子」

杏子「さぁ、湿っぽい話は、これくらいにしよーぜ!」

杏子「あたしは、佐倉 杏子! みんな、よろしくな!」

324 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:12:34 T2DjYA2k 310/623


マミ「はい、佐倉さん」

まどか「うん! よろしくね! 杏子ちゃん!」

さやか「よろしく! 杏子!」

鳴上「よろしくな、杏子」

杏子「ウヒヒ…! な、なんか照れくさいね、こういうの」 ///

さやか「あ! ところで杏子」

杏子「ん?」

さやか「あんたのソウルジェム、どうなった?」

杏子「え? ソウルジェム?」

杏子「んなもん、何も変わってるわけな」 ゴソ ゴソ…

     ヒィイインッ……!

325 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:13:31 T2DjYA2k 311/623


杏子「」

さやか「やった! P状態!」

杏子「お、おいおい!? 何だよ、これ!? 解る様に説明しろ!」

―――――――――――
P状態 説明中
―――――――――――

杏子「へえ! つー事は、グリーフシードは、もう要らねえのか…」

さやか「そう! このP状態ならね!」 (自分のソウルジェムを掲げながら) ドヤッ!

杏子「…………」

まどか「? どうかしたの? 杏子ちゃん?」

326 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:14:11 T2DjYA2k 312/623


杏子「い、いや……な、何つーか……」 ///

鳴上「?」

杏子「も、もしかして、マミも さやかも」 ///



杏子「……悠と寝たのか?」 ///



鳴上「」

さやか「!?」

マミ「!?」

まどか「?」

327 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/20 19:16:03 T2DjYA2k 313/623


マミ「………………悠さん?」 ゴゴゴ……

さやか「………………悠?」 ゴゴゴ……

鳴上「ご、誤解だ!」

さやか「あんた……中学生には興味ないって言ってたよね?」

さやか「あたしと日の出を見ながら……」 ゴゴゴ……

鳴上「ひ、火に油を注ぐなっ」

マミ「あらぁ……美樹さんとは、そんなロマンチックな事を……」

マミ「私とは、ベランダでお話しただけなのに……」 ゴゴゴ……

鳴上「だ、だから」

杏子「ふうん……何だか叩けば、ホコリがたくさん出てきそうだね……」

杏子「ちょいと説明してもらおうかい?」 ニヤニヤ

鳴上「お前は、楽しんでるだろ!?」

まどか(みんな……怖い) ビクビク

331 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:05:42 tLVXQcZg 314/623


 ――翌日の放課後――

 ――ゲームセンター――



     テク テク テク…

ほむら「!?」

ほむら「……何をしているの?」

ほむら「鳴上 悠……」

鳴上「戦場のきずn」

ほむら「ゲームじゃなくて」

鳴上「冗談だ」

ほむら「…………」

332 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:06:50 tLVXQcZg 315/623


ほむら「……私は、佐倉 杏子に 会いに来たのだけれど?」

鳴上「代理だ」

鳴上「……いや、もっとはっきり言うと、みんなの代表としてここに来た」

ほむら「……!」

鳴上「みんなからの言伝(ことづて)がある」



さやか「頼りないかもしれないけど……あたしは、ほむらの味方だよ!」

マミ「暁美さん……私、あなたの信頼を得たい。 チャンスをもらえないかしら?」

杏子「何、抱えてんのか知らねーけど、あたしに話せる程度なら、心配ねーよ。 何とかなる!」

まどか「ほむらちゃん。 私、話を聞くだけなら出来るよ? だから……」

まどか「話したくなったら、いつでも来てね。 私……待ってるから」



ほむら「!!!!!!!!」

333 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:07:38 tLVXQcZg 316/623


鳴上「…………」

鳴上「……話して、くれるか?」

ほむら「……ええ」

ほむら「わかったわ」



ほむら(……どうして、なの)

ほむら(たった一人、この男 鳴上 悠が、加わっただけで)

ほむら(私が……どんなに望んでも出来なかった……)

ほむら(みんなの協力が得られるなんて……)

ほむら(…………)

334 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:08:21 tLVXQcZg 317/623


 ――夕方――

 ――暁美ほむらの部屋――



鳴上「お邪魔します」

ほむら「どうぞ」

鳴上「…………」

ほむら「? どうしたの?」

鳴上「いや……何でも無い」

鳴上(前回は、『堅苦しい挨拶』とか言われたのに……)

335 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:09:22 tLVXQcZg 318/623


ほむら「…………」

鳴上「…………」

鳴上(そうか……どう話すか、その事で頭が一杯なのか)

