1 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:18:08.22 nC/hfeMJ0 1/32

ちなつ「サンタ………」

あかり「………さん?」

向日葵「ですの。お二人はサンタさんに何を……」

櫻子「あー!!あー!!ちなつちゃん!あかりちゃん!ちょっと来て!!」

向日葵「ちょっと櫻子!私がお二人とお話してるのに何を割り込んで……」

櫻子「いいから!!」グイッ

ちなつ「ちょっ、櫻子ちゃん分かったから引っ張らないで!」

あかり「えっと、よく分からないけどごめんね向日葵ちゃん!」

元スレ
向日葵「今年はサンタさんに何をお願いしますの?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1356362288/

3 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:19:30.24 nC/hfeMJ0 2/32

櫻子「はぁ……ここまでくればもう大丈夫かな?」

あかり「櫻子ちゃん、急に大きな声出すからびっくりしちゃったよぉ」

櫻子「ご、ごめんね」

ちなつ「えーっと、向日葵ちゃんのことだよね……サンタさん……」

櫻子「あー、うん。そうなんだ……実はあいつ中学生にもなってまだサンタさん信じてるんだよ」

あかり「えぇ!そうなの?向日葵ちゃんが……あはっ、意外だけどなんだか可愛いねぇ」

ちなつ「むしろ私はあかりちゃんと櫻子ちゃんがサンタさんの正体に気付いていたことの方にびっくりしてるんだけど……」

あかり「実はあかりも去年までは信じてたよぉ……でも偶然おトイレに行きたくて目が覚めたらプレゼントを持ったお姉ちゃんがドアの前に立ってて……」

櫻子「私は小4のときにお母さんとお父さんとねーちゃんが私と花子……妹が何を欲しがってるのか探りをいれようと会議してるのを聞いちゃってさ。サンタさんに手紙も書いてたのにアレはショックだったなぁ……」

