男「あの客マジキチすぎだろう。お陰でだいぶ遅い上がりになっちまった」
男「うおお、雪降ってるよ……。もう師走なんだよなぁ、鬱になりそうだぜ」
男「12月…孤独のクリスマスが今年もやってきやがる…。俺は最初に日本でこの行事始めたバカを怨むぞ」
男「いいもんね、今年も一人でチキンとケーキ買ってさんまのアレ見て過ごすもん」
男「早くコタツに入って温まろう……」
がちゃり
女サンタ「んー、おかえりなさいー」モグモグ
男「……サンタの格好した女の子がコタツに入ってスルメかじってる」
男「俺帰る家間違えたのかな」
女サンタ「何言ってるの? お仕事お疲れ様だよ。そしてメリークリスマスだよ」
元スレ
女サンタ「どうも、メリークリスマスだよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1355215272/
女サンタ「心配しなくてもここ男さんの部屋だし、僕は本物サンタクロースですよ」
男「サンタの方は別に問題じゃねーよ! お前泥棒か! 鍵はしっかり掛ってたのに…」
女サンタ「いやだなぁ~。サンタといえば煙突から家に入るのがお決まりじゃないのさ」
男「煙突もないし暖炉もアパートにないんだけど……」
女サンタ「そうなんだよねぇ…だから今回はセオリー無視してベランダから侵入しちゃったよ」
男「うおおぉぉっ、窓の一部がくり抜かれてる! お前無理矢理鍵開けて入ったんだろ! 泥棒じゃねーか」
男「大体サンタはいいけど、今日はまだクリスマスイヴじゃないぞ。まだ何週も先の話だ」
女サンタ「……あれ? そだっけ? わはははははー…」
男「なるほど、慌てん坊の女サンタクロースか。見事なもんだね」
女サンタ「じ、実は僕最近この仕事に就いたばっかでして~」
男「だとしてもイヴ前からプレゼント配りに訪問するサンタなんていないでしょうに」
男「ていうかただのコスプレした女の子にしか見えないな。年頃の男の子が興奮しそうな露出っぷりだ、最近のサンタはそういう路線目指してんの?」
女サンタ「むぅ。全然僕がサンタだって信じてない様子だね……」
女サンタ「見よ! 傍らに置かれたこの大きなおもちゃ袋が何よりの証拠だよー! そして見てわかんないかな? 頭のサンタ帽も証拠だ」
女サンタ「僕はあなたへ今日プレゼントを届けに来たんです。今年ずっと良い子にしていた男さんにね」
男「俺に? ていうか今日は間違って来ちゃったんでしょう?」
男「それに成人した人にそういうのアリかな? 良い子ってどんな基準だ? ねぇねぇ?」
女サンタ「男さんちょっと鬱陶しいキャラかも……」
男「お前があまりにも不審だから疑ってるだけだろうが。何がサンタだ、クリスマスだ壊滅しろ貴様らッ」
女サンタ「わわ~……おまけに面倒臭いし~……」パタパタ
女サンタ「もうっ、タダで貰える物は黙って受け取ったらいいんだよ! 損しないんだよ?」
男「今はそういう問題じゃねぇだろうが。ていうか、女の子のサンタって本当にいるんだ」
女サンタ「時代は常に変わるもの。今はこっちの方が色々立ち回りやすいし、少なからず需要あるし、騙せるし」
男「騙すのは頂けないよ、仮にもサンタなんだからね?」
男「まぁ需要あるのは否定できんなぁ…ぐふっ、キミ結構おっぱい大きいしムチムチしてるし…」
女サンタ「疑心暗鬼だったりスケベだったり忙しい人だね、男さんって」
男「それで女のサンタさん」
女サンタ「あっ、えっと、サンタ子。僕のことはそう呼んでくれると嬉しいなっ」
女サンタ「で遮って悪かったけど、お次の質問はなんでしょうか?」
男「プレゼントって……俺が好きな物を貰ってもいいのかなぁ」
女サンタ「うん? そりゃもちろんだよぉ~、男さんが欲しい物あれば言ってくれると僕も助かるから、どうぞ遠慮なく」
男「お前が、欲しいッ!!」がばぁっ
女サンタ「え…」
女サンタ「きゃあっ!?」どてっ
男「フーッ、フーッ……サンタ子、目の前にサンタコスのかわいこちゃんがいて襲わない男はいねぇ。俺は今夜野獣と化しこの愛をお前への中へ発射する」
女サンタ「ちょちょちょーっ!? ダメだよ、ダメぇ! ぼ、ぼくはダメ…!」ジタバタ
男「そんな事言っても体は正直なんだろ? ん? 丈の短いスカート履いて、胸元パックリ開けて誘ってるくせに!」
男「俺は、脱がすの勿体ないからこのまま着衣プレイを所望するぜーッ!!」
女サンタ「プレゼントの玩具色々用意してるんだよ!? そっちにしようよっ、ねぇ!?」
男「黙りたまえ」がしっ
女サンタ「あぁんっ! い、痛い……」
男「わはははははー。生乳GETだぜ……! 生まれて初めての最高なクリスマスプレゼントだッ!」
女サンタ「うっ……。プレゼントは悪い子にはあげない約束だ! 今の男さんは良い子じゃないからあげない! とうっ」ドスッ
男「げぶぅ!?」
男「か、はぁ……サンタのくせにいいパンチ持ってるじゃねぇか……」
女サンタ「まったく! サンタクロース欲しがるのはルール違反だよ。それに嫌がる女の子を襲うのも違反。僕だから良かったものを」
男「その言い方だとある程度はまだ許容してくれそうな」
女サンタ「男さんいきなりキャラ変わりすぎて怖いんだけど……」
女サンタ「とにかく、プレゼント貰うなら良い子にしてないと。渡す側も貰う側にも態度ってのがあるでしょう」
男「わぁ、本当に色々玩具入ってる。見てるだけでワクワクするな」がさごそ
女サンタ「ちょっと! 勝手に僕のおもちゃ袋漁らないでよー!」
男「何だコレ? ……ねぇ、鎌とか出てきたよ。玩具にしちゃ妙にリアルだな」
女サンタ「その刃には絶対に触らないで!!」
女サンタ「触ると魂借り取られる鎌だよ、それは……ゆっくり、落ち着いて、袋の中へ」
男「何でそんな恐ろしい得物混ざってんだよ! スマイルパクトの隣にあったぞ……」
女サンタ「その鎌ただの護身用の武器だから気にしないでねぇ」
男「護身って。お前サンタのくせに物騒だなぁ」
女サンタ「はぁ、最近のサンタはみんな苦労してるんだ。反クリスマス派のサンタ殲滅部隊が襲いかかって来るからね」
女サンタ「だから僕たちも平和にプレゼント届けにくくなったの。捕獲されて拷問受けたり、鉛玉ぶち込まれる危険と毎度隣合わせな聖夜だよ」
男「壮絶だなサンタクロース……知りたくなかったわ」
女サンタ「本当はさっきも男さんヤバかったんだよ? 僕が止めなきゃサンタ協会の武装許可貰った突撃班が襲撃してきたんだから」
男「俺の知ってるサンタはそんなに過激じゃないんだけど。そんなにやばいの?」
女サンタ「楽には死なせてくれない人たちしかいないもの。中でも一番の猛犬が中山サンタさん」
女サンタ「身に纏う赤い装束に真っ赤な肌は、返り血がこびり付いて取れなくなったもの。敵の体を絞ってその血を浴びる凶悪な趣味をもつ、通称オーバーキラー・ナカヤマ」
男「さっきは止めてくれてありがとう。俺どうかしてた」
女サンタ「本当に気をつけてね~……」
女サンタ「それで何か欲しい物は見つかった? 僕、待ちくたびれちゃったよー」
男「人ん家の食い物勝手に食って、テレビ見ながらゆったりしてたくせに」
