1 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 21:12:24.04 V6A+2d94Q 1/46

まん太「何て酷い夢だ……」
ハオ「何が夢なのよ?」
まん太「…………へ?」
ハオ「お腹が空いたわ。早く朝食の準備を始めて」
まん太「え、いや……あの」
ハオ「早くしないと……どうなるかしらね?」
まん太「今すぐ準備します!!」
ハオ「早く」
まん太(これは一体……どういうことなんだ……!?)

元スレ
プリンセス・ハオ「構ってくれないと人類を滅ぼすわよ!?」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1242475944/

2 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 21:20:30.51 V6A+2d94Q 2/46

まん太「葉くーん……」
「おおまん太。どうかしたのか?」
まん太「…………」
ハオ「ふん、相変わらず汚いところね」
「おおハオ。お前は久しぶりだなあウエッヘッヘ」
まん太「ユルイ!!そういう問題じゃないでしょ!!」
「おお?」
ハオ「ふ、ふん。……久しぶり」
ハオ(べ、別に照れてなんかいないわよ……)

6 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 21:26:28.27 V6A+2d94Q 3/46

ハオ「お茶の一杯も出ないのかしら?」
「おお、そうだぞまん太。お茶出してくれ」
まん太「何で僕が!?葉君の家でしょ!!」
「おいらちょっぴり疲れてるんよ」
まん太「わ、わかったよ……そのかわり、その子よろしく」
ハオ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!アンタはここに居なさい!!」
まん太「ええっ!?何で!」
ハオ(よ、葉と二人きりなんて……そんなの……む、無理……)

アンナ「騒々しいわね」

7 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 21:31:40.30 V6A+2d94Q 4/46

ハオ「…………恐山アンナ……」
アンナ「あら、アンタ居たの」
ハオ「…………」
アンナ「まあいいわ。花組!お茶出してやりなさい」
マリ「……マリ……めんどくさい……」
まん太「ちょちょ!ちょっと待ってよアンナさん!!驚かないの!?」
アンナ「……こうなることはわかってたわ」
「どういうことなんよ?」

8 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 21:39:00.19 V6A+2d94Q 5/46

アンナ「考えてもみなさい。あの甘ちゃんがずっと我慢していられると思う?」
「?」
アンナ「つまり『アレ』は、ハオの『会いたい気持ち』が人を成したものなのよ」
「誰に会いたいんよ?」
アンナ「さあ。何にしても……従業員としては使えそうね」
まん太「……はは、やっぱりそっちか……」

ハオ(ちょ、ちょっと!!葉にくっつき過ぎじゃない!?)

アンナ「何よアンタ。文句あんの?」
ハオ「……………っ」

11 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 21:45:51.03 V6A+2d94Q 6/46

ぺろん

ハオ「…………ちっちぇな」

まん太(あ、アンナさんの服をめくった……!!)
(何てことしてくれるんよ……おいらまだ死にたくねぇぞ)
アンナ「……………」
ハオ「!?」

ぺろん

アンナ「……ふぅん。こっちもきっちり女の子なのね」

まん太「ぶーー!!」
「う、ウエッヘッヘ。そういやハオはパンツ穿かねえって言ってたなあ」(公式)

ハオ「な、なな、な…………うわぁぁぁあん!!!」
ハオ(よ、葉に見られた……!!!)

13 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 21:52:06.74 V6A+2d94Q 7/46

ハオ「何すんのよアンタ!頭おかしいんじゃないの!?」
アンナ「うっさいわね。つるつるは黙ってなさい」
ハオ「くっ………うわぁぁぁあん!!!」
「おお?出ていっちまったぞ」
阿弥陀丸「いやはや、見事なパイパンでござったなあ」

アンナ「お茶はもういいわ」
マリ「……マリ……折角入れたのに……」
アンナ「…………」スタスタスタ
マリ「……………死ね……」
アンナ「何か言った?」
マリ「言ってない……」
マッチ「女将ー!!またカンナが厨房でタバコ吸ってましたー!!」
アンナ「待ってなさい、今殺すから」

15 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 22:00:20.26 V6A+2d94Q 8/46

