1 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:06:12 iiiRClx. 1/623




P4とまどマギのクロスです。

※注意事項

 (1) 基本的にまどマギのストーリーに沿って展開します。 
 (2) P4(PS2版)に関しては、多少ネタバレがあります。
 (3) 登場するのは、ゲームクリア時のハイスペック能力を持ったアニメ版番長、と思ってください。
 (4) >>1は、まどマギをアニメでしか知らない。(しかも前半うろ覚え)

以上です。




元スレ
鳴上「ここは……見滝原駅、というのか」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1355544372/

2 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:06:51 iiiRClx. 2/623


―――――――――――




     ――それでも――

     ――私は――






     ――わたしは!――





     ……カシャン!!




―――――――――――

3 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:08:15 iiiRClx. 3/623




 俺の名は、鳴上 悠。
家の事情で1年ほど八十稲羽、という所にいた。

 そこで俺は、奇妙な殺人事件に巻き込まれ、『ペルソナ』という力を使い
その難事件と世界の崩壊を防いだ。 出会った、心強い仲間達と共に……。

 今は両親の元に戻り、普通の高校3年生として平穏に暮らしている。


 ――そして、ある日――


 ここは見滝原町。 俺の住む街の 隣の町だ。
普段は立ち寄ったりしないのだが、学校の帰り、うっかり電車で寝過ごしてしまい
見滝原駅に降り立った。

 特に用があった訳ではない。
ほんの気まぐれで、何の気になしに好奇心から、その町を探索してみようと思った。

 ……夕日がとても綺麗だった事を覚えている。




4 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:09:30 iiiRClx. 4/623




 こんな所に本屋がある。 こっちには こ洒落たレストラン。
片側二車線の大通りに、大きな看板がある。

     『この先、10キロにジュネス見滝原店 ジュネスは、毎日が お客様デー!』
     『エブリディ ヤングライフ ジュ・ネ・ス♪』

 ジュネスは、この町にもある様だ。 そして、気が付いたら日が暮れていた……。



 ――俺は、再び――


鳴上「そろそろ帰るか」

鳴上「……この路地裏を通れば、近道になるかな?」


 ――奇妙な戦いに 巻き込まれるのだった――



5 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:13:53 iiiRClx. 5/623



―――――――――――


鳴上「…………」

鳴上(おかしい)

鳴上(さっきから同じ様な所を グルグル回っている……)

鳴上(…………)

鳴上(………それにこの感覚)

鳴上(似ている……)

鳴上(テレビの中の世界に……)

鳴上(…………)

鳴上(まさか、な……)

6 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:14:31 iiiRClx. 6/623


     ォォオオオオオォォンッ……

鳴上「!!……なんだ?」

鳴上「…………」

鳴上「!?」

鳴上(な!? か、体が、引っ張られる!!) グググッ!

鳴上(!!?)

鳴上(足元に、何か居る!!)

鳴上「くっ!!」

鳴上(気付くのが遅れた……!)

鳴上(顔以外を黒い何かに 羽交い絞めに……!)

鳴上「は、はなせ!」

     ズル…ズル…ズル…

7 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:15:16 iiiRClx. 7/623


鳴上「どこに……連れて行くつもりだ!?」

鳴上「…………」

鳴上「だんまりか……」

     キヒヒヒヒ……

鳴上「…!」

鳴上(本体……か!?)

鳴上(見た目は、かわいい猫のマスコットキャラの様だが……)

鳴上(グリズリーくらいでかいし)

鳴上(何よりも黒くて、腕が4本もある…!)

     キヒッ… キヒッ… キヒヒヒヒ……

8 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:15:47 iiiRClx. 8/623


鳴上(…………)

鳴上(やるしかない)

鳴上(出来る事は、限られているが……)

鳴上(…………頼む!) グッ……!



     ペ     ル     ソ     ナ     !!



鳴上「!! イザナギだ!!」

鳴上(信じられんが……ペルソナが出た!)

鳴上「イザナギ! 俺の拘束をといてくれ!」

     ズババッ!

9 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:16:38 iiiRClx. 9/623


     ギィィィィッ!!

鳴上「よし!」 ダダッ!

鳴上「イザナギ!!」 ジオ!!

     バリ バリッ!!

     ギィイアアアァァァ!!

鳴上「止めだ!」

     ズバァッ!!

     ギアアアアアアッ……!!

     シュウウウウウン……

鳴上「ハアッ、ハアッ、ハアッ…」

鳴上(この消滅の仕方……やはり、シャドウか?)

鳴上(……!)

10 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:17:13 iiiRClx. 10/623


鳴上「あの妙な空間が、消えていく……」

鳴上「…………」

鳴上「…………」

鳴上「完全に消えた……」

鳴上「…………」

鳴上「…………そうだ」

鳴上「ペルソナ!」

     シーン……

鳴上「…………」

鳴上「いったい……なんだと言うんだ?」

11 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:17:57 iiiRClx. 11/623


     コン  コロンコロン コロン……

鳴上「……ん?」

鳴上「これは……?」 スッ…

鳴上「…………」

鳴上(黒い……宝石?)

鳴上(…………)

鳴上(何かの手掛かりに なるかもしれない)

鳴上(もって行こう……)

     タッ タッ タッ……

12 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:18:56 iiiRClx. 12/623


 ――見滝原市・某所――



??「……あら!?」

???「……ん!?」

??「理由はわからないけど……魔女の反応が、消えたわね」

???「この町に、君の他に魔法少女って居たっけ?」

??「私の知る限りでは、居ないわ」

???「ふむ……気になるね。 調べてみる?」

??「…………」

??「いえ、止めておきましょう」

??「事情を知らない娘が、たまたま、という可能性もあるし」

???「それもそうだね、巴マミ」

マミ「帰りましょ、Qべえ」

Qべえ「ああ」

13 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:19:30 iiiRClx. 13/623


 ――夜――

 ――鳴上の部屋――



鳴上「…………」

鳴上(どうすればいいかな……?)

鳴上(…………)

鳴上(そうだ!! ベルベット・ルーム!!) ガバッ!

鳴上(イゴール達なら、何かわかるかもしれない!)

     スチャ (携帯オープン)

鳴上(…………)

鳴上(…………あ)

鳴上(そういえば……マーガレットから連絡はあったけど……)

鳴上(俺は、電話番号を知らない……) ガックシ……

15 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:20:15 iiiRClx. 14/623


     ピピピ……ピピピ……

鳴上「!」 …ガチャ

鳴上「……もしもし」

??????「お久しぶり、マーガレットです」

鳴上「マーガレット!?」

鳴上「良かった、聞きたい事がある」

マーガレット「それは、こちらもです……が」

マーガレット「まず、あなたに何があったのか、教えてくれないかしら?」

鳴上「わかった」

―――――――――――

16 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:21:03 iiiRClx. 15/623


―――――――――――

鳴上「……というわけだ」

マーガレット「…………」

鳴上「……マーガレット?」

マーガレット「すみません、私の手に余る事柄の様です」

マーガレット「我が主、イゴールにお電話、代わります」

鳴上「ああ……」

イゴール「……お久しぶりですな。 息災でしたか?」

鳴上「……イゴール、挨拶はいい。 何が起きているのか、教えてくれ」

17 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:21:51 iiiRClx. 16/623


イゴール「ふむ……と、申されましても今回の事象は」

イゴール「我々にとっても初めてのケース……」

イゴール「お客様のお話をお聞きした限りでは……正直、皆目見当も付きません」

鳴上「……!!」

イゴール「ただ……」

鳴上「……ただ?」

イゴール「あなた様は、もしかしたら、何かの大きな因果の渦に」

イゴール「巻き込まれたのかもしれません……」

鳴上「因果の渦?」

イゴール「正確には、お客様の持つ『ワイルド』の力が、引き寄せられた可能性が……」

鳴上「…………」

18 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:22:27 iiiRClx. 17/623


イゴール「いずれにしても、解らぬ事が多すぎる……」

イゴール「こちらでもお調べいたしますので、しばしお時間を頂けますかな?」

鳴上「……わかった」

イゴール「何か掴めましたら、すぐに連絡しましょう」

イゴール「それでは……失礼いたします」

鳴上「ああ、待っている……」

     プッ… ツー…… ツー……

鳴上「…………」

鳴上「…………あ」

鳴上(電話番号、聞くのを忘れた……)

19 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:23:15 iiiRClx. 18/623


 ――翌日の朝――

 ――見滝原中学校――



     ガヤ ガヤ

まどか「おはよう! さやかちゃん!」 ニコ

さやか「うーっす、おはよ、まどか!」 ニコ

仁美「おはようございます、まどかさん、さやかさん」 ニコ

さやか「おはよ、仁美」 ニコ

まどか「おはよう」 ニコ

さやか「ところでさ、仁美……英語の宿題、やってる?」 テへへ…

まどか「さやかちゃん……」

仁美「はいはい、教室でノートを見せますから」

さやか「ありがと~! 仁美、様様だよう……」 ウルウル…

20 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:24:02 iiiRClx. 19/623


 ――教室――



さやか「さーて! 宿題、さっさっと終わらせるよー!」

まどか(まる写しじゃ宿題の意味がないよう……さやかちゃん)

仁美「ところでまどかさん。 最近、流行っている噂の事……ご存知ですか?」

まどか「えっ……?」

さやか「あー、あたしそれ知ってる。 行方不明になったと思ったら」

さやか「自殺してたって事件、増えてるんだってさ」

まどか「ええっ!?」

仁美「おおむね間違いじゃありませんけど……」

仁美「噂では、自殺した人達は直前に路地裏とか、暗い所で目撃されているんです」

仁美「それも……わざわざ見せ付ける様に」

さやか「後、死んじゃった人はみんな、全く死ぬ要素がないんだって……」

さやか「怖いよね~、まどか」

まどか「もう……朝から気分がブルーだよ、さやかちゃん……」

21 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:24:44 iiiRClx. 20/623


 ――夕方――

 ――見滝原駅・駅前――



鳴上「…………」

鳴上(とりあえず、また来てしまった)

鳴上(目撃されてもいい様に、八十神高校の制服とクマのメガネを装備したが)

鳴上(何故か落ち着くな……)

鳴上(…………)

鳴上(とにかく、もう一度あの現場へ行ってみよう)

22 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:25:37 iiiRClx. 21/623


鳴上(……ここだ)

鳴上(ふむ……)

鳴上(…………)

鳴上(やはり、痕跡はどこにも無いな……)

鳴上(…………)

鳴上(シャドウは、人間の負の感情が、具現化した存在だった)

鳴上(もしかしたら、何らかの事象が絡んでいて)

鳴上(この街全体が、テレビの中の様に……)

鳴上(…………)

鳴上(まさか、な……)

23 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:26:15 iiiRClx. 22/623



―――――――――――


鳴上(…………)

鳴上(……結局、収穫は無し、か)

鳴上(駅を中心にこの辺りを調べてみたが)

鳴上(何の変てつもない、普通の街だ……)

鳴上(…………)

鳴上(疲れた……) ふうっ…

鳴上(そろそろ帰ろう……)

   キュゥゥンッ……!

鳴上(!!)

鳴上「この感覚は!?」

24 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:26:58 iiiRClx. 23/623


鳴上(……間違いない)

鳴上(理由は、わからないが)

鳴上(この間のシャドウと似た、異質な空間をはっきり感じる……!)

鳴上(どうする?)

鳴上(…………)

鳴上(……まずは、様子を見るか?)

鳴上(…………)

鳴上(だが、俺のよく知るシャドウも)

鳴上(この前のシャドウも)

鳴上(問答無用で襲いかかってきた……)

鳴上(…………)

25 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:27:35 iiiRClx. 24/623


鳴上(…………)

鳴上(一般人にとっては、危険な存在)

鳴上(……やはり、倒しておくべきか)

     ギュウウウウウンッ!!

鳴上(!?)

鳴上(くっ!! 無理やり異空間に取り込まれた!!)

鳴上「……だったら、やる事は一つだ!」

鳴上「イザナギ!」

     グバッ!!  ギィエエエエエエッ!!

