1 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/25 21:21:35.15 YufOWkL+0 1/178

どうして、こうなったのだろう。

マミ「何か、言うことがあるんじゃないの?」
キリカ「……すみません」

わたしは、何も間違ったことはしてないはずなのに。

さやか「それだけ?もっと他になんかあるよねぇ?」

織莉子「謝るくらいしか出来ません……」

辺りは、荒れ果てた見滝原の町並み。

杏子「なんでゆまも一緒になってやってたんだよ?」

ゆま「ごめんなさいキョーコ……でも、織莉子お姉ちゃんが……」

わたしとキリカ、それに千歳ゆまは、五人の少女に囲まれていた。

元スレ
織莉子「魔法少女の」キリカ「パンツ狩り」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1337948494/

2 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/25 21:23:04.01 YufOWkL+0 2/178

ほむら「……まぁ、過ぎたことはもういいわ。謝るのもいいけれど、それより先にやるべきことがあるでしょう?」

織莉子「は、はい。全て承知しています」

暁美さんの言葉に気圧され、わたしはひとつの鞄を差しだした。

まどか「も、もう二度としないでね?」

織莉子「深く反省していますので、どうか、お慈悲を……」

鹿目さんが、恥ずかしそうにしながらその鞄の中身をぶちまけた。
中から出て来たのは……―――色とりどりの、下着だった。

3 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/25 21:24:13.17 YufOWkL+0 3/178

事の始まりは、今よりひと月程前に遡る。

織莉子「………鹿目まどか………」

わたしの魔法少女としての能力、『未来予知』。
それを終えたわたしは、静かに目を開けた。
最悪の魔女となる可能性を秘めた少女の名を呟く。

キリカ「どうかしたかい、織莉子?ずいぶんと怖い顔をしているけれど」

わたしの一番の理解者、呉キリカがすっかり冷めきった紅茶を口に含みながら、わたしに問いをぶつけて来る。

織莉子「キリカ……いえ、なんでもないわ」

キリカ「それならいいんだけど……それで?この街の崩壊を食い止める手立ては、思いついたかい?」

織莉子「………ええ、そうね」

わたしの戦いに、この子を巻き込んでもいいものだろうか。少しだけ、悩む。

5 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/25 21:25:25.38 YufOWkL+0 4/178

キリカ「わたしに、遠慮していないかい、織莉子?」

織莉子「え?」

キリカ「もしそうだとしたら、そんな事は考えないでいい。わたしには、キミさえいてくれればいいんだから」

織莉子「キリカ……」

キリカ「聞かせてよ、織莉子。わたしは、何をしたらいい?」

キリカ……あなたはそう言うけれど、それはわたしも同じ。
わたしも、あなたさえいてくれればそれでいい。
そうだ、わたしの世界。それを守る為には。

織莉子「……パンツ狩り、ね」

―――手段なんて、選んでられる場合ではない。

6 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/25 21:26:29.89 YufOWkL+0 5/178

キリカ「え?」

織莉子「聞きとれなかったかしら?」

キリカの素っ頓狂な声に疑問を持ち、確認を取る。

キリカ「いや、聞きとれたとは思うんだけれどね」

織莉子「なら、問題はないでしょう?」

もう一口、紅茶を口に含む。
ああ、甘い。

キリカ「ええっと……確認しても、いいかな?」

織莉子「何かしら?」

キリカ「わたしの聞き間違いじゃなければ……『パンツ狩り』、と言う風に聞きとれたのだけど」

織莉子「ええ、そうよ」

紅茶のカップをテーブルに置き、茶菓子のひとつを口へ運ぶ。

7 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/25 21:27:36.90 YufOWkL+0 6/178

キリカ「いや、すまない織莉子。わたしはキミの事を全部理解していたつもりだけど、さすがにそれは意味がわからないよ」

織莉子「パンツ狩りの意味が?」

キリカ「そっちじゃなくて……いや、ある意味それで合ってると言えば合ってるんだけどね」

織莉子「パンツ狩りはパンツ狩りよ、キリカ。わたしが言う子のパンツを、狩ってきて欲しいの」

キリカ「一体、それに何の意味が?」

織莉子「あら、気になる?」

キリカ「ああ、そりゃあね。まぁ、でも、織莉子が意味があると言うのなら、わたしはそれに従うけれど」

織莉子「意味ならあるわ。非常に、深い深い意味が」

8 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/25 21:28:13.34 YufOWkL+0 7/178

キリカ「それは、わたしには聞かせてくれないのかい?」

織莉子「ごめんなさい。これは、わたしひとりが理解していなければならないことなの」

キリカ「……ふむ、なるほど。わかったよ。全て終わった時、聞かせてくれよ?」

織莉子「ありがとう、キリカ。それじゃ、まずは……」

キリカに、作戦概要を話し始める。
最終的な目標は、ひとつだ。
佐倉杏子、巴マミ、美樹さやか、暁美ほむら、そして鹿目まどかのパンツを狩ってくること。

9 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/25 21:28:57.50 YufOWkL+0 8/178

その為には、どうしても必要な協力者がいる。

織莉子「まずは、千歳ゆまと協力関係を築きたい」

キリカ「千歳ゆま?誰だい、それは?」

織莉子「今あげた人物のウチ、一人と関係の深い人物。その子と協力関係を築ければ、最終目標にグッと近づくことが出来るわ」

キリカ「なるほどね。その子は今、どこにいるんだい?」

織莉子「ちょっと待ってね」

再び眼を閉じ、千歳ゆまの行動を予知する。

10 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/25 21:30:14.66 YufOWkL+0 9/178

