まん太「何て酷い夢だ……」
ハオ「何が夢なのよ?」
まん太「…………へ?」
ハオ「お腹が空いたわ。早く朝食の準備を始めて」
まん太「え、いや……あの」
ハオ「早くしないと……どうなるかしらね?」
まん太「今すぐ準備します!!」
ハオ「早く」
まん太(これは一体……どういうことなんだ……!?)
元スレ
プリンセス・ハオ「構ってくれないと人類を滅ぼすわよ!?」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1242475944/
まん太「葉くーん……」
葉「おおまん太。どうかしたのか?」
まん太「…………」
ハオ「ふん、相変わらず汚いところね」
葉「おおハオ。お前は久しぶりだなあウエッヘッヘ」
まん太「ユルイ!!そういう問題じゃないでしょ!!」
葉「おお?」
ハオ「ふ、ふん。……久しぶり」
ハオ(べ、別に照れてなんかいないわよ……)
ハオ「お茶の一杯も出ないのかしら?」
葉「おお、そうだぞまん太。お茶出してくれ」
まん太「何で僕が!?葉君の家でしょ!!」
葉「おいらちょっぴり疲れてるんよ」
まん太「わ、わかったよ……そのかわり、その子よろしく」
ハオ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!アンタはここに居なさい!!」
まん太「ええっ!?何で!」
ハオ(よ、葉と二人きりなんて……そんなの……む、無理……)
アンナ「騒々しいわね」
ハオ「…………恐山アンナ……」
アンナ「あら、アンタ居たの」
ハオ「…………」
アンナ「まあいいわ。花組!お茶出してやりなさい」
マリ「……マリ……めんどくさい……」
まん太「ちょちょ!ちょっと待ってよアンナさん!!驚かないの!?」
アンナ「……こうなることはわかってたわ」
葉「どういうことなんよ?」
アンナ「考えてもみなさい。あの甘ちゃんがずっと我慢していられると思う?」
葉「?」
アンナ「つまり『アレ』は、ハオの『会いたい気持ち』が人を成したものなのよ」
葉「誰に会いたいんよ?」
アンナ「さあ。何にしても……従業員としては使えそうね」
まん太「……はは、やっぱりそっちか……」
ハオ(ちょ、ちょっと!!葉にくっつき過ぎじゃない!?)
アンナ「何よアンタ。文句あんの?」
ハオ「……………っ」
ぺろん
ハオ「…………ちっちぇな」
まん太(あ、アンナさんの服をめくった……!!)
葉(何てことしてくれるんよ……おいらまだ死にたくねぇぞ)
アンナ「……………」
ハオ「!?」
ぺろん
アンナ「……ふぅん。こっちもきっちり女の子なのね」
まん太「ぶーー!!」
葉「う、ウエッヘッヘ。そういやハオはパンツ穿かねえって言ってたなあ」(公式)
ハオ「な、なな、な…………うわぁぁぁあん!!!」
ハオ(よ、葉に見られた……!!!)
ハオ「何すんのよアンタ!頭おかしいんじゃないの!?」
アンナ「うっさいわね。つるつるは黙ってなさい」
ハオ「くっ………うわぁぁぁあん!!!」
葉「おお?出ていっちまったぞ」
阿弥陀丸「いやはや、見事なパイパンでござったなあ」
アンナ「お茶はもういいわ」
マリ「……マリ……折角入れたのに……」
アンナ「…………」スタスタスタ
マリ「……………死ね……」
アンナ「何か言った?」
マリ「言ってない……」
マッチ「女将ー!!またカンナが厨房でタバコ吸ってましたー!!」
アンナ「待ってなさい、今殺すから」
まん太「とと、とりあえず葉君。探しに行こうよ」
葉「そうしたいなのは山々なんだが……一つ問題があるんよ」
まん太「も、問題……?」
葉「おいら、もうすぐお昼寝タイムなんよ」
まん太「んな事言ってる場合か!!何でそうなんだ君は!」
葉「ウエッヘッヘ」
ハオ「えーっと……下着コーナー……」
ハオ「何なのよこの店!!配置がわかりにくいったらありゃしない!!」
たまお「……あれ?」
ハオ「下着……下着……」
たまお(わあ……あの子の服……メイデンちゃんみたい……素敵……)
ハオ「アレは……玉村たまおだったかしら……?ちょうどいいわ」
ハオ「ちょっと貴女」
たまお「はっ、はい!?」
ハオ「……下着売り場はどこかしら」
たまお「こっ、これなんてどうでしょう?」
ハオ「星の柄は無いかしら」
たまお「ほ、星……ですか……」
ハオ「好きなの、星が」
たまお「あ、これは星ですね」
ハオ「これにするわ」
たまお(何だか変な人……)
ハオ(これで私の弱点は消えたわ!!待ってなさい恐山アンナ!!待ってなさい葉!)