―――――――――――

26 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:28:23 iiiRClx. 25/623


―――――――――――

鳴上「…………」

鳴上(結局、倒してしまった……)

鳴上(そして手掛かりも掴めないまま……)

鳴上(後は、この謎の黒い宝石)

鳴上(…………)

鳴上(今日のところは、引き上げるか……)

     ピピピ…… ピピピ……

鳴上「! 携帯が……」 ガチャ…

鳴上「もしもし?」

27 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:29:15 iiiRClx. 26/623


イゴール「ごきげん、いかがですかな? お客様……」

鳴上「イゴール! ……何か掴めたのか?」

イゴール「左様でございます」

鳴上「話してくれ」

イゴール「もちろん、お話しします……が」

鳴上「……?」

イゴール「悪いニュースと、もっと悪いニュースしか、ございません」

鳴上「……!」

イゴール「よろしいですかな?」

鳴上「……ああ」

28 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:30:06 iiiRClx. 27/623


イゴール「まず……お客様が遭遇なされた、シャドウに似た生物らしきもの」

イゴール「ほぼ、シャドウと断定なされてもよろしいでしょう」

鳴上「……? ほぼ?」

イゴール「シャドウとは、人の心から生み出された感情の一部……」

イゴール「そういう意味では、同質の存在と言えるモノですな」

鳴上「なるほど……」

イゴール「さて……ここからが『悪い』ニュースになります」

鳴上「…………」 ゴクッ…

イゴール「今、お客様が居らっしゃる町……」

イゴール「説明が難しいのですが……信じられない様な規模の因果が、集まっております」

鳴上「因果が……集まる?」

29 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:30:53 iiiRClx. 28/623


イゴール「例えて言うならば……」

イゴール「何もない平野に、山の様に水が集まっておるのです」

鳴上「…………」

鳴上「……つまり、通常では有り得ない『何か』が、起こっている、と?」

イゴール「左様でございます……」

鳴上「…………」

鳴上「ここでのシャドウは、それが原因で?」

イゴール「……調べてみた所、お客様の遭遇された『シャドウ』と同じ様な現象は」

イゴール「その場所だけでなく、日本……いえ、世界中で確認されております」

鳴上「!!?」

30 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:31:46 iiiRClx. 29/623


鳴上「…………」

鳴上「少し話を戻すが……」

鳴上「さっき言っていた『因果』が集まると、どんな不都合があるんだ?」

イゴール「先ほどの例えを使いますが……」

イゴール「原因不明でエベレストくらいの山の形をした水が、突然、一気に流れ出したら」

イゴール「その周辺は、どうなりますかな?」

鳴上「…………なるほど」

鳴上「で? 実際の危険性は、どのくらいある?」

イゴール「わかりません……しかし」

イゴール「八十稲羽での事柄を考慮しますと……」

イゴール「全世界が危険にさらされている……かもしれません」

鳴上「…………」

31 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:32:46 iiiRClx. 30/623


鳴上「それで? もっと悪いニュースは?」

イゴール「……それは、お客様も感じていらっしゃるのではないでしょうか?」

イゴール「もう、逃れられぬ運命に捕らわれている、という事に……」

鳴上「…………」

鳴上「つまり、この町に立ち寄らない様にしても」

鳴上「関わってしまう、という事か……」

イゴール「左様でございます」

鳴上「そうか……」

32 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:33:20 iiiRClx. 31/623


イゴール「ですが、お客様」

イゴール「こちらも、出来うる限りのサポートを」

イゴール「お約束いたします」

鳴上「それは助かる……」

イゴール「それでは、ごきげんよう……」 プッ…

     ツー… ツー…

鳴上「…………」

鳴上「…………あ」

鳴上「また、電話番号聞くの忘れた……」

33 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:34:11 iiiRClx. 32/623


 ――数日後の夜――

 ――見滝原町・廃ビル付近――



     ヒタ…ヒタ…ヒタ…

鳴上「…………」

鳴上(どうも様子がおかしいから、あの女の後をつけてみたが……)

鳴上(当たり……か?)

鳴上(…………)

鳴上(だが、あの異空間を感じない……)

鳴上(……もどかしいな)

鳴上(…………!?)

鳴上(あの女、何をしている!?)

鳴上(あんな高い場所で靴を揃えて……)

鳴上(!! しまった!!) ダッ!!

34 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:35:01 iiiRClx. 33/623


??「ふんっ!」 シュルルルルルルッ!!

     パシッ!

鳴上(!!?)

鳴上「……な!?」

???「ほっ、良かった。 さすがマミさん!」

???「…って、え? だ、誰!?」

マミ「安心して。 この女性は、錯乱状態だっただけだから」

マミ「でも、出来れば、今見た事を忘れてくださらないかしら?」

マミ「色男さん?」

鳴上「…………」

35 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:35:54 iiiRClx. 34/623


鳴上(…………) ゴソゴソ…

鳴上「すまないが、忘れる事は出来無い」

鳴上「俺も……無関係では無いから」



     鳴上の手の平には、謎の黒い宝石があった。



マミ「!!?」

マミ「グリーフシード!?」

マミ「…………」

マミ「……あなたは、どこでこれを?」

鳴上「……そうか。 これはグリーフシード、と言うのか……」

マミ「…………」

鳴上「ともかく、話がしたい。 どこか……いい場所を知らないか?」

36 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:36:47 iiiRClx. 35/623


 ――巴マミの部屋――



鳴上(…………)

鳴上(いきなり女の子の部屋に 連れてこられるとは、思わなかった……)

鳴上(そこはかとなく緊張するな……)

マミ「お待たせしました。 紅茶をどうぞ」

鳴上「すまない。 気を使わせたな」

マミ「いえ……」

マミ「二人共、自己紹介は済ませた?」

さやか「はい、マミさん」

まどか「ええと、こ、こちらは鳴上 悠さんです。 マミさん」

マミ「鳴上 悠さん、ですね。 私は巴マミ、と申します。 ”マミ”と呼んでください」

鳴上「わかった」

37 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:37:43 iiiRClx. 36/623


マミ「では、さっそくですが……鳴上さんの事情をお話しいただけますか?」

鳴上「ああ……」

鳴上「まず、俺は訳あって、一年ほど前に八十稲羽、という所に居た……」

―――――――――――
鳴上、事情を話中
―――――――――――

鳴上「……というわけで、今に至る」

マミ・さや・まど「」

さやか「マヨナカテレビ? ペルソナ? どんなSFだよ!?」

まどか「さやかちゃん……。 私達の事も、そんなに違わないと思うけど……」

マミ「……聞きたい事はありますけど、先に私達の事情もお話します」

38 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:38:33 iiiRClx. 37/623


―――――――――――
マミ、事情を話中
―――――――――――

マミ「というわけです。 おいで、Qべえ」

Qべえ「やれやれ、やっと僕の出番かい?」 チョコン

鳴上「…………」

鳴上(こいつがQべえ……)

鳴上(どんな願いも叶える代わりに 魔女と戦う事を契約させる生命体……)

鳴上(…………)

鳴上「……俺の言うシャドウは、魔女と呼ばれているのか」

Qべえ「僕も驚いたよ。 まさかそんな事象があるなんて」

Qべえ「しかも人間の精神が具現化して襲いかかるなんて、実に興味深い」

39 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:39:27 iiiRClx. 38/623


鳴上「Qべえ、魔女はシャドウと良く似た特性を持っている」

鳴上「つまり、八十稲羽と同じように、どこかに親玉が居るんじゃないだろうか?」

Qべえ「どうだろうね……否定は出来ないけど、可能性は薄いと思うよ」

Qべえ「僕達は、随分長い間、魔女を見てきたけど……」

Qべえ「共闘しているのを見た事がないからね」

鳴上「そうか……」

鳴上「なら、魔女の目的は何だ? 何の為に人を襲う?」

Qべえ「それは成長する為さ」

Qべえ「魔女や魔女から生まれた使い魔は、人を食らう事でどんどん成長する」

Qべえ「使い魔はやがて魔女に。 魔女は、より強力な魔女へと、ね」

鳴上「…………」

40 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:40:12 iiiRClx. 39/623


さやか「あたし、鳴上さんのペルソナってのを見たいな」

まどか「私も!」

鳴上「……見せてやりたいのは、やまやまだが……今は無理だ」

マミ「? どうして、ですか?」

鳴上「簡単に言うと、テレビの中、限定の技だと思ってくれ」

マミ「あら? じゃあどうやって魔女を?」

鳴上「それなんだが……魔女の作り出す異空間……結界と言っていたな?」

鳴上「そこでなら、何故かペルソナを発動出来るんだ……」

さやか「へ~」

まどか「じゃあ、テレビの中には入れるんですか?」

鳴上「ああ、今、やって見せよう」 スクッ

41 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:40:56 iiiRClx. 40/623


鳴上「…………」 スッ…

     ズ……ブウウウウウウンッ……

マミ・さや・まど「!!!」

さやか「み、右手が!?」

まどか「ど、どうなってるの!? な、なんか、波紋みたいなのが出てるし……」

Qべえ「なるほど……これは、疑いようが無いね」

Qべえ(……面白い。 実に興味深い)

マミ「じゃあ……鳴上さんは、『けがれ』をどうやって浄化しているんですか?」

鳴上「? 『けがれ』?」

マミ「私達、魔法少女は、その証にソウルジェム、という物を持っています」 スッ…

鳴上「……ソウルジェム。 この卵の様な形の宝石が……」

42 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:41:50 iiiRClx. 41/623


マミ「そして、魔法を使うたびに少しづつ黒く、濁っていく……それが『けがれ』」

鳴上「…………」

マミ「それをキレイにする……厳密には、取り除くのが、このグリーフシード」

鳴上「魔女を倒した時に出る、黒い宝石にそんな力があったのか……」

マミ「今は、それほど必要じゃないので、実演は許してください」

マミ「ちなみにやり方は、ソウルジェムにグリーフシードを当てるだけです」

鳴上「なるほど……」

さやか「で? 鳴上さんもグリーフシードを使うの?」

鳴上「いや……」

まどか「じゃあ、どうやって『けがれ』を?」

43 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:42:37 iiiRClx. 42/623


鳴上「何もしていない。 と言うか、『けがれ』自体が無い」

さやか「えっ!?」

まどか「ほ、本当ですか!?」

鳴上「ああ。 まあ、ペルソナを使った日は、ものすごく疲れるが」

鳴上「それくらいだな」

マミ「私達からすると、凄くうらやましいですね」

鳴上「その代わり、現実世界でペルソナは使えない」

さやか「でもさ、マミさん! 心強い味方が出来たね!」

マミ「まだよ、鹿目さん。 ……鳴上さん、私達に協力してもらえますか?」

鳴上「もちろんだ。 こちらこそ、よろしく頼む」 ニコ

     キャー! ヤッター! ヨカッタネー マミサン!
     モウ/// カノメサン!///   ヨロシクネー、ナルカミサン…
     …………

44 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:43:28 iiiRClx. 43/623


 ――巴マミの自宅前――



???(…………)

???(あれは……誰なの?)

???(…………)

???(今回、初めて見る人物ね……)

???(何を話しているのか、知りたい所だけど……)

???(私のやる事は変わらない)

???(邪魔をする様なら……消えてもらう) スッ

     タッ タッ タッ…

45 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:44:18 iiiRClx. 44/623


 ――数日後の昼――

 ――見滝原中学校・教室――



まどか「さやかちゃん、お昼どこで食べよっか?」

さやか「う~ん…。 そうねえ」

???「ちょっと、いいかしら?」

さやか「ん? ……何か用? 転校生」

まどか「さ、さやかちゃん……! ごめんね、ほむらちゃん……」

ほむら「いいのよ、まどか。 それより聞きたい事があるの」

ほむら「この前見かけた、高校生くらいの男は何なの? Qべえの知り合い?」

さやか「うるさいな! それより何で、そんな事知ってんのよ! ストーカーでもしてんの!?」

ほむら「うるさいのはあなたよ。 それに私はまどかと話してるの」

ほむら「少し黙っててくれる?」

46 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:44:54 iiiRClx. 45/623


まどか「ほ、ほむらちゃん……あの、また今度話すね?」

まどか「さやかちゃん、行こっか?」

さやか「うん、行こっ! まどか」

     タッ タッ タッ…

ほむら「…………」

ほむら(美樹 さやか……)

ほむら(あなたは、また、私の邪魔をする……)

ほむら(…………)

ほむら「……いつもの事だけどね」 ボソッ…

47 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:45:35 iiiRClx. 46/623


 ――放課後――

 ――市街地――



鳴上「二人は、魔法少女じゃ無いのか?」

さやか「うん、そーだよ」

まどか「Qべえは、なって欲しいって、言ってくれるんだけどね」

まどか「マミさんが、よく考えてからにしなさいって……」

さやか「たった一つの願いだからね~」

まどか「そうだ、鳴上さんは願いが叶うなら、どんな願いを叶えたい?」

鳴上「………難しいな」

鳴上「すぐには、答えられそうもない」

48 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:46:09 iiiRClx. 47/623


さやか「だよね。 あたしらも色々悩んでるんだ」

さやか「もういっその事、美味しいケーキを食べたい! とかでもいーんじゃない?」

さやか「なんて思った事もあったっけ」 クスクス

まどか「私は……願い事よりも、誰かの為に、何かの為に頑張ってるマミさんに」

まどか「憧れているんだけどね」 テへへ……

鳴上「…………」

鳴上「真面目な話、二人は魔法少女にならない方が、いいかもしれない」

さや・まど「えっ!?」

さやか「……どういう意味?」

鳴上「そのままの意味だ」

49 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:46:51 iiiRClx. 48/623


鳴上「ああ、別段二人を蔑んでいるわけじゃない」

鳴上「……何かが、引っかかるんだ」

鳴上「あの、Qべえという存在に」

さやか「何が? 魔法少女に勧誘しているだけでしょ?」

まどか「ふわふわしてて、可愛いし」 ///

鳴上「…………」

鳴上「!!」

鳴上「あれは……!?」

さやか「グリーフシード!? 羽化しかかってる!!」

鳴上「二人共、マミに知らせに行ってくれ!」

鳴上「ここは、俺が引き受ける!」

まどか「は、はい! 鳴上さんも気をつけて!」 ダッ!

さやか「すぐ連れてくるから!」 ダッ!