まん太「とと、とりあえず葉君。探しに行こうよ」
「そうしたいなのは山々なんだが……一つ問題があるんよ」
まん太「も、問題……?」

「おいら、もうすぐお昼寝タイムなんよ」

まん太「んな事言ってる場合か!!何でそうなんだ君は!」
「ウエッヘッヘ」

19 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 22:05:40.14 V6A+2d94Q 9/46

ハオ「えーっと……下着コーナー……」
ハオ「何なのよこの店!!配置がわかりにくいったらありゃしない!!」
たまお「……あれ?」
ハオ「下着……下着……」
たまお(わあ……あの子の服……メイデンちゃんみたい……素敵……)
ハオ「アレは……玉村たまおだったかしら……?ちょうどいいわ」

ハオ「ちょっと貴女」
たまお「はっ、はい!?」
ハオ「……下着売り場はどこかしら」

21 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 22:11:04.62 V6A+2d94Q 10/46

たまお「こっ、これなんてどうでしょう?」
ハオ「星の柄は無いかしら」
たまお「ほ、星……ですか……」
ハオ「好きなの、星が」
たまお「あ、これは星ですね」
ハオ「これにするわ」
たまお(何だか変な人……)

ハオ(これで私の弱点は消えたわ!!待ってなさい恐山アンナ!!待ってなさい葉!)

「へくしっ!!おいら風邪ひいたかもしんねえ……何してるんよ阿弥陀丸?」
阿弥陀丸「……ふぅ。何でもないでござる」

25 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 22:16:26.12 V6A+2d94Q 11/46

たまお「え?葉様のお知り合いなんですか?」
ハオ「そ、そうだけど?べ、別に何の関係も無いわよ!?」
たまお「そ、そうですよね!」
ハオ「……あ、貴女は?」
たまお「わっ、私はそんな……はわわわ……」
ハオ(…意外にライバルが多いわね……あ、あんな男の何がいいのかしら……)
たまお(……葉様の知り合い……)

コンチ「パンツ見せな」
ポンチ「俺はおっぱいだな」

27 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 22:23:32.49 V6A+2d94Q 12/46

「おおハオ。帰ってたんか」
ハオ「ま、まあね。それより、今いいかしら」
「お昼寝はもう終わったんよ。座布団出すからちょっと待っててくれ」
ハオ(な、何よ……急に優しくなっちゃって……)
「……なあ、大事な話があるんよ」
ハオ「!?な、何よ……?」
ハオ(や、やだ、心の準備が……!!)

30 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 22:28:41.77 V6A+2d94Q 13/46

「お前、すげぇ綺麗だよなあ」
ハオ「は、はあっ!?な、何言ってるのよ、ば、馬鹿なんじゃ……」
「髪とかサラッサラじゃねぇか、ウエッヘッヘ」
ハオ「あ……」
ハオ(な、何でドキドキしてるのよ……私……)
「それにその瞳……輝いて……えーっと……ちょっと待っててくれ」
ハオ「?」

「わりいアンナ、台詞忘れた」
アンナ「なめてんのアンタ」

33 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 22:35:05.05 V6A+2d94Q 14/46

アンナ「もういいから。シメの台詞に入んなさい」
「お、おお。やってみる」

マッチ「マッチ、包丁捌きなら負けないかんね!!」
「め、メラ早ぇぇぇえ!!板長の座は渡さねぇ!!」
マッチ「ほらほらほらほら!凄いっしょ板長!」
「ああいやいや。ここはこうやって……」
マッチ「あ、ちょ、手ぇ握らないでよっ」
(メラズッキューン)

35 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 22:42:44.78 V6A+2d94Q 15/46

「待たせちまったなあ、ウエッヘッヘ」
ハオ「べ、別にいいわよこれくらい」
「でさあ、仲居やらねぇか?」
ハオ「……仲居?」
「おお、おめえ行く当て無いだろうし。おいらんとこなら住めるだろ?」
ハオ「え、あ、うん……」
「しっかり働いてもらうけどな。ウエッヘッヘ」
ハオ(ず、ずっと一緒に居られる……って、な、何喜んでるのよ私……!!)

