まどか「…」
まどか「今日もバレなかったね」
恭介「うん」
まどか「上条君、いいの?」
恭介「何がだい?」
まどか「真実をさやかちゃんに伝えなくて」
恭介「いいんだよ、僕が鹿目さんと付き合ってるって知ったらさやかがどうなることか」
まどか「…」ティヒッ
元スレ
恭介「…さやかは帰ったよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331491428/
まどか「さやかちゃんの恋愛相談に乗る度に笑っちゃうから私としては…」
恭介「迷惑かけるね」
まどか「いいの」
まどか「そんなさやかちゃんにできないことを私はできるから」
恭介「…鹿目さん」
まどか「二人きりのときは?」
恭介「ごめん、まどか」
恭介「まどか、今日も…いいかい?」
まどか「てぃひひ…エッチだね、上条くんは」スルスル
まどか(やっぱりクズだよ、上条くんは)
まどか(付き合い始めてから、わたしの身体ばっかり求めてくるんだもん)
まどか(さやかちゃんが上条くんと付き合ってたら、何をされてたか…)
まどか(想像するだけで虫唾が走るよ)
まどか(さやかちゃんの身体だけは、誰にも汚させないからね)
まどか(もちろん、わたしは別だけど)
まどか(待っててね、さやかちゃん)
まどか(うぇひひ…)
恭介「はぁ、はぁ…まどか、好きだよ…」
まどか「んっ…ふっ…わたしも…好き…」
まどか(はぁはぁ、だって…気持ち悪い)
まどか(さやかちゃん以外に身体を触られるなんて吐き気がするけど)
まどか(この発情したクズの目をさやかちゃんから逸らすためには、仕方ないよね)
まどか(あーあ、早く帰ってお風呂に入りたいなぁ)
………
恭介「よかったよ…まどか」ギュッ
まどか「てぃひひ…」
まどか(汚い腕で抱きしめないでよ…汗臭いし)
まどか(柔らかくていい匂いのするさやかちゃんの腕で抱きしめてもらった時に比べたら)
まどか(まるで害虫に触られてるみたいだよ)
まどか(さやかちゃんはどれをとっても最高のさやかちゃんだけど)
まどか(最低の相手を好きになっちゃったね)
まどか(早くこのクズをなんとかして、さやかちゃんとわたしが恋人になれるようしなきゃ)
翌朝、通学路
まどか「おはよう!さやかちゃん、仁美ちゃん」
仁美「おはようございます、まどかさん」
さやか「まどか、おそーい!おっ、かわいいリボン!」
まどか「てぃひひ…」
まどか(さやかちゃんが、わたしのこと可愛いって…///)
さやか「そんなリボンで男子の気を引こうなんて、ハレンチなまどかには…こうだっ!」
まどか「きゃっ!ちょっと、さやかちゃん…///」
さやか「まどかはあたしの嫁になるのだー!」
仁美「あらあら…」
まどか(うぇひひ、さやかちゃんの体、やわらかくて気持ちがいいね)
まどか(わかってるよ。さやかちゃんが、冗談でわたしをお嫁さんにするなんて言ってるのは)
まどか(冗談でもいいの。今はまだ、ね…)
数日後、放課後
まどか「さやかちゃん…どうしたの?」
さやか「…」
まどか「さやかちゃん!」
さやか「えっ!?あ、な、何でもないよ、まどか」
まどか「…さやかちゃん…きょう一日、ずっと元気なかったよ」
まどか「わたしでよかったら、教えてくれないかな?」
まどか「さやかちゃんが悩んでると、わたしも辛いよ」
さやか「…ありがと、まどか」
さやか「誰にも言わないでくれるかな?」
……
さやか「あたしさ、恭介に…ふられちゃった」
まどか「! …告白したの?」
さやか「ううん。恭介の方から言われちゃったんだ。もう来ないでくれって…」
さやか「あたしが毎日お見舞いに来て、CDを持ってくるのがウザかったんだってさ」
さやか「もう弾けやしない音楽を聴かせるあたしの顔なんて、見たくもないって」
まどか「…」
さやか「ぐすっ…あはは…何してんだろうね、あたし」
さやか「ずっと恭介のためにって思ってたのに、あいつを苦しめてるだけだったなんて…ははっ」
さやか「あたしって、ほんとバカ…」
まどか「さやかちゃん…」
ギュッ
さやか「! まどか…」
まどか「ごめんね、さやかちゃん。びっくりしたでしょ」
まどか「でもね、さやかちゃんに知っておいてほしいの」
まどか「さやかちゃんは、ひとりぼっちじゃないって」
まどか「わたしが…『一番の』親友のわたしが、いつでもそばにいるって」
まどか「どんな時でも、わたしが一緒にいるからね」
さやか「まどか…まどかぁ…ううっ…うわぁぁん…」ギュッ
まどか(さやかちゃん、泣いてる顔もかわいいなぁ…)
まどか(上条くんの気を引く作戦は、大成功)
まどか(これでわたしとさやかちゃんは、また一歩進んだ関係になれて)
まどか(さやかちゃんは、上条くんのことを諦められる)
まどか(一石二鳥だね)
まどか(問題は、あのクズ)
まどか(さやかちゃんに酷いことを言って、傷つけて泣かせるなんて)
まどか(許せない)
まどか(さやかちゃんの視界に入らないところに、早くあいつを追いやらなきゃ)
まどか(うぇひひ…)
……
病院の外
まどか(うーん…あそこに見えるのが、あの病室の窓かぁ)
まどか(車椅子で運び出すにしても、力がいるし)
まどか(廊下のエレベーターまで行くのも、けっこう距離があったよね)
まどか(人に見つかないように始末するって、難しいなあ…)
まどか(やっぱり、決行は魔法少女になってからにしたほうが…)
まどか「あれ?」
まどか(あの壁に刺さってるの…グリーフシード!?)