織莉子「………風見野の、町外れ。そこで、彼女は一人で行動を取る機会があるわ。そうね、ちょうど一週間後、といったところかしら?」

キリカ「ふむ、了解だ。なら、それまでは暇、と言うことだね」

織莉子「いえ、そうでもないわよ?」

キリカの背後に、視線を送る。
一体の魔女が、姿を現した。

キリカ「……なんだコイツは。わたしと織莉子の楽しい楽しいお茶の時間を邪魔するなんて、無粋な奴だね」

織莉子「新しい紅茶を淹れましょうか。お砂糖は何個?」

キリカ「んー、そうだね。たまには大人っぽく、二個で飲んでみようかな」

キリカは魔法少女に変身し、その魔女目掛けて跳躍する。

11 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/25 21:31:14.87 YufOWkL+0 10/178

織莉子「ジャムはいらないのかしら?」

キリカ「わたしは子供じゃないからね。砂糖二個だけで十分飲めるのさ!」

織莉子「そう、わかったわ」

二人分の紅茶をカップに注ぎ、椅子に座る。
キリカはそんなわたしの様子を見ながら、魔女を鉤爪で切り裂いていた。

キリカ「よっし、それじゃ!魔法少女のパンツ狩り、その祝砲と行こうか!」

最後に両断した上半身を空高く放り投げ、その体を破砕した。

織莉子「……景気のいい祝砲ね。これなら、うまく行きそうな気がするわ」

20 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/27 12:19:04.44 jkq0vcx60 11/178

それから一週間後。

ゆま「キョーコに言われたものは、えっと……」

織莉子の命を受けて行動していたキリカは、千歳ゆまの動向を探っていた。

キリカ(………)

今まで佐倉杏子と行動していたゆまが、路地裏で杏子と分かれた。
その機を見計らったキリカが、ゆまに接触を試みる。

キリカ「やあ、千歳ゆま」

ゆま「ん? お姉ちゃん、誰?」

キリカ「わたしの名前は呉キリカ。キミや、キミと行動を共にしていた佐倉杏子と同じ、魔法少女だよ」

ゆま「ま、魔法少女?」

魔法少女と言う単語を聞いたゆまが、二、三歩後ずさる。

21 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/27 12:20:29.73 jkq0vcx60 12/178

キリカ「警戒しなくってもいい。わたしは、キミに協力を求めに来たんだ」

ゆま「ゆまに、協力を?」

キリカ「ああ。とりあえず、わたしに着いてきてくれるとありがたいんだけど」

ゆま「で、でも、キョーコに言われたものを持ってかないと……」

キリカ「それは、これのことかな?」

言いながら、キリカはひとつの買い物袋を差し出す。
その中には、お菓子やら惣菜やらカップめんやらの食べ物が入っていた。

22 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/27 12:21:27.37 jkq0vcx60 13/178

ゆま「あ、すごい!なんでゆまが買いに行こうと思ってたものを?」

キリカ「話は、織莉子の家でしたいんだ。時間はそれほど取らせない。いいかい?」

ゆま「うーん……キョーコが心配するんじゃないかなぁ……」

キリカ「大丈夫、普通に買いものをするだけの時間で帰られるようにするから」

ゆま「それなら……」

キリカ「交渉成立だね。それじゃ、行こうか」

キリカはゆまを連れだって、織莉子の家へと足を向ける。

23 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/27 12:22:01.93 jkq0vcx60 14/178

織莉子「お帰り、キリカ。それに、いらっしゃい、千歳ゆま?」

庭先で、二人の少女の来訪を歓迎する。

キリカ「言われた通り、ゆまを連れて来たよ、織莉子」

織莉子「ありがとう、キリカ」

ゆま「お姉ちゃんも、魔法少女なの?」

織莉子「ええ、そうよ。ゆまちゃんも、座って。おいしい紅茶を淹れてあげるから」

ゆまちゃんを椅子へ促し、わたしも椅子に座る。

24 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/27 12:22:53.94 jkq0vcx60 15/178

織莉子「お砂糖は何個がいいかしら?」

ゆま「んーとね、三個!」

キリカ「ふっ……織莉子、わたしは今日も二個で頼むよ」

織莉子「あら、頑張るわねキリカ。前は二個ですごく渋い顔をしていたけれど、大丈夫なの?」

キリカ「お、織莉子!それは言わない約束だろう!?」

ゆま「?」

二人の少女の様子を眺めながら、紅茶の用意をする。
ゆまちゃんにあげる紅茶には、砂糖を三個。
キリカにあげる紅茶には、砂糖を二個。
わたしが飲む紅茶には、砂糖を一個。
それぞれの紅茶を配り終えたところで、話を始める。

25 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/27 12:24:09.92 jkq0vcx60 16/178

織莉子「まずは、自己紹介ね。わたしの名前は美国織莉子。織莉子、で構わないわ」

ゆま「織莉子お姉ちゃんに、キリカお姉ちゃんだね。ゆまは、千歳ゆま!」

織莉子「実はね、ゆまちゃん。わたしたちに、力を貸して欲しいの」

ゆま「力を?」

織莉子「ええ。この世界を……守る為に」

ゆま「せ、世界?」

いきなりそんな壮大な話をしても、信じてはもらえないだろうか。

ゆま「うーん……よくわかんないけど、キョーコがいたらダメなの?」

26 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/27 12:25:19.49 jkq0vcx60 17/178

織莉子「佐倉杏子は、わたしたちのターゲットの一人なの」

ゆま「たっ、たーげっと!?え、じゃあ織莉子お姉ちゃんとキリカお姉ちゃんはキョーコの敵なの!?」

キリカ「おっと、勘違いしてもらっては困るよ。何も取って食おうとか、そういう話じゃない」

織莉子「ええ、戦うだとか、そういう物騒な話ではないわ」

ゆま「……何が何だかよくわかんないよ」

織莉子「お願い出来ない?」

ゆま「めーわくをかけないんなら……うん、いいよ」

織莉子「迷惑を……」

キリカ「掛けない……」

ゆま「?」

27 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/27 12:26:34.72 jkq0vcx60 18/178

織莉子「と、当然よ!ええ、それはもう!少しだけ……ほんのちょっとだけ、迷惑を掛けることにならないこともないけれど……」

キリカ(織莉子、それは言わない方がいい)