男「大体サンタ子さんは本当にサンタなのかよ? なんか形だけで想像してたのと違うんだもん」
男「それに俺、言うのもアレだけど年中良い子にしてた覚えは一切ないんだけど」
女サンタ「……あー」
女サンタ「細かい事は別にいいでしょ! 僕はサンタで、キミは今年に良い子にしてたよ!」
男「ふむ、それは具体的に述べるとどう良い子であったのかね」
女サンタ「男さんって絶対友達作れないタイプだよね……」
男「そいつは俺が期待していた返しとは程遠いが。話を反らしてるつもりか? え?」
女サンタ「あーもぉー…きらいー…」もぞもぞ
男「コタツの中へ潜るなぁぁぁ!! 埃が立つだろうが」
女サンタ『だって男さんが僕のこといじめるんだもん。そりゃ潜りもするさ』
男「……」カチッ
女サンタ『あ……や、何これあっつ! あちぃ!? 出るー! 出るから温度あげないでよっ!!』
男「面倒くせぇサンタがいるもんだな、おい」
女サンタ「全くいい迷惑だよ!」
男「こっちもだけどね。それにしてもサンタ子さんいい匂い」クンカ
女サンタ「ちょ、ちょっと……」
男「うん。栗色の髪に瞳、素晴らしいな。どうしてもサンタ子さんがプレゼントってのはアウトかね?」
女サンタ「頼まれても絶対許可しない。女の子ならサンタ以外でお願いします」
男「もう俺はサンタ子さんが欲しいんだよ…。俺の下のツリーでキミへハッピーメリークリスマスしたげたいの!」
男「なぁ、先っちょだけでもいいだろぉ。全部は入れないよ!」
女サンタ「すけべ……。男さんは煩悩に塗れすぎだよ。まぁ僕もそこまで必要とされると悪い気はしないけどさぁ……」もじもじ
男「いえっへええええぇぇぇぇ! 落ちたな、見た目通りのチョロい女だぜ!」
女サンタ「やっぱり男さん気持ち悪い!」
男「ん? 構わん。遠慮なく続けたまえよ」
女サンタ「やぁー!!」
女サンタ「何なのこの不快感! 僕、きっと来る家間違えちゃったんだ! 怖い!」
男「おーい? 俺はサンタ子さんに罵倒されるってプレゼントに妥協したんだぜ。もっとキツイの頼むよ」
女サンタ「変態!」
男「おほぉ……」
女サンタ「くぅ、こんな人だなんて思わなかったよ! 怒られてもいいから本部にもう帰るっ!」
男「待ってくれよ! 散々ウチで好き勝手しておいてプレゼントはなしかぁー?」
男「お前サンタさんなんだろ。自分の仕事にしっかり責任持てよ。俺に夢くれよ。股開けよ」
女サンタ「う、うう」
女サンタ「わああぁ~~~……んっ…」ポロポロ
男「あーあ、泣くのか? いいよなぁ、女は。泣けば許されると思っているから…」
男「俺はもしかして今、史上初サンタクロースを泣かせた男となっているのかもしれん」
男「武装した突撃サンタ隊がなんだ! 俺はサンタ子さんを食ってやる!」
女サンタ「ひっ」
男「お前がいけないんだぜ…俺をそのむっちり太ももで誘惑したから…げへへ」
女サンタ「…………い、いいよ」
男「あ?」
女サンタ「もう男さんの好きにしたらいい。僕抵抗しないし、突撃隊へヘルプが出る緊急センサーも切っておくから」
女サンタ「クリスマスプレゼントだもんね…あなたを満足させて夢みたいな時間をあげるのが僕のお仕事だから…」
男「は?」
女サンタ「どうぞ、お食べ?」
男「ダメダメ、全然ダメダメ……っ! シチュエーションがなってない……っ! 俺が求めていた展開じゃない……っ!!」
女サンタ「はい?」
男「嫌がる女子を無理矢理パコるのが最高にいいんじゃあないか。和姦とか誰も必要としないし、刺激もねぇ」
男「服の引ん剥きも際立たないだろうが。最初からやり直せや」
女サンタ「も、もう僕いやだよぉ……」
男「俺もこのままじゃ嫌だ。俺はな、サンタ子さんが嫌いでこんなこと言ってわけじゃないのよ」
男「正直見た瞬間から惹かれた。だからこそ俺は嫌がるキミの髪を乱暴に掴んでバックで犯したい」
女サンタ「惹かれたって、僕のことを好きになってくれたってこと?」
男「好きでもない女をパコりたがる男がいるかい?」
女サンタ「わかんないです……」
男「ええいっ、これ以上萎れるな! 面白くないんだよ!」
男「いいか。俺はこんな玩具なんて興味はねぇ、何度でも言ってやる。キミが欲しいんだよぉ…欲しいんだよぉ…!」
女サンタ「か、かなり強引だけど、そんなこと僕生まれて初めて言われたよ。男さんっ…」ドキドキ
女サンタ「僕、仕事仕事で誰かに好かれることなんて今まで一度もなかったんだぁー」
男「初仕事だってさっき言ってただろうが」
女サンタ「元々はプレゼントの仕分けとか、攻めてきた敵の殲滅部隊を対処してたの」
男「お前も武闘派サンタさんだったのかよっ。パンチラ胸チラで油断させてそこをグサッと?」
女サンタ「違うし……」
女サンタ「ねぇ、男さん。本当に僕のことが欲しい? 好き?」
男「二度も言わせるな。何調子乗って開き直ってんだサンタ子さんよぉー」
男「勘違いするなよ、僕が欲しいのは嫌がる顔してパコられてるお前だけだ!」
女サンタ「よくわからないけど、男さんありがとう。ちょっとだけ僕嬉しいよ~」
男「お前、実はマゾの気があったのか……?」
女サンタ「違うってば! 男さんに好きになってもらえたのが嬉しいんだよ」
男「おかしなサンタ子さん。こいつ頭大丈夫かよ」
男「とりあえずパンツ降ろしても平気かな?」ポロン
女サンタ「平気じゃないよ!? ていうか変なもの見せつけないでよ…///」
男「あぁ!? 今の流れで何でコレがアウトになんだよ。とりあえずしゃぶればいいじゃない!」ブランブラン
女サンタ「最低だよ……。センサーまた作動させといたから、次襲いかかったら本当に中山サンタさんたち来るからね?」
男「デレたと思ったらまたガード堅くするとか、もう何したいのかワケ分かねぇよ!」
男「この俺の欲望をどこへ解き放てというのかっ」
女サンタ「どうしてスケベな事しか考えられないかな……。そうだ」
女サンタ「ちょっと寒いけど、気分展開に散歩しよう? 雪も降っててムードあるよぉ~♪」
男「は? やだよ、寒いもん」
男「うう、さっきバイトから帰って来たばっかなのに何でこんな……」ブルブル
女サンタ「なんだかんだ言って付き合ってくれるんだ。優しいね」
男「お前…何でそんな寒そうな恰好してて身震い一つ起こさないんだよ…!」
女サンタ「いひひっ、サンタクロースだもん。それに鍛えてますから」
女サンタ「初めての女の子とのデートはどんな気分かな? んー?」ニコニコ
男「真冬のこの時間帯でもなければ最高だったよ! 天気荒れてんの見えませんか!?」
男「なぁ、やっぱり家に引き返そう……。このままじゃ凍死しちまう」
女サンタ「男さんは軟弱だなぁ。私は全然寒くないんだけど」
男「お前サンタクロースだからなんだろ? 俺は至って普通のノーマルだからなっ」
男「あーあ、もう嫌だ我慢ならない……。とにかくどこかで寒さ凌がさせてくれよ……」
女サンタ「仕方がない。じゃあそこのファミレスに行こうよ、丁度ガラガラみたいだしね」
男「寒い、寒すぎる」
女サンタ「そんなに急いで熱いの飲んだら火傷しちゃうよ? お店の中暖房効いてるのに」
男「あったかいよ。あったかいけど体の芯がまだ冷えたままなんだよ!!」