まどか(何だか、光ってて…これって、もうすぐ魔女が生まれるってこと?)
まどか(……)
まどか(そっか、そうすればいいんだ)
まどか(うぇひひ…ありがとね、魔女さん)
……
夕方、病室
まどか「てぃひひ。こんにちはっ、上条くん」
恭介「やぁ。来てくれたんだね、まどか」
まどか「うん、早く来たくて、授業が終わるのが待ち遠しかったよ」
まどか「今日はさやかちゃん、具合が悪くてお休みだって」
恭介「そう…」
恭介「実はね…さやかに言ったんだ。もう来ないでくれって」
恭介「さやかの気持ちは、嬉しくなかったわけじゃないけど…」
恭介「僕にはまどかがいるし…そもそも僕は、さやかを女の子として見れないんだ」
恭介「だから、このままズルズルと期待させるよりはと思って…少し、ひどい口調で伝えたよ」
まどか「そっか、てぃひひ」
恭介「…悪いことしちゃったな。もう少し言い方を…」
まどか「そんなことないと思うよ」
恭介「そう、かな…ごめんね。まどかにとって、親友のさやかを傷つけちゃって」
まどか「ううん、いいんだよ。うぇひひ」
突然、周囲を魔女の結界が包み、部屋やベッドが消滅する
恭介は床に落ちる
恭介「わっ…何だ、周りの景色が…?」
まどか「それにね、わたし、いま、すごく嬉しいなって思うの」
恭介「まどか! なにか変だ。早く逃げ…」
ブスッ
まどか「やっと上条くんを殺せるのが、嬉しくてたまらないんだ」
まどかが刃物を突き立てた腹を抑えながら、恭介が床でのた打ち回る
恭介「うわああああっ!!いたっ、いたい…」
まどか「ずっと思ってたんだ。上条くんが死んじゃえばいいのに、って!」ドスッ
恭介「があっ! まど、かっ、なんっ、で…」
まどか「なんでって、そうすれば、さやかちゃんは二度と上条くんに会わなくて済む、でしょ!?」ザシュッ
恭介「はっ、はっ……」
まどか「でもね、わたしが殺したことがばれたら、さやかちゃんに嫌われちゃう」
まどか「だから、魔女がここに出てくるって分かったときは、笑っちゃった」
まどか「魔女って知ってる?この結界を作ってる怪物だよ」
まどか「ここで死んだ人は、遺体が見つからないんだって!すごいよね」
まどか「まるで上条くんを殺したがってる、わたしのために来てくれたみたいだよね」
恭介「……」
まどか「どうしたの?上条くん。もう死んじゃった、のっ!?」ドシュ
恭介「かはっ!た…たす…」
まどか「うぇひひ、よかった。まだ生きてたんだね」
まどか「上条くんには、もっともっと苦しんでもらわなきゃ」
まどか「刃物で襲われてるのに、動かない足のせいで逃げられない怖さって、どんな感じ?」
まどか「痛い?胸を裂かれる痛みって、どんな感じ?」
まどか「さやかちゃんの痛みに比べたら、大したことないはず、だよっ!?」ブシュ
恭介「……」
まどか「あーあ…死んじゃったね、上条くん」
まどか「残念だね。もっともっと、さやかちゃんの痛みを味わってもらいたかったのに」
まどか「仕方ないね。それに、そろそろ…」
「鹿目、さん…?」
マミ「あなた…その刃物…それに、その子は…」
まどか「…マミさん」
マミ「どうして…鹿目さん、あなたが…なんでこんな…」
まどか「マミさん…わたし…」
マミ(…いけない!)シュルシュル
マミのリボンがまどかを締め上げ、刃物が床に落ちる
まどか「くうっ!」
マミ「鹿目さん、待ってて!すぐに助けてあげるから!」ダッ
マミは結界の深部へ向かって走りだした
マミ「急ぐわよ!キュゥべえ!」
QB「どうやら、まどかはかなり錯乱していたようだね」
マミ「ええ。まさか彼女まで、魔女の口づけを付けられてしまうなんて…」
QB「……」
マミ「起きてしまったことは…仕方ないわ。早く魔女を倒して、鹿目さんを正気に戻さないと」
QB(…見たところ、鹿目まどかが魔女の口づけを受けた形跡はなかったけれど)
QB(どうやら、それは言わないほうがよさそうだ)
……
突如として結界が崩れ、リボンが緩む
まどか(あ…病室だ…)
まどか(上条くんのベッド…空っぽだね)
まどか(うぇひひ…)
マミ「鹿目さん!大丈夫だった!?」
まどか「あれ…マミさん…?」
マミ「鹿目さん…」
まどか「っ! わ、わたし…」