織莉子(そ、そうね……)

織莉子「それじゃ、ゆまちゃん。力を貸して欲しくなったら、またこちらから接触するわ」

ゆま「うん、わかった!」

キリカ「時間を取らせたね、ゆま。ほら、約束通り、これを佐倉杏子に持って行ってやりな」

キリカが、食料品が入った袋をゆまちゃんに渡す。
ゆまちゃんはそれを受け取ると、

ゆま「ありがとう、キリカお姉ちゃん!それじゃ、またね!」

元気に走り去っていった。

28 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/27 12:27:29.25 jkq0vcx60 19/178

織莉子「さて、と……キリカ、いいかしら?」

キリカ「うん?」

織莉子「今から、病院に向かって欲しいの」

キリカ「病院に?と、言うことは……」

織莉子「ええ……」

Target1 巴マミ

31 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:37:16.54 lyrZvaSm0 20/178

キリカ「さて、巴マミはどこにいるかな……っと」

病院の前まで来ると、キリカのソウルジェムが反応を示した。
この辺りに、魔女がいることを示す反応。

キリカ「……なるほど、わかりやすいね」

病院の駐車場の出入り口付近、そこに結界を張っているようだ。
魔法少女姿に変身し、その鉤爪で結界への入り口を切り開く。

32 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:38:03.16 lyrZvaSm0 21/178

キリカ「ふむふむ、この様子だとまだ魔女は孵化していないようだね」

独り言をつぶやきながら、中枢を目指して歩いて行く。
と、その途中。

ほむら「く、呉キリカ!?」

キリカ「ん?」

誰かに名前を呼ばれたキリカは、辺りを見回す。
声の主は、キリカの頭上にいた。

33 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:38:45.59 lyrZvaSm0 22/178

キリカ「キミは、えーと……暁美ほむら、だっけ」

ほむら「くっ……何をしに来たの!?」

キリカ「何を?ふふ、聞きたいのかい?」

キリカはあくまでいじわる程度の意味合いで、笑って見せる。
その顔を見たほむらが、忌々しそうに顔をしかめた。

キリカ「まぁ、今日のターゲットはキミじゃない。先を急がせてもらうよ」

ほむら「ま、待ちなさいっ!!」

ほむらの言葉に耳を貸さず、キリカは更に奥へと向かう。

34 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:39:40.85 lyrZvaSm0 23/178

キリカ(あ、でもあの状態だったなら暁美のパンツを狩るの、簡単だったんじゃないかな……)

足を止め、振り返る。

キリカ(……まぁ、いいか。織莉子は暁美については何も言っていなかったし)

再び前に向き直ると、複数の使い魔がキリカの前に姿を現していた。

キリカ「おっと、そうこうしているウチに魔女が孵化してしまったようだね。わたしも急がないと」

地を蹴り、使い魔をすれ違いざまに鉤爪で切り刻みながら奥へと向かう。

35 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:40:47.31 lyrZvaSm0 24/178

キリカ(ここが、中枢だね)

辺りに視線を巡らす。
今回のターゲット、巴マミがマスケット銃を構えている。
そこから少しだけ離れた場所。そこに、美樹さやかと鹿目まどかがいるのもキリカは確認した。

キリカ(織莉子の指示では、確か……)

この魔女を相手に、マミは窮地に陥る。

キリカ(そこが狙い目、だったっけ)

マミと魔女の戦いを見守る。

36 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:42:28.41 lyrZvaSm0 25/178

マミ「これで終わりよ!!」

マミが魔女をリボンで拘束し、召喚した大砲を撃ち放つ。

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

撃ち放った大砲は、魔女の体を撃ち抜いた。

さやか「いやったぁぁ!!」

すると、その魔女の体がぐにゃりと歪み、口から大きな体が出て来た。

マミ「………えっ?」

37 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:43:16.70 lyrZvaSm0 26/178

キリカ(今だっ!!)

時間遅延の魔法を行使し、マミに急接近する。

まどか「あ、あの人誰っ!?」
キリカ(手早く……ずり下ろすっ!!)

気取られないように背後に接すると、スカートをたくしあげてパンツをずり下ろした。

マミ「きゃあああああっ!!?」

魔女の急接近に呆然としていたマミが、急にしゃがみ込む。

マミ「な、何!?何が起こったの!?」
さやか「マミさんっ!後ろ、後ろに誰かいます!!」

しゃがみ込んだことで、魔女の噛みつき攻撃を回避していた。

38 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:44:19.35 lyrZvaSm0 27/178

キリカ「巴マミのパンツ、ゲットぉぉ!!」

キリカは手を掲げる。
その手には、黒いレースのパンツが握られていた。

マミ「だ、誰あなたは!?って、そ、それ……」

キリカ「わたしの目的は果たした!退散を決め込むよ!!」

魔女とマミ、その他色々なことをほっぽり出して、キリカは逃げだした。

39 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:45:12.69 lyrZvaSm0 28/178

マミ「ま、待ってええええっ!!」

スカートを押さえながら立ち上がり、キリカに向けて手を伸ばす。

さやか「な、何がどうなってるの……?」

まどか「わ、わかんないよ……急に、あの黒い人が現れたかと思うと、マミさんのパンツを……」

まどかとさやかは、呆然としていた。

シャルロッテ「グアアアアア!!」

マミ「っ、あなたに構っている暇はないのよ!!」

40 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:46:24.11 lyrZvaSm0 29/178

―――――
―――


キリカ「案外簡単だったね!」

結界の外を目指しながら、キリカは高らかに笑う。
織莉子の指示はやはり完璧だ、と感動していた。

ほむら「! く、呉キリカ!マミはどうしたの!?」

キリカ「ああ、暁美。そういやキミがいたんだったね。モノのついでだ、解放してあげるよ」

走りながら跳躍し、ほむらの体を拘束していたリボンを切り刻む。

41 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:47:58.98 lyrZvaSm0 30/178

