杏子「そしたら身も心もあの坊やは云々」
さやか「……」
杏子「おい、聞いてるのか?さっきからあんた目を合わそうとしないけどさ、どこ見てんだよ」
さやか「へそ」
杏子「なに!?」
さやか「アンタのへそ」
杏子「どういうことだよオイ……」
元スレ
杏子「どこ見てんだ?」さやか「へそ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1354979270/
杏子「と、とにかく。魔法少女は正義の味方だなんて思わないことだ」
さやか「アンタさ」
杏子「なんだ?勝負の続き、するかい?じゃあ場所を」
さやか「いや、そんなことよりその服なんなの?」
杏子「は?」
さやか「なんでへそが見えてるのかって聞いてるの」ジー
杏子「ジロジロ見るな!」
杏子「服装なんてどうでもいいだろ?そんなことより私は先輩としてあんたに魔法少女の何たるかを」
さやか「綺麗なへそ……」ジー
杏子「聞けよ!」
さやか「近くで見ていい?」
杏子「ダメだよ!」
杏子(なんだコイツ……会話がまるで成立しないじゃねーか)
杏子(そもそもなんでわざわざコイツに絡みに来たんだろ……)
杏子「フン、まあいい。今日のところは帰ってやるよって近っ!?」
さやか「」ジー
杏子「近付くなって言っただろ?もういいっ帰る!」ダッ
さやか「あっちょっと!待ちなさいよ!」
杏子(はー、やっと撒いたか。妙な目にあったよ)
杏子(あたしのへ、へそが気になるとか言われたらなんか恥ずかしくなっちゃうじゃねーか)
杏子「よし、ゲーセンで気分転換でもするか」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪♪♪
杏子「ふっ」ポリポリ
ほむら「佐倉杏子。話があるわ」
杏子「あんたか。何の用だ?」クルッ
ほむら「……!」
杏子「とりあえず、食うかい?」スッ
ほむら「……結構よ」ジー
杏子「ん?どこ見てんだ?」
ほむら「……//」
杏子「まさかコイツ!?」
杏子「人に話があるってんなら、まずは顔を見て話しな」
ほむら「そうね……」ジー
杏子「いやだから顔をあげろよ!?」バッ
ほむら「なっ!なんでへそを隠すの!」
杏子「やっぱりあんたもそうだったか……」
ほむら「まあいいわ。見えてると気になるからそのままの態勢で話を聞いて」
杏子「なんであたしのへそがそんな気になるんだ!」
ほむら「あっ見えた」
ほむら「おかしいわ……今までこんな魅力を感じたことなんてなかったのに」ジー
杏子「ああもうっ!見るなー!」
ほむら「何かが狂っている……この時間軸は」
杏子「狂ってるのはあんただろ!あたしに話があるんじゃないのか?」
ほむら「ええ、そうよ。それよりもっと近くで見ていい?」
杏子「ダメだ」
さやか「触っていい?」
杏子「もっとダメだ!……お前いつの間に?」
ほむら「美樹さやか。やはりあなたも」
さやか「こいつのへそは私の物だ。あんたはジロジロ見ないでよ転校生」
ほむら「いいえ。佐倉杏子のへそはみんなのものであるべきよ」
杏子「誰のものでもねーよ!」
ズズズズズ
杏子「こいつは!」
ほむら「魔女の気配ね」
杏子「いっちょ片づけてくるか。お前らは来なくていいぞ」
杏子(もうこいつらと関わりたくない)
さやか「何言ってんの?放っておけるわけないじゃん!」
杏子「だからさあ?正義の味方気取りなんて」
さやか「ねえ。グリーフシードはあげるからさ、戦いに協力したら触らせてもらえる?へそに」
ほむら「悪くない条件ね。それでいきましょう」
杏子「なんであんたが決めてんの!?もういい、付いてきたきゃ勝手についてこい。邪魔すんなよ!」ダッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ほむら「ここが結界の入り口のようね」
杏子「あんた、魔女探しも随分と手慣れてるな。何者なんだい?」
ほむら「私のことはどうでもいいわ。それよりもへそ」
杏子「行くぞ!」
バシュウウウウウウン
ほむら「……!」
さやか「!!」
杏子「ん、どうしたんだよ。お前らそのまま結界に突入する気か?」
ほむら「盲点だったわ……忘れてた」
さやか「そんな・・・・・・へそが、見えなくなった」
杏子「ん?ああ、そういうことか。この服は見えないもんな」
さやか「戻ってよ」
杏子「何?」
さやか「そんな服ダメだ!今すぐ元の姿に戻りなさいよ!」
杏子「馬鹿か!?生身で魔女と戦えってのか?」
ほむら「私が守るから問題ないわ。あなたはただへそを見せていればいい」
杏子「そんな役目嫌だよ!」
さやか「だったら、力ずくて戻してやる!」
サッ
杏子「お、やっとやり合う気になったかい?来いよ」
ほむら「待ちなさい。ここで争うのは良くないわ。魔力を無駄に消耗することになる」
杏子「あんたは下がってろよ」
さやか「邪魔するならあんたも倒すよ、転校生」
パアアー
まどか「さやかちゃん!」ダッ
まどか「ごめん!」
パシッ ブンッ ブロロロロ
さやか「まどか!?あんたなんてこと……」フラッ バタン
まどか「さやかちゃん?」
ほむら(大変だわ……だけどこの場を離れた時に杏子が変身を解いてしまったら)
ほむら(まどかまでも杏子のへその虜になってしまう可能性が……!)