葉「へくしっ!!おいら風邪ひいたかもしんねえ……何してるんよ阿弥陀丸?」
阿弥陀丸「……ふぅ。何でもないでござる」
たまお「え?葉様のお知り合いなんですか?」
ハオ「そ、そうだけど?べ、別に何の関係も無いわよ!?」
たまお「そ、そうですよね!」
ハオ「……あ、貴女は?」
たまお「わっ、私はそんな……はわわわ……」
ハオ(…意外にライバルが多いわね……あ、あんな男の何がいいのかしら……)
たまお(……葉様の知り合い……)
コンチ「パンツ見せな」
ポンチ「俺はおっぱいだな」
葉「おおハオ。帰ってたんか」
ハオ「ま、まあね。それより、今いいかしら」
葉「お昼寝はもう終わったんよ。座布団出すからちょっと待っててくれ」
ハオ(な、何よ……急に優しくなっちゃって……)
葉「……なあ、大事な話があるんよ」
ハオ「!?な、何よ……?」
ハオ(や、やだ、心の準備が……!!)
葉「お前、すげぇ綺麗だよなあ」
ハオ「は、はあっ!?な、何言ってるのよ、ば、馬鹿なんじゃ……」
葉「髪とかサラッサラじゃねぇか、ウエッヘッヘ」
ハオ「あ……」
ハオ(な、何でドキドキしてるのよ……私……)
葉「それにその瞳……輝いて……えーっと……ちょっと待っててくれ」
ハオ「?」
葉「わりいアンナ、台詞忘れた」
アンナ「なめてんのアンタ」
アンナ「もういいから。シメの台詞に入んなさい」
葉「お、おお。やってみる」
マッチ「マッチ、包丁捌きなら負けないかんね!!」
竜「め、メラ早ぇぇぇえ!!板長の座は渡さねぇ!!」
マッチ「ほらほらほらほら!凄いっしょ板長!」
竜「ああいやいや。ここはこうやって……」
マッチ「あ、ちょ、手ぇ握らないでよっ」
竜(メラズッキューン)
葉「待たせちまったなあ、ウエッヘッヘ」
ハオ「べ、別にいいわよこれくらい」
葉「でさあ、仲居やらねぇか?」
ハオ「……仲居?」
葉「おお、おめえ行く当て無いだろうし。おいらんとこなら住めるだろ?」
ハオ「え、あ、うん……」
葉「しっかり働いてもらうけどな。ウエッヘッヘ」
ハオ(ず、ずっと一緒に居られる……って、な、何喜んでるのよ私……!!)
ハオ「……むにゃむにゃ……葉……葉……えへへ……」
アンナ「………」ドカッ
ハオ「痛っ!!な、何すんのよアンタ!?」
アンナ「仲居が女将より遅く起きるとかなめてるの?」
ハオ「う、うっさいわね……起きればいいんでしょ起きれば!!」
アンナ「アンタ朝食抜き」
ハオ「そ、そんなあっ!!」
アンナ「さっさと着替えなさい」
マッチ「あ、おっはよー姫子ちゃん!よく眠れた?」
ハオ(あ……そういえば偽名使うんだったわね……)
ハオ「ま、まあまあね。それより貴女たち早いのね……」
マッチ「まあね!特にマッチは板長狙ってるから!!」
カンナ「朝からうっさいなあ……」
マリ「……マリ……眠い……」
マッチ「姫子ちゃんも早く着替えてねー、じゃっ!今日こそあのリーゼントをギャフンと言わせてやるっ」
マリ「……マッチ、楽しそう……」
マッチ「へ?な、何が?そんなことないよ!!」
カンナ「はあー……」
マッチ「ふんふんばりばりはたらいてー」
マリ「ふんふんばりばり……出来ました……」
カンナ「……………」
マッチ「東京外れのこの街の~」
マリ「実の住所は……埼玉で……」
ハオ「わ、涌っいたよ、涌いたよ温泉が」
マッチ「ハイ!」
マッチ「ホッントはまえからわいてます……」
ハオ「ふ、ふ~んばりおんせ~ん」
カンナ「毎朝これやるのしんどいのよね……」
マッチ「カンナちゃん歌ったことないけどね」