ちなつ「私も櫻子ちゃんと似たような感じかな。やっぱり上にお姉ちゃんとかいると信じなくなるのが早いのかもね」

5 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:20:28.61 nC/hfeMJ0 3/32

櫻子「あのさそれで、ついでだから二人に相談したいことがあるんだけど」

ちなあか「「向日葵ちゃんのこと?」」

ちなあか「「……あっ」」

櫻子「ふ、二人とも何ハモってんの!!///」

ちなつ「でもそうなんでしょ?この話の流れ的にも」

櫻子「うっ……///ちが……わなくもないけど……///」

あかり「まぁまぁ櫻子ちゃん。あかりたちで良ければいくらでも相談に乗るよぉ!ね、ちなつちゃん!」

ちなつ「ふふっ、恋のお悩みならチーナにお任せよ!」

櫻子「こここ、恋とかじゃないもん!!///」

6 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:22:27.49 nC/hfeMJ0 4/32

櫻子「向日葵のおばさん達、商店街の福引き当てて今年のクリスマスは温泉旅行に行くんだって」

櫻子「それで向日葵と妹の楓にプレゼントあげれないから今年は櫻子ちゃんよろしくねって……」

櫻子「でもでも楓の分のプレゼントはちゃんと預かってるんだけど向日葵が何を欲しがってるかわかんないからってお金だけ渡されちゃって……」

櫻子「でもあいつ今年はサンタさんに何頼むんだーって聞いても秘密ですわって教えてくれないし!」

ちなつ「それで私たちに探りを入れて欲しいというわけね」

櫻子「そうそう!私に教えてくれないのは毎年の事なんだけど、今年はねーちゃんや花子が聞いてもダメで楓も知らないって言うし」

ちなつ「ふふっ」

櫻子「……?どうしたのちなつちゃん?」

ちなつ「いやー、私の知る限りこんなに真剣で必死な櫻子ちゃん初めてだなーって」

あかり「うんうん!今の櫻子ちゃんすっごくカッコいいよ!」

櫻子「ちっ、違っ……!これは向日葵のためなんかじゃなくておばさん達に頼まれたから仕方なく……///」

ちなつ「はいはい、そういう事にしといてあげるね」

櫻子「うっ……///」

あかり「まぁまぁ。とりあえずあかり達も向日葵ちゃんに聞いてみようよ」

ちなつ「っていうか向日葵ちゃんも私たちに何頼むか聞こうとしてたよね?案外あっさり上手くいったりして」

8 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:25:06.32 nC/hfeMJ0 5/32

ちなつ「向日葵ちゃーん」

向日葵「あら、吉川さんに赤座さん。遅かったですわね。……櫻子はどうしたんですの?」

あかり「櫻子ちゃんはゆきちゃん達とお話し中だよぉ」

向日葵「全く……強引に吉川さん達を引っ張っていったくせに勝手なんだから」

ちなつ「えっとね、向日葵ちゃん、さっきの話の続きなんだけど……」

あかり「そうそう、あかり達も向日葵ちゃんがサンタさんに何をお願いするのが聞きたいなーって」

向日葵「えっ!?私のですの?」

ちなつ「何を驚いてるの?私たちに先に聞いたって事は当然向日葵ちゃんのも教えてくれるんじゃ……」

向日葵「そんな///言えるわけないですわ、恥ずかしくて///」キャー

ちなあか「「えー………」」

10 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:28:33.06 nC/hfeMJ0 6/32

ちなつ「駄目でした……」

あかり「ごめんね櫻子ちゃん……」

櫻子「やっぱり……」

ちなつ「でもなんか恥ずかしいもの頼むみたいだよ」

あかり「恥ずかしいから言えないって言ってたもんねぇ……」

櫻子「恥ずかしいもの……?なんだろ」

ちなつ「まっ、まさか……向日葵ちゃん!サンタさんに大人のおもちゃを……///」キャー

櫻子「おもちゃなのに大人!?大人専用おもちゃって事?カッコいい!どこに売ってんの?」

ちなつ「あっ、いやごめん!多分違う!忘れて!」

櫻子「えー、向日葵が欲しくなくても私が欲しい!大人のおもちゃで向日葵よりも大人になって福会長の座も私のもの!」キラキラ

ちなつ「あー!もう!あかりちゃん何とかして!」

あかり「あっ、あかりも大人のおもちゃ気にな……」

ちなつ「あーかーりーちゃん?」

あかり「はひぃ!!櫻子ちゃん……当初の目的を忘れちゃダメだよぉ……」

11 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:32:10.56 nC/hfeMJ0 7/32

櫻子「ちぇー……大人のおもちゃ……」

ちなつ「もうそれはいいから。どうするの?クリスマスまでもうあんまり時間無いよ?」

あかり「……あっ!向日葵ちゃん、お手紙とか書いてないのかな?」

櫻子「手紙?」

あかり「櫻子ちゃんも書いてたって言ってたよね?サンタさんへのお手紙!」

ちなつ「なるほど……その手紙を手に入れる事が出来れば……」

あかり「向日葵ちゃんの欲しいものもわかっちゃうよぉ」

櫻子「なるほどね!その手があったか!」

ちなつ「でもどうやって?手紙を書いてるかどうかもわからないし書いてたとしても出しちゃってるかも」

あかり「あっ……そっか」シュン

櫻子「わかんないけどとりあえず今日向日葵の部屋をスネークしてみるね!」

ちなつ「スネークって……大丈夫なのそれ……」

12 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:36:44.28 nC/hfeMJ0 8/32

放課後・古谷家

櫻子(あーあ……生徒会無断欠席しちゃったなぁ……)

櫻子(まぁ向日葵がいたら部屋の捜索なんて出来ないし仕方ないよね……先輩達も明日事情を話せば分かってくれると思うし)

櫻子(それにしても楓が花子のとこに遊びに行ってくれてたみたいでよかった……)

櫻子(よし)