ほむら「…………」

ほむら「そうね……まず、最初に」

ほむら「目的を言っておくわ」

鳴上「目的?」

ほむら「ええ……私の目的。 それは……」

ほむら「鹿目まどかを魔法少女にしないで、『ワルプルギスの夜』に勝つ事」

鳴上「『ワルプルギスの夜』?」

ほむら「そう……後、約一週間後に現れる災厄」

ほむら「史上最強・最悪の魔女……」

鳴上「……!」

336 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:10:10 tLVXQcZg 319/623


鳴上「…………」

鳴上「質問しても?」

ほむら「ええ、どうぞ」

鳴上「何故、それが……『ワルプルギスの夜』の出現が、予測できる?」

ほむら「…………」

ほむら「私は……私の使う魔法は」

ほむら「『時間』よ」

鳴上「……? 未来を見てきたのか?」

ほむら「違う」

ほむら「私は……『ワルプルギスの夜』が、出現するまでの一ヶ月間を」

ほむら「数え切れないくらい繰り返してるの……」

鳴上「……!!」

337 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:10:50 tLVXQcZg 320/623


鳴上「…………」

鳴上「さっき言った、目的の為か?」

ほむら「ええ……」

鳴上「まどか一人の為に……」

ほむら「…………」

ほむら「最初の……まどかと初めて出会った頃の私は」

ほむら「病気が治ったばかりで、ふさぎ込みがちだった……」

ほむら「そんな私の手を引いて、友達になってくれたのが……まどかだった」

鳴上「…………」

338 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:11:57 tLVXQcZg 321/623




 ……それからの話は、ほむらの壮絶な戦いの日々だった。

自身も魔法少女になり、まどかを助けられると思っていたが、ワルプルギスの夜に敗北する。

そこから、終りの見えない ほむらの旅が始まった。




339 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:12:58 tLVXQcZg 322/623




 最初は、マミ達にQべえの危険性を伝えようとしたり、出来うる限り協力を得ようとした。

だが、結果は芳しくなく……魔法少女がやがて魔女になるのを知っただけで

殺し合いを始めたり、自殺したり、気が狂ったりしたりして、魔女化する者が続出した。

 ほむらは、その度にまどかに救われたり、魔法少女を倒して生きながらえて

同じ時間を繰り返していた……。

 何度も何度も……。




340 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:14:29 tLVXQcZg 323/623


鳴上「…………」

ほむら「一番……手を焼いたのは、美樹さやか」

ほむら「私は、美樹さやかが願い事をしない様に努力したわ」

ほむら「でも、どうやっても彼女は魔法少女になり」

ほむら「魔女化する確率が高かった……!」

鳴上「…………」

ほむら「私は……彼女達に頼る事を諦めた」

 ――もう誰にも頼らない――

ほむら「……ある時間軸で、魔女化する寸前のまどかを……私は、この手にかけた」

 ――たとえ、どんな犠牲を払おうとも――

ほむら「その時、私は誓った」

 ――私、ひとりで、まどかを――

ほむら「絶対に救う、こんな結末を変えてみせる……と」

341 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:15:31 tLVXQcZg 324/623


鳴上「…………」

鳴上「……俺もそうなのか?」

ほむら「え?」

鳴上「俺も、『ワルプルギスの夜』に、負けているのか?」

ほむら「いいえ」

ほむら「あなたとは、この時間軸で初めて出会った……」

鳴上「! ……そうなのか?」

ほむら「ええ」

鳴上「…………」

342 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:16:23 tLVXQcZg 325/623




???「そういう事だったのか」



ほむ・鳴上「!!?」

ほむら「……Qべえ」

ほむら「いえ……」

ほむら「インキュベーター!!」

Qべえ「……その名前で呼ばれるのも久しぶりだ」

鳴上「インキュベーター……孵卵器(ふらんき)、か」

鳴上「まさに、名は体を表す、だな」

ほむら(! そんな意味だったの!?)

Qべえ「君は博学だね、鳴上 悠」 ニコ

Qべえ「地球に最初に降り立った地域に、ピッタリの言葉があったんでね」

Qべえ「使わせてもらってるんだ」

343 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:17:13 tLVXQcZg 326/623


鳴上「ちょうどいい、Qべえ。 お前の口から聞きたい事がある」

Qべえ「何かな?」

鳴上「お前の……お前達の目的は何だ?」

Qべえ「宇宙の為だよ」

鳴上「宇宙?」

Qべえ「君は、エントロピー、という言葉を知っているかい?」

鳴上「……熱力学の不可逆性の事か?」

Qべえ「さすがだね」

Qべえ「まあ、暁美ほむらも居る事だし、簡単に説明を加えると」

Qべえ「木を燃やして得られる熱エネルギーは、木を育てるエネルギーよりも少なくて」

Qべえ「釣り合いが、取れてないという事さ」

ほむら「…………」

344 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:18:09 tLVXQcZg 327/623


Qべえ「宇宙中の生命体が、宇宙のエネルギーを使い続けて」

Qべえ「この宇宙のエネルギーは、目減りする一方だ」

Qべえ「だから僕達は、エントロピーを凌駕するエネルギーを探し求めた」

Qべえ「それが……僕達には無くて」

Qべえ「君達の持つ、『感情エネルギー』だ」

鳴上「…………」

Qべえ「特に、第二次成長期に当たる、暁美ほむらの様な」

Qべえ「『少女』の『感情エネルギー』は」

Qべえ「量・質、共に、魔女化する瞬間、最高・最大に高められる」

鳴上・ほむ「……!」

Qべえ「そして、そのエネルギーを回収するのが、ボク達」

Qべえ「インキュベーターの役目なのさ」

345 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:19:01 tLVXQcZg 328/623


ほむら「……この!」 ジャキン!(拳銃を取り出す)

鳴上「止めろ、ほむら」

Qべえ「やれやれ……助かるよ、鳴上 悠」

鳴上「殺すなら、質問が終わってからにしてくれ」

ほむら「…………」

Qべえ「前言撤回だね」

鳴上「何の為にそんな事をする?」

Qべえ「やがては、君達人類も文明が発達し、進化して僕達の仲間入りを果たす」

Qべえ「その時になって、空っぽの宇宙を手渡されても困るだろう?」

Qべえ「だから、これは君達にとっても有意義な事なんだ」

鳴上「…………」

346 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:19:48 tLVXQcZg 329/623


ほむら「……もう、殺ってもいいかしら?」

鳴上「最後の質問だ」

Qべえ「何だい?」

鳴上「お前が、まどかに固執する理由は、何だ?」

ほむら「……!!」

Qべえ「それはね、まどかが、ものすごい資質を持っているからだよ」

Qべえ「通常では、有り得ない程巨大で、最初は僕も信じられなかった」

Qべえ「けど……」 (ほむらを) チラッ

ほむら「…………」

Qべえ「その謎は、ついさっき解けた」 ニコ

鳴上「どういう事だ?」

347 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:20:48 tLVXQcZg 330/623


Qべえ「暁美ほむらは、何度も何度も時間を逆行する事で」

Qべえ「知らない内に、まどか自身へ因果を集めてしまったんだ」

鳴上「……!!」

鳴上(因果……だと!?)