マリ「……マリ……面白い……」
マッチ「ふぃー!朝ごはん朝ごはん!カボチャの煮物~♪」
マリ「……モグモグ……」
ハオ(お腹空いた……)
セイラーム「…………」チョイチョイ
ハオ「え?な、なあに?」
セイラーム「…………」
ハオ「ちょ、チョコ?くれるの?」
セイラーム「…………」コクン
ハオ「あ、ありがとう……」
セイラーム「……………」
―その頃―
蓮「中華斬舞!中華斬舞!ゴォォオールデン中華斬舞!!中華斬舞!!」
ジャンヌ「……………」
蓮「馬孫ゴォォオールデンダブルスレッジハンマァァァァァァァァァアア!!!」
ジャンヌ「…………」
蓮「……また貴様か」
ジャンヌ「……もう戦いは終わりました」
蓮「……」
ジャンヌ「貴方は何故そこまでに強くなろうとするのですか」
蓮「……戦いは終わってなどいない」
ジャンヌ「…………?」
蓮「俺は俺の弱さと向き合い己の不迷を貫く為に修業をする……それだけだ」
ジャンヌ「……………そう、ですか…」
ハオ「つ、疲れた……」
葉「おおハオ。大分くたびれたみてえだな」
ハオ「よ、葉……へっ平気よこれくらい!!」
葉「おいら肩揉んでやるよ」
ハオ「え?そ、そんなの……う、うーん……」
ハオ(ど、ドキドキする……)
ハオ「じゃ、じゃあ……お願い……」
葉「おお」
アンナ「ったく、どこでサボってるのかしら……葉の部屋から声がするわね」
葉「ここか?こうすると気持ちいいか?」
ハオ「あっ、馬鹿、強すぎるわよ!!」
葉「わ、わりい。アンナはおっかなくて出来ねぇからな、こういうの」
ハオ「わ、私でよければ……いくらでもやらせてあげてもいいわよ」
葉「ここか?」
ハオ「あっ、そこ……気持ちいい……」
アンナ「…………」
アンナ「ちょっとアンタら!!何やっ……て……」
葉「おお?どうしたアンナ」
アンナ「…………」
ハオ「も、もういいわ葉。充分肩は楽になったから」
葉「そりゃよかったなあ、ウエッヘッヘ」
ハオ「じゃ、じゃあ仕事に戻るわね」
葉「どうしたアンナ、顔赤いぞ」
アンナ「うっ……うっさいわね、な、何でもないわ」
葉「?」
マッチ「姫子ちゃーん、お風呂お風呂っ!」
ハオ「お、お風呂?」
マリ「……マリ……温泉……好き…」
カンナ「はあー……疲れた。お先に」
マッチ「ほらほら、脱衣所行こう!」
ハオ「う、うん……」
ハオ(皆でお風呂なんて初めて……)
マッチ「ふんふんふ~ん♪」
マリ(マッチ……今日もカボチャパンツ……)
ハオ(な、何だか恥ずかしいけど……)
パサッ
マッチ「お風呂ー!!」
ハオ「あ、ま、マッチちゃん待って!!」
マリ(………つるつる……仲間…)
マッチ「ワッチ!!お湯熱いよカンナちゃーん」
カンナ「我慢しな。私は熱いのが好きなんだ」
マッチ「むー……ワッチチチチチ……」
ハオ(か、カンナちゃん胸大きい……)
葉「ありゃ?ハ……じゃねぇ、姫子はどこ行った?」
マッチ「知んなーい。何だかお風呂の後外に行ったみたいだったけどー?」
葉「おお、わりいな。よーし、阿弥陀丸、ちょっくら……阿弥陀丸?」
阿弥陀丸「ハァッ、ハァッ……ここに」
葉「どこ行ってたんよ?」
阿弥陀丸「浴場にて欲情でござった」
葉「何かよくわかんねぇけど、ハオ探してくれねぇか?」
阿弥陀丸「御意」
ハオ「……星が綺麗ね……」
ハオ「明日も早いのに、私は何をしてるのかしら……」
ハオ「……寂しい……私は一人じゃないのに……寂しい……」
ハオ「……お母さん」
葉「……………」
阿弥陀丸「ハァハァ、つるぺたハァハァ」