男「うう、まるで体の中に氷張ってるみたい……」ガタガタ
女サンタ「あっ……!」
女サンタ「も、もう少し室温上げてもらおうか!? あと毛布とか借りたり」
男「あ、ああ。そうしてくれるとありがたいねぇ……あぅぅ」
女サンタ「どうしよう、僕すっかり忘れてた……調子乗ってたよ、男さんー…」
女サンタ「ごめんなさい。僕が散歩しようなんて言わなきゃこんなに寒がる事なかったのに」
男「本当だよ! お前どうかしてるぞっ」
女サンタ「あ、あは……。そうかもねぇ……」
男「そもそもサンタって何者なんだよ。お前の寒さへの耐性具合は異常過ぎる」
男「まるで人間じゃないぞっ」
女サンタ「うん、そうだよ。僕は人間じゃない、サンタクロースの一味だから」
女サンタ「ねぇ、男さん。今日は楽しんでもらえたかな? 満足?」
男「満足したかだと? してねぇよ、まだパコってねぇ!! 今はちんこが寒さで縮こまってそんな気になれないけどな!」
女サンタ「懲りないなー…。そういうのは無し。だけど」
ぎゅうっ
男「!」
女サンタ「こうして僕が男さんを温めるってので、今回は許してもらえないかな……」ムギュゥ
男「あったけぇ…あったけぇよ…! 女の子ってあったけぇよぉ…げへへ……」
女サンタ「どう? さっきよりは少しマシになったでしょう」
男「まぁ、そうだな。だけどもう少しこのままで頼むよ。はぁー柔らかぁーい!」
女サンタ「呆れた……。でも周りに人がいないとはいえ、ちょっと恥ずかしい……」
男「ならば、このままファミレスプレイと洒落込もうか」
ぱっ
男「あれぇ! もうぎゅってしてくれないの!?」
女サンタ「男さんのスケベなところは全く好きになれないよ」むすっ
女サンタ「あーあ、なんか少し残念だなぁ」
男「望んでるのならバックで突っついてやるからパンツ脱げよ!」
女サンタ「脱がないよ! 変態!」
男「いいぞぉー……」
女サンタ「うっ……」
女サンタ「男さんって何でそこまでスケベでいられるの? 童貞でしょ」
男「は? 童貞だからこその余りに余ったパワーをお前に解放してやってんだろうが」
男「大体、その恰好で目の前に居られれば5歳児でも野獣に変身するよ」
女サンタ「子どもはそんな猥褻な目で見てこないもん!」
男「だったら俺と子作りして、生まれた子供で実験してみようぜ。俺はパンツ賭けるからキミも」
女サンタ「絶対にやだよぉっ!! ここ人少ないけどお店の中だよ? 外でこんな話するとか犯罪だからねっ」
さわさわ
女サンタ「……あの」
男「ん? 何かね? 気にせず話を続けてくれたまえよ」
男「俺はキミの剥き出しな太ももを摩っておいてあげるから」
女サンタ「その行動力があれば彼女の一人作れてもおかしくないよ…ううっ」
女サンタ「ねぇ、お願いだからこういうのやめてよ…僕、怖くなってきちゃったよ…」
男「そう、その危機に満ちている中で醸し出すメスの顔を俺は求めていた」
男「次は何処へ手を置けばいいかなぁ……でへへ?」
女サンタ「あう…」
女サンタ「本当にこれ以上僕に変な事してたら突撃班が黙ってないんだからね!?」
男「ふーん、突撃班。それはもしかしたらサンタ子さんが考えたデマカセという可能性がある」
男「男は未知なるものへの探求の為ならば、恐れを気にせずその先へ行けるのだ! これぞ鋼の冒険心よ!」
さわっ・・・
女サンタ「ひゃあっ!? 本当の本当にダメぇっ!! ここお店の中!!」
男「そんなつれない事言っても、てめぇのアワビはジュンジュンさせてんだろうが! うひゃひゃひゃひゃ~~~!!」
女サンタ「やぁっ///」ビクッ
店員「お客様、ちょっと。他のお客様もいらっしゃいますのでイチャつくなこの野郎」
男「ハハッ、ソーリー。しかしです、この光景を見せつける事で私はとても優越感に浸れているのですよ」
女サンタ「男さんのせいでファミレス追い出されちゃったじゃんか!」むすっ
男「いやぁ、サンタ子さんって毛糸のパンツ履いてたんだね」
女サンタ「それいきなり脈絡なさすぎる話じゃないかな!?」
女サンタ「本当に信じられないよ、まったく。僕にだけこんな事してきてるの?」
男「おうよ。俺はバイト先でも大学でも女子から見向きされてないからな」
男「でも、サンタ子さんはいくらセクハラしようと猥談しようとちゃーんと反応してくれるから」
女サンタ「そんな事してるから見向きされないんだと思う……」
男「ん?」
女サンタ「え? どうかした? そ、そんなにじっくり眺められても」
男「いや、お前頭に被ってたサンタの帽子どうしたの。店に置き忘れたんじゃ」
女サンタ「あ……や、やばっ! すぐに取って来るからそこで待ってて!?」タタタ
男「あんな帽子忘れた程度で何慌ててんだ、アイツ?」
女サンタ「はぁはぁ……いやー、男さんが気づいてくれなきゃ大変だったよぉ……」
男「帽子がそんなに大切なの? コスプレのくせに」
女サンタ「コスプレじゃない! 本物だってば! この帽子は僕がサンタである事を証明する大切な帽子なの」
女サンタ「帽子がなきゃサンタさんとして仕事できなくなっちゃうからねっ」
男「ふーん? あっそ」
女サンタ「もう……あっ、すっかり雪も降り止んだね。ほら、外に出てよかったでしょう?」
男「天気は良くなっても、夜だし寒いだけなんですけどねぇ」
男「ところでサンタと言えば空駆けるトナカイが引くそりに乗って現れるイメージなわけだが」
女サンタ「やっとまともな話題に入れた……。そうだよ、イメージ通りそりに乗って空飛んでるの! 素敵でしょ? ふふふ~っ」
男「天駆けるサンタコスの痴女かぁ……! 素敵だなぁ!」
女サンタ「はははは、男さんのイメージはすごく狂ってたみたいだね……はぁ」
男「つまりサンタ子さんもそりで俺ん家まで来たわけか。でも外出た時にそりなんて置いてるの見なかったけど?」
女サンタ「アパートの周辺に置いたらビックリされちゃうもの。キチンと駐車場借りてそこに置いてる。お金は後で協会から出して貰えるからね」
男「結局人目つく所じゃねーか! それどこへ置こうが驚かれるだろうが!」
女サンタ「そ、そうだったかなぁ? えへへ……」
男「なぁ、散歩も飽きたしその空飛ぶそりでこれから月をバックにバックでしよっ」
女サンタ「全然言い回し上手くないし、絶対にやだってば!!」
女サンタ「男さん、少しはえっちなこと考えない様にしようよ…せっかくデートしてるのに色々台無しだもんコレ…」
男「しつこく言わせてもらうけどね、サンタ子さんがそんな恰好して俺を誘ってるのが悪いんだよ! くそが!」
女サンタ「へ、変な怒り方しないでよぉー…そうだ、乗るのは許可できないけどそり見せてあげる事はできるよ?」
女サンタ「ついでにトナカイちゃん紹介したげる。トナカイちゃん!」
男「そして獣姦を俺に見せつける気だな? へへっ、望むところだぜ。でも俺も途中参加するから」
女サンタ「トナカイちゃん女の子だよ…何でもスケベに繋げてこないでよー……」
男「マジで一般貸出してる駐車場じゃねーか。車に混ざってそり置いてあったら腹抱えて笑うぞ」
女サンタ「あはは……。確かこの辺りに駐車しておいた筈なんだけれど」
< ハァハァ、アンッ、サンタコチャーン…イイィ…!