ほむら「…………っ」

Qべえ「感謝するよ、暁美ほむら」

Qべえ「まどかは、歴代最強の魔法少女となるだろう」

Qべえ「そして、それは同時に」

Qべえ「『ワルプルギスの夜』をも遥かに凌駕する」

Qべえ「史上最悪の魔女の誕生も意味する」

鳴上「…………」

ほむら「…………」

348 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:21:24 tLVXQcZg 331/623


Qべえ「僕達は、まどかが魔女化したら かつて、経験した事のない」

Qべえ「とてつもない量と質の『感情エネルギー』を得る事ができる」

Qべえ「でも、まどかや、この星の犠牲は無駄にはならない」

Qべえ「何故なら――」

     ドオゥウン! ドオゥウン! ドオゥウン!

ほむら「はあっはあっはあっ……」

Qべえ「」

鳴上「…………」

     トトン…

???「……やれやれ」

鳴上「!?」

349 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:22:15 tLVXQcZg 332/623


ほむら「…………」

Qべえ「無駄な事は、止めてくれないかな? 暁美ほむら」

     ムシャ ムシャ ムシャ…

Qべえ「キュップイ……スペアは、たくさんあるけど」

Qべえ「面倒くさいんだ」

鳴上「…………」

ほむら「…………」

Qべえ「さて、鳴上 悠。 まだ聞きたい事は、あるかい?」

鳴上「…………」

鳴上「……今は、無いな」

Qべえ「そうかい? じゃあ僕は、これでおいとまさせてもらうよ?」 トトッ…

350 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:22:53 tLVXQcZg 333/623


鳴上「…………」

鳴上「ほむら」

ほむら「…………」

鳴上「今、Qべえの言った事は、本当か?」

ほむら「……ええ」

ほむら「ひとつ前の時間軸でも同じ事を言っていたわ」

鳴上「そうか……」

351 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:23:36 tLVXQcZg 334/623


鳴上(…………)

鳴上(もし、俺の推測が正しければ……)

鳴上(だが、これを今、ほむらに伝えるのはマズイ……)

鳴上(…………何でもいい)

鳴上(彼女に、希望となる『何か』を示してからでないと)

鳴上(…………)

352 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:24:54 tLVXQcZg 335/623


 ――????――



????「ふふふ……ようこそ、ベルベット・ルームへ」

イゴール「はい……例によって、現実のお客様は 眠っておられます」

イゴール「本日、わざわざお呼び立てしたのは……」

イゴール「お客様に、お礼を言う為でございます」

イゴール「…………」

イゴール「ふふふ……左様でございますな」

イゴール「確かに、わたくしめもあなた様を利用している、と言えるでしょう……」

イゴール「しかし……」

イゴール「この予測を遥かに超えた事象に対処なさっているお客様を」

イゴール「利用している『だけ』ではない事も、また事実でございます……」

イゴール「…………」

イゴール「ふふふ……結構」

353 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:25:35 tLVXQcZg 336/623


イゴール「さて、お客様の傍に存在する『因果の渦』……」

イゴール「その所在と、理由が判明いたしましたな」

イゴール「おかげ様で……」

イゴール「わたくし共にもやるべき事と、方向性が見えてまいりました……」

イゴール「本日は、そのお礼を言いたかったのでございます」

イゴール「…………」

イゴール「ふふふ……そうでございますな」

イゴール「わたくし共は……『あるべきものの道』を『見て』いるのでございます」

イゴール「おっと……これ以上は、どうかご容赦を……」

354 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:26:10 tLVXQcZg 337/623


イゴール「ふふふ……それにしても、素晴らしい」

イゴール「お客様の類まれなる、その”ワイルド”の力……」

イゴール「もしかしたら……」

イゴール「引き寄せたのは、『因果』の方では無く」

イゴール「あなた様が、『因果』を引きつけたのやもしれませぬな……」

イゴール「…………」

イゴール「ふふふ……これは失礼」

イゴール「……おや? そろそろ、お目覚めの時刻でございますかな?」

355 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/21 22:27:03 tLVXQcZg 338/623