櫻子(さっさと終わらせて帰ろう)ガラッ

櫻子「おじゃましまーす……ふぅ、相変わらずおもしろくない部屋だなぁ……本棚は小説とか参考書ばっかだし」

櫻子「えっと、多分手紙があるとしたら机の中だよね」ガラッ

櫻子「んー……それっぽいものは無いなぁ……鍵付きのとこは調べられないしなぁ……って開いた!?」ガラッ

櫻子「ふっふっふ、鍵掛け忘れてたのか、ばかっぱいめ……ってうおっ!なにこれ!私の写真がいっぱい!」

14 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:42:17.60 nC/hfeMJ0 9/32

櫻子「いや、私のっていうか私と向日葵の写真……?全部二人で写ってるやつだ。なんでこんなとこに……」

櫻子「あはは、これって向日葵ん家と私ん家でキャンプ行った時のだ。川で魚釣りして糸が絡まって大げんかしたんだっけ……」

櫻子「これはデスティニーランド行ったときの……ジェットコースター勝負して二人ともトイレから出て来れなくなったんだよね……うっぷ」

櫻子「あっ、これは山奥の温泉行ったときの。夜遅くに肝試し勝負してみんなに心配かけて二人でいっぱい怒られたっけ……肝試しでビビりまくってた向日葵の顔最高だったなぁ」ププッ

櫻子「……………」

櫻子「って!!何やってんだ私!!向日葵が帰ってきちゃうじゃん!!」

櫻子「えっと……えっと……」ガサゴソ

櫻子「!!……こ、これって……!」

17 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:46:02.47 nC/hfeMJ0 10/32

翌日

あかり「おはよー櫻子ちゃん!向日葵ちゃん!」

ちなつ「おはよー」

向日葵「おはようございます」

櫻子「おはよー……」

あかり「櫻子ちゃん元気ないね大丈夫?」

ちなつ(手紙なかったのかな……)

櫻子「げっ、元気だよ!」

向日葵「昨日は生徒会は無断欠席するし珍しく家にも来ませんでしたし本当に大丈夫ですの?」

18 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:47:06.06 nC/hfeMJ0 11/32

櫻子「!ひっ、向日葵が私の心配なんて気持ちわりー…」

向日葵「なんですって!人がせっかく……」

あかり「あわわ二人とも……」

ちなつ「櫻子ちゃん!ちょっと来て」

櫻子「あっ、うん……」

ちなつ「あかりちゃんは向日葵ちゃんをお願いね」

あかり「うっ、うん」

向日葵「えっ?えっ?ちょっと……」

21 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:50:39.26 nC/hfeMJ0 12/32

ちなつ「……で、昨日どうだったの?手紙あった?」

櫻子「……うん、あったにはあった、かな……」

ちなつ「何その煮え切らない返事は……とりあえず見つけたって事でいいんだよね?なんて書いてあったの?」

櫻子「ん、手紙にはサンタさんへ、って書いてあっただけなんだ。でも何回も鉛筆で何か書いて消した跡があってそれと……」

ちなつ「それと?」

櫻子「笑わないで聞いてね……?昔、私と向日葵で書いた婚姻届が挟んであった///」

ちなつ「ぶっ!!婚姻届ぇ!?」

櫻子「………///」コクッ

ちなつ「やっぱり二人ってそういう関係だったんだ……」

櫻子「ち、違うよ!!あれは小さいときに書いたやつだし、それに私も昨日見つけるまで忘れてたし……///」

ちなつ「はぁ……まぁいいや。よかったね。向日葵ちゃんの欲しいものが分かって」

櫻子「へっ?」

ちなつ「言わなきゃわかんないかなー……向日葵ちゃん、婚姻届が欲しいんじゃない?」

23 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:53:24.54 nC/hfeMJ0 13/32