葉「自帰依仏 艟願衆生 体解大道 発無上意 自帰依法 艟願衆生」
阿弥陀丸「ぬわーーーーー!!!!」
葉「……ハオ」
ハオ「よっ、葉っ!?な、何してるのよ……?」
葉「おいらは散歩だよ。そしたらおめぇが見えたからな」
ハオ「……散歩……」
葉「ウエッヘッヘ」
ハオ(……嘘が下手ね……)
ハオ「……そう、それじゃあ帰りましょうか」
葉「まあ待てよ。おいら、ここから見る星が好きでな。……いつか一緒に見てぇと思ってた」
ハオ「…………」
葉「アンナにはおいらが言う。……だから、もうちょっとここに居よう」
ハオ「…………うん……」
ハオ(……馬鹿、なんだから……)
葉「うっし、そろそろ行くか」
ハオ「そ、そうね。少し冷えてきたし」
葉「今日は晩飯はカレーだぞ、おめぇも好きだろ?」
ハオ「う、うん……」
葉「おいら今日はおかわりする。竜のカレーはうめぇぞー」
ハオ「……楽しみね」
ハオ(一緒にご飯を食べるのが……ね)
葉「あれ?……あ、阿弥陀丸の位牌忘れた」
ハオ「?」
葉「明日でいいか」
マッチ「姫子ちゃん寝たね……」
マリ「……寝た……」
マッチ「でさ、でさあ、姫子ちゃんと葉クンと女将……どう思う?」
マリ「……三角関係……クスクス……」
マッチ「姫子ちゃん可愛いし、葉クンも靡いちゃったりするかなあ」
マリ「…………さあ……」
マッチ「でも聞いた話によるとさ、たまに女将の部屋で葉クンと……」
マリ「…………」
マッチ「そ、それってやっぱそういうことだよね?」
マリ「…………zzz……」
マッチ「でもさでもさぁ!」
葉「ん……ふぁあ……眠い……」
まん太「葉君、おはよう」
葉「おおまん太、来てたんか」
まん太「その後、調子はどう?」
葉「うーむ……すっかり馴染んでるな。ウエッヘッヘ」
まん太「ウエッヘッヘじゃなくて……いいの?このままで」
葉「いいじゃねぇか。皆が満足なら、おいらはそれでいい」
まん太「…………」
葉「朝飯食ってくだろ?」
まん太「……うん……」
葉「えーっと、阿弥陀丸……阿弥陀丸……っと」
葉「あったあった」
阿弥陀丸「葉殿酷いでござる!!」
葉「おおすまんすまん。すっかり忘れてた」
阿弥陀丸「全く……暇過ぎて右手が痛くなったでござる」
葉「何かくせえな」
マッチ「タイム、ローズマリー、ミント……うんうん、皆よく育ってる!」
ハオ「ガーデニング……?」
マッチ「うんうん、姫子ちゃんもやってみる?」
ハオ「え!?い、いや……いいよ……」
マッチ「そう?……っと、ご飯の支度しなきゃ」
ハオ(ガーデニング……かあ……)
リゼルグ「やあ葉君。……ちょっといいかな」
葉「おおリゼルグ、久しぶりだな」
リゼルグ「うん……ちょっと、気になることがあってね」
葉「気になること?」
リゼルグ「僕のダウジングでね、有り得ないはずの人物を探知した」
葉「…………」
リゼルグ「まさか、居るのかな」
葉「……おお。居るぞ」
マッチ「ワッチ!……ったあ、指切った……」
竜「……ほら、絆創膏」
マッチ「あ……ありがとっ、というか、何でこんなの持ってんの……」
竜「馬鹿野郎、旦那や女将が怪我した時のためよ」
マッチ「ふ、ふーん……そんなの、私に使っていいの?」
竜「たりめーよ。おめぇは俺の弟子だからな」
マッチ「ば、ばっかじゃないの。弟子なんかじゃ無いでしょ」
竜「ま、気にすんなってことよ」
マッチ「べ、別にっ!!誰も気にしてなんかないから!」
ハオ(うーん……入りにくいなあ……)
ハオ(……ん……アレは……?)