男(やや、向こうの方からエッチでスケベパーティな喘ぎ声が聞こえるぞ!)
男「思い出した。ここの駐車場カップルの穴場だったんだよ」
女サンタ「へ? 穴場?」
男「あんまし人の出入りが少ないもんだから、金ないカップルがホテル代出し渋って車でパコパコしてる場所。安いからな、ここ」
男「もしかして、最初から期待してここに借りてたのかい!?」
女サンタ「違うよっ!! 本当に、本当に何も知らないで停めてたの!! そ、それよりそんな変な場所ならトナカイちゃんも危ない……!」
男「さっきから言ってるそのトナカイちゃんなんだが、もしかしてアレですか?」
女サンタ「えっ」
トナカイ『サンタ子ちゃぁぁー…んっ……あっ、ひぅっ! が、がまんできないよぅー……///』クチュクチュ
女サンタ「え、何あれ……やだ……マジで……」
男「ちょっと俺、あの子手伝ってくるねっ!!」ニコォ
女サンタ「ダメ! 絶対ダメだよ! と、トナカイちゃん一人で何してんの…?」
トナカイ『ひゃうー!?』ぴた
男「何ってナニだよ、遠まわしに聞いてやるなってば」
女サンタ「そういう問題じゃないよ」
トナカイ『あ、な、何だぁ……。おかえり! サンタ子ちゃん!』
女サンタ「まだ仕事終わってないけど、とりあえずただいま……」
男「トナカイって言われたから鹿みたいなどうでもいいの想像してたんだけど、何だよ可愛らしい女の子じゃねーか」
男「で? 3P? OK、いつでも行けるぜ」ポロリ
女サンタ「いやあぁぁぁっ! だから、出さないでよぉ……///」
トナカイ『サンタ子ちゃん、サンタ子ちゃん! 知らない男の人がいるよ! 見た事ないよー!』
男「そんな人からオナニー見られちゃったねぇ。気持ち良かったでちゅねー?」
男「にしてもスク水に首輪されてるとかこっちはこっちでマニアックな恰好させられてんな、今のサンタ色んな意味ですごいわ」
女サンタ「そりゃどうもだ……」
男「それでサンタ子さんの相棒はサンタ子さんをオカズにクチュっていたわけだが」
トナカイ『はい……』
女サンタ「別に真面目に答える必要ないよ、トナカイちゃん」
女サンタ「一人ぼっちでここへ置き去りにしてたのは申し訳ないけど、何もそんな事で暇潰ししてなくてもいいのに」
男「察してやりなよ。このトナカイちゃんは素直そうだが、表立ってキミへアレな感情を向けられなかったのさ」
男「今までよく我慢してきたな……。さぁ、楽におなり?」ヌガシヌガシ
女サンタ「ちょ、ちょっと! ダメだよ!? 何自然な流れに任せて服脱がさせてるの!?」
男「だって、サンタ子さんがいつまで経ってもパコらせてくれないから……」
女サンタ「妥協の意味でそうしてるの!? 酷いよっ」
女サンタ「……僕のことだけを見ててくれてると思ってたのに」
トナカイ『サンタ子ちゃん? 元気ないね? 悲しいの?』
女サンタ「もう知らないよ! 男さんなんてトナカイちゃんと愛し合っていたらいいんだ!」タタタ…
男「お、おい! サンタ子さーん! ……」
トナカイ『続き、しちゃう?」
男「いや、流石に獣は難易度高くて、ちょっと……」
女サンタ「はぁはぁ、はぁはぁ……。うぅ、僕酷いこと言っちゃったかもしれない」
女サンタ「男さんもトナカイちゃんもきっと傷つけちゃったんだろうな。僕、みんなへ夢をプレゼントするサンタさんなのに最低だよぉー……!」
女サンタ「初めての仕事でこんなじゃ、中山サンタさんからお仕置きされちゃうかもしれない」
女サンタ「どうしよう……」
ぴとっ
女サンタ「きゃあぁぁぁー!?」
男「バカ、急に変な声出すなよ。ここ周りに家あるんだから人集まって来るだろうが」
女サンタ「お、男さん。どうしてここに」
男「何だよ? 俺がサンタ子さんの後追いかけたらマズイ事あるのかよ?」
男「それとも、トナカイちゃんと青姦していて欲しかったわけ?」
女サンタ「それは……絶対にしてほしくないけど……。でも」
男「途中でコーヒー買ってきたんだ。サンタでも夜は冷えるでしょ、飲みなさい」サ
女サンタ「あ、うぅ……ありがとうございます……」
男「月が綺麗ですね、サンタ子さん?」
女サンタ「曇ってて星も見えないんだけれども」
男「空気読めないアホだな。お前、頭ん中俺のことしかないのかよ」
女サンタ「ち、違うよ……っ///」
女サンタ「ねぇ、男さん。本当に僕のことが欲しいの? 好き?」
男「俺は可愛い女の子が好きだからな。だから早く股広けっつってんだろうが」
女サンタ「デリカシーってやつが無いんだよ、男さんは……」
男「親しい仲にも謹みなんていらないんだよ。俺とキミの仲でしょう?」
女サンタ「別に僕、男さんとそういう関係になったわけじゃないし」
男「……サンタ子さん、人に自分のこと好きとか欲しいとか聞いといてそりゃなくね?」
男「サンタ子さんは俺にプレゼント届けに来てくれたんだろ? サンタ子さんという名の生プレゼントを」
女サンタ「よ、予定とは全然違ったもん……。男さんが勝手に僕を欲しがってるだけだから」
女サンタ「本当に僕がいいの? 他にもいっぱい欲しかった物はあったでしょ?」
男「この歳で子どもの玩具貰えてもねぇ。まぁ仮面ライダーのベルトとかいいなって思えたけどさ…」
男「ていうか、何言われても俺は揺るがないぞ。サンタ子さんがいいの!」
女サンタ「……でも、サンタクロースを欲しがるなんてルール違反だよ」
女サンタ「僕らサンタさんは、あなたたち人間とあまり深く関わっちゃいけないの」
男「あ? それは誰が決めた事だ、異種姦の良さが分からぬアホは糞喰らえだぜ」
女サンタ「ある意味で本当に揺るがないんだね…!!」
男「俺とサンタ子さんが結ばれたのがバレたら、キミは一体どうなるんだ?」
女サンタ「たぶん、執行人が現れて消されちゃうかもしれない」
男「……中山サンタ?」
女サンタ「ううん、細身で初老のお爺さんなんだけれど、東郷サンタさん」
女サンタ「東郷サンタさんは狙った獲物をけして逃がさない。鷹の目って特殊能力の持ち主で」
男「サンタ協会もはや何集団だよ……」
男「つまりその、俺がキミをプレゼントへ貰ったらサンタ子さんが他のサンタたちへ狙われてしまう可能性があると?」
女サンタ「ちょっぴりだけどね。この季節はそんなギラギラ監視の目を光らせてる暇ないから」
男「ふーん、それでも俺とは無理だってかい?」
女サンタ「そ、それだけってでもないけどさ……」
男「は?」
女サンタ「い、いいい、言わせないでほしいかも……」
女サンタ「確かにサンタクロースの掟を破ることも怖いよ。でも、何だか不安で」
男「俺が不安だと? こんなに優しくしてやってんのに不安だと!? 見る目がねぇ女だな!!!」