50 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:47:26 iiiRClx. 49/623


     ブアアアアアッ!

鳴上(さっそく結界に引き込まれた……!)

鳴上「イザナギ!!」 ジオ!!

     バリバリバリッ!!

鳴上「……くっ! 数が多い!」

鳴上「イザナギ!!」 ズバッ! ズバッ!

鳴上(倒してもグリーフシードを落とさない……)

鳴上(わかっていたが……こいつらは、ただの使い魔!)

     ケケケケケケッ……

鳴上「本体は……魔女は、どこに居る!?」

51 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:48:52 iiiRClx. 50/623

BGM
http://www.youtube.com/watch?v=ph0g7CArMHU

52 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:49:36 iiiRClx. 51/623


 ――見滝原中学校――



マミ「あなたに話す事は、何もないわ」

ほむら「…………」

ほむら「…………そう」

マミ「それよりも言わなかったかしら?」

マミ「あなたには、もう二度と会いたくないって」

ほむら「…………」

     タタタタタッ!

さやか「マミさん!」 はあっ はあっ

まどか「鳴上さんが……!」 はあっ はあっ

マミ「!?」

ほむら「………!?」

53 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:50:26 iiiRClx. 52/623


 ――お菓子の魔女の結界内――



     タッ タッ タッ…

マミ「……あなた、どこまでついてくるつもり?」

ほむら「もちろん魔女の所までよ」

マミ「邪魔するつもり?」

ほむら「場合によってはね」

     キュッ……

マミ「悪いけど、あなたを拘束させてもらうわ」

     ギュルルルルッ!

ほむら「…………」

まどか「!? マミさん!」

54 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:50:59 iiiRClx. 53/623


さやか「いいんだよ、まどか。 むしろ、これくらいしなきゃダメだよ」

さやか「こいつには、ね」

まどか「で、でも……!」

マミ「行きましょ、美樹さん、鹿目さん」

さやか「ほら、行くよ! まどか!」

     タッ タッ タッ…

まどか「あ! まってよ! マミさん! さやかちゃん!」

まどか「…………」 オロオロ…

まどか「……ほむらちゃん」

まどか「ごめん!」 ダッ!

     タッ タッ タッ…

ほむら「…………」

55 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:51:46 iiiRClx. 54/623


 ――お菓子の魔女の結界内・最深部――



     ダンッ! ドゴッ! バキッ!

鳴上「グハッ!!」 ドサッ…

鳴上「…はあっ…はあっ」

鳴上「イザナギッ!!」 ジオ!

     バリ バリッ!

鳴上「くそっ……!」

鳴上(この魔女……生まれたてのハズなのに…)

鳴上(強いっ!!)

56 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:52:28 iiiRClx. 55/623


鳴上(魔女は、生まれてからの経験よりも、才能の方が優先される)

鳴上(そんな所か……?)

鳴上(正直、油断したな……)

鳴上(魔女を何体か倒してた事で……おごりがあったに違いない)

鳴上(……!!)

     バゴォッ!!

鳴上「あがぁっ!!」 ドサッ!

鳴上「くっ……イ、イザナ…」

マミ「鳴上さんっ!!」 シュルルルルルッ!!

鳴上「!」

57 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:53:07 iiiRClx. 56/623


鳴上「すまない、マミ……助かった……」 はあ… はあ…

マミ「いえ。 こちらこそ二人を助けてもらって、ありがとう」 クスッ

さやか「鳴上さん……」

まどか「こ、こんなにボロボロに……」

鳴上「……大丈夫だ、見た目ほど酷いケガじゃない」

さやか「いーから! ほら、つかまって!」

まどか「じゃ、私はこっちを……鳴上さん、つかまって」

鳴上「いや本当にだいじょ……」

     ズルズルズル……

マミ「…さて、ここからは、私が相手よ!」 バッ!

58 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:53:47 iiiRClx. 57/623


鳴上「……!」

鳴上「これが……魔法少女の戦いか……!」

さやか「いっけー! マミさん!」

まどか「すごい…! 今日のマミさん、いつもよりすっごく強いよ!」

さやか「うん、本当にすごい!」

鳴上「…………」

鳴上「…………!?」

鳴上(なんだ…? このざらついた感覚は?)

鳴上(…………何かが)

鳴上(やばい…!)

59 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:54:33 iiiRClx. 58/623


     ドウッ! ドウドウッ!

マミ(鳴上さんを……よくも!)

マミ(魔女と戦う、大切な仲間……)

マミ(そして、美樹さんと鹿目さんも、魔法少女になってくれるかもしれない人……)

マミ(私の後ろには、大切な人達がいる!)

マミ(もう……何も怖くない!)

マミ「一気に決めるわよ!」

     ジャキン!

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

     ドォンッ!! ドガァッ!!

さやか「やったあ!」

まどか「さすがマミさん!」

60 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:55:13 iiiRClx. 59/623


鳴上(!!?)

鳴上(違う!? 本体を捉えていない!?)

     ダッ!!

さや・まど「!! 鳴上さん!?」

マミ「これでおわ――」

     グワッ!!

さやか「えっ!?」

まどか「倒した魔女から何かが!?」

マミ「……!!」

鳴上(くっ!! 間に合え!!)

鳴上「イザナギッ!!」

61 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:56:00 iiiRClx. 60/623


     ガブウッ…!!

鳴上「がああああああああああああああああああああっ!!!!!」

     モギュ モギュ

マミ「ひいっ…!!」

さやか「鳴上さんのペルソナが!!」

まどか「いやああああああああああああああ!!」

鳴上「マ、マミ……!」

マミ「!?」

鳴上「い、今から、電撃の魔法を…奴の内部に放つ!」

鳴上「それで、ひ、怯んだ所を……さっきので、もう一度決めろ!」

マミ「あ…は、はい!」

62 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:56:44 iiiRClx. 61/623


鳴上「……イザナギッ!!」 ジオッ!

     バリ バリッ!!

     ギュエエエエエエエエッ!! ペッ!

鳴上「グハッ!!」 ドサッ…

マミ「ティロ・フィナーレ!」

     ドォンッ!! ボグンッ!!

     …ズルンッ!!

さやか「うえっ!? 脱皮!?」

まどか「マミさんっ!!」

マミ「くっ! こうなったら根比べよ!」

マミ「ティロ・フィナーレ!」


―――――――――――

63 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:57:20 iiiRClx. 62/623


マミ「はあっはあっはあっはあっ…」

さやか「こ、今度こそ、やった…?」

まどか「……も、もう、動かない、よね?」

マミ「…………」

     シュウウウウウン……

さやか「!!」

まどか「結界が、晴れていく……!!」

マミ「……何とか……倒せたわね……」

マミ「くっ……」 クラッ…

さやか「マ、マミさん!」

まどか「そうだ、鳴上さんも!」

64 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:57:57 iiiRClx. 63/623


さやか「鳴上さん! 大丈夫!?」

鳴上「う……く……」

さやか「よかった…! 生きてる!」

まどか「マミさん、つかまって…」

マミ「いえ……私はいいわ。 私よりも鳴上さんを……」

???「……お困りの様ね」

さや・マミ・まど「!!?」

さやか「あ、あんたは!?」

マミ「……ど、どうやって……私の拘束を……?」

まどか「なんだっていい! ほむらちゃん、お願い!」

まどか「力を貸して!」

65 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 13:59:16 iiiRClx. 64/623


 ――????――



????「ふふふ……ようこそ、ベルベット・ルームへ……」

イゴール「これも、お久しぶりですな……お客様」

イゴール「…………」

イゴール「……ええ、その通り。 現実のあなた様は、眠っておられます」

イゴール「さて……今回お呼び立てしたのは、重要な事が判明しまして」

イゴール「それをお伝えする為でございます……」

イゴール「まさか、節目の年を超えられたお客様に、この様な事象が起きるとは……」

イゴール「さすがは……”ワイルド”の持ち主、という所でしょうか……」

イゴール「おお、これは失礼……」

イゴール「話が、それてしまいましたな」

66 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:00:00 iiiRClx. 65/623


イゴール「それでは、本題に入ります……」

イゴール「まず……以前にお話した、因果の渦……」

イゴール「お客様は、もはや逃れられぬ運命となりましたが」

イゴール「それは、あなたの身近に存在しております……」

イゴール「…………」

イゴール「ふふふ……ご心配めされるな、お客様」

イゴール「別段シャドウの様に、御身に襲いかかる訳ではございません」

イゴール「むしろ……複雑に絡み合う因果を解き」

イゴール「正しき道を指し示すだけの力を、あなた様は秘めておられるのです……」

67 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:00:37 iiiRClx. 66/623


イゴール「ふむ? …………そうですな」

イゴール「ひとつだけ、ヒントを差し上げましょう……」

イゴール「お客様は、この困難に立ち向かう為に」

イゴール「この地においても新たなコミュを形成しなくては、ならないでしょう……」

イゴール「いかな”ワイルド”の力を持ってしても」

イゴール「人との繋がりをないがしろにしては……あなた様の望む未来は」

イゴール「おそらく……手に入りますまい……」

イゴール「…………」

イゴール「ふふふ……、もっと解りやすく言うのならば……」

イゴール「お客様は、八十稲羽でおやりになられた事を」

イゴール「ここでも行えば、よろしいのです……」

68 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:01:28 iiiRClx. 67/623


イゴール「おお……そろそろ、お目覚めの時刻の様ですな」

イゴール「最後に」

イゴール「ペルソナカードですが……」

イゴール「今回に限り、無償で提供いたしましょう」

イゴール「今から、お客様のお集めになられたカードは」

イゴール「どんな物でもご自由にお使いください……」

イゴール「ふふふ……」

イゴール「サポートが遅れてしまった、せめてものお詫びでございます」

イゴール「それでは……またお会いいたしましょう……」



―――――――――――

69 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:02:16 iiiRClx. 68/623


―――――――――――


鳴上「…………」

鳴上「…………うっ」

鳴上「……ここは?」



 ――深夜――

 ――巴マミの部屋――

鳴上「…………」

鳴上(以前来た、マミの部屋か……)

鳴上(…………)

鳴上(……なんで俺は、ベッドで寝て)

鳴上(他のみんなは、床の上で寝てるんだ……)

70 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:03:03 iiiRClx. 69/623

BGM
http://www.youtube.com/watch?v=WFfSUBpLPdk&feature=relmfu

71 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:03:39 iiiRClx. 70/623


鳴上(? あれは……マミか?)

鳴上(ベランダに出て、何をしている?)

鳴上「…………」

     カラカラカラ……

マミ「!?」 ビクッ!

鳴上「……すまない、驚かせてしまったか」

マミ「あ……鳴上さん。 良かった……気がついて……」

鳴上「ベッド……俺が使って良かったのか?」

マミ「気にしないでください。 あなたは、私の命の恩人なのですから……」 クスッ

72 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:04:20 iiiRClx. 71/623


鳴上「…………」

鳴上「言いたくなければ、もう聞かないが……何か、考え事でも?」

マミ「…………」

マミ「鳴上さん」

鳴上「うん?」

マミ「鳴上さんは……戦う事が、怖くないんですか?」

鳴上「もちろん怖い」

マミ「……え?」

鳴上「いつだってビビってる。 今やってる攻撃が通じなかったらどうしよう、とか」

鳴上「この敵の攻撃を食らったら、死ぬかなぁ……恐ろしいなぁ……とか」

鳴上「仲間が居なくなったら……とてつもなく寂しくて嫌だな、とか……」

73 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:05:18 iiiRClx. 72/623


マミ「…………」

マミ「なんだか、意外ですね」 クスッ…

鳴上「……俺は、『ペルソナ』という力が使えるだけの」

鳴上「ただの高校生だからな」 クスッ

マミ「…………」

マミ「鳴上さんは……どうして自分が、こんな目に合わなければならないの?」

マミ「と、考えた事はありますか?」

鳴上「ある」

鳴上「八十稲羽で死にかけた時は、いつも考えていた……」

マミ「……逃げよう、と考えた事は?」

鳴上「……!」

74 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:05:52 iiiRClx. 73/623


マミ「きっと……鳴上さんは、美樹さんや鹿目さんから」

マミ「私の過大評価を聞いたのでしょうけど……」

マミ「私は……そんなに強くない」

マミ「魔法少女になったのだって……死ぬ事が怖かったから」

マミ「魔女と戦う事を望んで……ここに居る訳じゃない……!」

マミ「もう……怖いのは……いや……」 グスッ…

鳴上「…………」

鳴上「いいんじゃないかな」

マミ「!?」

75 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:06:37 iiiRClx. 74/623


鳴上「マミは、十分頑張った……」

鳴上「魔法少女を辞められなくても、魔法を使わずに平穏に暮らす事は出来る」

鳴上「ずっと一人で戦って来たマミを、誰も責めたりはしない」

鳴上「後は……俺に任せばいい」 ニコ

マミ「…………」 ドキッ ///

マミ「…………」

マミ「……どうして鳴上さんは、戦おうとするんですか?」

マミ「さっき、怖いって言っていたのに……」

鳴上「……それは、恐怖心だけじゃ無いから」

マミ「………え?」

76 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:07:36 iiiRClx. 75/623


鳴上「ペルソナがあっても 死ぬ事はあるだろう」

鳴上「でも、どうして魔女は存在するのか知りたいし」

鳴上「魔女による被害も防ぎたい」

鳴上「それに……」

マミ「それに?」

鳴上「単純に『逃げたくない』という気持ちもある」

マミ「!!」

鳴上「誰にだって何かを選択する自由がある」

鳴上「よく、あの時こうしておけば、こんな事にならずにすんだ、と言って」

鳴上「他人を責める奴がいるが……」

鳴上「それは結果を知ったから、言えるに過ぎない」

鳴上「選択をした時点で、結果を知っている奴はどこにも居ない」

鳴上「予測や予想は出来ても……な」

マミ「…………」

77 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:08:13 iiiRClx. 76/623


マミ「私は……」

鳴上「…………」

マミ「……私にもあります」

マミ「逃げたくないって気持ち」

マミ「でも私は……戦いが怖い……死ぬ事が怖い……」

鳴上「…………」

鳴上「それでいいんだ、マミ。 弱音を吐くこともまた、人間には必要だ」

鳴上「俺で良ければいつでも聞くし、俺の弱音も出来れば聞いてくれ」 クス

マミ「鳴上さん……ありがとう」 ///

78 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:08:57 iiiRClx. 77/623


マミ(……どうしてだろう?)