櫻子「な、なんでそーなんの……?」

ちなつ「もうっ!櫻子ちゃんも結構鈍感だよね……向日葵ちゃんさ、もう一度櫻子ちゃんと婚姻届書き直したいんじゃないかな?」

櫻子「えぇ!?そんなわけないじゃん!!向日葵は私の事嫌いだし私だって……あっ」

ちなつ「?」

櫻子「……写真」

ちなつ「……写真?」

櫻子「ななな、なんでもない!///とにかくっ!向日葵がそんなもの欲しがってるわけないし私だって嫌だもん!」

ちなつ「あーそう。じゃあ私はこれ以上は口出ししないから後は櫻子ちゃん一人で頑張ってね」

櫻子「えっ、なんでさ!ちなつちゃん協力してくれるって……」

ちなつ「だって他に考えられないし、私に協力できる事もうないもん。あっ、あかりちゃんに言ったってダメだからね。あかりちゃんは私の言いなりなんだから」

櫻子「うー…なんだよそれー…」

26 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:55:52.30 nC/hfeMJ0 14/32

12月24日

櫻子(ついに……この日が来てしまった……)

櫻子(結局何も用意出来なかったし……)

撫子「櫻子、あんた何も言わないけどちゃんとひま子へのプレゼント買ったの?」

櫻子「も、もちろん!ばっちり!残すは古谷家に夜這いというビックイベントのみ!」

ポカッ

櫻子「あいたっ!何すんのさ!」

撫子「夜這いってどこからそんな言葉覚えてきたんだ。しかも使い方間違えてるし……はぁ」

花子「撫子お姉ちゃーん、櫻子ー!ひま姉、料理の準備できたって!呼んでるし!」

櫻子「わーい!ステーキ!!」

撫子「ステーキじゃなくて鳥のもも肉だと思うよ」(本当に任せて大丈夫かな……)

27 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 00:58:11.46 nC/hfeMJ0 15/32

櫻子「ふぅ、食べた食べたー♪」

花子「ちょっと!櫻子も片付け手伝うし!」

撫子「妹に言われてどうすんの。ほら、あんただけだよ、何にもやってないの」

向日葵「いいんですのよ、二人とも。良い子にしてない櫻子にはサンタさんが来なくなるだけですから、ふんっ」

「櫻子お姉ちゃん、本当に来なくなっちゃうよ?」アセアセ

撫子(なにこの可愛い姉妹)

29 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 01:03:17.43 nC/hfeMJ0 16/32

撫子「毎年毎年ありがとね。ひま子の料理おいしいからつい任せっきりで……」

向日葵「いえいえ、お料理は好きですし、何より喜んで貰えて私も嬉しいですわ」

花子「は、花子もひま姉の料理大好きだし!///」

「えへへー、楓も大好き!」

向日葵「ふふっ、ありがとう二人とも」

櫻子「ま、まぁ来年も食べてやらなくもないけど?」

向日葵「…………」イラッ

撫子「はぁー……またあんたは……それより本当に泊まりに来なくてよかったの?二人で大丈夫?」

向日葵「ありがとうございます。でももう私も中学生ですしそれに……」

向日葵「自分の家でちゃんと寝てないとサンタさんがプレゼントを配るときに困るかもしれませんし……ねっ」

「ねっ」

花子「なるほど……確かにそうかも」

なでさく(oh……///)

30 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 01:07:15.92 nC/hfeMJ0 17/32