女サンタ「そういうところも含めてだよっ」
男「ふん。……ねぇ、もう一つだけ聞いても良いかな?」
女サンタ「ん? 僕が答えられる範囲の質問なら何でも」
男「スリーサイズ教えてくれない? バストはEあるのは分かったけど、その他も含めて詳しく」
女サンタ「はぁ!? 唐突に意味わかんないよっ!?」
男「もしサンタ子さんが手に入らなくても、スリーサイズわかれば俺が後で近いサイズのアレ買うからさ」
女サンタ「平然とそういう事言ってくるところ最低だよ! 男さんの変態!」
男「おぉ、いいぞ。その調子だ…」
女サンタ「いい加減にしてよぅ…僕これでも女の子なんだよ…。そういうのすごく怖いから…」
男「存分に怖がればいいじゃないか。最初から言ってるだろうに?」
男「サンタ子さん、キミは色んな角度からいじめぬく事で魅力を放つ生き物だ。俺はそう確信しているのだよ」
女サンタ「男さんは私のことずっとそう思ってたんだ……」
男「ならサンタ子さんは俺のことどう思っているんだ? まだこういうの聞いてなかったな」
男「遠慮なく言ってみろよ」
女サンタ「へんた……友達作れなさそうな変人」
男「やめろ、変人の前の言葉はいらない。気持ちいいの通り越して傷つくわ」
男「そいで? 他にはないの? ダメだね、人と長くいた時はその人の特徴もしっかり把握しなきゃ世の中渡れないよ?」
女サンタ「ウザい、気持ち悪い、一々鼻につく、怖い」
男「ぬほぉ…もっとぉん…!」
女サンタ「でも、僕なんかダメダメな新人サンタに構ってくれる良い人」
男「おい、誉めるとかじゃねーんだよ。早く汚く罵ってくれ」
女サンタ「真面目に聞いてほしいんだ」
男「お、おう……」
女サンタ「僕、男さんのことが好き……っ」
女サンタ「どこらへんが好きなのか自分でもよく分かってないけど、たぶん好きだ」
女サンタ「だから……僕も、男さんが欲しい、かも」
男「サンタクロースがプレゼント求めてくるとは、お主も欲しがり屋さんじゃのう」
女サンタ「う、うるさいよ……っ」
女サンタ「ねぇ、男さんはサンタさんをいつまで信じてくれてた?」
男「小学生のいつだかに、トイレへ立ったらプレゼントの包み持った親と遭遇してから真実知った。だいぶ早いうちに夢は砕けてましたよ」
男「でも、本当にそのサンタさんが実在したとは思わなかったな。しかもこの歳になってから出会えたなんて」
男「別に今日クリスマスじゃないのに」
女サンタ「ご、ごめんなさい……」
男「その様子だと予定日を間違えたってのは本当みたいだな、ある意味感心するわよ」
男「だけども、どうして俺なんかのところへ来てくれたんだ? しかもプレゼントくれるとかさ」
女サンタ「何でって……何でだろ? たぶん、本当に男さんが良い子にしてたから」
男「んなわけないでしょーに。大人の心はドロドロに真っ黒だ、俺なんか肺の中まで真っ黒だからね?」
男「……さ、そろそろ家に戻ろう。ていうか、キミいつ帰るわけ?」
女サンタ「そりゃあ…男さんに…私のプレゼント受け取って貰えるまで」
女サンタ「うぅ~……///」プシュー
男「あ? 何顔赤くしてんだよ、気持ち悪ィな…。ほれ家に帰るよ、サンタ子さん」
男「……どうすんだよ、サンタ子さんが窓に穴開けたから部屋の中雪で濡れてんじゃん」
男「ついでにお前のアワビも濡れ濡れだあぁーッ!!」がばっ
女サンタ「いやあぁぁぁぁーーー!?」
男「……なんて、とりあえずここら辺片づけるから座ってなさいよ」
女サンタ「僕もそれ手伝うよ? 責任あるし」
男「サンタ子さんは先にシャワー浴びてなさいよ。俺も後で入るから一緒にお風呂でチャプチャプエッチしようね」
女サンタ「結構だよ…」
女サンタ「じゃ、じゃあ僕はコタツに入って温まってるね! まだスルメ残ってたの!」
男「それ俺のじゃねーかよ。調子乗んなタコ」
男「いいから自分のアワビぐっちょぐちょにしといて、スタンバっとけって。一応そこの引き出しにペペあるけど、使う?」
女サンタ「う、うわっ…やらしい物が大量に収納されてる…」
男「玩具の宝箱って奴だぜ。俺がサンタなら全国の喪男たちへそいつを配るだろうな」
女サンタ「使用済みのをプレゼントするの!? とんだブラックサンタだよ…っ」
男「ところでトナカイちゃんあのまま放置してて大丈夫なわけ? 下手しなくても襲われるよ、アレ」
女サンタ「トナカイちゃんは護身用の拳銃と特殊能力″笑い者の赤っ鼻″持ってるからその辺の人間には絶対負けないよ。大丈夫~」
男「トナカイが銃撃って能力バトルする時代かよ」
男「よーし。適当に乾かしたし、ここにはタオル敷いておけば問題ないだろう」
男「あっ、シーツの下にもタオル敷いておくから心配しないでね!?」
女サンタ「何の心配してるの!? そこ濡らすことなんて絶対にしないよー!?」
男「さっきイチャラブしたのに、まだそんなしらけさす事を言うか……いい加減にしろ」
男「ていうかお前の商売道具こんなとこに置いてて大丈夫かよ。袋から色々溢れてるぞ」
女サンタ「うへー、だらしない~……僕もちょっと片づけようかなぁ」
女サンタ「ん? ――――――あっ」
男「今度はどうかしましたかぁ? まさか、生理きたか?」
女サンタ「違うよっ!! そ、そうじゃなくて……」サ
男「うん? サンタ子さん今後ろに何か隠したろ。そういう事されると見たくなるんだよ!」ばっ
女サンタ「いいよ見なくて! 大したこと書いてないんだから……!」アタフタ
男「必殺脇の下チョップ!」ビシッ
女サンタ「うぎゃあぁ!?」ポロリ
男「ん~~~……どれどれ、何が書いてるメモかなぁ」
男「って、おい。コレ」
女サンタ「えっと……。プレゼントを配達する予定の家の住所です」
男「らしいね」
男「この地域に集中してプレゼント配るつもりだった事は見てわかる。うちのアパートの近くが専らだからな」
男「ところでサンタ子さん? これは一番上の住所のところから周って行くつもりだったのかな?」
女サンタ「うん…」
男「そして俺がその一番手だったと」
男「ふーむ、確かにうちのアパートの住所で、俺と名字一緒だよ。だけど名前違うし、こことメモに書かれてる奴の部屋番号違うんですけど」
女サンタ「はい…」
男「つまり来る家間違えたわけだ?」
女サンタ「そのようです…」
男「いやぁー、バカだアホだとずっと思ってたけど酷いもんだな。サンタ子よぉ」
女サンタ「うぐぅ!?」
女サンタ「ほ、本当にごめんね。男さん! 僕が間違ったばかりに、色々……」
男「いや、俺は特に損してないし大いに結構。慌てん坊の女サンタクロースちゃん?」
男「まぁ、今日がクリスマスイヴ本番じゃなくて良かったな。練習というか下見ぐらいにはなっただろう」