イゴール「最後にひとつ、お客様に ご忠告を申し上げましょう……」

イゴール「お客様は……」

イゴール「何かをお忘れでは、ございませぬかな?」

イゴール「…………」

イゴール「ふふふ……」

イゴール「それはもう、教えておりましょう?」

イゴール「そう……」

イゴール「八十稲羽でおやりになられた事を、ここでも行えばよろしいのです」

イゴール「ふふふ……それでは、いずれまた……」

359 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:09:34 459RZ5bE 339/623


 ――翌日の放課後――

 ――巴マミの部屋――



鳴上「――というわけだ」

マミ「…………」

さやか「…………」

杏子「…………」

まどか「…………」

360 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:10:31 459RZ5bE 340/623


さやか「……はあ。 なんて言うか、もう大抵の事では驚かないって思ってたのに……」

杏子「魔法少女は、いずれ魔女に……か」

マミ「…………」

まどか「マミさん……。 大丈夫?」

マミ「大丈夫なんかじゃないわ」

鳴上「……!」

マミ「恐ろしくて怖くて……心の底から震えてる」

さやか「マミさん……」

マミ「みんなは、平気なの? 怖くないのかしら?」

361 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:11:36 459RZ5bE 341/623


さやか「……あたしは、もう、この体自体がって思ってるし……それに」

さやか「なんとなく……薄々、そうかな? とは思ってた」

さやか「でも、そうだとしても、あたしはあたしだよって言える」

杏子「あたしも そんな感じかな」

杏子「悠がいつだったか、言ってただろ? 魔女は『シャドウ』に似ているって」

杏子「つまりは、魔法少女の誰もが持ってる暗い部分が、暴走しちまうって事だ」

杏子「それを抑えるのに、今までは、グリーフシードが必要だった」

杏子「でも、今は」

マミ「P状態……ね?」

さやか「そう! つまり、他の魔法少女達も、P状態になれば」

杏子「魔女には、ならなくなる!」

マミ「ふふ……そうよね。 きっとそうだわ」 クスッ

     ハハハ…

362 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:12:17 459RZ5bE 342/623


まどか「…………」

鳴上「まどか」

まどか「!? は、はい!?」

鳴上「さっきから静かだけど……どうした?」

まどか「…………」

まどか「鳴上さんは、時々……意地悪ですね」

鳴上「……それなりに自覚はしている」

まどか「…………」

まどか「……じゃあ、付き添ってもらえませんか?」

まどか「私一人で……会わないといけないのは、分かってます」

まどか「けど…………ダメ……上手く言葉に出来無い」

鳴上・マミ・さや・杏子「…………」

363 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:13:23 459RZ5bE 343/623


さやか「……根拠も何も無いけどさ」

さやか「きっと上手くいくよ、まどか」

杏子「ああ……何でかな? あたしもそう思ってんだ」

杏子「理屈じゃない。 上手くいくって、確信に近いほどそう感じるんだ」

マミ「私達にとって、P状態のキッカケが悠さんだった様に……」

マミ「きっと暁美さんは、あなたが鍵になると思うわ」

鳴上「まどかは以前、自分には、何の力も、価値もないと言っていたな?」

鳴上「今でも、そう思うか?」

まどか「…………」

まどか「……やっぱり、鳴上さんは、意地悪ですね」 クスッ

364 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:14:35 459RZ5bE 344/623


 ――夜――

 ――暁美ほむらの部屋――



ほむら「…………」

まどか「…………」

鳴上「というわけで、包み隠さず全員に話した」

ほむら「…………」

鳴上「みんな……それぞれで受け止めてくれた」

鳴上「ほむらの……長く、辛い戦いと葛藤も……」

ほむら「…………」

まどか「…………」

365 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:15:46 459RZ5bE 345/623

BGM
http://www.youtube.com/watch?v=whlSPtRw_-E&feature=related

366 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:17:20 459RZ5bE 346/623


鳴上「……じゃ、俺は席を外す」

鳴上「終わったら、携帯で連絡してくれ」

     パタン…

ほむら「…………」

まどか「…………」

ほむら「…………きっと」

まどか「……!」

ほむら「混乱、してるでしょうね……」

まどか「…………」

ほむら「今のあなたにとって……私は」

ほむら「少し前に転校してきた、クラスメイトに過ぎない」

まどか「…………」

367 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:18:54 459RZ5bE 347/623


まどか「……うん。 確かに、そうだね」

ほむら「…………」

まどか「今の私は、ほむらちゃんの事を何にも知らない」

ほむら「…………」

まどか「……でも」

まどか「鳴上さんに話を聞いて、真っ先に思ったのは……」

まどか「ありがとう と ごめんなさい を ほむらちゃんに言いたいって事……」

ほむら「! いいえ! まどかは、何も悪くない!」

ほむら「私が……私が、それを望んだから――」

     ギュッ…

ほむら「!!!!!」

368 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:19:44 459RZ5bE 348/623


まどか「ごめんね、ほむらちゃん。 ありがとうね、ほむらちゃん」

まどか「私のわがままな、お願いを聞いてくれて」

まどか「ずっと、ずっと、私を救おうと頑張ってくれて……」

ほむら「まどか……」

まどか「ほむらちゃんは、私の大切なお友達、だよ?」

まどか「だから……」

まどか「全部、言って」

まどか「ほむらちゃんが、私にしてくれた事、言いたかった事」

まどか「抱えてた事、出来なかった事……」

まどか「そして……ほむらちゃんの事、聞きたい」

ほむら「……!」

369 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:20:30 459RZ5bE 349/623


まどか「話して……くれるかな? ほむらちゃん」 ニコ

ほむら「…………」 ジワッ…

ほむら「まど…かぁ……」

ほむら「……ひぐっ………くっ……………」 ポロッ…

ほむら「まどかぁ……! まどかぁあああああっ……!!」 ポロポロ

まどか「…………うん」 ギュッ…

ほむら「私は……自分の意、志で……ぐっ……今まで……」 ポロポロ

ほむら「でも……時間を逆上る度に……ヒック……まどかと私の時間は……ズレていって……」

ほむら「私っ……私っ! ……寂しかった……!」 ポロポロ

ほむら「まどかは……ぐっ…………こんなに近くに居るのにっ…………!」 ポロポロ

ほむら「こんなに……優しいのに……! あああああああっ……」 ポロポロ

まどか「……うん……うん」 ポロポロ

370 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:21:31 459RZ5bE 350/623




     ……それから、ほむらちゃんは、いろんな話をしてくれた

     初めて私に出会った時の事……

     魔法少女の私の事……

     ほむらちゃんが、魔法少女になった時の事……



     ほむらちゃんが見て来た、いろんな私の事……

     その度に、言いたくても言えなかった事……

     その度に、何をして来たのかも……




371 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:23:31 459RZ5bE 351/623




     そして、ほむらちゃん自身の事……



     後は……『今の』私の事を

     ほむらちゃんに話した

     たぶん……ほむらちゃんにとって、知ってる事ばかりだと思うけど

     『今の』私の気持ちや、想いを知って欲しかった




372 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:24:27 459RZ5bE 352/623




     ほむらちゃんは、黙って私の話を聞いてくれた

     とっても優しい笑顔で……




     ありがとう、ほむらちゃん

     


373 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:25:17 459RZ5bE 353/623


 ――暁美ほむらの家近くの公園のベンチ――



鳴上(…………)

鳴上(そろそろ、2時間、か……)

鳴上(…………)

鳴上(忘れられたかな?) クスッ

鳴上(…………)

鳴上(…………)

鳴上(そうだ……) カチャ…(携帯オープン)