大室家

撫子「花子はもう寝た?」

櫻子「あっ、ねーちゃん遅かったじゃん!何時間お風呂占領するんだよー」

撫子「うん……今日は大事な日だからね……ってこら、質問に答えて。花子はもう寝たの?」

櫻子「さっき確認したらもう寝てたからプレゼント置いて来た!」

撫子「はやっ!……まぁ寝てたんならいいか。じゃあ私も出掛けて来るからひま子と楓のプレゼントも頼んだよ」

櫻子「えっ、こんな時間から?」

撫子「……本当は朝から出掛けるつもりだったんだけど友達に急にバイトが入っちゃって。だから今からでも泊まりで一緒に過ごすの」

櫻子「ふーん。お泊まりで夜通しクリスマスパーティーかぁ、いいなぁ。お母さん達もなんか聖なる夜がどーのこーのって出掛けちゃうし……」

撫子「家族が増えるかもね」ボソッ

櫻子「んっ?何か言った?」

撫子「いや、なんでも。……そろそろ行かないと。ほんと頼んだよ?」

櫻子「もー、分かってるって。ねーちゃんは心配性だなぁ……いってらっしゃーい」

32 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 01:10:50.56 nC/hfeMJ0 18/32

櫻子(ねーちゃんには、ああ言ったけど……)

櫻子(向日葵のプレゼントどうしよう……!!)サー

櫻子(ご馳走食べてたらすっかり忘れちゃってたよ……!!)チラッ

櫻子(22時半……もう今からじゃ間に合わないじゃん……!!)

向日葵『ほら、櫻子、宿題ぐらいちゃんとやりなさいな。もうすぐクリスマスなのにサンタさん来ませんわよ』

向日葵『私の家って煙突がないでしょう?だから毎年クリスマスの日だけ窓を少し開けてるんですの。少しでもお家に入りやすいように』

向日葵『見て櫻子!今年はクマのぬいぐるみをもらったんですの!ほらこのおちゃらけた可愛い顔が櫻子にそっくり……って何でもありませんわ!!///』

櫻子「うっ……うっ、向日葵ぃ……ごめんね、ごめんね……」ポロポロ

ピンポーン

櫻子「えっ……誰、こんな時間に……ねーちゃんが忘れ物でもしたのかな……」グシグシ

34 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 01:16:22.33 nC/hfeMJ0 19/32

櫻子「はーい……ってちなつちゃん!?……と、えっと、」

ともこ「はじめまして、あなたが櫻子ちゃんね?ちなつの姉のともこです」

櫻子「……は、はじめまして、って何でこんな時間にちなつちゃんが……」

ちなつ「……はい、これ」

櫻子「!これ……」

ちなつ「そう。婚姻届だよ。お姉ちゃんに無理言って市役所でもらってきてもらったの」

ともこ「あなた達の年齢じゃまだ無理だものね」

37 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 01:18:36.58 nC/hfeMJ0 20/32

櫻子「で、でも……」

ちなつ「どうせ何も用意できてないんでしょ?」

櫻子「うっ……」

ちなつ「できるわけないよね。だって櫻子ちゃんも本当は分かってたはずだよ?」

櫻子「…………」

ちなつ「……頑張ってね、櫻子ちゃん。もったいないよ?だって世の中には櫻子ちゃん達みたいになりたくてもなれない人の方がたくさんいるんだから」

ともこ「ちなつ……」

ちなつ(そう、私みたいに……ね)

櫻子「……うん。そう、だね。ありがとうちなつちゃん。私が悪かったよ。……ごめんね?」

ちなつ「分かればよろしい!さっ、お姉ちゃん帰ろ?」

ともこ「ふふっ、頑張ってね、小さなサンタさん」

38 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 01:23:10.60 nC/hfeMJ0 21/32

櫻子「サンタ服よし!サンタ帽よし!楓へのプレゼントよし!婚姻届も持った!さぁ、いざ出陣!」

櫻子「……あっ、大事な事忘れてた!」

キュッキュッ

櫻子「……ふぅ。これでよし。夫じゃなくて私も向日葵も妻だもんね!」

櫻子「……ん?そういえばサンタさんからのプレゼントに既に私の名前が書かれててもいいのかな……」

櫻子「……まぁ細かい事はいっか!今度こそいざ、古谷家へ!」

40 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 01:27:24.05 nC/hfeMJ0 22/32

ソローッヌキアシサシアシ

向日葵「すー……すー……」

「すー……すー……」

櫻子(よし、二人とも寝てるな。まずは楓から)

櫻子(よいしょっと、二段ベットのはしご滑りそうで怖い……えっと、この靴下の中に入れればいいんだよね?)