まどかは返り血にまみれた自分の服を見下ろす
まどか「あ、ああっ…わたし、どうして…あんな…」
マミ「大丈夫、大丈夫よ…」ギュッ
まどか「わたし…上条くんを…ううっ…」
マミ「鹿目さん、あなたに罪はないわ…」
マミ「ちょっと、悪い夢を見ていただけよ…」
まどか「えぐっ、うぐっ、マミさああん…」
まどか(うぇひひ…こんなにうまくいくなんて、思わなかったよ)
まどか(結界の中でしばらく待っていれば、パトロールに来たマミさんが結界を見つけて、わたしを助けだしてくれる)
まどか(それにマミさんなら、わたしは魔女の口づけを受けてたんだって、勝手に思い込んでくれるし)
まどか(わたしがしたことを、さやかちゃんに話すはずないもんね)
まどか(上条くんの死体は結界と一緒に消えたから、さやかちゃんの目に触れることは永遠にない)
まどか(わたし、やったよ…うぇひひ)
まどか(待っててね、さやかちゃん!)
……
数週間後、朝
まどか「おはよう、さやかちゃん」
仁美「おはようございます、さやかさん」
さやか「うん…おはよう…」
まどか「…さやかちゃん…」
仁美「…さやかさん…」
さやか「あっ…ごめん、今日も朝から辛気臭い顔しちゃって…」
さやか「まだ、見つからないんだって…恭介」
さやか「ほんと…どこ行っちゃったんだろうね、あいつ」
まどか「さやかちゃん…大丈夫だよ」ギュッ
さやか「あ…まどか…」
まどか「前にも言ったでしょ」
まどか「どんな時でも、わたしが一緒にいるからね」
さやか「うん…ありがと」ギュッ
仁美「私も及ばずながら、さやかさんのそばにおりますわ」
さやか「へへ…仁美もありがとね」
まどか「てぃひひ…」
まどか(…仁美ちゃん、邪魔だなあ…)
まどか(わたしとさやかちゃんとの間に、入って来ないでよ…)
(おしまい)
96 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/03/12 12:44:09.49 NYxDs9dE0 31/35ここまで読んでくれてありがとう。
ほむほむの嫉妬イベント入れられなくてごめんね!
本当は、まどかが魔女の口づけを受けてないことがマミさんにバレて
・まどか:「わたしとさやかちゃんの邪魔をする人を、みんな消せるようになりたい」と契約
・さやか:恭介の失踪は毎日のお見舞いのせいと思い込み、契約しようとするもまどかに止められる
・マミさん:まどかの犯行を目撃したため、口封じとして契約したまどかに殺される
・ほむほむ:まどかの狂気に気づき、嫉妬からも止めようとするが返り討ちにあいまどかに殺される
・あんこ:失踪の件で荒むさやかに歩み寄るが、邪魔者としてまどかに殺される
・仁美:2人きりの世界には必要ない存在として、疎んだまどかに殺される
・QB:さやかに真実を告げ、まどかの絶望を引き起こしてエネルギー回収完了
という展開を考えてたが
ほのぼの派の俺がこんなのを書き続けたら頭がおかしくなって死ぬ
97 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/03/12 12:46:34.38 NYxDs9dE0 32/35あと
・情事やお菓子の魔女戦を含め、ほむらは何やってたの?
・マミさんより先にほむらに見つかったらどうすんの?
・結界中の死体は残らないってまどかが知るのは4話(マミさん死亡後)じゃね?
とか突っ込まないでね!インキュベーターとの約束だぞ!
99 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/03/12 12:47:41.83 ikhjCLpz0 33/35乙、おもしろかった
100 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/03/12 12:49:43.20 oHbKFoAt0 34/35ほのぼの派...だと...!? 乙。
103 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/03/12 13:24:35.93 bKtaDHzH0 35/35乙
まどっち、真っ黒……