杏子「なんだよ、さやか。そんなに大声あげて。あたしが出ちゃ悪いかよ?」
マミ「でも佐倉さん、どうして突然?」
ほむら「気でも触れたの?」
まどか「ほむらちゃん、その言い方はひどいよ…」
杏子「…まあ、なんだ。ちょっと力試しをしたくなったわけ」
さやか「魔法少女の体力がオリンピック級かどうかってこと?」
元スレ
さやか「杏子が神戸マラソンに出場するって?!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1354187574/
杏子「そこまでは言わないけど?まあ気分だよ気分」
ほむら「重量上げに出れば100%勝てるわよ」
杏子「あんた…よっぽどあたしにぶっ飛ばされたいらしいな」スッ
ほむら「あら、私と殺り合うつもり?」カチャリ
まどか「ちょっと、二人ともやめてよ!」
さやか「ところで、当日はいつだっけ?」
杏子「明日だけど?」
さやか「明日ぁ?!」
マミ「じゃあ、さっそくみんなで応援ね!」
まどか「やったぁ!みんなで神戸に旅行だね!」
杏子「はぁ…ついてくるなら別にいいけど」
ほむら「本当は構ってほしかったんじゃないの?」
杏子「ほむら、やっぱりあんた殺す」
―当日…
まどか「ねえねえマミさん」
マミ「何?」
まどか「私たちスタート地点にいたら、
杏子ちゃんのゴールを見届けられないんじゃ…」
ほむら「大丈夫よ。
杏子がスタートしたらすぐに魔法少女に変身して、ゴールまでダッシュ。
1時間くらいで着くわ」
さやか「まどかはあたしが運んであげちゃうからね」
まどか「なんか卑怯な感じがするね…」
マミ「佐倉さんも魔法少女状態ならダントツで勝てるはずよ」
まどか「でも普通に走るんだよね、杏子ちゃん」
ほむら「コスプレってことにしてそのままやればいいのに、
バカとしか言いようがないわ」
さやか「いや、それはいろいろ間違ってると思う…」
杏子「お~い!」
さやか「あ、杏子だ!」
マミ「頑張ってー!」
まどか「杏子ちゃん、ふぁいとぉ!頑張れぃ!」ブンブン
ほむら(まどかわいい…)
さやか(なんか若干1名目線がおかしい…)
銃「バァン!」
さやか「スタートだ!」
マミ「みんな、ここから抜けましょう!」
ほむら「了解よ!まどか、ついてきて!」
まどか「う、うん!」
マミ「ここなら大丈夫かしら?」
さやか「人目にはつかなそうですね」
ほむら「じゃあ早速」
マミさやほむ「「「変身!」」」ペカー
さやか「まどか、背中に乗って!」
ほむら「くぅっ!あの時グーを、グーを出していれば…!」
マミ「ほら暁美さん、早く行きましょう!」
ほむら「ほむぅ…美樹さやかが羨ましいわ…」
さやか「しっかし思ったよりも道がなっがいですね~!」ダッ
ほむら「まどかをおぶってるからそう感じるんじゃない?変わるわよ?」ダダダッ
さやか「べー。やだよーだ」
マミ「まぁいいじゃない…あ、みんなクイズをしましょう?」ダダダダッ
まどか「なんですか?」
マミ「マラソンの距離はいくつでしょう?」
まどか「え~、わかんないですよぅ」
さやか「はいはい、あたし知ってる~!42km!」
マミ「ぶーっ。残念」
さやか「えー?」
ほむら「美樹さやかは本当にバカね。42.195kmでしょう?」ファサッ
マミ「ピンポン!暁美さん、大正解!」
さやか「そんなぁ!不公平だぁ!小数点以下なんて知らないっすよ!」
ほむら「はぁ…どうしようもないわね。バカにつける薬はないのかしら」
さやか「なんだとー!」
マミ「美樹さん、42.195kmって書かないと体育のテストでは×よ」※本当です
さやか「そ、そうなんだ…」
まどか「あっ、ゴール地点が見えてきたよ!」
ほむら「話しながらその42.195kmを走ってきたわけね。私たちは。
42.195kmをね、42.195km」
さやか「いやみったらしく連呼すんな!」プンスカ
まどか「さやかちゃん、背中揺れてる、揺れてる!」
さやか「あ、ごめん」
ほむら「まったくこれだから42.195kmは」
さやか「勝手にあだ名にするな!」
マミ「ちょっと待って!」ピロリン
さやか「どうしたんですかマミさん、突然ニュータイプみたいに」
ほむら「魔女の気配ね」
まどか「ええっ?!こんなところに?!」
マミ「そうよ、こんな人通りの多いところで暴れられたら、
たとえ弱い魔女でも被害は甚大になるわ」
ほむら「行きましょう、マミ」
さやか「あたしも行く!」
マミ「美樹さん、あなたは鹿目さんとゴールで待ってなさい。
安心して、佐倉さんが付くまでには戻るわ」
ほむら「そうよ。あなたが来たって足手まといになるだけ。
ここは私たちに任せなさい」
さやか「むーっ!」
マミ「美樹さん」
さやか「はいはい、分かりましたよ…魔女にやられんじゃないよ、ほむら」
ほむら「あなたに言われるまでもないわ」
さやか「じゃ、いこっか。まどか」
まどか「うん…」
さやか「どったの?」
まどか「何か今日のほむらちゃん、嫌な予感がするの」
さやか「まっさかー!ほむらに限ってそんなことないっしょ。
悔しいけど、あいつはあたしより何倍も強いよ。
まどか「ほむらちゃんがいたからみんなでワルプルギスの夜…だっけ?