櫻子(とりゃっ、はぁー……何とか入ったかな?)

ハシゴオリオリ

櫻子(後は向日葵の靴下に婚姻届を入れたらミッションコンプリートだ!!……って、なんで靴下抱いて寝てるの!?)ガーン

向日葵「むにゃ……サンタさん……」

櫻子(それにしても寝顔、ちょっと可愛いかも……///)

櫻子(じゃなくて!!どうしよう……枕元に置くのもなんだかなぁ……てやっ)

41 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 01:31:06.15 nC/hfeMJ0 23/32

向日葵「んー……やー……」グググ

櫻子(寝てるくせに力強っ!?)

櫻子(このっ……!はーなーせー!!)スポッ

櫻子(あっ……!)ボフッ

向日葵「ひゃっ!?なっ……何?えっ……サンタ……さん……?」

櫻子(ど、どうしよう……向日葵起きちゃった……このままおっぱいに顔埋めてるわけにはいかないしどうしたら……)

向日葵「さっ……サンタさんのえっち!!///」パンッ

櫻子「ぎゃお!!」

向日葵「えっ……さ、櫻子?」

櫻子「あ……ああ……」

43 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 01:37:41.52 nC/hfeMJ0 24/32

リビング

櫻子「ひっぐ……ぐすっ……」

向日葵「……いい加減泣き止んで……私怒ってませんから……」

櫻子「で、でも、サンタさん……ぐすっ」

向日葵「そ、そりゃあショックじゃなかったと言えば嘘になりますけど……でもこのまま大人になるほうがもっと恥ずかしくてショックでしたわ……///」

向日葵「それに……私、嬉しいんですのよ……///櫻子が私のためにこんなに……///」

櫻子「向日葵……」

向日葵「それで……そろそろプレゼント……開けてもいいかしら?」

櫻子「あ……うん……///」

44 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 01:43:02.55 nC/hfeMJ0 25/32

向日葵「こ、これって……///」

櫻子「うん、婚姻届///」

向日葵「うっ……ぐすっ……」

櫻子「えっ!?もしかしてこれじゃなかった……?向日葵の欲しいもの……」

向日葵「なんで……なんで誰にも言ってないのに知ってるのよ……ぐすっ」

櫻子「ごめんね実は私、向日葵の机の中見ちゃったんだ。鍵付きのとこ、開いてたから……」

向日葵「じゃ、じゃああの写真も見たんですの?」

櫻子「うん、ごめん……」

向日葵「うぅ///」

48 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 01:53:32.93 nC/hfeMJ0 26/32

櫻子「へへ……最初びっくりしたけど嬉しかった。私がさつだし、写真とか綺麗にとっておいたりしないから」

櫻子「婚姻届もさ……ずっと忘れてたんだけど向日葵が持っててくれたんだね」

向日葵「私だって忘れてましたわ……部屋を掃除してたら戸棚の奥にあったカンカンから出てきましたの」

櫻子「それでも向日葵が……ひまちゃんがとっておいてくれてたんでしょ?」

向日葵「!その呼び方……///」

櫻子「うん!なんかね、ちなつちゃんのおかげで吹っ切れちゃったんだ!……だから言うね?」

櫻子「ひまちゃん!私ともう一度婚姻届を書いて下さい!」

53 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 02:06:45.51 nC/hfeMJ0 27/32

向日葵「うっ、うっ……さーちゃん……私、私……」ポロポロ

櫻子「もー、ひまちゃんは相変わらず泣き虫だなぁ」ナデナデ

向日葵「だってだって……本当はサンタさんに婚姻届をもらって……私から言うつもりで、もう昔の事だし気持ち悪がられたり振られるの覚悟で当たって砕けるつもりでしたのに……」