ほむら(美樹さん、ごめんなさい)
杏子「こいつ、死んでるじゃねーか!」
さやか「」
杏子「キュゥべえ!出てきて説明しろよ!」
まどか「さやかちゃん、さやかちゃん!」ユサユサ
ほむら「まどか……」
杏子「キュゥべえいないのか!?」
ヒョコッ
QB「やれやれ、まどか。友達を放り投げるなんてひどいじゃないか」
まどか「え?」
杏子「ていうかお前、その口にくわえてるのは」
まどか「さやかちゃんのソウルジェム!」
QB「まったく、君たちは本当に不可解な行動をするね。それにしてもあのトラックはスピード出し過ぎだ。久々に全力疾走したよ。よっと」
パアア
さやか「……なに?なんなの?」
まどか「さやかちゃん!良かった!」
杏子「おい、大丈夫なのか?」
さやか(あ、なんかよくわかんないけど心配されてるっぽい?ならば)
さやか「大丈夫じゃない。死にそう」
杏子「なっ!?」
まどか「さやかちゃん!?」
さやか「あんたが変身を解いてくれたら……治るかも?」チラッ
杏子「本当かよ……」
ほむら「そいつの言葉に耳を傾けてはだめ!」
ほむら(だめよ、今変身を解いたらまどかに!)
杏子「しょうがねーな。もう戦うって感じでもないしな」
パシューン……
ほむら「だめええええ!」
――― ドクン
まどか「!!!」
杏子「ほら、これでいいか?
まどか「……おへそ」
ほむら「まどかああああああ」
さやか「へ、へへへ。やっぱいいヘソしてるわ。あんた」ジー
杏子「ふんっ。別にお前のために見せてるわけじゃないからな」
まどか「こんなの絶対いやらしいよ」ジー
ほむら(まどかの前だけど、やっぱり気になる)ジー
QB「三人の視線が杏子の腹部に集中しているのはどういうことなんだい?」
ほむら「あなたは黙ってなさい」
QB「だけどみんな、ここが魔女の結界の目の前だって忘れてないかい?」
杏子「そうだった!なんであたし変身解除しちゃったんだよ、こいつらの馬鹿が移ったか?」
さやか「大丈夫!へそ代はきっちり払うよ!」
ほむら「あの魔女は私たちに任せない。もちろんグリーフシードはあげるわ」
杏子「まあ、あたしが魔力を使わずにグリーフシードをいただけるってんなら、いいぜ。乗ってやるよ」
さやか「突撃!」
ギュオオオオン
魔女「」フワフワ
さやか「あいつが魔女だね」
ほむら「……ええ」
杏子「生身で魔女の前に来るなんて初めてだけど……妙な気分だ。あんた、何気に度胸あるやつだったんだな」
まどか「そうかな?うぇひひ」
さやか「行くよ!転校生」
ほむら「仕切らないでくれるかしら」
ガッシ ボカッ バキッ
さやか「ぐええぇえ、こいつ結構強い!」
ほむら「へそを!へそを見せて杏子!」
杏子「そうがっつくなよ、み、見たきゃ勝手に見ろ//」
さやか「」ジー
ほむら「」ジー
まどか「」ジー
さやか「うおおおお!力が湧いてきた!」
ほむら「もう時間止めまくり!」
QB「こんなことがあり得るなんて」
まどか「どうしたの?」
QB「彼女らのソウルジェムが、少しではあるが浄化されてる」
まどか「それだけ杏子ちゃんのおへそに魅力があるってことだね!」
QB「君たちは魔法少女だ。どんな奇跡を起こしたって驚きには値しないよ」
杏子「奇跡すぎるだろ!」
ドカアアアン
さやか「あっ!危ない!魔女が杏子の近くに!」
ほむら「まどか!逃げて!」
魔女「……」フワフワ
杏子「チッ!結局あたしも戦うしかないか!」
魔女「……」フワフワ
杏子「ん?なんだコイツ?何もしてこないぞ」