38 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 22:50:02.36 V6A+2d94Q 16/46

ハオ「……むにゃむにゃ……葉……葉……えへへ……」
アンナ「………」ドカッ
ハオ「痛っ!!な、何すんのよアンタ!?」
アンナ「仲居が女将より遅く起きるとかなめてるの?」
ハオ「う、うっさいわね……起きればいいんでしょ起きれば!!」
アンナ「アンタ朝食抜き」
ハオ「そ、そんなあっ!!」
アンナ「さっさと着替えなさい」

39 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 22:55:20.03 V6A+2d94Q 17/46

マッチ「あ、おっはよー姫子ちゃん!よく眠れた?」
ハオ(あ……そういえば偽名使うんだったわね……)
ハオ「ま、まあまあね。それより貴女たち早いのね……」
マッチ「まあね!特にマッチは板長狙ってるから!!」
カンナ「朝からうっさいなあ……」
マリ「……マリ……眠い……」
マッチ「姫子ちゃんも早く着替えてねー、じゃっ!今日こそあのリーゼントをギャフンと言わせてやるっ」
マリ「……マッチ、楽しそう……」
マッチ「へ?な、何が?そんなことないよ!!」
カンナ「はあー……」

40 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 23:01:44.09 V6A+2d94Q 18/46

マッチ「ふんふんばりばりはたらいてー」
マリ「ふんふんばりばり……出来ました……」
カンナ「……………」
マッチ「東京外れのこの街の~」
マリ「実の住所は……埼玉で……」
ハオ「わ、涌っいたよ、涌いたよ温泉が」
マッチ「ハイ!」
マッチ「ホッントはまえからわいてます……」
ハオ「ふ、ふ~んばりおんせ~ん」

カンナ「毎朝これやるのしんどいのよね……」
マッチ「カンナちゃん歌ったことないけどね」
マリ「……マリ……面白い……」

42 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 23:10:12.25 V6A+2d94Q 19/46

マッチ「ふぃー!朝ごはん朝ごはん!カボチャの煮物~♪」
マリ「……モグモグ……」
ハオ(お腹空いた……)
セイラーム「…………」チョイチョイ
ハオ「え?な、なあに?」
セイラーム「…………」
ハオ「ちょ、チョコ?くれるの?」
セイラーム「…………」コクン
ハオ「あ、ありがとう……」
セイラーム「……………」

43 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 23:13:26.81 V6A+2d94Q 20/46

―その頃―
「中華斬舞!中華斬舞!ゴォォオールデン中華斬舞!!中華斬舞!!」
ジャンヌ「……………」
「馬孫ゴォォオールデンダブルスレッジハンマァァァァァァァァァアア!!!」
ジャンヌ「…………」
「……また貴様か」
ジャンヌ「……もう戦いは終わりました」
「……」
ジャンヌ「貴方は何故そこまでに強くなろうとするのですか」
「……戦いは終わってなどいない」
ジャンヌ「…………?」
「俺は俺の弱さと向き合い己の不迷を貫く為に修業をする……それだけだ」
ジャンヌ「……………そう、ですか…」

45 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 23:17:03.32 V6A+2d94Q 21/46

ハオ「つ、疲れた……」
「おおハオ。大分くたびれたみてえだな」
ハオ「よ、葉……へっ平気よこれくらい!!」
「おいら肩揉んでやるよ」
ハオ「え?そ、そんなの……う、うーん……」
ハオ(ど、ドキドキする……)
ハオ「じゃ、じゃあ……お願い……」
「おお」

46 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 23:22:00.57 V6A+2d94Q 22/46

アンナ「ったく、どこでサボってるのかしら……葉の部屋から声がするわね」

「ここか?こうすると気持ちいいか?」
ハオ「あっ、馬鹿、強すぎるわよ!!」
「わ、わりい。アンナはおっかなくて出来ねぇからな、こういうの」
ハオ「わ、私でよければ……いくらでもやらせてあげてもいいわよ」
「ここか?」
ハオ「あっ、そこ……気持ちいい……」

アンナ「…………」

47 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 23:26:45.94 V6A+2d94Q 23/46