あの魔女を倒せたんだもんね。」
さやか「あと、まどかも契約しなくて済んだしね。
それに、マミさんもいるから100人力だって」
まどか「そう、だよね。大丈夫…だよね」
さやか「そりゃそうだよ!心配いらないって!
あ、今あたしが言ったこと、あいつには内緒ね。
こんなこと言ったらまたあいつ、あたしのことバカにしてくるもん」
まどか「えへへ…わかってるよ、さやかちゃん」
さやか「あー、笑ったなー!こいつー!このこの!」
―その頃、杏子は…
杏子「さすがに辛いな…!やっぱ魔法少女に変身してやるべきだったか?」ハァハァ
杏子「いや、そんなのあたしが許さない。あたしのプライドが…!」
杏子「なんとしてでも、完走してやる!」ダッ
杏子「あっ…」
杏子「水、取り忘れた…ちくしょう…」
―魔女結界
マミ「この結界は…!」
ほむら「まるで陸上競技場ね…!」
使い魔「キキッ」
マミ「!!」バァン
ほむら「気をつけなさいマミ!この使い魔、ハードルやポールに化けてるわ」
マミ「任せて!パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ!」ズダダダダダ
使い魔「」シュゥゥ
ほむら「まったく…少しは私の倒す分も残していいのに」
マミ「あら、ごめんなさい。少々退屈だった?
とにかく、ここにちょうどトラックがひいてあるから道なりに進みましょう」
ほむら「ええ、そうしましょう」
―ゴール付近
まどか「杏子ちゃん、遅いね」
さやか「当たり前だよ、どれくらい前に着いたと思ってんのさ」
まどか「あ、選手の人が入ってきた!」
さやか「さすがに魔法なしじゃプロには勝てないかぁ」
まどか(マミさん、ほむらちゃん…大丈夫かな?)
―再び結界
マミ「見て、周りに写真が浮いてるわ…トロフィーを持った…」
ほむら「そうね…名前が書いてあるわ…日本人の女性のようね」
マミ「この名前、思い出した…!」
ほむら「誰?知り合いじゃないでしょう?」
マミ「違うわ。この人、有名人よ。
たしか中学生でプロ級のタイムを叩きだして、一躍有名になった陸上の選手」
ほむら「知らないわ、なぜその人の写真がここにあるの」
ほむら(その時は多分まどかを助けようと必死で、テレビなんて見てなかったわ)
マミ「その人、突然記録が伸びたから…ドーピングを疑われたのよ。
週刊誌でも叩かれて、その後突然亡くなった…世間では副作用だって…!」
ほむら「まさか、その人、魔法少女になって…!」
マミ「そうよ、そして魔女に…暁美さん!」
ほむら「えっ…?」グッ
ほむら「しまった!速い…うぅっ!」
マミ「暁美さん!」
ほむら「ぐっ…!く…びが…」グググ
マミ(あの白いランニングシャツみたいな魔女が暁美さんの首を絞めてるのね…)
マミ(でもここからティロ・フィナーレを撃ったら…)
ほむら「うぅ…!うぅぅぅ…!」
マミ(暁美さんのソウルジェムも壊れてしまうわ…どうすれば?!)
ほむら「マミ…わたしを…うち…なさい…!」
マミ「そんな…無理よ!」
ほむら「いいの…どっちにしろ…わたし…しぬ…」
ほむら「まどかも…うぁあああっ…たすかったし…くいは…ないから…うぅぅう…」
ほむら「それに…こんな…とこ…きょうこ…や…さやか…には…みせ…られな…」
マミ「嫌よ!あなたを撃つなんて私にはできない!」
―再び杏子
杏子「そろそろ終わりが見えてきたな…あいつらちゃんと待ってるかな?」
杏子「それとも待ちくたびれて退屈してんのかな?そうだろうなー」ハッハッ
杏子「よぉし!ラストスパートだ!スピードあげっかぁ!」ダッ
―ゴール付近
まどか「さやかちゃん、今どのくらい?」
さやか「スタートから2時間半以上は経ったね」
まどか「マミさんたち遅いね…」
さやか「あたし、行ってくる」
まどか「待って!私も行く!」
さやか「だめ。まどかは杏子を待ってて」
まどか「でも…」
さやか「大丈夫!危なくなったら絶対戻る。無茶はしない。約束するよ」
まどか「うん…さやかちゃん、絶対負けないで」
さやか「分かってる、じゃあまた後で」
―再び結界
ほむら「もう…だめ…」ガクリ
魔女「#$%&$♯&%#」ズズズ
マミ「暁美さん…ごめんなさい…やっぱりあなたごと魔女を撃つわ…!」
マミ「ティロ…!」ドン
マミ「フィナ…!」グスッ
マミ「暁美さん…!やっぱり私には無理よ…!あなたは大事なお友達だもの…!」グスグス
?「おりゃぁぁぁぁぁ!」バサァァ
マミ「えっ?」
さやか「この布がぁぁぁ!ほむらを離せぇ!」ズバッ
マミ「美樹さん?!」
さやか「ほら、ほむら!早く目ぇ開けて!」パァァァ
ほむら「はっ!みき…さや…か…?」
さやか「よかったぁ…命はあったみたいだね」
マミ(なるほど…布でできてるから斬撃には弱かったのね…!)