女サンタ「僕を許してくれるの……?」
男「許すも何もだよ。呆れたというか何というか、大丈夫なの? サンタ子さん?」
女サンタ「以後二度と同じ過ちを繰り返しません。誓います!」
男「はぁ……結局こういうオチなわけだ。ていうか来る家間違えたのなら俺にプレゼントは」
女サンタ「あっ」
男「おいおいおいおいおいおいおいおいぃーーーーーーー!?」
男「お前ここまで焦らしておいて何もありませんでしたで済ますワケじゃねぇよな!? そうですよね!?」
女サンタ「ほんとっ、本当にごめんなさい!! 土下座する土下座っ」
男「そんな事やるなら俺のチンポ咥えてしゃぶれよ! ほら、申し訳ないと思う気持ちがあるのなら!」ポロン
女サンタ「ぼ、僕本当に男さんへ申し訳ない事しちゃったと思う……」
男「思うじゃなくて事実そうなんだろうが。やっぱり許さん」
男「サンタ子さんも俺のことが欲しかったんじゃないのか? 俺が好きじゃなかったのか!?」
男「決まりだな! これから互いの愛を確かめ、深め合おう! 布団の中で!」
女サンタ「確かに男さんのこと好きだよ。でも僕は今日サンタさんとしてこの部屋を訪れたの」
女サンタ「あなたへプレゼントを届けようとして」
男「そうだ、プレゼントはキミの特産処女アワビさ」
女サンタ「……でもサンタクロースの掟は僕破れない。その勇気がないもの」
女サンタ「だから、男さん。僕のことなんかさっさと忘れて他の女の子探して?」
女サンタ「全部僕がバカでアホでどうしようもない結果だし、勝手だけどさ……」
男「マジで勝手すぎんだろぉ……!」
男「サンタとかプレゼントとかもう俺には関係ないんだよ!!」
男「俺は、サンタ子さん個人を好きになった! キミが欲しい!」
男「愛してるんだよぉ~…! ゲヘヘ、そのおっぱいとか腰とか諸々」
女サンタ「その言い方だと完全に僕の体目当てだよね」
男「あ? それの何が悪い? 俺が言う好きってのは、その子の全部が好きになったってことだぜ」
男「サンタ子さんの全てが好きだ。だから俺はサンタ子さんとセックスしたい」
男「いえ、させてください……。お願いしますから一回だけ……」
女サンタ「土下座しないでよ! 困るよそんなの!」
女サンタ「でもそんな真剣に僕のこと思っててくれたんだ。てっきり表面ばっかりだと」
男「どうしてそんな事思った? 俺は今までずっと全力でキミにアプローチかけてたぞ」
女サンタ「そのアプローチの表現がすごく間違ってたから僕もそう感じてたんだけどね……」
男「ここまで来たらもう一押しだ。この女は押しに弱い。少しずつ条件を下げていけばいずれ」
女サンタ「……それは心の声のつもりなのかな」
女サンタ「やっぱり男さんは自分の欲求を満たしたいだけなんだよね? 僕はそうじゃないのに」
男「当たり前だろうが。男って好き→パコパコな脳構造した生き物なんだよ」
男「俺はこれからも綺麗事語るつもりはない。何度でもヤらせてくれるまでお願いする」
男「俺の意地も、お前の穴も、貫き通すことだけしか俺は考えていないんだ」
女サンタ「もう何にも言えないや……」プルプル
女サンタ「男さん。僕もあなたのことは好き。好きだけど仕事とこういう感情は分けなきゃダメなの」
女サンタ「だから、お願いだよ。黙って僕をここから追い出して」
男「な、何でわかんねぇんだよ……? 変なとこで頭硬くしてんなよ!!」がしっ
女サンタ「や、ちょっ……離してっ!?」
男「こうなりゃ実力行使だッ!!」がばっ
女サンタ「え…」
どすんっ
女サンタ「お、男さん。やめて……やめよう!? ダメだよ!!」
男「はぁはぁ、はぁはぁ……。お前、俺がここまでして引き下がると思ってんのか」
女サンタ「センサーが反応して、今度こそ本当に突撃隊のサンタさんたちが来るんだよっ!? お願いだから僕を家から追い出して!」
男「追い出せるわけがねぇだろ! もう俺はこの盛り上がった股間の猛りを抑えられない!」
男「何が来るか来ないかだなんて関係ないんだよ…!」がしっ
女サンタ「ひっ!?」
もみもみ・・・
男「げ、げへへ! うひゃひゃひゃひゃひゃぁぁぁ~~~ッ!! 最高の柔らかさだぜ!」
女サンタ「っ~……!!」
男「チューもしてやろうか? 口元寂しいだろ!?」
女サンタ「いやぁっ!!」
男「……ちっ」
男「服の上から揉みしだくのも悪くはないが、そろそろ生乳もお目にかかりたいね」
男「それとも胸ばっかり弄られてちゃ退屈かね? いいんだぜ、首筋からお腹に太ももと順に舌で舐めまわしてやっても」
男「他にもディルドなんかが偶然ここに転がってたりするんだ。俺で使用済みだが、まぁ綺麗だから問題ないだろう」
男「おっと! ここには電動マッサージ機もある! 強でやると痛いらしいから、弱で長い時間サンタ子さんのアレを解してやるのも構わない」
男「それともいきなりぶち込んじゃいますかぁー!? それなら俺は生でヤるのを所望するぜ!!」
男「サンタ子オラァー!? 何さっきから黙りこんでやがる!? お前の希望通りに俺はお前を……」
男「お前を……」
女サンタ「……」ガタガタ
男「えっ……サンタ子さん、真面目に怖がっちゃってるの……?」
女サンタ「ごめんなさい、ごめんなさい……っ」ガタガタ
カチッ、シュボッ
女サンタ「あれ……?」
男「ふぅー……何か一気に白けましたわ」スパー
男「もう風呂入ってさっさと寝るかな」
女サンタ「男さん?」
男「確かにさぁ、俺は和姦より強姦的な展開で始める方が好きなのよ?」
男「でも何だか想像してた感じとは違っちゃったというか。よくわからんけど冷めたっていうか」
男「お前、さっさと俺の部屋から出て行け」
女サンタ「えっ」
男「えっ、て何ですか? えっ、て? サンタ子さんが言ったんじゃないか。追い出してくれって」
女サンタ「言った。言ったけど……えっと」
男「何だよお前、俺にどうして欲しいんだよぉっ!!?」
男「お前間違えて俺ん家に来たんだろ? だから最初から関係とかなかったんだろ?」
男「じゃあ帰ればいいじゃないか! もう引きとめたりもしないよ! 帰れよ邪魔だ!」
女サンタ「男さ―――」
男「何で帰りたくないみたいな切なそうな顔しちゃうわけ? 追い出せとか言っておいて、今度は引き止めて欲しいのか!?」
男「これだから女は全部面倒臭いんだよ!! あーあ、どうせ俺はお前の体目当てでしたよ! そうなんだよ!」
女サンタ「……落ち着いてよ。ちゃんと僕の顔見て」
男「もう黙っててくれよ! これで分かっただろ、俺は良い子じゃなくて悪い子なの! サンタが二度と関わる事ないレベルの屑男だ!」