さやか「この魔女!まさか!」
まどか「杏子のへそを見ているんじゃ」
杏子「ウソだろオイ!」
魔女「」プルプル
ほむら「魔女が、震えている?」
QB「まさか、そんな!こんなことありえないよ!」
ほむら「こいつが取り乱すなんて、何が起こっているの?」
魔女「」パアアアアアアア
マミ「……うーん、ここは?」
さやか「マミさん!」
まどか「魔女が、マミさんになった?どういうこと?」
QB「正確には、戻ったんだよ」
マミ「あら、あなたたち……みんな揃ってどうしたの?」
さやか「マミさん、最近見かけなくなったと思ったら」
まどか「魔女になってたなんて……あんまりだよ。こんなのってないよ」
杏子「いやお前らのマミに対する扱いがあんまりだよ」
マミ「何か……長い夢を見ていたようね。ずっと暗い空間でひとりぼっちになる夢。だけどそこに光が差してきたの」
マミ「よく見たら、佐倉さんのおヘソだったわ」
杏子「こいつまで……」
QB「やれやれ、君には驚いたよ。杏子。ある意味で君のヘソはまどか以上の可能性を持っている」
QB「マミが魔女から戻るとき、魔女化時の数倍はあるとてつもないエネルギーが発生した。僕たちの計画も見直さないといけないね」
さやか「っていうか、魔女の正体は魔法少女だったの?」
杏子「そ、そうだよ!どういうことだよ!説明しろよ!」
ほむら「そんなことはもうどうでもいいじゃない。杏子のへそさえあればどうにかなるんだから」
まどか「そうだね!」
さやか「まあね」
杏子「お前らああああ」
まどか「私、願い事決めたよ!キュゥべえ!」
QB「言ってごらん?君はその魂を対価に何を願う?」
ほむら「まどか!ダメ!あ、でも魔女になっても杏子のへそがあるがらまあいいか」
まどか「杏子ちゃんの魔法少女姿を、ヘソ出しスタイルにしてほしいの!」
QB「契約は成立だ」
さやか「なるほど、確かに生身で結界に入るのは良くないしね!」
ほむら「さすがまどかね。これで杏子も安心して魔女を救えるわ」
マミ「えーっと、状況が掴みきれてないけどこれで世界は救われるのね。臍の理に導かれて」
杏子「もういい、どうにでもなれ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワルプルギス「アハハハハハハ」
ゴゴゴゴゴゴ
さやか「ついにここまで来たね」
マミ「あとはもう、ワルプルギスの夜だけ」
杏子「あたしに、できるかな……」
まどか「大丈夫だよ!杏子ちゃんのおへそなら!」
ほむら「ええ。今までたくさんの魔女をそのおへそで救ってきたじゃない」
たくさんの魔法少女たち「杏子さんのおへそのおかげで助かりました」
杏子「だけど、そもそもあいつには近づくことが難しい」
ほむら「心配には及ばないわ。そのために私達4人と」
マミ「あなたが救ってきた179人の魔法少女が全力で戦って道を開くわ」
たくさんの魔法少女たち「頑張ります!」
ウオオオオオオオ
QB「ワルプルギスの夜を救った時に発生するエネルギーがあれば、この宇宙はあと1億年は平和になるだろう」
QB「僕の役目は今日で終わりだ」
杏子「まあここまで来たんだ。あたしも覚悟を決めなきゃな……行くぞワルプルギス!あたしのへそであんたを救ってやるよ!」
まどか「ところで、杏子ちゃんのソウルジェムはどうやって浄化すればいいんだろうね」
マミ「あっ」
杏子のへそが世界を救うと信じて……!
ご愛読ありがとうございました