アンナ「ちょっとアンタら!!何やっ……て……」
「おお?どうしたアンナ」
アンナ「…………」
ハオ「も、もういいわ葉。充分肩は楽になったから」
「そりゃよかったなあ、ウエッヘッヘ」
ハオ「じゃ、じゃあ仕事に戻るわね」

「どうしたアンナ、顔赤いぞ」
アンナ「うっ……うっさいわね、な、何でもないわ」
「?」

48 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 23:31:06.23 V6A+2d94Q 24/46

マッチ「姫子ちゃーん、お風呂お風呂っ!」
ハオ「お、お風呂?」
マリ「……マリ……温泉……好き…」
カンナ「はあー……疲れた。お先に」
マッチ「ほらほら、脱衣所行こう!」
ハオ「う、うん……」
ハオ(皆でお風呂なんて初めて……)

マッチ「ふんふんふ~ん♪」
マリ(マッチ……今日もカボチャパンツ……)


49 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 23:35:33.73 V6A+2d94Q 25/46

ハオ(な、何だか恥ずかしいけど……)
パサッ
マッチ「お風呂ー!!」
ハオ「あ、ま、マッチちゃん待って!!」
マリ(………つるつる……仲間…)

マッチ「ワッチ!!お湯熱いよカンナちゃーん」
カンナ「我慢しな。私は熱いのが好きなんだ」
マッチ「むー……ワッチチチチチ……」
ハオ(か、カンナちゃん胸大きい……)

51 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 23:41:48.78 V6A+2d94Q 26/46

「ありゃ?ハ……じゃねぇ、姫子はどこ行った?」
マッチ「知んなーい。何だかお風呂の後外に行ったみたいだったけどー?」
「おお、わりいな。よーし、阿弥陀丸、ちょっくら……阿弥陀丸?」
阿弥陀丸「ハァッ、ハァッ……ここに」
「どこ行ってたんよ?」
阿弥陀丸「浴場にて欲情でござった」
「何かよくわかんねぇけど、ハオ探してくれねぇか?」
阿弥陀丸「御意」

54 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 23:49:21.51 V6A+2d94Q 27/46

ハオ「……星が綺麗ね……」
ハオ「明日も早いのに、私は何をしてるのかしら……」
ハオ「……寂しい……私は一人じゃないのに……寂しい……」
ハオ「……お母さん」

「……………」
阿弥陀丸「ハァハァ、つるぺたハァハァ」
「自帰依仏 艟願衆生 体解大道 発無上意 自帰依法 艟願衆生」
阿弥陀丸「ぬわーーーーー!!!!」

57 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/16 23:57:13.51 V6A+2d94Q 28/46

「……ハオ」
ハオ「よっ、葉っ!?な、何してるのよ……?」
「おいらは散歩だよ。そしたらおめぇが見えたからな」
ハオ「……散歩……」
「ウエッヘッヘ」
ハオ(……嘘が下手ね……)
ハオ「……そう、それじゃあ帰りましょうか」
「まあ待てよ。おいら、ここから見る星が好きでな。……いつか一緒に見てぇと思ってた」
ハオ「…………」
「アンナにはおいらが言う。……だから、もうちょっとここに居よう」
ハオ「…………うん……」
ハオ(……馬鹿、なんだから……)

59 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 00:03:03.20 8ZuIOR3XQ 29/46

「うっし、そろそろ行くか」
ハオ「そ、そうね。少し冷えてきたし」
「今日は晩飯はカレーだぞ、おめぇも好きだろ?」
ハオ「う、うん……」
「おいら今日はおかわりする。竜のカレーはうめぇぞー」
ハオ「……楽しみね」
ハオ(一緒にご飯を食べるのが……ね)

「あれ?……あ、阿弥陀丸の位牌忘れた」
ハオ「?」
「明日でいいか」

60 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 00:09:55.71 8ZuIOR3XQ 30/46

マッチ「姫子ちゃん寝たね……」
マリ「……寝た……」
マッチ「でさ、でさあ、姫子ちゃんと葉クンと女将……どう思う?」
マリ「……三角関係……クスクス……」
マッチ「姫子ちゃん可愛いし、葉クンも靡いちゃったりするかなあ」
マリ「…………さあ……」
マッチ「でも聞いた話によるとさ、たまに女将の部屋で葉クンと……」
マリ「…………」
マッチ「そ、それってやっぱそういうことだよね?」
マリ「…………zzz……」
マッチ「でもさでもさぁ!」