櫻子「そっか……」ナデナデ

向日葵「うん……だから今すっごく幸せ……」

櫻子「私も……でもやっぱりひまちゃんのサンタさんという夢を壊しちゃった事だけが心残りというか……」

向日葵「もう、気にしてないって言ってるのに」

櫻子「……でも」

向日葵「じゃあこうしましょう」

56 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 02:18:09.64 nC/hfeMJ0 28/32

向日葵「来年も……再来年もずっとずっとクリスマスは私の隣にいること」

向日葵「さーちゃんが来年からは私とおっ、大人な夜を過ごせばサンタさんも私はもう子供じゃないって自動的にプレゼントを置きにこれなくなりますわ///」

向日葵「つまりもとより今年でサンタさんは終わりだったという事ですわ」

櫻子「大人な夜……?」(ちなつちゃんの言ってた大人のおもちゃと関係あるのかな?」

向日葵(この子理解してなさそうですわ……でもそんなところも)

向日葵「……大好きですわ……さーちゃん///さーちゃんは……?」

櫻子(はっ!そういえば私まだ一度も好きって言ってない気が……)

58 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 02:26:05.50 nC/hfeMJ0 29/32

櫻子「………///」ドキドキ

向日葵「………///」ドキドキ

櫻子(なっ、なんか婚姻届書いてよりも好きって言う方が恥ずかしのはなんでだろ……///)

向日葵「……さーちゃん?」

櫻子「す、好きだよ///来年も再来年もずっとずーっとひまちゃんだけのサンタだよ」

向日葵「……!///」

櫻子(言え、た///)

向日葵「サンタさん、じゃあもう一つプレゼントを頼んでも……いいですか?」

櫻子「う、うん」

向日葵「キス……してください……///」

62 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 02:43:05.10 nC/hfeMJ0 30/32

櫻子(ききき、キスぅ!?///)

向日葵「だめ……?」チラッ

櫻子「だっ、だめじゃない!!///」ガバッ

向日葵「きゃっ///」

チュー

櫻子「……んっ」(こ、これがキス……おでこにするおやすみのちゅーじゃなくて口と口の……)

向日葵(さーちゃんさーちゃんさーちゃんさーちゃんさーちゃんさーちゃんさーちゃん)

その夜、私たちはたくさんキスしてたくさん好きって言いました。今まで散々ケンカしていがみ合ってた分を取り返すぐらいに。
婚姻届も書きました。どっちが持っておくかでまたケンカになりそうになったけど初めて書いたものは向日葵が持っておくということで私の部屋に飾っておくことにしました。

65 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 02:53:06.61 nC/hfeMJ0 31/32

1月1日

ちなつ「あー、あかりちゃん。私ね今すごく後悔してるの」イライラ

あかり「な、なにが……かな?」

ちなつ「あの二人を初詣に呼んだこと」イライラ

あかり「えっと……」

ちなつ「実質私、初詣あかりちゃんと二人で来てるのと同じじゃない!?あの二人……隙があればイチャイチャしてすぐどっか行くし……」イライラ

あかり「うぅ……もうすぐ結衣ちゃん達2年生の先輩達とも合流できるはずだから落ち着いて……」

66 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/12/25 03:03:52.96 nC/hfeMJ0 32/32

ガランガラン

櫻子「……………」パンッパン

櫻子「………よしっ!」

向日葵「……もうこれで5回目ですけどさーちゃんは一体何をお願いしてるんですの?」

櫻子「へへーん、秘密だよー、言ったらご利益なさそうだし」

向日葵「うっ、それは確かにそうかも……」

櫻子「まぁ、叶わなくても無理矢理私が叶えちゃうんだけどね」

向日葵「?……どういうことですの?」

櫻子「だからぁ秘密だってー♪」タッ

向日葵「あっ!待ってさーちゃん!」

櫻子(向日葵がずっと私の事を好きで、私も向日葵の事がずっと好きで二人がずっと一緒で向日葵だけのサンタさんでいれますように)



おわり

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