ほむらよりも先に着地すると、なおも出口へ向けて走り続ける。

ほむら「………なんなのよ、一体……?」

ほむらは、その後ろ姿を呆然と見送っていた。

ほむら「そ、そうだ!呉キリカの事よりも、巴マミを……!?」

結界の奥を目指そうとしたところで、結界が崩壊を始めていた。

42 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:48:42.60 lyrZvaSm0 31/178

~~~

マミ「うぅっ……」

さやか「ま、マミさん、大丈夫ですか?」

マミ「スースーするわ……一体なんなのよ……」

魔女を倒したマミは、魔法少女の姿から制服姿へと戻る。
スカートの裾を押さえ、涙目になっている。

まどか「で、でも、あの人、マミさんの窮地を救ったようにも見えたんですけど……」

さやか「まさかぁ!?だって、マミさんのパンツ持ってったんだよ!?」

マミ「い、言わないで美樹さんっ!!」

43 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:49:27.14 lyrZvaSm0 32/178

ほむら「……無事、だったのね、巴マミ」

マミ「あ、暁美さん……そうだ!あなたを拘束している時に、誰かが通りがからなかった!?」

ほむら「ええ……呉キリカが、通りかかったわ」

さやか「呉キリカ?」

まどか「だ、誰?」

ほむら「………わたしの敵、だと思ったのだけれど……」

44 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/28 21:50:38.41 lyrZvaSm0 33/178

マミ「なんでも良いわよっ!何が目的なのよ、あの人は!」

ほむら「何かされたの?」

マミ「魔女と戦っている時に、後ろからわたしのパンツを……っ!」

ほむら(パンツ?)

マミ「な、なんでもないわっ!」

ほむら(……何が目的なのかしら……呉キリカ)

Target1 巴マミ 完了

62 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:32:57.44 uouavesF0 34/178

~~~

キリカ「ただいま、織莉子!」

元気よく玄関のドアを開け、キリカが帰って来た。
この様子から察するに、最初の目的は達成できたようだ。

織莉子「お帰りなさい、キリカ。どうだった?」

キリカ「ああ、ばっちりだ!」

嬉しそうに、手に握られていたものを見せて来る。

織莉子「さすがね、キリカ。首尾はどうだったの?」

キリカ「織莉子の言うとおり、魔女にやられそうになったところで乱入、さくっと狩ってこれた」

63 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:33:42.65 uouavesF0 35/178

織莉子「巴マミは?生きているの?」

キリカ「うん?ああ、わたしが後ろから狩った時に、しゃがみ込んだことで攻撃を回避したようだね」

織莉子「そう……思惑通り、ね」

キリカ「? まぁ、いいや。それで、次のターゲットは?」

織莉子「ええ」

キリカの言葉に返事をして、再び眼を瞑る。

織莉子「………次の決行は今日より二日後。今度はゆまちゃんの協力が必要ね、これは」

キリカ「二日後っていうことは、明日一日は猶予があるんだよね?なら、明日ゆまと接触すれば大丈夫かな」

織莉子「そうね、そうしましょう」

64 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:35:09.07 uouavesF0 36/178

~~~

翌日。杏子と行動を共にしているゆまに接触するべく、キリカは風見野へとやってきていた。

キリカ(んー……と。こっちかな)

魔力の発する場所を探しながら、歩きまわる。
20分ほど歩いたところで、二つの魔力反応を見つけることが出来た。

場所は廃教会前。その建物に中に、二人はいるようだった。

キリカ(佐倉と接触するわけにはいかない……テレパシーでゆまだけに話しかけてみよう)

キリカ〈聞こえるかい、ゆま?聞こえるなら―――〉

65 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:36:14.10 uouavesF0 37/178

~~~

ゆま「……っ?」

杏子「ん?どうかしたか、ゆま?」

ゆま「う、ううん、なんでもない」

ゆま(声……?この声は、キリカお姉ちゃんかな?)

キリカ〈返事は出来なくてもいい。一人で、建物の外に出てきて欲しいんだ〉

ゆま(建物の外……?)

ゆま「ごめん、キョーコ。ゆま、ちょっと外の空気吸って来る」

杏子「あ、あぁ」

外へ出て行くゆまを、杏子は複雑そうな顔で見送る。

杏子(気ぃ遣わせちまったかな……)