     ピッピッピッ……トゥルルルルル……トゥルルルルル……

     ガチャ

374 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:26:05 459RZ5bE 354/623


鳴上「もしもし?」

??『おっ? 悠? 悠か?』

鳴上「久しぶり、陽介」

花村『おうっ! 本当に久しぶりだな、悠!』

鳴上「今、いいか?」

花村『ああ、いいぜ。 どうしたんだ? 突然?』

鳴上「ハハ……特に用ってワケじゃないんだ」

鳴上「どうしているかな……と、思って」

花村『嬉しいコト、言ってくれるじゃねーか! 相棒!』

鳴上「みんな変わりないか?」

花村『そうだな、俺と里中が赤点取りすぎて』

花村『卒業がやべぇって事以外は、変わってないぜ!』

鳴上「ハハハ……」

375 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:26:53 459RZ5bE 355/623


花村『そういやよ、最近、妙な事があってな』

鳴上「妙な事?」

花村『クマが、テレビの中で、お前の気配を一瞬感じたって言ってたんだ』

花村『もしかしたら悠、テレビの中へ入ったのか?』

鳴上「!!……あ、ああ、その……」

鳴上「ついうっかり、転んだ拍子にテレビ画面に触ってしまってな……」

鳴上「幸い、画面が小さくて落ちる事は無かったんだが」

花村『おいおい、あぶねーな! ジュネスのあの場所以外は、洒落にならねーんだぞ?』

鳴上「以後、気を付ける様にしている」

花村『だな。 つーか、俺達も気をつけねーとな!』

鳴上「ハハハ……」

376 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:27:32 459RZ5bE 356/623


花村『……で? どうしたんだよ? 相棒?』

鳴上「えっ?」

花村『何かあったんだろ?』

鳴上「……!」

花村『言ってくれよ、悠。 俺は……いや、俺達は』

花村『いつだって、お前の力になるぜ?』

鳴上「陽介……」

鳴上「…………」

377 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:28:19 459RZ5bE 357/623


鳴上(……どうする?)

鳴上(きっと、みんな……力になってくれるだろう)

鳴上(…………)



鳴上「……いや、本当に何でも無いんだ」

鳴上「なんとなく、声が聞きたくなってな」

鳴上「それだけなんだ……」

花村『……そうか』

花村『まあ、それならそれでいいんだけど、な』

鳴上「心配してくれて ありがとう」

花村『よせよ……そんなの当たり前の事だろ?』

鳴上「フフッ……そうだな」

378 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:29:08 459RZ5bE 358/623


鳴上「じゃ、また連絡する」

花村『ああ……いつでもいいぜ!』

花村『今度は、俺からもかける。 またな、悠』

鳴上「ああ、またな、陽介」

     プッ…… ツー…… ツー……

鳴上「…………」

鳴上「…………陽介」

鳴上「悪いけど、お前達には次の時間軸での希望になってもらう」

鳴上「だから……今回は許してくれ……陽介」

379 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:30:19 459RZ5bE 359/623


 ――数時間後の深夜――

 ――暁美ほむらの部屋――



鳴上「すまないな……疲れているだろうに」

ほむら「ううん……そんな事はない」

ほむら「あなたには、返しきれない大きな恩が出来た……」

ほむら「いつでも歓迎する」 ニコ

鳴上「……まだ、根本的な事は、終わってない」

鳴上「それに……これから話す事は、ほむらにとって」

鳴上「少々、辛い事でもある……」

ほむら「……わかったわ」

380 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:31:15 459RZ5bE 360/623


鳴上「まず、確認するが……俺が出てきたのは、今回が初めてなんだな?」

ほむら「ええ……」

鳴上「そして……時間を逆上る度に、因果がまどかに集まっていく」

鳴上「間違いないな?」

ほむら「その通りよ」

鳴上「ここからは、俺の想像なんだが……大きくなった因果の渦は」

鳴上「俺の様な特異能力者を……引き寄せる特性が、あるのかもしれない」

ほむら「……!!」

ほむら「ま、まさか……」

鳴上「まだある。 もし、仮に、この時間軸でも決着がつかず」

鳴上「時間の逆行を繰り返していけば、また新しい人物が加わるかもしれない」

ほむら「!!!」

381 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:32:14 459RZ5bE 361/623


鳴上「単なる想像だけどな……」

ほむら「……いえ、前の時間軸でQべえが言っていた」

ほむら「まどかの素質は、その気になれば神にも等しい願いを叶えられるって……」

ほむら「際限なく大きくなるのであれば……有り得ない話じゃ無いかもしれない」

鳴上「…………」

鳴上「……で、だ」

鳴上「今の内に、時間の逆行を前提にした話をしておこうと思う」

ほむら「え?」

鳴上「これを……」 スッ…

鳴上「俺の自宅の住所と、キーワードを書いておいた」

ほむら「!? キーワード?」

382 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:33:16 459RZ5bE 362/623


鳴上「住所が解りにくいのなら、俺が案内しよう」

鳴上「キーワードは、ほむらに会う以前の俺にも信じてもらう為のモノだ」

鳴上「俺にしか……俺だけが知っている言葉だ」

鳴上「これを言えば、次の時間軸でスムーズに俺の協力を得られるだろう」 ニコ

ほむら「!!!!」

ほむら「……ああ、そうだわ、その手があった……!」

ほむら「どうして、それに気がつかなかったんだろう……!?」

鳴上「そして、言わなくても わかっていると思うが」

鳴上「みんなにもキーワードを聞くといい」

鳴上「きっと、みんなも次の時間軸でスムーズに仲間になってくれる」

ほむら「ええ! もちろん!」

383 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:34:12 459RZ5bE 363/623


ほむら「……所で、この『スカアハが至高』って、どういう意味?」

鳴上「き、気にするな。 俺にだけ、わかればいい」

ほむら「……?」

鳴上「それから、もちろんの事だが、この時間軸でも全力を尽くす」

鳴上「ほむらは、明日にでもみんなを集めて」

鳴上「『ワルプルギスの夜』と繰り広げてきた、これまでの戦いを教えてくれ」

鳴上「出来る限りの対策を考えよう」

ほむら「わかったわ」

384 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:35:02 459RZ5bE 364/623


 ――翌日の放課後――

 ――巴マミの部屋――



ほむら「……えと、よ、よろしく」 ///

マミ「はい、よろしくね、暁美さん」 ニコ

さやか「へへっ、よろしく、ほむら!」 ニコ!

鳴上「よろしく、ほむら」 ニコ

杏子「おう、よろしくな、ほむら」 ニコ!