マミ(ついさっきまで、私は魔女と戦う恐怖に怯え)

マミ(そんな自分が、たまらなく情けなくて……嫌だったのに)

マミ(そんな自分も私を形作る一つなんだって)

マミ(そんな風に思える様になってる……)

マミ(…………)

マミ(きっと、これから先も怖い思いをするでしょうね……)

マミ(でも)

マミ(それを隠さなくてもいい……)

マミ(怖いなら、怖いって……言えばいい)

マミ(恥ずかしがる事も、引け目を感じる必要も無い)

マミ(私は私……巴マミなんだから)

79 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:09:56 iiiRClx. 78/623


マミ「……あ、そうだ」

鳴上「?」

マミ「グリーフシード、使う所をお見せしますね」 ニコ

鳴上「確か……ソウルジェムに当てるんだったな」

マミ「はい、その通りで……あら?」

     ヒィイイン……

マミ「こ、これは……!?」

鳴上「? どうした?」

マミ「そ、それが……」

マミ「あんなに魔法を使ったのに……ソウルジェムが全然『けがれ』ていないんです」

マミ「それに、こんな風に綺麗に光輝く事も初めてで……

80 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 14:10:59 iiiRClx. 79/623


鳴上「体は大丈夫か?」

マミ「ええ……特には……」

マミ(むしろ調子がいいかしら……?)

鳴上「……Qべえに聞くしかないか」

マミ「そうですね……」

マミ「…………」

マミ「あ、あの……」 ///

鳴上「ん?」

マミ「よ、良かったら……」 ///



マミ「名前で呼んでも……いいでしょうか?」 ///




84 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:19:33 iiiRClx. 80/623


 ――翌朝――

 ――巴マミの部屋――



マミ「おはよう、鹿目さん、美樹さん」

さやか「ん~……おはよ~……マミさん」

まどか「おはようございます、マミさん」

ほむら「……おはよう、まどか」

さやか「って、あんたも居たの」

ほむら「ご挨拶ね。 昨日は、この男の傷を直したり、運ぶの手伝ったりしてあげたのに」

鳴上「……それはすまなかった」

マミ「まあまあ……みんな、喧嘩しないで」

マミ「それに、暁美さん……昨日はごめんなさい。 そして、ありがとう。 本当に助かったわ」

85 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:20:19 iiiRClx. 81/623


ほむら「………?」

ほむら(巴マミの様子……ずいぶん、変わった様な……?)

ほむら「……もういいわ。 それよりも、そろそろ教えてくれないかしら?」

ほむら「この男の事を」

マミ「わかってるわ。 ちょうど朝食の準備も終わったし」

マミ「食べながら話すわね?」

―――――――――――
マミ、事情説明中
―――――――――――

マミ「と、いうわけなの……」

ほむら「」

ほむら(……ペルソナ!? シャドウ!? いったい、何が起こってるの!?)

ほむら(今まで全く居なかったのに……どうして今回出てきたの……!?)

86 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:21:15 iiiRClx. 82/623


マミ「……信じられないのは、無理もないわね……」

マミ「じゃあ、悠さん。 あれを見せてあげてもらえないかしら?」

鳴上「わかった」 スッ…(テレビに近づく)

さやか(……あれ?)

まどか(今、マミさん、悠さんって……)

     ズッ……ブウウウウウウンッ……

ほむら「!!?」 ギョッ!

マミ「どう? これで信じてくれるかしら?」

ほむら「…………」

ほむら「……確かに、疑い様は無さそうね」

87 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:21:59 iiiRClx. 83/623


ほむら「事情はわかったわ」

ほむら「とりあえず、敵ではなさそうって事も……」 スッ…

まどか「あれ? ほむらちゃん? どこに行くの?」

ほむら「……あなた達こそ、そんなにゆっくりしてていいの?」

ほむら「今日も学校があるのだけど?」

まど・さや「」

さやか「ああああああ!! 忘れてたぁ!!」

まどか「どどどどどど、どうしよう!! 思いっきり、無断外泊しちゃった!!」

マミ「悠さんは、大丈夫?」

鳴上「基本、放任主義。 それにこの町に来る時は」

鳴上「『友達の家に泊まるかも』と、事前に言ってある」

マミ「ぬかりは無い様ですね」 クス

鳴上(……とはいえ、今日は確実に遅刻だな)

88 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:22:58 iiiRClx. 84/623


 ――昼休み――

 ――見滝原中学校・教室――



     ※注 二人はお弁当を広げております

まどか「…………」 ハア…

さやか「…………」 ハア…

まどか「……怒られた? さやかちゃん」

さやか「……もう言わないで……まどか」

さやか「マミさんが、電話しといてくれなかったら……」

さやか「あたしの頭の形は、変わってたよ……」

まどか「私もママのあんな怖い顔、初めて見たよう……」

438 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/25 17:24:44 8PNg91Hw 85/623


まどか「今日はどうしよっか?」

さやか「しばらくは大人しくしとこうよ、まどか」

さやか「それに……あたし今日、用事あるし」



まどか(あ……そっか。 今日は病院の日だったね)

まどか(交通事故で左半身に大怪我を負った上条 恭介くん……)

まどか(さやかちゃん、幼馴染だったし……すっごく心配してたな)

まどか(でも、今は順調に回復してきたって聞いてる)

まどか(良かったよね、さやかちゃん……)

89 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:27:47 iiiRClx. 86/623


まどか「うん、そうだね……鳴上さんも居る事だし」

さやか「……!!」

さやか「そうそう、まどか。 マミさんが鳴上さんの事」

さやか「悠さんって呼んでたの、気づいた?」

まどか「!! そうそう! 私も気になった!」

まどか「何か、いきなりだったよね? あれ!」

     アハハ……


―――――――――――

90 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:29:24 iiiRClx. 87/623


 ――夕方――

 ――見滝原総合病院・病室――



さやか「……っていうわけでさ、何の曲か当てると驚かれるんだよね~」

恭介「…………」

恭介「………さやかは、さ」

さやか「ん?」

恭介「僕をいじめて……楽しいの?」

さやか「!? ……な、何言ってるのさ?」

恭介「僕に音楽を聴かせて……」

恭介「もう二度と……弾く事が出来無い音楽を聴かせて……!」

さやか「!!?」

91 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:30:07 iiiRClx. 88/623


恭介「こんな……動かない腕なんて!!」

     (携帯CDプレイヤーを) グシャッ!!

さやか「やっ……!? ダメッ!! 止めてよ恭介!!」

さやか「大丈夫だよ……。 リハビリ頑張れば、きっと……!」

恭介「もう……無理なんだ」

恭介「先生直々に言われたんだ……現代医学をもってしても……」

恭介「僕の左手は動かないって……!」 グスッ…

さやか「…………っ!」

恭介「それこそ……奇跡か魔法でもない限り」

恭介「二度とバイオリンを弾く事は、出来ないだろうって……」

さやか「……!!」

92 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:30:59 iiiRClx. 89/623


さやか(奇跡か魔法……)

     ヒュウウウウウッ……

さやか「…………」

さやか「……あるよ」

恭介「…………」

さやか「奇跡も、魔法も……」



さやか「あるんだよ……!」



恭介「…………」

93 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:31:55 iiiRClx. 90/623




ほむら「あなた達は、魔法少女になっては、ダメよ」



鳴上「真面目な話、二人は、魔法少女にならない方がいいかもしれない」

鳴上「……何かが、引っかかるんだ」

鳴上「あの、Qべえという存在に」



さやか(…………)

さやか(あの転校生は、ともかく……)

さやか(鳴上さんは……どうしてあんな事を……?)

さやか(でも……あたしは……あたしは!) グッ…!

94 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:32:36 iiiRClx. 91/623


 ――巴マミの部屋――



     ストン

Qべえ「やあ、巴マミ。 遅くなってゴメン」

マミ「珍しいわね。 いつもは呼べばすぐ来るのに……」

Qべえ「僕にだって、外せない用事くらいあるよ」

Qべえ「それで? 聞きたい事って何かな?」

マミ「これについて聞きたいの」 コト…

     ヒィイインッ……

Qべえ「……!?」

Qべえ「…………」

Qべえ「……いったい何があったんだい?」

マミ「それを聞きたいのは、こっちなんだけど……」

95 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:33:40 iiiRClx. 92/623


Qべえ「体調に変化は?」

マミ「全くないわ」

Qべえ「そう……」

Qべえ(こんな状態のソウルジェムは、初めて見る)

Qべえ(強いて言うのなら……比較的、安定した心理の時に見られる現象に似ているけど)

Qべえ(ここまで澄み切った状態のソウルジェムは、見た事が無い……)

Qべえ(ましてや、『けがれ』が全く無い事など、有り得ない……!)

Qべえ(何が巴マミに起こったんだ?)

マミ「……Qべえ?」

96 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:34:24 iiiRClx. 93/623


Qべえ「ん? ああ、ごめん。 ……初めてのケースだけど」

Qべえ「君のソウルジェムは、とても安定した状態になっている」

Qべえ「つまり、心理的にとても落ち着いている、という事で……」

     ピピピ…… ピピピ……

マミ「あ……、Qべえ、ちょっと待ってね」 ガチャ

マミ「もしもし?」

まどか『あ!? マミさん!?』

まどか『良かった…! つながって……』

マミ「鹿目さん? どうしたの?」

97 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:35:04 iiiRClx. 94/623


まどか『今、駅前のツリー広場なんですけど……仁美ちゃんが……』

まどか『友達の様子がおかしくて……きゃあ!』 ブッ!!

     ツー… ツー…

マミ「!? 鹿目さん!? 鹿目さん!?」

Qべえ「……魔女かい?」

マミ「ええ、どうやらそうみたい」

マミ「しかも、鹿目さんの友人が魔女に操られているみたいね……」

マミ「急いで行かないと!」

98 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:35:52 iiiRClx. 95/623


 ――夜――

 ――古びた工場――



まどか「仁美ちゃん! しっかりして!」

仁美「うふふふふふあはははははは」

まどか(ダメッ…! 魔女の口づけのせいで、どうにもならない……!)

まどか(マミさん! 鳴上さん! 早くきて!)

仁美「まどかさぁん……」 ユラァ……

まどか「ひいっ…!」 ダダッ!

     バタンッ! カチン(鍵閉め)

まどか「はあっはあっ……これで、なんとか……」

     イヒヒヒヒヒッ…!

まどか「!? やっ……!」

99 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:36:41 iiiRClx. 96/623


まどか(……! 結界に引き込まれたっ……!)

     ギリギリギリギリッ!!

まどか「ひぎっ!? あああああああああっ……!!!」

     シャキン! シャキン! シャキン!

???「……はあっ!」

     ズババッ!

まどか「……!?」

まどか「さやかちゃん!?」


―――――――――――

100 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:37:36 iiiRClx. 97/623


―――――――――――


まどか「はあっはあっはあっ……」

さやか「大丈夫? まどか?」

まどか「だ、大丈夫……だけど……、さやかちゃん」

まどか「魔法少女に……なったの?」

さやか「てへへ……まあ、ね」

まどか「どうして……? マミさんも 鳴上さんも 居るのに……」

さやか「……できたから」

まどか「え?」

さやか「どうしても叶えたい願いが、できちゃったから……」

まどか「さやかちゃん……」

101 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:38:28 iiiRClx. 98/623


さやか「それにさ、まどかも仁美も、助けられたんだし」

さやか「結果オーライだよ!」 ニャハハ…

まどか「…………」

     タッ タッ タッ

マミ「確か……この辺で魔女の反応が……え?」

さやか「あ、マミさん!」

マミ「美樹さん! その姿は……!」

さやか「そうです! はれて魔法少女になりました!」

マミ「そうなの……」

さやか「や、やだなあ。 もっと喜んでくださいよ!」

102 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:39:24 iiiRClx. 99/623


マミ「そ…そうよね。 ごめんなさい、私ったら……」

まどか「……あ、そうだ! 鳴上さんに電話入れておかないと……」

まどか「きっと、心配してる」

マミ「そうね……私が連絡しておくわ」

まどか「え? いいんですか?」

マミ「ええ、ちょっと伝えなきゃならない事もあるし」

まどか「わかりました。 お願いします」

さやか「じゃ、帰ろう! まどか!」

まどか「うん、さやかちゃん!」

さやか「あ、仁美も忘れずに連れて行かないと……よっと」 おんぶ

まどか「気がつくまで、まだ かかりそうだね……」

     テク テク テク…

103 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:40:09 iiiRClx. 100/623


ほむら「…………」

ほむら「美樹さやか……」

ほむら「あなたは……また、まどかを苦しめるのね……」 ギリッ…!