66 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:36:47.70 uouavesF0 38/178

~~~

ゆま「えーと……」

キリカ「来てくれたね、ゆま」

ゆま「あっ、キリカお姉ちゃん!どうしたの?」

キリカ「ああ、実は……」

キリカは、ゆまに協力して欲しいと言うことを簡潔に説明した。

67 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:37:32.55 uouavesF0 39/178

ゆま「見滝原……隣町、だよね?」

キリカ「ああ。わたしと織莉子は、その街を拠点にしてるんだ。出来れば、ゆまと佐倉にも見滝原に来て欲しいんだけど……」

ゆま「んー……キョーコに相談してみる」

キリカ「助かるよ」

ゆま「とりあえずは、明日ゆまだけキリカお姉ちゃんについて行けばいいのかな?」

キリカ「そうだね、そんな感じで。ああ、後、テレパシーのやり方も教えておくよ」

ゆま「てれぱしー!すごい!魔法少女ってそんなことも出来るんだ!」

68 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:38:04.98 uouavesF0 40/178

―――――
―――


キリカ「それじゃ、明日、織莉子の家まで来てくれよ、ゆま」

ゆま「うん!またね、キリカお姉ちゃん!」

ゆまは元気よく手を振りながら、教会の中へと戻って行った。
それを見送り、キリカも帰路に着く。

69 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:38:49.42 uouavesF0 41/178

その頃、織莉子は織莉子で別行動を取っていた。
上条恭介の入院している病院の近く。その路地裏で、魔法少女姿に変身する。

織莉子「そして、これを、と……」

自身の武器である水晶をひとつ取り出し、その上に『ある物』を乗せる。
その水晶を操り、恭介の病室へと送り出す。

70 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:39:41.57 uouavesF0 42/178

恭介「ふわぁぁ……日中は本当に暇だな……ん?」

読書を中断して外を眺めていた恭介は、自身の病室へ向けて飛んでくる水晶をその視界に捉えた。

恭介「なっ、なんだ!?」

織莉子の操る水晶は、開いている窓から恭介の病室へ侵入。

恭介「う、うわ、うわああぁぁっ!!?」

恭介の叫びなど意にも解さず空中を漂う、「彼から見れば」異様な物体。
それは、上に乗っかっている『ある物』を落とすと、Uターンで外へと戻って行く。

恭介「…………な、なんなんだ、あれは……。夢、かな……はは、日々のリハビリで僕も疲れてるんだな、きっと」

無意識のウチに水晶が落とした『ある物』を引き出しにしまうと、恭介は横になり目を瞑った。
きっとこれは悪い夢に違いない、と自身に言い聞かせながら。

71 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:40:49.34 uouavesF0 43/178

織莉子「お疲れ様」

戻って来た水晶を手に取り、それを魔力へと還元する。

織莉子(これで明日のお膳立ては完了、ね)



そして、夜。
織莉子とキリカは、明日の作戦を立てていた。

キリカ「それで、織莉子。次の決行場所はどこだい?」

織莉子「次も、病院ね。今回は、病院の建物の中。部屋番号は……―――」

キリカ「ん、了解だ」

Target2 美樹さやか

72 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:42:02.53 uouavesF0 44/178

おまけ1:シャルロッテ戦後の巴マミ

マミ「うぅっ……」

まどか「ま、マミさん、元気出して……」

さやか「あっ、そ、そうだ!ホラ、マミさん!マミさんって、リボン出せるじゃないですか!
     それでグルグル巻きにしちゃえば、とりあえずは家まで凌げるんじゃないんですか?」

マミ「! さすがよ、美樹さん!その発想は無かったわ!」

まどか(マミさんかなり天パッてるみたい……)

73 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:42:49.94 uouavesF0 45/178

マミがリボンを出している途中、ほむらはさやかに話しかける。

ほむら「美樹さん、巴マミに一体何があったの?」

さやか「え?あ、あぁ……さっき現れた、その、キリカ?って人に、パンツを持ってかれて……」

ほむら「えっ?ど、どういうこと?」

さやか「あ、あたしもよくわかんないんだけど……どうやらそれが目的だったみたいでさ……」

ほむら(本当に何が目的なの……?バックに美国織莉子がいるのはまず間違いないでしょうけど……)

74 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:43:20.50 uouavesF0 46/178

さやか「っつーか気安く話しかけないでよ。あんた、マミさんが戦ってる時にどこで何をしてたのさ?」

まどか「さ、さやかちゃん……ほむらちゃんは、マミさんに拘束されてただけなんだよ」

さやか「! ………」

ほむら「言い訳をするつもりはないわ」

さやか「いや、あの……なんか、ゴメン」

ほむら(普段からそれくらい素直ならいいのに……)

75 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:44:36.80 uouavesF0 47/178

マミ「お待たせ、みんな!とりあえず、応急処置は完了よ!」

まどか「あ、マミs」

さやか「」

マミ「? どうかした?」

まどか「い、いえ……なんでも……あ、あはは……」

さやか(見てられない……)

ほむら「スカートの裾からリボンの端が見え隠れしているわよ、巴マミ」

まどか・さやか(ほむらちゃん(転校生)、直球!?)

マミ「うぐっ…仕方ないじゃない……家まで帰れば、換えの下着があるわ。それまでもてばいいのっ!」

76 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:45:24.67 uouavesF0 48/178

マミの家―――

マミ「ただいまー……」

QB「おや、おかえりマミ。どうやら、無事魔女を倒せたようだね」

マミ「無事……ね。そうね、一応無事と言えば無事ね」

QB「?」

マミ(窮屈で仕方ないわ……早く換えの下着を、っと)

寝室へ向かい、寝巻きに着替えるのと同時に下着も着用する。

77 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/29 20:46:08.30 uouavesF0 49/178

QB「何かあったのかい?」

マミ「……ねぇ、キュゥべえ。この街に、わたし以外の魔法少女なんているの?」

QB「ああ、つい最近ね、二人ほど契約したよ」

マミ「ど、どうして教えてくれないのよっ!」

QB「他人に口外しないでくれってその人たちに言われていてね。そんなことを聞いて来ると言うことは、はち合わせたのかい?」

マミ「わたしが魔女と戦っている時に……背後から、こう、ガバっと……と言うか、ズリッ、と言うか……」

QB「何を言いたいのかわからないよ……」

マミ「とっ、とにかく!その二人、名前を教えてちょうだい!後輩の前で散々恥を掻かせてくれたお礼をしなきゃならないの!」

QB「ああ、彼女達の名前は―――」

おまけ1:シャルロッテ戦後の巴マミ 終わり

86 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:15:33.09 5o+chrA10 50/178

翌日、夕方。
美国の家に、一人の訪問者があった。

キリカ「いらっしゃい、ゆま」

織莉子「待っていたわ」

ゆま「うん!それで、きょーりょくしてほしいことって、なに?」

織莉子「キリカについていってくれればいいわ。詳しい指示は、キリカに伝えてあるから」

キリカ「そういうことだ、ゆま。行こうか」