まどか「ほむらちゃん、よろしくね」 ニコ

ほむら「~~~~~~っ」 ///

385 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:35:56 459RZ5bE 365/623


さやか「あっ、そうだ。 忘れない内に これ、渡しとくね」 スッ…

ほむら「えっ?」

さやか「例のキーワード」

ほむら「ああ……」

杏子「そうだな、あたしも渡しとく」 スッ…

マミ「私も」 スッ…

まどか「私も渡しておくね、ほむらちゃん」 スッ…

ほむら「うん、まどか」

386 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:37:05 459RZ5bE 366/623


さやか「所で、ほむら。 ソウルジェムは、どうなった?」

ほむら「? ソウルジェム? 変わりないけど……」 ゴソゴソ…

     コト……

マミ「あら……」

まどか「ホントだ……」

杏子「そっか……」

さやか「残念……」

ほむら「ちょ、ちょっと、残念ってどういう意味よ?」

     三人 スッ…

     ヒィイインッ……!

ほむら「」

ほむら「な、何? これ!? 説明して!?」

387 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:38:08 459RZ5bE 367/623


ほむら「P状態……」

さやか「うん。 悠は、いい事かどうか、わからないって言ってるけどね」

まどか「でも、グリーフシードは必要無くなったし」

マミ「P状態以降、体の調子はとても良いのよね」

杏子「それにしてもP状態のキッカケって何なのかな?」 チラ

鳴上「……どうして俺を見る?」

杏子「いやぁ……やっぱり、悠と寝ないとダメなのかなぁ、と思って」 ニヤニヤ

ほむら「」

鳴上「は、話を蒸し返すな!」

ほむら「……ケダモノ」

鳴上「断じて違う!」

388 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:39:22 459RZ5bE 368/623


鳴上「ほ、本題に入るぞ」

鳴上「ほむら、『ワルプルギスの夜』との、これまでの戦いを教えてくれ」

ほむら「……わかったわ」

ほむら「結論から言うと……私が出来うる、最大の攻撃でも奴には歯が立たなかったわ」

さやか「具体的には?」

ほむら「そうね……」

ほむら「ひとつ前の時間軸での話だけど」

ほむら「スティンガーや、ガソリン満載のタンクローリー、果てはSM-3を使って」

ほむら「ある地点まで奴を誘導……」

ほむら「そこで、TNT爆弾1000トンを食らわせたんだけど、ほとんど効果がなかった……」

鳴上「……マジか?」

389 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:40:25 459RZ5bE 369/623


まどか「鳴上さん、今の話、わかるの?」

マミ「専門用語が多すぎて、全然意味が……」

鳴上「誘導に使ったモノは、省く」

鳴上「最後のTNT爆弾の破壊力は……単純計算だが」

鳴上「広島型原爆に匹敵する破壊力のハズだ」

杏子「げっ!?」

さやか「ひ、広島型原爆って……!」

マミ「核兵器並の破壊力でも倒せない魔女、と、いう事!?」

まどか「そ、そんな……!」

390 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:41:21 459RZ5bE 370/623


鳴上「……よく絶望しなかったな」

ほむら「……しかけたわ」

ほむら「でも、その時……まどかが」



ほむら(……!!) ビクンッ

ほむら(…………そうだ、私は)

ほむら(私は……!)