男「今日は全然楽しめなかったよ! 二度と来んなアホのサンタ! 酷い夢の時間を提供してくれてありがとねっ!!」
女サンタ「男さん、僕のことが嫌いになっちゃったかな……」
男「それ言えばスッキリして帰れるのか? じゃあ早いけど俺からお前へプレゼントしてやる」
男「サンタ子さんなんて大っ嫌いだよ」
女サンタ「ううっ……!」
女サンタ「……男さん、僕謝ってばかりだけど。ごめんなさい」
女サンタ「あなたにいっぱい迷惑掛けました。酷いこともしたと思う」
女サンタ「だけど、僕にとってはさっきまでの、男さんと一緒にいた時間はとても楽しかったよ」
男「ああ、そう」
女サンタ「……これで終わります。すみませんでした」
女サンタ「おやすみなさい」トボトボ…ガチャリ
男「……あぁー、本当に帰ったなぁ」
男「だってあの時サンタ子さん凄く怖がってたし泣いてんだもんよ」
男「俺みたいな奴が襲えるわけないし、その顔眺めてマジで喜べるわけねーじゃんか……」
男「嫌いなんて言っちゃった。こんな事言ったらもう二度と会える気しないじゃないか」
男「嫌いじゃねーよ……。アホの子大好きだよ、俺は……!」ダンッ
男「そして今は酷い事言ったのに悔みまくりだよ! やっぱ待ってくれ、サンタ子!」
がちゃり、たたたた・・・
男「はぁはぁ、いない? アイツ足早くないか、また特殊能力かぁー?」
男「俺はサンタ子さんが欲しい! 俺はサンタ子が欲しいんだ!」タタタ
男「駐車場……。確かここの駐車場にトナカイちゃん止めてたんだ。まだ間に合う!」
男「オラぁぁぁサンタ子ぉぉぉーーー!! お望み通り引き止めに……」
しゃんしゃんしゃんしゃん♪
男「?」
男「鈴の音だ。こんな時間に響かせて……上の方から?」
男「!」
上を見上げれば、そこには空高く舞い上がったトナカイちゃんとそりがあった。
既に男の頭上を通り過ぎてさらに上昇して行くそり。それへ乗っていたのはまさしくサンタ子であった。
男「サンタ子さん……。……サンタ子ぉぉぉーーー!!」
男「俺だ、変態で屑で友達もいない糞みてぇな男だ! まだ俺の声届いてんだろぉー!?」
男「ごめんなさい! さっき言ったの全部本音じゃない! 嫌いじゃないよ!」
男「俺はお前が、サンタ子が大好きなんだよぉぉぉーーー!!!」
しゃんしゃんしゃんしゃん♪
男「待て、行くな! 怒ってるなら何度でも謝る! だから行かないでください!」
男「今さらこんな事言って何だよクズとか思ってるかもしれないけど俺は自分に正直でいたい! キミとあんな最悪な別れ方したくないよ!」
男「一緒にいて楽しかったんだよぉぉぉ…つまらねぇわけねぇだろぉぉぉ……!!」
男「うう、もう行ってしまった。そりが見えねぇ……くそぅ、俺はバカでアホだ……」
男「ちくしょうー……」とぼとぼ
男「実はしっかりさっきの告白聞こえてて、先回りして部屋のコタツに入ってたり」
がちゃり
男「……入ってたり、しないよな。完全に聞こえてなかったか無視されてたよね、アレ」
男「最低だ、俺って。こんなだから全然ダメダメなんだよ」
男「さっきはこの部屋にサンタ子さんがいたんだよな。この静けさを改めて感じると嘘みたいな時間だったわ」
男「はぁ、サンタ子さんにしっかり謝りたい。で、仲直りのえっちを期待してぇ」
男「……なんて、今回はこのバカな考えで台無しになったんだよ。少し自重した方がいいかも」
男「今日は本当にもう寝ちゃおう……あれ?」
男「これ、アイツのサンタ帽子じゃねーか。大事な物とか言っておいてしょっちゅう忘れやがる」
男「……本当にアホだなー。サンタ子さんは」
12月24日
男「何で週初めのこんな糞冷えてくる時間まで働かされなきゃいけない。それもこれも全部クリスマスとかいう畜生行事のせいに違いねぇ」
男「くそ、今合体してるカップルは全員ビックバン起こして塵となれ」
男「いいもん、いいもん。俺には廃棄で貰ったショートケーキがあるもん! コレ食べて一人で幸せ気分になる努力するもん」
男「早く家に帰らないとさんまのアレ番組が始ま……」
女サンタ「……」ポツン
男「サンタ子…さん…」
男「え、マジでこれサンタ子さん? 悲しみのあまり幻が」
女サンタ「あっ……」
男「うっ……こ、こんばんはー」
女サンタ「……メリークリスマスだよ。今日こそは」
男「そ、そうですねー」
女サンタ「……」
男(すごく話しかけ辛い雰囲気というか、あの時と違って素っ気ないというか)
男「もしかして俺に会いに来てくれた…わけじゃなさそうだな」
女サンタ「」コクリ
男「あっ、そういう事か」
女サンタ「え?」
男「ほら、帽子取りに来たんだろう? 慌てん坊の女サンタさん」ス
女サンタ「えっ、帽子……。ずっと持っててくれたの?」
男「そう。お前がサンタさんだって証明する大切な帽子なんだろ」
男「いつ何処であろうと返せるように外出歩く時は常に持ってたんだよ。懐入れてたから良い具合に人肌温度でぬくぬくだぞ」
女サンタ「別に温めてくれる必要はなかったけれど、ありがと」
女サンタ「僕、やっぱりバカだったね。最後の最後までまぬけでさ」
男「全くですよ。自分であんな言っておいて忘れてんだもん。アホの極みだね」
男「でもそういうところがサンタ子さんらしくて、俺はそこが」
女サンタ「待ってよ。その先は絶対に言わないで」
男「うっ……と…とにかく、これでやっとサンタの仕事ができるな。良かったじゃん!」
男「またドジやって違うとこ入るなよ。全員が俺みたいな素敵人間じゃねーんだから」
女サンタ「それ本気で言ってるの?」
男「あ? 文句あっかこの野郎。こうしてお前の帽子も四六時中持っててやったんだぞ」
女サンタ「そうだね。でも、あの時男さん自分で『変態で屑で友達もいない糞みてぇな男』って認めて叫んでたじゃないさ」
男「……聞こえてましたの?」
女サンタ「うん。ごめんなさい、あの時はどうしても振り返りたくなくって」
女サンタ「その後に本部へ帰ったら中山サンタさんたちから凄く怒られちゃったよ。あはは」
男「そっ、ザマぁ見ろだね。これに懲りたらしっかりするこった」
女サンタ「そうだね」
「……」
男・女サンタ「あの!」
女サンタ「……お、お先にどうぞ」
男「あ、は、はいっ!!」
男「まだ仕事始めなくていいのかよ? みんな、プレゼント待ってるんじゃないの?」
女サンタ「そ、そうだね。そうだよね。僕、サンタさんだしそろそろプレゼント届けてこないと……!」ばっ
女サンタ「……」
男「おい、どうし―――」
ぎゅうっ
男「うほほぉ~~~!? い、いきな」
女サンタ「好きだよっ!!」
男「は!?」
女サンタ「僕も男さんが大好き!! 本当の本当に、大好きだっ!!」