さやか「気を付けてマミさん!そいつ、再生します!」
マミ「分かってるわ!」
マミ(もう遠慮はしない…!)
マミ(私のお友達を傷つけて、人質にして…!)
マミ「生きていられるとは思わないことね!ティロ…!」
さやか「いっけー!」
マミ「フィナーレ!」
魔女「」シュゥゥ
さやか「やったぁ!」
マミ「なんとか…なったわね…!」
さやか「マラソンより疲れちゃいましたね…!」
ほむら「美樹さやか…」
さやか「ほむら、大丈夫?」
マミ「暁美さん!心配したのよ!」グズグズ
ほむら「泣かないで頂戴…まったく。
美樹さやかにもカッコ悪いとこみられるし最悪よ」
さやか「ちぇっ、助けがいのない奴。
あれだけドヤ顔して出てってやられたくせに。
もう少しこのさやかちゃん様を敬えっての」
マミ「美樹さん、調子に乗らないの…!
今は結界が消える前にグリーフシードを回収しましょう」
さやか「あたしはこの通り、あんま魔力消費してないんで、二人で使ってください」
ほむら「どうしてこんな時だけ気が利くのかしらね」
マミ「さあ、急ぎましょう!佐倉さんがゴールしてるかも!」
―再びゴール付近
まどか「あ!杏子ちゃんが見えてきた!」
杏子「あ、まどかだ!おーい!っとまだ早いか。もう少し走ってから…」
まどか(みんな…まだかな)
さやか「まどかー!」
マミ「佐倉さんはまだ着いてない?!」
まどか「さやかちゃん、マミさん!」
ほむら「まったく、そんなに焦らなくてもいいじゃないの」
まどか「ほむらちゃん!」
ほむら「待たせたわね、まどか」
まどか「みんな見て、ちょうど杏子ちゃんが!」
さやか「ホントだ!杏子ー!」
杏子「おっ、あいつらみんな来たか!」
杏子「ふんばりどころだ!」ダッシュ
マミ「いよいよゴールね!」
―ゴールの手続き後…
まどか「杏子ちゃぁん!完走おめでとう!」
杏子「ちぃっ…タイムは3時間ちょっとか」
ほむら「ま、一般人としちゃ上出来じゃないかしら」
さやか「何よ、えらそーに。あたしに…」
ほむら「さやか…それ以上言うとその口を弾くわよ」カチャ
マミ「ちょっと暁美さん!」
杏子「なんだよ水臭いな、あたしがいない間に、何かあったの?」
まどか「ううん、なんでもないよ、えへへ」
さやか「ほむら、大丈夫だって。みんなには内緒にしてあげるから」
マミ「もう美樹さんもからかわないの!暁美さんまた怒るじゃない!」
ほむら「…」
マミ「暁美さん?」
###
まどか「クラスのみんなには、内緒だよ!」
###
ほむら(同じ…さやかもまどかと同じ…)
ほむら「…ありがとう」グスッ
さやか「ほ、ほむら、どしたの急に?!」
ほむら「うぅっ!うぅぅぅぅ!」グズグズグズ
まどか「きっと杏子ちゃんに感動して、泣いちゃったんだね」
杏子「ははは…変な奴」
―帰り際の電車の中
杏子「今日は楽しかったなー」
まどか「本当におめでとう、杏子ちゃん」
杏子「よせよ、ちょっと気まぐれでやっただけのこと、そんなに褒められてもさ」
マミ「素直じゃないのね、佐倉さん」
杏子「んだとぉ?!」
さやか「ほーら、席立たないの、杏子。
ところで、今日はいいものが見れましたなー、あ・け・み・ほ・む・ら・さん?!」
ほむら「美樹さやか…いい加減になさい…!あれは目にゴミが入っただけよ!」
さやか「おおっと?!ここにきてツンデレ発動かぁ?!
ほむらの女子力が500ポイントアップしたぞ?!」
ほむら「もう殺す…!」
杏子「だぁっはっは!なんだか知らないけど、お前らおもしろすぎ!」
まどか「杏子ちゃんのツボが謎なんだけど…」
マミ「なんにせよ、仲が良いって素晴らしいことね。
こうやってマラソンも見に行けるし」
杏子「違いないね。ま、連れてったのはあたしだけどな!」
おしまい