62 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 00:15:40.04 8ZuIOR3XQ 31/46

「ん……ふぁあ……眠い……」
まん太「葉君、おはよう」
「おおまん太、来てたんか」
まん太「その後、調子はどう?」
「うーむ……すっかり馴染んでるな。ウエッヘッヘ」
まん太「ウエッヘッヘじゃなくて……いいの?このままで」
「いいじゃねぇか。皆が満足なら、おいらはそれでいい」
まん太「…………」
「朝飯食ってくだろ?」
まん太「……うん……」

64 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 00:20:59.80 8ZuIOR3XQ 32/46

「えーっと、阿弥陀丸……阿弥陀丸……っと」
「あったあった」

阿弥陀丸「葉殿酷いでござる!!」
「おおすまんすまん。すっかり忘れてた」
阿弥陀丸「全く……暇過ぎて右手が痛くなったでござる」
「何かくせえな」

66 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 00:25:30.91 8ZuIOR3XQ 33/46

マッチ「タイム、ローズマリー、ミント……うんうん、皆よく育ってる!」
ハオ「ガーデニング……?」
マッチ「うんうん、姫子ちゃんもやってみる?」
ハオ「え!?い、いや……いいよ……」
マッチ「そう?……っと、ご飯の支度しなきゃ」

ハオ(ガーデニング……かあ……)

67 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 00:31:16.52 8ZuIOR3XQ 34/46

リゼルグ「やあ葉君。……ちょっといいかな」
「おおリゼルグ、久しぶりだな」
リゼルグ「うん……ちょっと、気になることがあってね」
「気になること?」
リゼルグ「僕のダウジングでね、有り得ないはずの人物を探知した」
「…………」
リゼルグ「まさか、居るのかな」
「……おお。居るぞ」

68 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 00:37:04.91 8ZuIOR3XQ 35/46

マッチ「ワッチ!……ったあ、指切った……」
「……ほら、絆創膏」
マッチ「あ……ありがとっ、というか、何でこんなの持ってんの……」
「馬鹿野郎、旦那や女将が怪我した時のためよ」
マッチ「ふ、ふーん……そんなの、私に使っていいの?」
「たりめーよ。おめぇは俺の弟子だからな」
マッチ「ば、ばっかじゃないの。弟子なんかじゃ無いでしょ」
「ま、気にすんなってことよ」
マッチ「べ、別にっ!!誰も気にしてなんかないから!」

ハオ(うーん……入りにくいなあ……)
ハオ(……ん……アレは……?)

リゼルグ「ハオ……!!」
「……………」

71 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 00:43:44.23 8ZuIOR3XQ 36/46

ハオ「あ……ああ……あ…」
リゼルグ「……葉君、何のつもり?」
「何がだ?」
リゼルグ「確かに僕はハオをシャーマンキングとして認めた」
「…………」
リゼルグ「でも、ハオが罪も無い沢山の人を殺したのも間違いない」
ハオ「……ぅぁ…ぁ……」
リゼルグ「僕の……両親も……!!」
「……そうだ」
リゼルグ「コイツは……ハオ本体、つまりシャーマンキングじゃない……」
「…………」
リゼルグ「こんな危険な存在は……消すべきだ」

72 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 00:49:54.09 8ZuIOR3XQ 37/46

「確かにハオは多くの命を奪ったかもしれん」
ハオ「…………」
「けど、リゼルグが言ったとおりコイツはハオ本人じゃねえ」
リゼルグ「……それで?」
「自分が手をくだした訳じゃないのに罪悪感に襲われる……何もしてねぇコイツには、それで充分だろ」
リゼルグ「甘いね。もしコイツが以前のように殺戮を始めたら……」
「それは無い」
リゼルグ「…………」

「……なあ、ハオ。お前、霊が見えねぇだろ?」

ハオ「!」

73 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 00:54:02.04 8ZuIOR3XQ 38/46