女サンタ「男さんはどうしようもなく変態でバカでウザくて変で気持ち悪くて人間の屑だけど!」
男「お前、今の状況では俺罵倒してほしくないよ……」
女サンタ「でも、好きなの……僕自身として男さんが……!」
男「わかった。わかったよ、サンタ子さんちょっと落ち着きな? 唾、俺の顔に飛びまくってんだけど」
女サンタ「えっ!? な、なぁっ……///」
女サンタ「僕ね、本当は帽子忘れたわけじゃなかったの。わざと置いてきたんだ」
男「俺にまた会うために?」
女サンタ「うん。僕バカだからさ、そういうやり方じゃないと会いに行けなくて」
女サンタ「大切な商売道具をこんな風に使うなんて酷いよね。サンタさん失格だと思うよ」
男「ふむ……」
女サンタ「もとは僕の間違いでこんな事起きちゃって、それで男さんの期待にも沿えずに逆に怒らせちゃってさ」
女サンタ「ほんと、最低だよ」
男「そうだな。済んだ事いつまでも引きずりやがってなぁー!」
男「…まぁ、それは俺も同じだけどね」
男「改めてごめんなさいだよ。俺、その場凌ぎの言葉だったとしても、サンタ子のこと傷つけちゃった」
男「ごめん!!」
女サンタ「……面と向かって男さんに謝られると凄く新鮮な気分かも?」
男「おい、こっちは今かなり真剣なんですけど」
女サンタ「謝らなくても、僕は気にしてないよ。気にしてたのは酷いお別れになってしまうことだけ」
女サンタ「だからこうしてまた男さんと笑って話し合えるて、僕とっても嬉しいな」ニコ
男「しかもサンタ子さんちゃっかり抱きついてるしな……」
女サンタ「こうしてると、男さんが暖かいでしょ? あははっ」
「……」
女サンタ「じゃあ僕、そろそろ仕事始めないとね」
ぱっ
男「あっ!?」
女サンタ「いつまでも仕事サボってたら、今度こそ怒られるだけじゃ済みそうにないからね」
女サンタ「僕、ちゃんと気持ち伝えられて嬉しかったよ、男さん。本当によかった」
女サンタ「それじゃあ……ばいばい……?」
がしっ!
男「待てよ、行くなよ。お前は一方的に伝えられたかもしれないが、俺はまだ謝っただけなんだよ!」
女サンタ「え…」
男「好きです、サンタ子さん。俺はサンタ子さんが大好きなんだ」
女サンタ「えっと」
男「聞こえなかった? じゃあ耳元で何回でも言ってやるよ! 俺はサンタ子が好きだ俺はサンタ子が好きだ俺はサンタ子がァーッ!」
女サンタ「ぎゃああぁ~~~!? うるさいうるさいっ!! ちゃんと聞こえてたっ、わかってるよ!」
男「わかりゃいいんだよ……ひーひー、ひーひー……」ゼーゼー
男「前も好きだ好きだと言ってやった。だけど今のは真剣に、本気の、ラブだから!」
男「だから……お前が欲しい。サンタ子!」
女サンタ「それは、プレゼントとして?」
男「サンタ子さんそのものとしてだ。貰うんじゃない、手に入れてやるんだよ」
男「そして、お前の口からも俺が好きだとしっかり聞いたぞ。つまり両想いになれたわけですよ…」
男「だから俺のところに、来い!!」
女サンタ「ごめんね、それは無理だよ」
男「えっ」
女サンタ「僕たちサンタクロースはクリスマスの夜にプレゼントを配るのが仕事」
女サンタ「それ以外の日は人間たちへ干渉しちゃダメなんだ」
男「そ、それも掟か……」
女サンタ「うん。サンタさんを続ける為に大切な掟だ」
男「…だけど、前にサンタ子さんが俺ん家に来た時はクリスマスじゃなかっただろ!」
女サンタ「そうだよ。だから凄く怒られたってさっき話したよね。本当にダメなことなんだよ」
男「いいじゃん……怒られて済むならそれでも構わないじゃん……」
男「俺の所にずっといるのが無理なら、時々会いに来てくれるだけでもいいじゃんか!?」
女サンタ「ごめんね……。僕にとってこの仕事は誇りなんだよ」
女サンタ「だから、掟は絶対に守らなきゃいけない」
男「そんなくだらない決まり事なんて」
女サンタ「くだらなくても、従わなきゃいけない理由があるんだよ。男さん」
女サンタ「本当にごめんなさい」
男「お、おい……」
女サンタ「さ、そろそろ手を離して? 時間もないし、プレゼントを届けてこないと」
男「……」ぱっ
男「好きって言ったじゃないか、ちゃんと俺にそう言ってくれたじゃないか」
男「なのに、これからも会う事が出来ないなんて生殺しすぎんだろうが…」
女サンタ「……じゃあこうしよっか?」
女サンタ「毎年、クリスマスの夜に僕は男さんに会いに行く」
女サンタ「それを男さんは出迎えてくれないかな。年にたった1度しか会えないけど、それしかないの」
男「少ねぇ……」
女サンタ「ごめんね」
男「……絶対会いに来てくれるんだろうな? その後ヤらせてくれるんだよな?」
女サンタ「うん。男さんがその時まで僕を好きなままでいてくれたらね」
男「好きでいてやるよぉー!!」
男「サンタ子もだからな…。お前も俺のこと好きでいてくれなきゃ嫌だぞっ……」
女サンタ「わかってるよ。もう、ここ泣く場面じゃないのに。ほらハンカチ」
男「うわぁぁぁ~~~…ん……っ」ポロポロ
女サンタ「よいしょと」
男「もうアパートの子には届けられたの?」
女サンタ「うん。起きないかヒヤヒヤしたけど、問題なく渡せたよ」
女サンタ「今時ご丁寧にくつした下げててくれる子もいるもんだねぇ。感心しちゃったよ~」
男「サンタさんを信じてくれてるんだな。良かったね、本当に」
女サンタ「うん!」
女サンタ「……じゃあ、本当に今度こそお別れだ」
男「はいよ」
女サンタ「あははっ、また泣き出すかと思っちゃったぁ」
男「あ? 調子乗んなよ。……しっかり来年も会う約束したんだ、泣くもんか」
男「さよなら言うのは気が進まないから、メリークリスマスだこの野郎」
女サンタ「うん、メリークリスマスだよっ!」
12月24日
男「会社やめてぇ。会社やめて学生に戻りてぇ」
男「同期で入社した可愛い子は早速孕んでやめちまって野郎しかいねぇ。あとは売れ残りオバサン」
男「地獄のような、いや、まさに地獄絵図でしかねぇ……。はぁぁ~~~学生戻りてぇ」
男「冷えるぅー……寒さまで俺を鞭打ってくる。俺に逃げ場はないのかしらね」
がちゃり
男「う~……すぐに支度しないと……」
「何の支度をするのかな?」
男「……お前、出迎えるのは俺の役目だったろうが」
女サンタ「長い時間一緒にいたくて仕事早く終わらせたの。えへへっ、おかえりなさーい♪」
女サンタ「そしてメリークリスマスだよ、男さん」
男「うん……ただいま、サンタ子さん。ケーキ買ってきたんだ。一緒に食べようか」
女サンタ「うん!」
トナカイ『わーい! ケーキ! トナカイもケーキ一緒に食べたいよー!』
おしまい