まどか「……? ほむらちゃん?」

ほむら「!? ……ううん、何でも無い、まどか」

まどか「そう?」

鳴上「…………」

391 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:42:00 459RZ5bE 371/623


ほむら「……ごめんなさい、話を続けるわ」

ほむら「もうダメかも、って思った時」

ほむら「まどかは、魔法少女に……」

まどか「…………」

杏子「…………」

マミ「…………」

さやか「…………」

ほむら「それを見た私は……時間を巻き戻した」

鳴上「…………」

鳴上「強敵、だな……」

392 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:43:16 459RZ5bE 372/623


ほむら「それから、もう一つ、言っておかないといけない事がある」

ほむら「あなたに……鳴上 悠にとって、とても不利な事が……」

鳴上「……! 何だ?」

ほむら「『ワルプルギスの夜』は、『結界』を使わずに現実に具現化する……!」

鳴上「……!!」

さやか「え? という事は、つまり?」

杏子「悠は……」

マミ「ペルソナ能力を……」

まどか「使う事が、出来ないって事?」

鳴上「…………」

393 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:44:03 459RZ5bE 373/623


鳴上「……そうか」

鳴上「だが、絶望するのはまだ早い」

鳴上「少なくとも、事前に情報がある事は、いい事だ」

さやか「で、でも、どうすんのさ!? 悠!」

鳴上「考えろ」

鳴上「今の自分の能力と向き合い、何が出来るのか?」

鳴上「何をすべきなのか? を……」

さやか・杏子・ほむら・マミ・まどか「…………」

鳴上「そうだな……」

鳴上「例えば、俺の考えだが」

394 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:45:06 459RZ5bE 374/623


鳴上「少し過大評価だが、俺は並の人間よりは強い」

鳴上「武器にもよるが、何とか魔女とも渡り合える」

鳴上「対『ワルプルギスの夜』戦では、主戦力に成りえないが……」

鳴上「サポートなら、あるいは……」

さやか・杏子・ほむら・マミ・まどか「…………」

鳴上「それから、ほむら」

ほむら「ええ、何?」

鳴上「さっきのTNT爆弾だが……もっと集める事は、可能か?」

鳴上「いや、それよりも『ワルプルギスの夜』の弱点は、どこなのか調べたのか?」

ほむら「……!」

鳴上「どうやって集めたのかわからないが、俺に手伝えるのなら手伝うし」

鳴上「ほむらの気づけなかった、『何か』に気づく可能性だってある」

395 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:46:21 459RZ5bE 375/623


鳴上「俺が言いたいのは、そういう事だ」

さやか「……うん、そうだね」

さやか「それに、ほむらの話だと」

さやか「その戦いにあたし達、魔法少女全員参加するのは、今回が初めて……!」

杏子「いい事言うじゃねーか、さやか」

杏子「てぃーえぬ……なんたらよりも、よっぽど強力だと証明してみせるぜ、ほむら!」

マミ「そうよね……。 一人一人の力は、頼りなくとも」

マミ「束ねれば、きっと……!」

ほむら「…………」

ほむら「ええ、きっと変えられる」

ほむら「私達全員で戦えば、必ず……!」

まどか「ほむらちゃん……」

396 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:47:12 459RZ5bE 376/623


 ――次の日・休日の午前中――

 ――鳴上の部屋――



     ピンポーン

鳴上「!……宅配か?」

鳴上「は~い」 テク テク

     覗き穴 覗き

鳴上「……!」

     ガチャ…

鳴上「ほむら……」

ほむら「こんにちは……」

397 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:48:03 459RZ5bE 377/623


鳴上「何かあったのか?」

ほむら「いいえ」

ほむら「住所の確認をしたかったの」

鳴上「ああ……」

ほむら「それじゃ……」 クルッ

鳴上「待て。 せっかくだ、一緒に散歩でもしないか?」

ほむら「……あなたと?」

鳴上「嫌ならいい」

ほむら「…………」

ほむら「何もしないでしょうね?」

鳴上「頼むからそれ、引っ張らないでくれ……」

398 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:48:45 459RZ5bE 378/623


 ――河川敷付近――



ほむら「…………」

鳴上「今日は、いい天気だな」

ほむら「そうね」

鳴上「…………」

鳴上「俺は、知らなかったな」

ほむら「……? 何の事?」

鳴上「この川の向こう側が、見滝原、という名前の町だった事」

ほむら「そう……」

鳴上「今回の事件が無ければ、一生知らずに過ごしたかもしれないな……」

ほむら「…………」

399 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:49:25 459RZ5bE 379/623


鳴上「ほむらは、そういう事って無いのか?」

ほむら「…………」

ほむら「鳴上 悠」

鳴上「うん?」

ほむら「あなたの……その奥歯にモノが引っ掛かった様な言い方」

ほむら「好きじゃないわ」

鳴上「…………そうか」

ほむら「だから、はっきり言って」

鳴上「…………」

鳴上「わかった」

400 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:50:00 459RZ5bE 380/623




鳴上「ほむらは、まどかを憎んだ事は、あるか?」



ほむら「……っ!!」

鳴上「…………」

鳴上「……図星、か」

ほむら「…………」

ほむら「……どうして」

ほむら「どうして、そう思ったの?」

鳴上「何となく、としか言えないな……」

ほむら「……そう」

鳴上「だけど、ほむら」

ほむら「…………」

401 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:50:47 459RZ5bE 381/623


鳴上「日本語には『二律背反』という言葉がある」

鳴上「別段、恥ずかしい事でも何でも無い」

鳴上「誰でも持っているし……抱えている葛藤だ」

ほむら「…………」

ほむら「あなたも……?」

鳴上「もちろんだ」

鳴上「例えば……美樹さやか」

鳴上「……正直言うと、いきなり呼び捨てにされた時は、カチンと来た」

ほむら「…………」

402 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:51:37 459RZ5bE 382/623


鳴上「だけど同時に、彼女らしい、とも思った」

鳴上「誰に対しても明け透けで、裏表が無く、常に対等で居ようとする」

鳴上「それが、彼女なのだと……いや」

鳴上「美樹さやかを形作る、一部なのだと思ってる」

ほむら「……!!」

ほむら「一部……」

鳴上「…………」

鳴上「ほむらは賢い」

鳴上「もう……俺の言いたい事は、わかっただろう?」

ほむら「…………」

ほむら「……ええ」

403 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:52:38 459RZ5bE 383/623

BGM
http://www.youtube.com/watch?v=KD3XEqN6bL4&feature=relmfu

404 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:53:29 459RZ5bE 384/623


 ――午後――

 ――見滝原・河川敷――



     タッ タッ タッ タッ

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「まどか……」

まどか「どうしたの? 急に会いたいって……」

ほむら「うん……」

ほむら「…………」

ほむら「まどか、私、ね……」

まどか「うん」

ほむら「……まだ……言ってない気持ちがあった」

まどか「そうなの?」

405 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:54:06 459RZ5bE 385/623


ほむら「まどか、私は……」

ほむら「私は……!」

まどか「…………」



ほむら「心のどこかで、あなたを……恨んでいる……」



まどか「……!」

ほむら「……あの時、まどかを救うって誓ったのに」

ほむら「どんなに同じ時間を繰り返しても構わないって決めたのに……」