ほむら「…………」

ほむら(でも……巴マミは、生きている)

ほむら(もしかしたら、美樹さやかも……あの男、鳴上 悠が……)

ほむら(…………)

ほむら(何を馬鹿な……) 頭フルフル

ほむら(たった一人の男が、加わっただけで)

ほむら(すべて、上手くいくわけがない……)

     タッ タッ タッ…

104 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:41:31 iiiRClx. 101/623


 ――鉄塔の上――



??「――で? どうしてあたしを呼んだんだい?」

Qべえ「ちょっとね。 魔法少女の一人にイレギュラーが生じたんだ」

??「イレギュラー?」

Qべえ「今は、凄く安定しているんだけど……」

Qべえ「今後どうなるか、予測がつかない」

??「なるほど……それであたしの出番ってわけだ」

??「……けど、後二人も魔法少女が居るのは、どういう事だい?」

Qべえ「一人は急だったけど、今日なったばかりの魔法少女だよ」

Qべえ「そして、彼女もまた、なりたてで不安定だ」

105 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:43:07 iiiRClx. 102/623


Qべえ「もう一人は、謎が多い娘でね……」

Qべえ「そうだね、こっちもイレギュラーと言える存在だ」

??「ふ~ん。 なかなか面白そうだけど……三人も相手になるのは勘弁して欲しいね」

Qべえ「大丈夫だよ」

Qべえ「謎の多いイレギュラーは、我関せず、といった感じだ」

Qべえ「共闘は、おそらくしないだろう」

??「ふん……あたしと同じで一匹狼かい」

??「まあいい。 ここの狩場は良さげだ。 あたしのモノになるのは悪くないね」

Qべえ「一応言っておくけど、あまり派手に暴れないでくれよ?」 ニコ

??「ああ……わかってるよ。 ただし、あたし流のやり方でやるけど、な……」 クックックッ…

106 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:44:31 iiiRClx. 103/623


 ――放課後――

 ――見滝原町・河川敷公園――



まどか「えっと、さやかちゃん。 調子はどうかな?」

さやか「ん? すこぶるいいよ!」 ニコ

まどか「そう。 なら、いいんだけど」 ニコ

さやか「……なんか、ね。 あたし嬉しいんだ」

さやか「魔法少女になって、マミさんや鳴上さんの手伝いが出来るって事が」

さやか「すごく嬉しい」

まどか「さやかちゃん……」

さやか「……あたしって、バカだからさー」

さやか「誰かを助けられたり、誰かの役に立つ事なんて、無いと思ってた」

まどか(! ……さやかちゃん、私と同じ事を……)

107 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:45:28 iiiRClx. 104/623


さやか「だから、今、やる気マンマンなんだ~」 ニコ

さやか「……マミさんと鳴上さんには、『慎重』になれって言われてるんだけどね」 テへへ…

まどか「フフッ、わかる気がするかも」

さやか「お? 言ったなー、まどか!」 ウリャウリャ

まどか「きゃーん! ごめん、さやかちゃん!」 クスグルノヤメテー

     アハハハ……

ほむら(…………)

ほむら(…………)

ほむら(くっ……美樹さやか) ギリッ

108 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:46:19 iiiRClx. 105/623


 ――夕方――

 ――見滝原総合病院・屋上――



     ※注 恭介は車椅子

恭介「……さやか、どうしたの? こんな所に連れてきて」

さやか「いいから いいから。 まあ、全快前祝いって事で……」

恭介「?」

     パチパチパチ……

恭介「!? お父さん!? それに、お母さんに病院の先生方……」

恭介・父「先生にお前の病状を聞いて……散々迷ったが……」

恭介・父「本当に捨てなくて良かった……」 スッ…

恭介「!!!」

恭介「僕の……バイオリン……」

109 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:47:09 iiiRClx. 106/623


さやか「……恭介、弾いてみてよ?」

恭介「……さやか」

恭介「…………」

     ♪~ ♪~ ♪~

恭介・母「……ああ」 グスッ…

恭介・父「……良かった、本当に」 グスッ…

     ♪~ ♪~ ♪~

さやか(…………)

さやか(……そうだよ、これでいいんだよ)

さやか(あたしのやった事は、間違いじゃない)

さやか(あたし……今、最高に幸せだよ……) グスッ…

110 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:49:14 iiiRClx. 107/623


 ――数日後の夜――

 ――ビル群の裏路地――



     キヒャヒャヒャ!

さやか「このぉ! 逃げるな!」 ブンブン!

まどか「さやかちゃん!」

鳴上「俺がペルソナで足を止める!」

鳴上「ティターニア!」 マハガル!

     ヒュゴオオオッ!

マミ「上手い! 止めよ! ティロ・フィナーレ!」 ドオンッ!

     ガキィンッ!!

マミ「!?」

111 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:50:25 iiiRClx. 108/623


さやか「な、何!?」

     キィン! カァンッ!!

まどか「ああ……」

鳴上「逃げられた……」

マミ「……結界が晴れていく」

さやか「もう! 何なのよ、今の!? もう少しだったのに!!」



??「そりゃ、こっちのセリフだっつーの」



まどか「!? だ、誰!?」

112 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:51:52 iiiRClx. 109/623


     ヒュ――ン……ストン

??「あたしは、佐倉 杏子。 見ての通り、魔法少女だ」

杏子「それよりも何だい? 何で使い魔を狩ってんのさ?」

杏子「何人か食わせて魔女化させないと、グリーフシードを落とさないだろ」

杏子「もったいない事するんじゃねーよ」

一同「!?」

さやか「……あんた、何言ってんのよ」

さやか「そんな事出来るわけ無いじゃない!!」

杏子「はあ? 何、正義感ぶってんのさ」

杏子「あたし達は、体張って魔女を退治してるんだ……」

杏子「魔法は、タダで出来る事じゃないんだよ!!」

113 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:52:41 iiiRClx. 110/623


鳴上(!?)

鳴上(…………)

鳴上(……そうか、今、わかった)

鳴上(あの時)

鳴上(Qべえの何に引っかかっていたのか……!)

鳴上(…………)

鳴上(もし、俺の推測が当たっているとしたら……)

鳴上(…………)

鳴上(くっ……どうすればいい……?)

114 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:53:27 iiiRClx. 111/623


さやか「このおっ!!」 ゴウッ!

     ガキィ!

杏子「はっ! いきなり何すんのさ!?」

杏子「この程度の力で、あたしにケンカを売ろうってのかい!?」

杏子「上等だよ!」

     ブンッ! ガゴォッ!!

さやか「…ああっ!!」 ダンッ!

杏子「そらそら! どうした!?」

     シュルルルルルッ!!

115 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:54:21 iiiRClx. 112/623


杏子「!?」

さやか「!?」

マミ「二人共、止めなさい!」

マミ「魔法少女同士が戦っても、無意味よ!」

杏子「…………」

さやか「…………」

杏子「……ちっ、わかった。 悪かった。 これで終わっとくよ」

さやか「……あたしも悪かったわ」

マミ「……拘束を解くけど、もう飛びかかっちゃダメよ」

      シュルルルルルッ……

まどか「……ほっ。 良かった」

鳴上「…………」

116 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:55:04 iiiRClx. 113/623


鳴上「……まどか」

まどか「え!? は、はい…?」

鳴上「魔法少女には、絶対になるな……」

まどか「!?」 ビクン!

鳴上「……今、理由は言えないが……頼む」

まどか「……は、はあ」

鳴上「さあ、俺達も行こう」

まどか「…………」

まどか(いったい……どういう事?)

まどか(あんな怖い表情の鳴上さん……初めて見た)

117 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:55:56 iiiRClx. 114/623


 ――巴マミの部屋――



さやか「ったく! 何なのよ! あいつ!」

マミ「美樹さん、落ち着いて」

さやか「でも、マミさん!」

鳴上「落ち着け、さやか」

さやか「ぐ……むう」

まどか(鳴上さんの一言は、効果大だなぁ……)

マミ「……残念だけど、彼女の意見も一理あるわ」

さやか「マミさん!?」

マミ「ソウルジェムの『けがれ』は、グリーフシードでしか取り除けない……」

マミ「そして、それは、魔女のみが持っている」

マミ「その事実は……変え様がないわ……」

さやか「……………………」

118 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:56:53 iiiRClx. 115/623


さやか(……どうしてだよ、マミさん)

さやか(何で、あんな奴の肩を持つの……)



鳴上「それから……マミ?」

マミ「はい、悠さん」

マミ「後……今日わかった事を、みんなに伝えておきますね」

さやか「え?」

まどか「わかった事?」

マミ「まず、これを見てくれる?」 コト…

     ヒィイインッ……

さやか「わあ……これって、マミさんのソウルジェム?」

まどか「なんて言うか……凄く綺麗」

119 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:57:32 iiiRClx. 116/623


さやか「……あれ!?」

まどか「どうしたの? さやかちゃん?」

さやか「うん……」 ゴソゴソ… コト…

さやか「これ、あたしのソウルジェム」

まどか「……少し、くすんでるね?」

さやか「まどか、今日あたし達は、魔法をたくさん使った……」

まどか「うん」

さやか「なのに……どうして、マミさんのソウルジェムは、少しも『けがれ』ていないの?」

まどか「……あ!!」

120 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:58:48 iiiRClx. 117/623


マミ「そう……Qべえにも聞いてみたんだけど」

マミ「理由は、全くわからないの」

マミ「Qべえは私の心が、とても安定している状態だと言っていたわ」

鳴上「そして、今日、本来は『けがれ』るはずのソウルジェムが」

鳴上「全然『けがれ』ない、という事が確認された……」

鳴上「もちろん、何故かはわからない」

さやか「…………」

まどか「…………」

鳴上「……だが、俺は一つ、思い当たる事がある」

さや・まど「えっ!?」

121 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 19:59:33 iiiRClx. 118/623


鳴上「……みんなも見ているだろう」

鳴上「俺は、ペルソナを使いながら、全くグリーフシードを必要としない」

マミ・まど・さや「!!!」

まどか「じゃ、じゃあ、マミさんもペルソナ使いに!?」

鳴上「いや、たぶんそうじゃない」

鳴上「魔法少女も、ペルソナも、根源の力は、心だ」

鳴上「だが、発動の仕方や仕組みが違う……」

鳴上「例えるなら、同じ火薬を使いながら 花火とダイナマイトは全く別物」

鳴上「そんな所だろう」

122 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:00:40 iiiRClx. 119/623


鳴上「でも、火薬自体が、ダイナマイト用のモノから 花火用の物へと変化したのなら」

鳴上「ありえない事では、無いかもしれない……」

鳴上「もちろん推測でしかないがな」

さやか「…………」

さやか(……なにそれ)

さやか(どうして、マミさんだけ……)

マミ「それから捕捉するけど……魔法を無限に使える様になったわけでも無いの」

マミ「これも悠さんのペルソナ能力に近いんだけど……」

マミ「魔法をある程度使うと、凄く疲れる様になったわ」

まどか「そうなんですか……。 痛し痒しって、感じですね」

123 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:01:54 iiiRClx. 120/623


鳴上「……それから、この事はQべえに内緒に……」

     ストン…

Qべえ「僕が、どうかしたのかい?」

鳴上「…………」

マミ「……Qべえ」

Qべえ「ひどいな、鳴上 悠。 僕に隠し事かな?」

鳴上「……その様子だと、聞いていたみたいだな」

Qべえ「やれやれ……何だか、君には嫌われた様だね」

Qべえ「その目は、まるで暁美ほむらの目に似ているよ」

鳴上「……!」

鳴上(……そうか、彼女も俺と同様に、あの事に気づいたのかもしれないな……)

まどか(鳴上さん……)

124 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:02:50 iiiRClx. 121/623


鳴上「……さて」 スクッ…

鳴上「そろそろ遅い時間だ」

鳴上「さやかと まどかを 送っていこう」

さやか「えっ?」 ///

まどか「は、はい?」 ///

鳴上「Qべえは、ここに残るのか?」

Qべえ「まあね。 巴マミの話も聞きたいし」

鳴上「そうか。 それじゃ、二人共、行こうか?」

まどか「わ、わざわざ、すみません……」 ///

さやか「エへへ……。 な、なんか照れるね」 ///

鳴上「じゃ……マミ、お休み」

マミ「はい、お休みなさい、悠さん」

125 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:03:43 iiiRClx. 122/623


 ――路上――



     テク テク テク…

鳴上「すまないな、二人共。 ダシに使って」

まどか「いえ……」

さやか「まあ、そんな事だろうって思ったけどね~」

鳴上「だが、実を言うと、少し頼みたい事がある」

まどか「頼み、ですか?」

さやか「どんな事?」

鳴上「暁美ほむらと、会って話がしたい」

鳴上「場所と時間はそちらに任せるから、と伝えてくれないだろうか?」

まど・さや「!?」

126 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:04:35 iiiRClx. 123/623


さやか「…………」

さやか「鳴上さん、いったいあの転校生に何の用が?」

鳴上「……今は話せない。 結論を出す為に、少しでも情報が欲しい」

鳴上「それだけだ」

まどか(…………)

まどか(私に魔法少女になるな、と言った事と関係があるのかな……)



さやか(……なんか、嫌だな)

さやか(あたし達に隠し事なんて、止めてよ……鳴上さん)



まどか「わかりました、鳴上さん。 ほむらちゃんに伝えておきますね」

鳴上「頼む」

127 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:05:36 iiiRClx. 124/623


 ――さやかの部屋――



さやか「…………」

さやか「…………はあ」

さやか(何か、気分悪いな……)

さやか(せっかく魔法少女になったのに)

さやか(あたしだけ、舞い上がってたみたい……)

さやか(…………)

さやか(せっかく、やる気になってたのになぁ……)

さやか(…………)

さやか「…………はあ」

128 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:07:03 iiiRClx. 125/623


 ――翌日・休日の午前中――

 ――ゲームセンター――



     タン タン タタン!