ゆま「うん、いこー!」

織莉子「今回は裏でわたしも動くから、よろしくね、キリカ」

キリカ「了解。気をつけてね、織莉子」

キリカとゆまが並んで出て行くのを見送った後、織莉子も行動を開始する。

織莉子(町外れの……廃工場だったわね)

87 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:17:06.45 5o+chrA10 51/178

病院の中へと入ったキリカとゆまは、とある一室へと向かう。

『上条恭介』

そう書かれた病室の前に立ちつくす二人。

キリカ「個室とか……どれだけのおぼっちゃんなんだ?」

ゆま「ここで、なにかするの?」

キリカ「ああ。いいか、ゆま。わたしの言うことをちゃんと守ってくれよ……」

88 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:18:24.20 5o+chrA10 52/178

病室の中では、さやかと恭介が話をしていた。

さやか「ね、ねぇ、恭介。何、聴いてるの?」

恭介「……亜麻色の髪の乙女」

さやか「ああ、ドビュッシー?いい曲だよねぇ……」

さやかは必至に恭介に語りかける。
恭介はそんなさやかの言葉を聞き流し、常々疑問に思っていた事を口にする。

恭介「さやかはさ。僕をいじめているのかい?」

さやか「……えっ……?」

恭介「なんで今でも僕に音楽なんて聴かせるんだ。嫌がらせのつもりなのか?」

さやか「いや、だって、恭介、音楽好きだし……」

恭介「っ……もう聴きたくなんてないんだよ!!自分で弾けもしない音楽なんて!!」

叫びながら、左手をCDのケース目掛けて振り下ろす。

89 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:19:28.86 5o+chrA10 53/178

キリカ「おっとっ!」

さやか・恭介「!?」

その左手がケースに直撃する前に、キリカによって止められていた。

恭介「だ、誰だキミはっ!?」

さやか「あっ、あんた昨日の!」

キリカ「ゆま!やっちゃってくれ!」

ゆま「え、ええと、ホントにいいの?」

キリカの言葉に、動揺を見せるゆま。

90 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:20:09.40 5o+chrA10 54/178

キリカ「どの道わたしが止めていなければ、これは砕けていたんだ。構うことはない、全力でやれ!」

ゆま「う、うん!えいっ!!」

キリカの言葉を受け、その手に握っていたハンマーでCDケースを盛大に叩き割った。

恭介「なっ、なんなんだ一体キミ達は!?」

キリカ「ゆま!キミはもう行っていていいよ!後はわたしの仕事だ!」

ゆま「わ、わかった!ごめんなさい、お兄ちゃん、お姉ちゃん!」

さやかと恭介に謝罪の言葉を残し、ゆまは病室から出て行く。

91 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:21:11.55 5o+chrA10 55/178

キリカ「ふぅ……さて」

ゆまが無事出て行くのを見送ったキリカは、握っていた恭介の左手を解放した。

キリカ「ダメだよ、少年。手は大事にしなきゃあ」

恭介「大事になんてっ……する意味はもうないんだっ……!!」

さやか「恭介っ……」

キリカ「ああ、いや、シリアスとかそういうのいらないから」

ベッドを挟んだ向かい側にいるさやかの方へと歩いて行く。
さやかは恭介に背を見せる形で、キリカと向かい合う。

92 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:22:11.83 5o+chrA10 56/178

さやか「な、なんだよっ?」

キリカ「キミ、まだ契約はしていないんだね?」

さやか「あんたには関係ないだろ!?放って……」

キリカ「てやっ!!」

さやかが最後まで言い終える前に、素早くしゃがみ込んでさやかのパンツをずり下ろした。

さやか「うああああああっ!!?な、何すんのさあああああっっ!!??」

反射的に、キリカの顔面を蹴り飛ばそうとする。
が、その右足は虚しくも空を切るだけだった。
さやかのパンツを回収し終えると同時、素早く距離を取ったのだった。

93 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:23:03.14 5o+chrA10 57/178






恭介「 っ っ ! ! ! ! 」







94 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:24:04.27 5o+chrA10 58/178

キリカ「これにてミッションコンプリート!後は二人でよろしくやりな!」

またも高らかに笑い声を上げ、左手にはさやかが履いていた飾り気のない白いパンツを握って病室から逃げて行く。

さやか「ちょっ、ちょっ!!待ってよおおおおおっ!!」

スカートの下は何も着用していない状態となった為、走って追うことすら出来なかった。

さやか「あ、あぁぁ……」

呆然とキリカを見送ることしか出来なかったさやかは、その場に立ちつくす。
恭介は恭介で、とある一部分から目を背け続けていた。

さやか「何なのよぉ……」

95 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:25:00.22 5o+chrA10 59/178

恭介「さ、さやか?」

さやか「……っ!!」

背後から声を掛けられたさやかは、恐る恐る恭介の方へ向き直る。

さやか「あ、あはははっ……」

さやかは、顔を真っ赤にして苦笑いをするしかなかった。
それに対し恭介は、非常に言いずらそうに口を開いた。

恭介「え、ええっと……す、スカート」

さやか「え?」

96 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:25:41.04 5o+chrA10 60/178

恭介「………っ」

さやかからは恭介の顔を真正面に捉えることは出来なかったが、恭介の顔もさやかと同じく真っ赤だった。
そこから、先が言えない。

さやか「………?」

疑問に思ったさやかは、自身の腰に手を当てる。
と、気付いた。

さやか「……??」

背中側のスカートの裾が、上着に入りこんでいた。
つまりは、めくり上がっている状態。
そして、スカートの下は……今は、ノーパンなのである。
ここでさやかが思いだすのは、先程の位置関係。

97 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:26:19.66 5o+chrA10 61/178






さやか「…………! ! ! ! ! ! ! ! 」






98 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:28:02.00 5o+chrA10 62/178

つい先ほどまで、さやかは恭介に背を見せていた。
そう、背中側のスカートがめくり上がり、パンツを履いていない状態で。

恭介「あ、あはは……」

さやか「み、み、み………見た、の……?」

恭介「……………………………ゴメン」

さやか「う……うわ……うわ…………うわあああああああああああああああああっっっっっ!!!?!?!?!?」

パニックを起こすさやかに、何も言うことが出来ない恭介。
この一室は、しばしの間混沌と化すことになるのだった。

99 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/05/31 00:30:14.63 5o+chrA10 63/178

―――――
―――


キリカ「ありがとう、ゆま!助かったよ!」

ゆま「う、うん!キリカお姉ちゃん、その手に何を持ってるの?」

走りながら、キリカとゆまは話をしていた。

キリカ「ああ、これかい?今回の戦利品さっ!」

ゆま「……?」

Target2 美樹さやか 完了

107 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:12:57.24 jocaof+I0 64/178