406 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:55:04 459RZ5bE 386/623


ほむら「私は……いつもいつも思い通りにならない苛立ちを」

ほむら「まどかに……ぶつけていた……」

まどか「…………」

ほむら「魔法少女にならないで、という私の頼みを聞いてくれないまどかに」

ほむら「私は……憤りと憎しみを抱く様になっていたの……」

まどか「…………」

ほむら「ひとつ前の時間軸で、あなたは私を含めた魔法少女すべてを救おうと」

ほむら「途方もない願い事をした」

まどか「…………」

ほむら「でもそれは……私の望む結果にならない」

ほむら「とんでもない願い事だった……」

まどか「…………」

407 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:55:38 459RZ5bE 387/623


ほむら「…………」

まどか「…………」

まどか「……ほむらちゃん」

ほむら「……うん」

まどか「それでいいんだよ」 ニコ

ほむら「!?」

まどか「鳴上さんがね……こんな事言ってた」

まどか「私は、自分には 何の力も、価値もないって言ってたけど」

まどか「今もそうなのか?って……」

ほむら「…………」

408 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:56:22 459RZ5bE 388/623


まどか「私は……そんな立場になって初めて」

まどか「力や価値を持つのって、楽でも、いい事でも何でもないって」

まどか「やっとわかった……」

ほむら「…………」

まどか「だから……ほむらちゃんの話を聞いて、大変なんだろうって」

まどか「わかったつもりになって……でも、実は全然わかってなくて……」

ほむら「…………」

まどか「それは……私の想像を超えた物凄い事だったんだって……」

まどか「今、感じる事が出来た」

ほむら「まどか……」

409 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:57:00 459RZ5bE 389/623


まどか「もちろん、それがほむらちゃんの意見じゃ……」

まどか「ううん」

まどか「ほむらちゃん全部が、そう言ってるわけじゃ無い事も」

まどか「わかってるから」 ニコ

ほむら「まどかぁ……」 ウルッ…

まどか「……私もね、あるんだ。 そういう気持ち」

ほむら「! ……まどかも?」

まどか「うん……」

ほむら「……言ってくれる?」

まどか「わかってる……でも」

まどか「とっても…………怖いね」

ほむら「…………」

410 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:58:09 459RZ5bE 390/623


まどか「じゃあ……言うね?」

ほむら「うん」

まどか「私は……何もかもを抱え込んで、一人で何とかしようとしてる」

まどか「ほむらちゃんが嫌いだった……」

ほむら「……!!」

まどか「私を第一に考えてくれているけど……他の人達を……」

まどか「さやかちゃん達を、ないがしろにしていたのも嫌だった」

ほむら「…………」

まどか「もちろん、その理由も理解してる」

まどか「でも……私は、そんなほむらちゃんが、嫌いだった……」

ほむら「…………」

411 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:58:51 459RZ5bE 391/623


ほむら「まどか」

まどか「うん……」

ほむら「ありがとう、本当の気持ちを教えてくれて」

ほむら「……でも、やっぱり……ちょっとショックかな」

まどか「私も、だよ……」



まどか・ほむら「…………」



ほむら「けどね」

まどか「うん」

ほむら「何だか、嬉しい」 ニコ

まどか「私も」 ニコ

     アハハハ……

412 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 16:59:38 459RZ5bE 392/623


ほむら「…………」

ほむら「みんなも こんな風に色々隠しているのかな……」

まどか「うん、きっとそうだね」

まどか「自分の暗い所をさらけ出すなんて……普通しないと思う」

ほむら「それを見せる事の出来る人を 見つけ出す事も……」

まどか「ふふ……それは、どうかな?」

ほむら「えっ?」

まどか「きっかけさえあれば……みんなもきっと」

ほむら「…………」

ほむら「うん。 きっと、そうね……!」

413 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 17:04:07 459RZ5bE 393/623


 ――翌日の朝――

 ――巴マミの部屋――



さやか「おめでとう、ほむら!」

ほむら「あ、ありがとう」 ///

マミ「これで全員、めでたくP状態ね」

杏子「幸先いいじゃねーか!」

鳴上「……前にも言ったが」

杏子「せっかくのいい雰囲気に、水を差すなよ、悠」

414 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 17:04:46 459RZ5bE 394/623


まどか「……でも」

まどか「やっぱり、私だけ何もしないのは、気が引けちゃうな……」

ほむら「まどか……」

マミ「鹿目さん、その気持ちだけ もらっておくわ」

さやか「そーだよ、Qべえの誘惑に負けない」

さやか「それが、まどかのやるべき事なんだから!」

杏子「そーそー。 しっかりしてくれよ?」

まどか「うん……わかってるよ、杏子ちゃん」 ニコ

鳴上「…………」

415 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 17:05:26 459RZ5bE 395/623


鳴上「まどか」

まどか「はい?」

鳴上「一つ、頼まれてくれないか?」

まどか「え!? わ、私に!?」

鳴上「ああ……」

まどか「どんな事、ですか?」

鳴上「ご飯を作って欲しい」

まどか「……え?」

マミ・さや・ほむ・杏子「…………」

416 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 17:06:21 459RZ5bE 396/623


鳴上「……きっと決戦の後」

鳴上「みんな、ヘトヘトになると思うんだ」

鳴上「だから、メニューは任せるけど、軽くつまめる物が欲しい」

鳴上「頼めるだろうか?」 ニコ

まどか「…………」

杏子「あたしは甘い物がいいなー」

さやか「あたしは、悠と同じ物がいい!」

マミ「そうですね、確かにお腹は空くでしょうね」 クス

ほむら「わ、私は、まどかの作る物なら何でもいい」 ///

まどか「みんな……」

まどか「…………」

429 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/23 15:23:24 Yhe5MYGo 397/623


まどか「責任、重大ですね」 クスッ

鳴上「必ず、まどかのご飯を食べる」

鳴上「全員の分を用意して、待っていてくれ」

さやか「楽しみにしてるね! まどか!」

まどか「うん!」

杏子「作れないなら、ミ○ドのドーナツ10個でもいいぜ?」 ニシシ

マミ「もう……佐倉さん、鹿目さんに失礼よ?」 クスッ

ほむら(まどかの手料理、まどかの手料理……) ///

     アハハハ……

まどか(……とは言うものの)

まどか(お料理なんてパパに任せっきりだよう……)

まどか(どうしよう……) アセ アセ

418 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 17:09:52 459RZ5bE 398/623


 ――見滝原市・某所――



??「…………」

Qべえ「彼女かい?」

Qべえ2「そうだよ」

Qべえ「わざわざ済まないね。 これで多分、何とかなると思うよ」

Qべえ2「じゃあ僕はもう行くよ? 自分の受け持つ地域も心配だしね」

Qべえ「ああ。 後は任せてくれ」

     トトト……

??「…………」

Qべえ「…………」

419 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/22 17:10:45 459RZ5bE 399/623


Qべえ「まだ、話す事は出来るかい?」

??「…………」

Qべえ「もう自我は無いのかな?」

??「…………」

Qべえ「やれやれ……これじゃわからないな」

Qべえ(まあ、自我があろうが無かろうが)

Qべえ(彼女が魔女化するのは、もう時間の問題)

Qべえ(歴代最強の魔法少女だけに、その力は凄まじいだろう)

Qべえ(まさにうってつけだ)

Qべえ(鹿目まどか)

Qべえ(君の危機感を煽る相手としてね)

【後編】へ続く

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