杏子「よっ ほっ ふっ」

     タタン タタン タン!

杏子「よう。 何かあたしに用かい?」

ほむら「…………」

     タン! タタン タン

ほむら「私に、協力して欲しいの」

杏子「へえ? けど、あたしのやり方 知ってんだろ?」

     タン! (ゲーム終了)

杏子「見返りは何だい?」

129 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:08:08 iiiRClx. 126/623


ほむら「この町のテリトリーを 全部あげるわ」

杏子「ほー。 そいつは太っ腹だね」

杏子「で? あたしは、何をすればいいんだい?」

ほむら「それは後で、私の家で説明するけど……約束して欲しい事があるの」

ほむら「今からしばらく、『何もしない事』を、ね」

杏子「はあ? 魔女退治もかい?」

ほむら「それは構わない。 私が言っているのは」

ほむら「美樹さやか達の事よ」

杏子「……ちょっかい出すなって事かい」

ほむら「そうよ」

130 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:08:47 iiiRClx. 127/623


杏子「…………」

杏子「まあ、言いたい事はわかった」

杏子「その詳しい話ってのは、いつするんだい?」

ほむら「三日後、ここで待ってて。 迎えに行くから」

杏子「オッケー、オッケー。 わかったよ」

     チャリン☆ ゲーム・スタート!

ほむら「…………」

ほむら(これで……何とかなればいいけど)



杏子(はっ……あのムカつく青いのが、大事なのかぁ?)

杏子(ちょっかい出すなって言われると……出したくなるんだよねぇ……) クックックッ…

131 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:09:47 iiiRClx. 128/623


 ――夕方――

 ――見滝原総合病院――



     テク テク テク…

さやか(えへへ……恭介、この新しいCDプレイヤー、気に入ってくれるかな?)

さやか(きっと、喜んでくれるよね) ///

     ガラッ

さやか「恭介……!」

さやか「…………あれ?」

さやか「…………」

さやか「どうして……居ないの?」

132 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:10:33 iiiRClx. 129/623


看護師「あら? あなたは……?」

さやか「あっ……その……この病室の上条 恭介くんは……?」

看護師「ああ、上条さんならお昼頃、親御さんと退院されましたよ?」

さやか「えっ……? そう……なんですか?」

看護師「ええ。 少しでも早く、帰りたかったみたいで……」



さやか「…………」

さやか(恭介……。 退院するって、一言あってもいいじゃない……)

さやか(なんか、ちょっとショックだな……)

133 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:11:17 iiiRClx. 130/623


 ――夜――

 ――上条宅前――



さやか(…………)

さやか(……迷惑だったのかな?)

さやか(…………)

さやか(ううん、そんな事ない!)

さやか(余計な事は考えるな、さやか!)

さやか(と、とにかく、今日はCDプレイヤーを渡して、帰ろう! うん!)

     ♪~ ♪~ ♪~

さやか(………あ)

さやか(…………)

さやか(バイオリンの音……)

134 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:11:57 iiiRClx. 131/623


さやか(…………)

さやか(…………そっか)

さやか(恭介……思い切りバイオリンを弾きたかったんだ)

     ♪~ ♪~ ♪~

さやか(…………)

さやか(……そうだよね)

さやか(病室じゃ出来ないもんね……)

さやか(ふふっ……そのせいで、あたし、忘れられちゃったのか)

さやか(相変わらず、音楽バカなんだから……)

さやか(邪魔しない様に今日は帰ろっと) クスッ

135 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:13:01 iiiRClx. 132/623




??「こんな所で何してんのさ? お前」



さやか「!?」

さやか「……あんたは」

杏子「あんたじゃねーよ。 佐倉 杏子だ。 忘れんな」

さやか「……何の用?」

杏子「べっつにー。 今だったら二人っきりだし」

杏子「この前の続き、サシで出来るけど?」

杏子「文句あんだろ? あたしに。 遠慮なくかかってきなよ?」 ニヤニヤ

さやか「…………」

136 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:13:55 iiiRClx. 133/623


杏子「そういやあんたさー、願い事……この家の男の体、治すのに使ったんだって?」

杏子「バッカじゃないの?」 ケラケラ……

さやか「なっ……!」

杏子「だってそうだろ?」

杏子「他人の為に、たった一つしかない願いを使っちまったなんて」

杏子「バカ以外の何者でもないじゃないか」

さやか「あんた……!!」 ギリッ!

杏子「どうやら、やる気になったみたいだね……」

杏子「来なよ。 ここじゃ、てめーもまずいだろ?」

杏子「人の居ない所で、派手にやろうじゃない……」 クックックッ……

137 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:14:52 iiiRClx. 134/623


 ――交差陸橋上――



杏子「さぁーて……おっぱじめようじゃないか……」

     キィイイイイインッ!(魔法少女へ変化)

さやか「後悔させてやる……!!」 スッ…

???「待ちなさい、二人共」

杏子・さやか「!!?」

杏子「あ、あんたは……」

ほむら「約束したはずだけど? 美樹さやか達には、手を出すな、と」

杏子「うるせーよ。 あたしは、あたしのやりたいよーにしたいんだよ!」

ほむら「…そう。 なら」

杏子「!?」

138 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:15:38 iiiRClx. 135/623


ほむら「佐倉 杏子。 私が、あなたの代わりに 美樹さやかと戦うわ」

杏子「はあ!? なんでそうなるんだよ!?」

さやか「……あーもう! めんどくさい!」

さやか「いいよ……二人共、相手してやる!!」 スッ…



???「ダメ!! さやかちゃん!!」 バッ!



さやか「!? まどか!?」

さやか「返して! あたしのソウルジェム!!」

まどか「ごめん……さやかちゃん……!」

139 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:16:26 iiiRClx. 136/623


まどか「えいっ!!」 ブンッ

     ポイッ…… (走ってるトラックの荷台に) ポトッ

さやか「ああっ……!?」

杏子「おいおい……」

ほむら「!!!!」 ダッ!!



さやか「まどか! なんて事するのよ!?」

まどか「ごめん、さやかちゃん。 こうでもしないと……止められないって……思って」

さやか「だからって、いきなりソウルジェムを 捨て…る……事、は……」

さやか「な…………」 ドサッ……

まどか「えっ? さやか……ちゃん?」

杏子「!!? おいっ!?」 グッ!

140 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:17:18 iiiRClx. 137/623


杏子「…………!」

杏子「どういう……事だよ?」

杏子「こいつ、死んでんじゃねーか!」

まどか「…………ええっ!?」

さやか「」

まどか「……うそ、だよね? さやかちゃん?」

まどか「何とか言ってよ!?」

さやか「」

まどか「起きてよ! さやかちゃん!!」

???「やれやれ……なんて事をするんだい。 鹿目まどか」

まどか「Qべえ!?」

141 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:18:22 iiiRClx. 138/623


Qべえ「どうして美樹さやかを捨てたんだい?」

Qべえ「ダメだよ、そんな事しちゃ」

まどか「……何、言ってるの……Qべえ?」

杏子「…………」

     ガシッ!!

杏子「……どういう事か、説明してもらおうか?」

杏子「なんでこいつは、死んでんだよ!?」

Qべえ「だから、それは美樹さやかじゃない」

Qべえ「単なる抜け殻だ」

Qべえ「本人の意識はソウルジェムにあり、その効果範囲は約100m前後……」

Qべえ「それ以上離れると、こうなるんだよ」

まどか「わけわかんないよ! Qべえ」

142 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:19:06 iiiRClx. 139/623


Qべえ「僕達はね、君達の言う、『魂』を肉体から分離できるんだ」

Qべえ「それが、ソウルジェム」

Qべえ「第一、魂が肉体と一緒だと、急所を突かれただけで魂ごと意識は消えてしまう」

Qべえ「君達で言う『死』だ」

Qべえ「でも、意識をソウルジェムに移す事で、心臓を刺されようが頭を割られようが」

Qべえ「魔法で治す事が可能だ」

Qべえ「魔女との過酷な戦いの為に、これは大いに役に立つだろう?」

Qべえ「感謝こそされ、非難される事では無いと思うけど?」

杏子「ふざけんな、てめえ……!」

杏子「じゃあ、なんで黙ってたんだよ!!」

Qべえ「聞かれなかったからさ」

まどか・杏子「……!!」

143 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:20:13 iiiRClx. 140/623


     コト……(さやかの前に ソウルジェムを置いた)

ほむら「ふう……」

まどか「!!」

まどか「ほむらちゃん……?」

     ピクンッ……

まどか「!! さやかちゃん!?」

杏子「……!」



さやか「………?」

さやか「あれ?」

さやか「あたし……どうしたの?」

144 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:21:12 iiiRClx. 141/623



―――――――――――


さやか「…………」

ほむら「……という事よ。 わかったかしら?」

まどか「ごめん……さやかちゃん、本当にごめんなさいっ……!」 グスッ…

さやか「…………っ」 ダッ!

     タッ タッ タッ…

まどか「!! さやかちゃん!!」

ほむら「待ちなさい、まどか」

まどか「で、でもっ!!」

ほむら「あなたが行っても どうにもならないわ。 それよりも……」

145 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:21:55 iiiRClx. 142/623


ほむら「これでわかったでしょう? 私が魔法少女になるな、と言った意味が」

まどか「…………うん」

ほむら「だったら、もうQべえには関わらない事ね」

まどか「…………そう、だね」

まどか「鳴上さんにも言われてるし……」

ほむら「!?」

ほむら「…………」

ほむら「……まどか、あの男に何を言われたの?」

まどか「ほむらちゃんと同じだよ」

まどか「魔法少女になるなって……」

ほむら「…………」

146 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:22:21 iiiRClx. 143/623


ほむら「まどか、今、彼と連絡が取れるかしら?」

まどか「え? う、うん……」

まどか「でも……どうしたの? 急に……」

まどか「学校じゃ、全然そっけなかったのに……」

ほむら「気が変わっただけよ」

ほむら「それに……」

まどか「それに?」

ほむら「……ううん、何でも無い」

ほむら(もしかしたら……彼は、知っているのかもしれない)

ほむら(それを確かめないと……)

147 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:27:38 iiiRClx. 144/623


 ――深夜――

 ――暁美ほむらの家――



鳴上「………お邪魔します」

ほむら「堅苦しい挨拶はいいわ」

ほむら「早く入って」

鳴上「…………」

鳴上(……殺風景、と言うか、殺伐としている、と言うか)

鳴上(おおよそ女の子の部屋とは 思えないな……)



ほむら「早速だけど……」

ほむら「あなたは、どこまで知っているのかしら?」

鳴上「……その前に、Qべえは居るのか?」

148 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:28:18 iiiRClx. 145/623


ほむら「ふう……用心深いみたいね」

ほむら「それなら安心して。 まどかに頼んで、巴マミに見てもらってるわ」

ほむら「信用できないなら、彼女達に電話してみるといい」

鳴上「そうか……そうさせてもらう」 カチャ…(携帯オープン)