~~~

その頃織莉子は、見滝原の町外れ、廃工場へとやってきていた。

織莉子(魔女の口づけで人が集まっているようね……)

廃工場の中へと足を踏み入れる。
そこに、目当ての人物がいた。

まどか「仁美ちゃん、正気に戻ってよぉっ!」

仁美「うふふふ、何も恐れることはないですわよ鹿目さん」

織莉子(………)

物陰に隠れ、成り行きを見守る。
まどかは人ごみの中心に据えられていたバケツを窓から放り投げると、物置きへと逃げ込んだ。

108 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:14:12.98 jocaof+I0 65/178

ガチャリ、と音が響く。内側からカギを掛けたようだった。

織莉子(……さて)

群がる人から少し距離を置いて、織莉子は魔女結界の居場所を探し始める。

まどか「ど、どうしよ、どうしよ、どうしよ!?そっ、そうだ、マミさん……は、ダメかな、えと、それじゃ……」

携帯を片手にオロオロとしていたところで、魔女が姿を現した。
まどかは、その結界に飲み込まれる。

織莉子(見つけた……待っていて、鹿目まどか……わたしも、今行く)

結界の入り口を見つけ出した織莉子も、結界内へ入り込む。

109 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:14:49.46 jocaof+I0 66/178

結界の中を、まどかはふわふわと漂っていた。
複数の使い魔が、その周りを飛びまわる。
織莉子は、自身が召喚した水晶の上に乗り、自由自在に結界の中を飛び回ることが出来ていた。

まどか「いやああああああ、だ、誰か助けてええええええっっ!!」

まどかのその言葉を聞き、織莉子は複数の水晶を撃ちだした。
撃ち放った水晶は、まどかの周りを飛び回っていた使い魔を次々と葬って行く。

まどか「え、えっ!?」

織莉子「大丈夫、今助けますよ、鹿目まどか」

まどかを庇うようにして、織莉子は前に出る。

110 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:15:45.27 jocaof+I0 67/178

織莉子「……『魔晶乱舞』」

あくまで冷静に、織莉子は使い魔に相対する。
二つの水晶は、織莉子の手と動きを連動させて使い魔に攻撃を放つ。

やがて、遥か頭上から魔女が姿を現した。

織莉子「悪いけれど、無駄に戦闘を長引かせるつもりはないわ」

両手を左右に大きく広げると、勢いよく両の手を合わせる。
その動きと連動していた二つの水晶が、魔女を挟撃する。

エリー「アハハ……ガガガ……」

織莉子「……」

胸の前で握った手を、今度は頭上に掲げる。
二つの水晶は魔女の体から浮遊して行くと、重なり合い、ひと際大きな水晶に姿を変えた。

111 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:16:48.35 jocaof+I0 68/178

織莉子(ええと、確か……)

織莉子「こ、コホンっ!」

何かを思い出しながら、ひとつ咳払い。

織莉子「……こ、これでトドメだああぁぁぁ!!」

恥ずかしそうにそう叫ぶと同時に、握った両手を下に振り下ろした。
大きな水晶は、その振り下ろした両手と同時に魔女の頭上から急降下する。
水晶は魔女の体にぶつかり、その勢いを衰えさせずに地へと落ちて行く。
地面に接したところで、織莉子は握った両手を離した。
大きな水晶が、魔女の体もろとも爆ぜた。

112 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:17:24.15 jocaof+I0 69/178

―――――
―――


まどか「え、ええと……あ、ありがとうございますっ!」

織莉子「気にする事はないわ。わたしは、シナリオ通りに動いただけ」

まどか「し、シナリオ通りって……」

織莉子(……ここで、鹿目まどかのパンツを……いえ、まだ時期ではない)

鋭い目つきで、まどかのスカートを射抜く。

まどか「っ……」

まどかは二、三歩後ずさり、スカートの裾を握る。

113 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:18:00.99 jocaof+I0 70/178

まどか「こ、この街にマミさんやほむらちゃん以外にも、魔法少女さん、いたんですね」

織莉子「わたしはつい最近契約したばかりだけれどね」

まどか「そう、なんですか?」

織莉子「ええ。……っ!いけない、ここに長居するわけにはいかないわ」

まどか「えっ?」

織莉子「それでは鹿目まどか、ごきげんよう」

織莉子は再び自身の召喚した水晶の上に乗り、窓から夜の空へと飛んで行った。

114 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:18:37.98 jocaof+I0 71/178

ほむら「まどかっ!!大丈夫だった!?」

マミ「魔女はどうしたの、鹿目さん!?」

織莉子が窓から出て行ったのと入れ替えに、ほむらとマミが廃工場へやって来た。

まどか「ほむらちゃん、マミさん!ええと、よくわかんないんだけど、わたしの知らない魔法少女が来て、魔女をやっつけちゃって……」

ほむら「……まさか、白い魔法少女?」

まどか「う、うん。ほむらちゃんの知ってる人?」

ほむら「やはり、美国織莉子……」

マミ「っ! 美国織莉子?」

115 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:19:10.27 jocaof+I0 72/178

ほむら「知っているの、マミ?」

マミ「キュゥべえから聞いたわ。最近この街で契約した二人の魔法少女。美国織莉子に、呉キリカ」

ほむら「………」

マミ「も、もしかして、鹿目さん……その美国さんに、パンツを持ってかれたりとかは……?」

ほむら「!?」

まどか「い、いえっ!そんなことは、されませんでしたけど……」

ほむら「………何か、目的とかは口走っていなかった?」

まどか「うーん……特には……あ、でも、シナリオ通りとかなんとかは言ってた、かな」

マミ「……随分と、謎の行動を取るのね」

116 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:20:44.39 jocaof+I0 73/178