リゼルグ「ハオ……!!」
葉「……………」
ハオ「あ……ああ……あ…」
リゼルグ「……葉君、何のつもり?」
葉「何がだ?」
リゼルグ「確かに僕はハオをシャーマンキングとして認めた」
葉「…………」
リゼルグ「でも、ハオが罪も無い沢山の人を殺したのも間違いない」
ハオ「……ぅぁ…ぁ……」
リゼルグ「僕の……両親も……!!」
葉「……そうだ」
リゼルグ「コイツは……ハオ本体、つまりシャーマンキングじゃない……」
葉「…………」
リゼルグ「こんな危険な存在は……消すべきだ」
葉「確かにハオは多くの命を奪ったかもしれん」
ハオ「…………」
葉「けど、リゼルグが言ったとおりコイツはハオ本人じゃねえ」
リゼルグ「……それで?」
葉「自分が手をくだした訳じゃないのに罪悪感に襲われる……何もしてねぇコイツには、それで充分だろ」
リゼルグ「甘いね。もしコイツが以前のように殺戮を始めたら……」
葉「それは無い」
リゼルグ「…………」
葉「……なあ、ハオ。お前、霊が見えねぇだろ?」
ハオ「!」
ハオ「………うん……」
葉「確かに、コイツはハオの分身かもしれん。それでもおいらは、辛い思いはさせたくねぇ」
リゼルグ「……仮に、力が覚醒したら?」
葉「そんときゃ、おいらが力づくで止めるさ」
リゼルグ「……わかった」
葉「……よーし、ハオ。飯にしようぜ」
ハオ「…………」
葉(…………)
マッチ「…………」
マリ「……ずっと同じ絆創膏……」
マッチ「えっ!?い、いやあ、たまたま!たまたまだってばー!」
ハオ「…………」
マッチ「あ、姫子ちゃ……どうしたの?」
ハオ「うん、あのね……ガーデニング、教えてくれるかしら?」
マッチ「……うん、いいよ?」
マッチ(何かあったのかな……)
マッチ「これをこうして……こう……」
ハオ「……………」
マッチ「……姫子ちゃん?」
ハオ「……あ、ご、ごめんなさい。つい、ボーッとしちゃって……」
マッチ「う、ううん。気にしないでいいよ」
ハオ「……………」ザクザク
『彼の言う通り、私は危険な存在でした。
私は自分が怖い。いつか力が暴走して、大事な何かを壊してしまわないか、と。
だから、私は消えることに決めました。
その前にせめて、一つでも君に恩返しがしたかったから。
私はマッチちゃんの力を借りて、とある計画を立てました。
せめて一時でも、君に私を思いだしてもらえるように』
マッチ「よーし!後一ヶ月もすれば花が咲くかな!」
ハオ「……そう……」
マッチ「よかったね、姫子ちゃ……え?」
ハオ「……でも、やっぱり……間に合わなかった……みたい……」
マッチ「え、あ、姫子……ちゃん……?」
葉「――ここに居たんか」
ハオ「……葉…」
葉「いつ頃から、こうなることに気付いてたんだ?」
ハオ「気付いてた……というか、私がそう……望んだのよ……」
葉「……そうか。じゃあ、おいらがケチつける訳にはいかねぇな」
ハオ「……ありがとう、葉」
葉「いいんよ。おいらも、お前と一緒で楽しかった」
ハオ「……最後に……お願いがあるの……」
ハオ「私がここまで育てたこの花を……貴方とマッチちゃんで……咲かせてあげてほしい…」
マッチ「…………」
葉「……おお」
ハオ「もしちゃんと構ってあげてなかったら……人類を滅ぼしちゃうからね……」
葉「……姫子…」
ハオ「……………」
葉「……楽しかったぞ」
姫子「……うん……さよなら、葉……」
マッチ「……消え、ちゃった……?」
葉「……マッチ」
マッチ「…………何?」
葉「ガーデニング、教えて欲しいんよ」
マッチ「……うん、任せて」
― 一ヶ月後 ―
アンナ「ちょっと葉!!アンタ買い物はどうしたのよ!?」
葉「おお、そういえばそんなんあったな。でもおいら、お昼寝の時間なんよ」
アンナ「……いい度胸ね」
マッチ「あー、女将!いいですよ私が行ってくるんで」
葉「すまんな、マッチ」
アンナ「……アンタねえ……」
葉「…………じゃ、おいら昼寝してくる」
マッチ「はいはい、行ってらっしゃい」
葉「よっこらしょ……いい香りだな……」
葉「こりゃ……直ぐにでも寝れそうだ……」
葉「ふぁぁぁあ……さて……」
葉「寝るぞーー……!!」
その日、おいらは不思議な夢を見た。
深い深い眠りの中で、誰かが呟いた。
「おやすみ」
姿は見えないけど何となくわかる。ソイツはきっと、
――プリンセス・ハオ
完