ほむら「…………」

―――――――――――
鳴上、確認中……
―――――――――――

鳴上「……よし、確認した」

鳴上「それじゃあ……さっきの質問に答えよう」

ほむら「…………」

149 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:29:21 iiiRClx. 146/623


鳴上「まず、俺は『知っている』わけではない」

鳴上「いくつかのキーワードから、一つの仮説を考えただけだ」

ほむら「仮説……」

鳴上「俺の知る『シャドウ』と『魔女』は、非常によく似た存在だと、ある筋から聞いた」

鳴上「シャドウとは、人の『負の意識』が具現化したもの……」

鳴上「それによく似ているのならば、魔女もまた」

鳴上「『人の負の意識』から生まれたのでは、ないだろうか?」

鳴上「と……」

ほむら「…………」

150 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:30:53 iiiRClx. 147/623


鳴上「そして、Qべえの言葉が、ずっと引っかかっていた……」

ほむら「…………」



Qべえ「使い魔はやがて魔女に。 魔女は、より強力な魔女へと、ね」



鳴上「きっかけは、佐倉 杏子の この一言だ」

ほむら「…………」



杏子「魔法は、タダで出来る事じゃないんだよ!!」



鳴上「Qべえの言葉で引っかかっていたのは、『最初の魔女』の説明が無かった事」

鳴上「そして、ソウルジェムに溜まって行く『けがれ』の存在」

鳴上「さらに俺の知る、『シャドウ』の具現の仕方……」

151 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:31:43 iiiRClx. 148/623


鳴上「そこから導き出した俺の推測は……『けがれ』を溜め込みすぎた魔法少女は」



鳴上「やがて、『魔女』になるんじゃないのか? という事だ……」



ほむら「…………」

鳴上「…………」

ほむら「…………」

鳴上「…………」

ほむら「…………あなたは」

鳴上「……?」

152 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:32:31 iiiRClx. 149/623


ほむら「まどかに魔法少女になるな、と、言ってくれたそうね?」

鳴上「……ああ」

ほむら「それに感謝して、答えるわ」

鳴上「…………」

ほむら「ええ、その通りよ」

鳴上「………!」

ほむら「驚いたわ。 推測とは言え、よく気がついたわね」

鳴上「確証は無かった。 だが……」

ほむら「だが?」

鳴上「これを……魔法少女に伝えるべきかどうか……迷っている」

ほむら「……!」

153 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:33:09 iiiRClx. 150/623


ほむら「…………」

ほむら「どうして迷うの? 理由を聞いてもいいかしら?」

鳴上「魔法少女が、化物になるかもしれない」

鳴上「その恐怖感から、魔法少女同士で殺し合いが始まる可能性を考えた……」

ほむら「じゃあ、何故、私には包み隠さず話したの?」

鳴上「君は、まどか達に前々から、『魔法少女になるな』と言い続けてたからだ」

鳴上「……事情を知っていたから、そういう結論に達したのだろう?」

ほむら「…………」

ほむら(……どうしよう)

ほむら(この人なら、あるいは……!)

154 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:34:01 iiiRClx. 151/623


鳴上「…………」

鳴上「……さて」 スクッ…

鳴上「そろそろ帰る」

ほむら「えっ?」

鳴上「終電の時間だ」

ほむら「ああ……そ、そうね」

鳴上「…………でも」

ほむら「?」

鳴上「俺が信頼に足る人物だと、判断出来たら」

鳴上「また呼んでくれ」 ニコ

ほむら「……!!」 ドキッ

鳴上「じゃ……」

155 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/15 20:34:45 iiiRClx. 152/623


ほむら「…………」

ほむら(な、何よ、あいつ……)

ほむら(人の心を、見透かして……!)

ほむら(…………)

ほむら(…………)

ほむら(……でも、不思議と嫌じゃなかった……)

ほむら(鳴上 悠……)

ほむら(…………) ///

159 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:39:01 litESjz. 153/623


 ――翌日の朝――

 ――美樹さやかの部屋――



さやか(…………)

さやか(はは……笑っちゃうよね……)

さやか(魔法少女になって喜んでいたのに)

さやか(こんな体にされていた、なんて……)

さやか(…………)

さやか(今日、学校休んじゃって……心配してるだろうな)

さやか(まどか……)

160 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:39:52 litESjz. 154/623


??《いつまでも しょぼくれてんじゃねーぞ、ボンクラ》

さやか(……!?)

さやか(魔法のテレパシー……) スクッ…

     テト テト テト…… シャッ…(カーテンオープン)

さやか(!!?)

さやか(あいつは……)

杏子《話がある……。 ちょいとツラ貸しな》 クイッ…

さやか(…………)

161 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:41:16 litESjz. 155/623

BGM
http://www.youtube.com/watch?v=yKBFtAJaTQ0&feature=related

162 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:42:18 litESjz. 156/623


 ――午後――

 ――郊外の路地――



     テク テク テク…

さやか「…………」

さやか「……こんな所まで連れてきて、一体何の用?」

杏子「あんたさぁ……やっぱりショックなわけ?」

杏子「昨日の事」

さやか「そりゃあね……。 あんたもそうなんでしょ?」

杏子「……まあね」

163 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:43:07 litESjz. 157/623


 ――廃墟の家屋――



さやか(…………)

さやか(……なに? ここ……)

さやか(教会……かな?)

さやか(火事にでもあったみたい……)



杏子「りんご、食うかい?」 ヒュッ

さやか「…………」 パシッ

さやか「…………」

     ポイッ…… コロ コロ コロ

杏子「!!」

さやか「いらな…」

     グイッ!!

164 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:43:54 litESjz. 158/623


杏子「てめぇ! くいものを粗末にすんじゃねーよ! 殺すぞ…!」

さやか「ぐっ!?」

杏子「…………」

杏子「…………ちっ」 パッ…

さやか「………っは」

杏子「……まあいい」 リンゴ拾い ゴシゴシ…

杏子「本題に入ろうか」

さやか「…………」

165 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:45:12 litESjz. 159/623


杏子「あんたさぁ……なんで自分は、こんな目に会ってるの?って思ってるのかい?」

さやか「……別に。 でもあんたは、自業自得でしょ?」

杏子「そうさ……その通り」

杏子「そしてお前も、自業自得にしちまえばいいのさ」

さやか「……!?」

杏子「だから、あたしは自分の為に魔法を使ってる」

杏子「そうすれば、何が起こっても自分のせいに出来る」

杏子「他人の為に魔法を使って酷い目に合えば……」

杏子「誰かを恨まずにいられなくなる……」

さやか「…………」

166 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:46:18 litESjz. 160/623


杏子「……あたしの父親はね」

杏子「ここの神父だったんだ」

さやか「…………」

杏子「純粋な人でね……」

杏子「毎日、新聞を見ては、ため息をついて胸を痛めている様な人だった」

さやか「…………」

杏子「ある日、オヤジは、世の中を良い方向に変えようと思って」

杏子「毎日、説法を説いた」

杏子「実現されたら、そりゃ素晴らしいって感じの話でね」

杏子「あたしは、そんなオヤジが誇らしかった」

さやか「…………」

167 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:47:03 litESjz. 161/623


杏子「……でも」

杏子「世間て奴は、そんなオヤジに冷たかった」

杏子「まあ、説法に独自の解釈を加えて、教義に無い事まで唱え始めたんだ」

杏子「今なら、バカな事をしてたってわかるよ……」

さやか「…………」

杏子「それからは辛かったね……」

杏子「教会に足を運ぶ人はどんどん減り」

杏子「あたし達家族は、毎日の食事にも事欠く有様になった」

さやか「…………」

168 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:47:52 litESjz. 162/623


杏子「あたしは……ただ、悔しかった」

杏子「オヤジは間違ってない」

杏子「話さえ聞いてくれれば、それがわかってもらえる」

杏子「あたしは、そう思って」

杏子「オヤジの説法に人が集まりますように、と、Qべえに祈りを捧げた」

さやか「……!」

杏子「それからは、教会にわんさか人が押し寄せてきた」

杏子「オヤジは嬉しそうだった」

杏子「魔女と戦いつつも それを見て、あたしは幸せだった」

さやか「…………」

169 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:48:58 litESjz. 163/623


杏子「けど、ある日」

杏子「オヤジに、願い事を叶えて魔法少女になった事がバレた」

さやか「……!」

杏子「その日から、オヤジは変わった」

杏子「毎日酒を飲んで、家族に当たり散らし」

杏子「あたしを魔女の手先と罵った……」

さやか「…………」

杏子「……最後は惨めなもんさ」

杏子「家族をその手にかけて、教会に放火し……本人も自殺」

杏子「あたし一人、生き残っちまった……」

さやか「…………」

170 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:49:51 litESjz. 164/623


杏子「覚えときな」

杏子「誰かの為に祈った幸せの分だけ」

杏子「誰かに不幸が訪れる」

杏子「そうやって、差し引きゼロにして」

杏子「世の中ってのは、バランスを保っているんだ」

杏子「それを身をもって体験したんだよ、あたしは、ね……」

さやか「…………」

杏子「いちいち誰かの不幸を見て傷ついてたら」

杏子「あんた、その内、潰れちまうよ?」

杏子「悪い事は、言わないからさー」

杏子「もっと気楽に生きてみなよ、あたしみたいに……」

さやか「…………」

171 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:50:52 litESjz. 165/623


さやか「…………」

さやか「なんであたしに、そんな話をすんのさ?」

さやか「あんた、自分勝手に生きてるんでしょ?」

さやか「なのに……あたしの事、気にかけるなんて……おかしいじゃない」

杏子「……なんでだろうね?」

杏子「…………」

杏子「あんたを見てたら」

杏子「なんとなく……放っておけなくなった」

杏子「ってとこかな?」

さやか「…………」

172 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:51:35 litESjz. 166/623


さやか「…………」

さやか「心配……してくれるんだ」

杏子「…………」

さやか「……あんたの事、誤解してた」

さやか「言いたい事もわかるし、なるほどって思える所も多かった」

さやか「ありがとう」 ニコ

杏子「!……じゃ、じゃあ!」

さやか「でも」

杏子「……!」

さやか「あたしは……自分の願いが、間違いだとは思ってない」

杏子「…………」

173 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:52:24 litESjz. 167/623


さやか「あたしは……あたしの思い描く魔法少女を目指して」

さやか「これからも頑張っていく。 もちろん、見返りなんていらない」

さやか「この力は、使い方次第でいくらでも世の中の役に立てるって事を」

さやか「証明してみせる……!」

杏子「!! あ、あんたね……!」

さやか「そういやさ、そのリンゴ」

さやか「どうやって手に入れたの?」

杏子「!!」

杏子「…………っ」

さやか「…………」

さやか「やっぱり、言えないんだ……」 フウッ…

174 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:53:16 litESjz. 168/623


さやか「それじゃあ帰るね、あたし……」 スッ…

     テク テク テク…

杏子「……ちょ! 待ちなよ!」

さやか「もう話は済んだでしょ?」

さやか「あたしは、あたしのやり方でやる」

さやか「それが嫌だって言うのなら、遠慮なく力ずくで止めたらいい」

さやか「たとえそれで、あたしが死ぬ事になっても」

さやか「あんたを恨んだりしないからさ……」

杏子「!!!」

     ……………………

杏子「…………」

杏子「バカヤローが……!」

175 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:54:05 litESjz. 169/623


     テク テク テク

???「いいのかい? あんな事言って?」

さやか「!!?」

さやか「……今更、よく、あたしの前に来れたね」

さやか「Qべえ!!」

Qべえ「? 何を怒ってるのさ?」

さやか「ふざけないで! 人をこんな体にしておいて……!」

Qべえ「君は、魔法少女になってでも、叶えたい望みがあったじゃないか」

Qべえ「それは間違いなく、成就されただろう?」

さやか「…………っ!」

176 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:54:50 litESjz. 170/623


Qべえ「断言するよ。 たとえ君が一生をかけて、あの少年に付いていたとしても」

Qべえ「彼の手は、二度と動く事は無かっただろう」

Qべえ「十分な奇跡と言える対価じゃないかな?」

さやか「…………」

Qべえ「まあ、確かに、魔法少女の説明について、省略した部分はあったけどね」

さやか「この……!」

Qべえ「もう少し、捕捉説明をしようかい?」

さやか「!? ……まだ、何かあるの!?」

Qべえ「そうとも」

177 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:55:46 litESjz. 171/623


Qべえ「君のソウルジェムを貸してくれるかな?」

さやか「……あたしを殺す気?」

Qべえ「君を殺して、僕に何の得があるのさ?」

Qべえ「そんな事しないよ。 約束する」

さやか「…………」

     コトッ…

さやか「……これでいいの?」

Qべえ「うん。 じゃあ……始める前に言っておくけど」

Qべえ「君は、戦い、というモノを甘く見ている」

Qべえ「魔法少女として、魔女と戦うという事は、それはとても過酷な事なんだ……」 スッ…

     キィイイイイインッ!

178 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:56:29 litESjz. 172/623


さやか「……ぐっ!?!??!?!」

さやか「ああああああっ!!!!」 ドサッ…!

さやか(痛いっ……! 痛い痛い痛い痛いっ!!!)

さやか(痛いっ!!!)

Qべえ「仮に、だけど、君のお腹に槍が刺さったら、どんな痛みを感じるか」

Qべえ「痛覚神経を刺激してみたんだ」

さやか「ぐっ……ああっ! ……ひっ……」

Qべえ「どうだい?」

Qべえ「ただの一発でも動けなくなるだろう?」 スッ…

     シュウウウウウン……

さやか「くうっ!……はあっはあっはあっ……」

179 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 18:57:21 litESjz. 173/623


Qべえ「これで分かったかい?」

Qべえ「君が戦いで感じてた痛みは、随分と緩和されてたんだ」

Qべえ「そして、その気になれば、痛みを完全に消す事だって出来る」

Qべえ「まあ、そうしちゃうと動きが鈍くなってしまうから」

Qべえ「あまりおススメしないけどね……」

さやか「…………」

さやか(……こんな事で……負けない)

さやか(あたしは……)

さやか(立派な、魔法少女になるんだから……!)