ハオ「………うん……」
「確かに、コイツはハオの分身かもしれん。それでもおいらは、辛い思いはさせたくねぇ」
リゼルグ「……仮に、力が覚醒したら?」
「そんときゃ、おいらが力づくで止めるさ」
リゼルグ「……わかった」
「……よーし、ハオ。飯にしようぜ」

ハオ「…………」

(…………)

74 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 00:59:31.22 8ZuIOR3XQ 39/46

マッチ「…………」
マリ「……ずっと同じ絆創膏……」
マッチ「えっ!?い、いやあ、たまたま!たまたまだってばー!」
ハオ「…………」
マッチ「あ、姫子ちゃ……どうしたの?」
ハオ「うん、あのね……ガーデニング、教えてくれるかしら?」
マッチ「……うん、いいよ?」
マッチ(何かあったのかな……)

75 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 01:04:16.19 8ZuIOR3XQ 40/46

マッチ「これをこうして……こう……」
ハオ「……………」
マッチ「……姫子ちゃん?」
ハオ「……あ、ご、ごめんなさい。つい、ボーッとしちゃって……」
マッチ「う、ううん。気にしないでいいよ」
ハオ「……………」ザクザク

76 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 01:11:24.86 8ZuIOR3XQ 41/46

 『彼の言う通り、私は危険な存在でした。
 私は自分が怖い。いつか力が暴走して、大事な何かを壊してしまわないか、と。
 だから、私は消えることに決めました。
 その前にせめて、一つでも君に恩返しがしたかったから。
 私はマッチちゃんの力を借りて、とある計画を立てました。
 
 せめて一時でも、君に私を思いだしてもらえるように』

77 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 01:15:29.84 8ZuIOR3XQ 42/46

マッチ「よーし!後一ヶ月もすれば花が咲くかな!」
ハオ「……そう……」
マッチ「よかったね、姫子ちゃ……え?」
ハオ「……でも、やっぱり……間に合わなかった……みたい……」
マッチ「え、あ、姫子……ちゃん……?」

「――ここに居たんか」

ハオ「……葉…」


78 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 01:18:52.04 8ZuIOR3XQ 43/46

「いつ頃から、こうなることに気付いてたんだ?」
ハオ「気付いてた……というか、私がそう……望んだのよ……」
「……そうか。じゃあ、おいらがケチつける訳にはいかねぇな」
ハオ「……ありがとう、葉」
「いいんよ。おいらも、お前と一緒で楽しかった」

ハオ「……最後に……お願いがあるの……」


79 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 01:23:43.18 8ZuIOR3XQ 44/46

ハオ「私がここまで育てたこの花を……貴方とマッチちゃんで……咲かせてあげてほしい…」
マッチ「…………」
「……おお」

ハオ「もしちゃんと構ってあげてなかったら……人類を滅ぼしちゃうからね……」

「……姫子…」
ハオ「……………」
「……楽しかったぞ」

姫子「……うん……さよなら、葉……」

マッチ「……消え、ちゃった……?」
「……マッチ」
マッチ「…………何?」
「ガーデニング、教えて欲しいんよ」
マッチ「……うん、任せて」

81 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 01:29:05.79 8ZuIOR3XQ 45/46

― 一ヶ月後 ―
アンナ「ちょっと葉!!アンタ買い物はどうしたのよ!?」
「おお、そういえばそんなんあったな。でもおいら、お昼寝の時間なんよ」
アンナ「……いい度胸ね」
マッチ「あー、女将!いいですよ私が行ってくるんで」
「すまんな、マッチ」
アンナ「……アンタねえ……」
「…………じゃ、おいら昼寝してくる」
マッチ「はいはい、行ってらっしゃい」


82 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/05/17 01:33:44.20 8ZuIOR3XQ 46/46

「よっこらしょ……いい香りだな……」
「こりゃ……直ぐにでも寝れそうだ……」
「ふぁぁぁあ……さて……」
「寝るぞーー……!!」

 その日、おいらは不思議な夢を見た。
 深い深い眠りの中で、誰かが呟いた。

 「おやすみ」

 姿は見えないけど何となくわかる。ソイツはきっと、

 ――プリンセス・ハオ




記事をツイートする 記事をはてブする