180 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:22:55 litESjz. 174/623


 ――翌日の朝――

 ――通学路――



     テク テク テク

さやか「…………」

まどか「さやかちゃん!」

仁美「おはよう、さやかさん」 ニコ

さやか「ああ、おはよう。 まどか、仁美」 ニコ

仁美「昨日は、どうされたんですか?」

さやか「へへへ……ちょっと、風邪っぽいな~って。 それだけだよ、仁美」

仁美「まあ……そうだったんですか」

まどか「…………」

181 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:23:35 litESjz. 175/623


 《テレパシー中》

さやか《安心して、まどか》

さやか《そりゃ、ショックだったけどさ……》

さやか《あたしは、元気だから!》 ニコ

まどか(さやかちゃん……)

182 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:24:16 litESjz. 176/623


仁美「! あれは…!」

まどか「えっ? どうしたの? 仁美ちゃん?」

仁美「ほら、あそこ……」

さやか「……!!」

さやか「恭…介……?」

仁美「上条くん……もう退院されたんですね……」

仁美「良かった……」


さやか(…………)

さやか(恭介……どうして?)

さやか(あたし、何も聞いてないよ……?)

さやか(どうして、今日登校するって)

さやか(言ってくれなかったの……?)

さやか(どうして……!)

183 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:25:15 litESjz. 177/623


 ――見滝原中学校・教室――



さやか「…………」

まどか「……どうしたの? さやかちゃん?」

さやか「え!? ううん、何でも無い……けど」

仁美「せっかく上条君、登校して来たんですから……声をかけられては?」

さやか「い、いやぁ……今は、遠慮しとこう……かな? ははは……」

まどか(…………)

仁美(変な さやかさん……)

184 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:25:50 litESjz. 178/623


仁美(…………)

仁美(……そうですわ)

仁美(もしかしたら、今がチャンスなのかも……)

仁美(…………)

仁美「あの……さやかさん」

さやか「ん? 何? 仁美?」

仁美「よろしければ……放課後、お時間、頂けませんか?」

さやか「うん。 いいけど……」

仁美「ありがとうございます」 ニコ

さやか(いったい、なんだろう?)

185 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:26:55 litESjz. 179/623


 ――放課後――

 ――ジュネス見滝原店・ファストフード店内――



さやか「…で、何の用? 仁美」

仁美「……はい、相談事がありまして」

さやか「相談? 何の?」

仁美「恋の相談ですわ」

さやか「!!」

仁美「…………」

仁美「私……ずっと以前から、上条君の事をお慕いしておりました」

さやか「へ…へえ~。 そ、そうなんだ……」

さやか「仁美が、恭介の事を……ねぇ……」

186 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:28:09 litESjz. 180/623


仁美「……さやかさんは、上条君と幼馴染だそうですが」

仁美「特別な感情を抱いておりませんか?」

さやか「!? あ、あたし!? い、いや、そのっ……」

さやか「あ、あたしは……確かに恭介と幼馴染だけど……まあ、腐れ縁って言うか……」 ///

仁美「…………」

仁美「さやかさん」

さやか「う!? うん……」

仁美「私、真剣です……でも」

仁美「さやかさんには、上条君をずっと見てきた……長い時間がお有りです」

仁美「ですので……」

仁美「あなたには、先に告白する権利があると思うのです」

さやか「…………」

仁美「…………」

187 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:28:57 litESjz. 181/623


仁美「私、明日の放課後に、上条君に告白します」

さやか「……!」

仁美「それまでに、どうか、決断してください……」

仁美「それでは……私はこれで……」 スクッ…

さやか「あ…………」

さやか「……………………」

さやか「…………仁美」

さやか「……………………」

188 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:29:46 litESjz. 182/623


 ――夕方――

 ――さやかのマンション・ロビー付近――



さやか「あ……」

さやか「……まどか」

まどか「えへへ……来ちゃった」

さやか「…………」

まどか「今日も行くのかな? 魔女を倒しに……」

さやか「……うん」

まどか「私……何の役にも立てないけど……さやかちゃんの傍に居たい」

まどか「ついて行っても、構わないかな?」

さやか「………まどか」

189 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:30:32 litESjz. 183/623


さやか「…………」

さやか「まどか……あたし、ね」

まどか「うん」

さやか「マミさんや 鳴上さんみたいな……」

さやか「ううん……それ以上にカッコイイ魔法少女になろうって」

さやか「決めたんだ……」

まどか「うん」

さやか「……でも、さ」

さやか「今日……仁美が恭介に告白するって聞いて」

さやか「仁美の事……助けなきゃ良かったって……」

さやか「少し……考えちゃった……」

まどか「…!」

190 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:31:32 litESjz. 184/623


さやか「はは……正義の味方、失格、だね……」

まどか「……さやかちゃん」

さやか「…………ひぐっ……」 ポロッ…

さやか「どうしよう……まどかぁ………」 ポロッ…

さやか「このままじゃ……仁美に……恭介を………」 ポロポロ…

さやか「盗られちゃうよぉ……ううっ……ひっく……」 ポロポロ…

まどか「さやかちゃん……」

さやか「でも……あたし………何も出来無いっ……何もっ……」 ポロポロ…

さやか「だって………あたし、死んでるんだもん……ゾンビなんだもん………!」 ポロポロ…

さやか「抱きしめて、なんて……言えないっ……」 ポロポロ…

さやか「キスして、なんて……言えないよっ………!」 ポロポロ…

さやか「まどかぁ……わああああああああああああああああっ………」 ボロボロッ…

まどか「…………」

191 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:32:06 litESjz. 185/623


 ――10分後――



鳴上「済まない……遅くなっ」

鳴上「………何かあったのか?」

まどか「あ……鳴上さん」

まどか「ううん……何でも無いです」

さやか「…………」 グスッ…

鳴上「…………」

192 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:33:12 litESjz. 186/623


まどか「それよりも、今日、マミさんは?」

鳴上「今日は、魔女の数が多い」

鳴上「単独行動は危険だが……今日は、さやかに付いてやってくれと頼まれた」

鳴上「Qべえも付いているし、危険と判断したら自分も無理しないで逃げるそうだ」

まどか「そうですか……」

まどか「さやかちゃん、鳴上さんも居てくれるって。 今日も頑張ろうね」

さやか「うん……あたし、頑張るね。 まどか」

鳴上「…………」

193 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:34:19 litESjz. 187/623


 ――夜――

 ――建設途中のビル・上階付近――



     シャグッ… ムシャ ムシャ…

杏子「……………………」

     ヒュウン…… ストン

杏子「……! ああ、あんたかい……」

ほむら「珍しいわね。 あなたがこんな所で手も出さずに」

ほむら「結界の外から、魔女退治をアイス食べながら見ているだけなんて……」

杏子「……たまには、そんな気分の時もあるさ……」

ほむら「私との約束をすっぽかしたのもそれが理由?」

杏子「あ……そういやそうだったな。 悪かったよ……」

     バチッ…! バチッ…!

ほむら・杏子「……!!」

194 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:34:52 litESjz. 188/623


杏子「ちっ……! あいつ、何やってんだ! 手こずりやがって……!」

杏子「あのペルソナ、とか言う妙な技を使うヤローがついていながら」

杏子「このザマかよ……!」

ほむら「…………」

ほむら(鳴上 悠……)

195 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:36:19 litESjz. 189/623

BGM
http://www.youtube.com/watch?v=Qxo6XORpvDk&feature=g-vrec

196 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:37:22 litESjz. 190/623


 ――魔女の結界内――



まどか「さやかちゃん!!」

さやか「……はあああああああああっ!!」 ダッ!!

鳴上「さやか! むやみに突っ込むな!」

鳴上(くっ…! どうしたんだ、さやかの奴……!)

鳴上(さっきから無謀に向かって行くばかりだ!)

     ドスッ! ヒュバババッ! ドスッ! ドスッ!

さやか「……!……!」

まどか「きゃああああっ!?」

鳴上「!! さやか! 一旦下がれ!」

鳴上「……くそっ!!」 ダッ!

197 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:38:07 litESjz. 191/623


さやか「……こないでよ、鳴上さん……」

さやか「あたしは、大丈夫だからさ……」

鳴上「!?」

鳴上(あんな状態で……触手に胸と腹を串刺しにされて……)

鳴上(平気なのか……!?)

鳴上(…………)

鳴上(…………いや)

鳴上(そんなわけがない!!)

鳴上「パールバティ!」 ディアラハン!!(回復魔法)

198 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:38:58 litESjz. 192/623


さやか「…………余計な事しないでよ」

さやか「平気だって、言ってるでしょ……!」 ダダッ!

まどか・鳴上「……!?」

さやか「はああああああああああああっ!!」

     ズバッ! ズバッ! ズババッ!!

     (魔女の反撃) ヒュン ドスッ! ドスッ!

まどか「ひいっ……!」

鳴上「…………!」

199 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:40:38 litESjz. 193/623


さやか「…………」

さやか「…………ふ」

さやか「ふふっ……あはっ………」








さやか「アハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!」

     ズバッ! ズバッ! ズババッ!!











200 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:41:36 litESjz. 194/623


鳴上「…………!?」






さやか「……ホントだ……」

     ズバッ! ズバッ! ズババッ!!







さやか「その気になれば、痛みなんて……」

     ズバッ! ズバッ! ズババッ!!

201 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:42:27 litESjz. 195/623








さやか「簡単に消せるじゃない!!」 グワッ!







     ザシュッ!!







まどか「……もう……止めて。 さやかちゃん……!」

202 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:43:31 litESjz. 196/623




―――――――――――



杏子「……終わったのかい? ボンクラ……」

さやか「…………」

さやか「何だ……あんた、わざわざ見に来たの?」

さやか「暇人だね……」 (魔法少女解除)

さやか「……っと?」 フラッ…

まどか「!! さやかちゃん!」 ガシッ

鳴上「…………」

203 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:44:08 litESjz. 197/623


さやか「……ごめん、まどか」

まどか「ううん、いいよ。 ほら、私につかまって?」

さやか「……鳴上さん。 悪いけど、グリーフシード……回収しといてくれないかな?」

鳴上「…………わかった」

さやか「じゃ……また今度ね」

鳴上「…………」

204 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:44:57 litESjz. 198/623


杏子「……あんた…ええと、鳴上?とか言ってたな? ちょっといいかい?」

鳴上「ああ……」

杏子「今日のあいつ……さやかは、どんな戦いをしてたんだい?」

鳴上「…………」

鳴上「アレは、戦いと呼べるものではない」

杏子「……!」

鳴上「ただ闇雲に 突っ込んで行っているだけだ……」

杏子「……そうかい」

鳴上「…………」

205 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:45:45 litESjz. 199/623


杏子「……なあ」

鳴上「?」

杏子「あんたからさ……あいつに、さやかに、何か言ってやってくれないか?」

鳴上「…………」

杏子「このままじゃあいつ……間違いなく潰れちまう」

杏子「でも、あたしの言葉じゃ……さやかは聞き入れてくれなかった……」

杏子「……無駄かもしれないけど……頼む」

鳴上「…………」

鳴上「もちろん、そのつもりだ」

206 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:46:34 litESjz. 200/623


 ――深夜の雨天――

 ――人けの無いバス停のベンチ――



     サアアアアアアア……

まどか「…………」

さやか「…………」

まどか「……さやかちゃん」

さやか「……ん?」

まどか「今日みたいな戦い方は……もうしないで」

さやか「…………」

さやか「しょうがないんだよ……あたしって魔法少女になり立てだし」

さやか「マミさんや 鳴上さん みたいに才能もないし……」

まどか「だからって、あんな戦い方 無いよう……!」

207 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:47:18 litESjz. 201/623


さやか「……大丈夫だよ。 痛みは、魔法で無くしてるから……」

まどか「そんな事ないよ!!」

まどか「見るからにさやかちゃん、痛そうだったよ……!!」

さやか「…………」 イラッ…

さやか「……何よ、それ?」

さやか「あんたに、あたしの何がわかるって言うの……?」

まどか「!? ……さやか…ちゃん?」

さやか「痛そう? ハッ……魔法少女でもない まどかに言われたって」

さやか「何の説得力もないっての……」

まどか「……!」

208 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:48:10 litESjz. 202/623


さやか「…………」

さやか「そういやさぁ……」

さやか「まどかも魔法少女に なれるんだよね?」

さやか「だったら、今すぐQべえ呼んでなって見せてよ……」

さやか「あたしの代わりに……魔法少女になって見せてよ!!」

まどか「……ひいっ…!」 グスッ…

さやか「…………」

さやか「……ふん」

さやか「あたし……もう行くわ……」 スクッ…

さやか「バイバイ、まどか……」

     バシャッ バシャッ バシャッ…

まどか(…グスッ……さやかちゃん……)

209 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/12/16 19:49:08 litESjz. 203/623


     バシャッ バシャッ バシャッ…

さやか(……あたし、何を言ったの?)

さやか(いつも傍に居てくれて、優しい一番の親友に……)

さやか(まどかに……何を言ったの!?)

さやか(あたし……最低だ……!)

さやか(あたし……あたし……!)

     バシャッ バシャッ バシャッ…

【中編】に続く。

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