ほむら「マミ、万が一ということがある。わたしの事を完全に信用出来なくても、構わない。
     その二人が何かをしでかそうとした時、わたし一人では手に負えないかもしれない。共闘……出来ない?」

マミ「そうね……わたしも、一対二じゃちょっと不安ね。暁美さん……信用、させてもらうわ」

ほむら「!」

マミはほむらに、握手を求める。
ほむらはそれに答えた。

まどか「よかった……二人とも、仲良くやってね?喧嘩しちゃダメだよ?」

ほむら「ええ、わかっているわ……」

マミ「今後わたし達に害を及ぼそうとした場合は、放っておけないわね」

既に一度出し抜かれているマミの言葉には、それ相応の重みが圧し掛かっていた。

117 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:21:29.11 jocaof+I0 74/178

おまけ2:狩られ後のさやかと恭介

さやか「あ、あぅあぅあぅ……」

恭介「………」

二人はかなり気まずかった。
何しろ不可抗力なのだから。

恭介「き、今日の事は、忘れよう。ね、さやか?」

さやか「………」

恭介の提案に、少しだけ頷く。
完全に元気を失っていた。

118 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:22:19.15 jocaof+I0 75/178

恭介「あ、あー……そう言えば……」

ふと、恭介は昨日の珍妙な出来事を思い出していた。

恭介(いや、でもあれは、夢だったんじゃ……?)

疑問に思いながら、無意識のウチにしまった『ある物』が入っている引き出しを開ける。
その中には、やはり『ある物』が入ったままだった。

恭介(やっぱり、夢じゃなかったのかな……)

それを取り出し、さやかに差し出す。

恭介「さやか、これ……」

さやか「……?」

俯いていた顔をあげ、差し出された物を見る。

119 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:23:29.63 jocaof+I0 76/178

恭介の手には、女性物の新品の下着が握られていた。
水色ベースに、白い水玉模様のパンツ。

さやか「…………………………………………………何これ」

ひとしきり沈黙した後、ようやく絞り出せた言葉がそれだった。

恭介「い、いや、違うよっ?これはその……」

言い訳をするかのように、恭介は必至にさやかに言い聞かせる。
昨日の昼間に起こった、わけのわからない出来事。

さやか「恭介………」

恭介「な、なんだよその目はっ!?僕は何も嘘は言ってないぞっ!?」

さやか(……まぁ、でも、確かに恭介がそう都合よく女物の下着を持ってるとも考えにくいよね……と言うか、考えたくないよ……)

120 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:24:05.54 jocaof+I0 77/178

恭介「とにかく、下着をつけないまま帰るわけにもいかないだろ?だから、それ、履いて行きなよ」

さやか「そ、それじゃ、その……」

恭介「ぼっ、僕は外を眺めてるからっ!」

グリンッ、と音がするのではというほどの勢いで首をひねり、窓から外を眺める恭介。
それを確認したさやかは、恥ずかしそうにしながらゆっくりとそのパンツを着用した。

さやか「あ、ありがと、恭介。もういいよ」

恭介「あ、あぁ、うん……」

121 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:24:44.22 jocaof+I0 78/178

一度視線を逸らすと、まともにさやかの顔を見れそうに無い。
その為、許可が取れたにも関わらず恭介は変わらず外を眺めつづけていた。

さやか「あ、あたし、今日はもう帰るね」

恭介「き、気を付けてね……」

さやか「うん……ゴメン、ね、恭介。もう、CD、持ってこないから」

恭介「………」

おまけ2:狩られ後のさやかと恭介 終わり

122 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/01 01:25:11.98 jocaof+I0 79/178

織莉子「え?上条くんの部屋に送り届けたパンツ?」

織莉子「わたしなりにさやかさんに合いそうなものを選んだだけです」

織莉子「他意はありませんよ、ふふふ……」

139 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/02 22:18:59.91 uY3wMrgd0 80/178

織莉子「ただいま……っと」

キリカ「織莉子!今日は織莉子の方が遅かったんだね」

家の中へ入ると、心配そうな顔をしたキリカが迎えてくれた。

織莉子「キリカ。ええ、ちょっと、ね。そちらの進捗はどうだったの?」

キリカ「ふふん、問題ないよ。美樹さやかも完了だ」

キリカと互いの進捗を話し合いながら、居間へとやってくる。

140 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/02 22:20:12.68 uY3wMrgd0 81/178

織莉子「二人の様子はどうだった?ちゃんと、引っ掻きまわしてきた?」

キリカ「そりゃあもう。あれだけ混乱させておけば、さやかが契約することもないんじゃないかな」

織莉子「いい感じね。ゆまちゃんと佐倉杏子の方は?」

キリカ「ああ、別れ際にゆまに聞いたよ。最初は佐倉も渋ったようだけど、見滝原に来てくれるってさ」

織莉子「順調、ね」

キリカ「二人のパンツは洗って干してある。次のターゲットは、誰になるんだい?」

織莉子「そんなに焦らないで。今、紅茶を淹れるわ」

台所へ向かい、紅茶とお茶菓子の用意をする。

141 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/02 22:21:29.26 uY3wMrgd0 82/178

織莉子「お砂糖は何個?」

キリカ「ふっ……ひとつで十分だ」

織莉子「あら、ホントにいいの?無理をする必要はないのよ?」

キリカ「わたしは日々大人の階段を登っているんだ、ひとつで十分っ!」

キリカの背伸びしたような言動に苦笑しながら、二人分の紅茶を淹れる。
居間の椅子に座り、二人きりのお茶会を始めた。

織莉子「ふぅ……」

キリカ「っ……お、おいしいよ、織莉子」

織莉子「おいしいならもっと嬉しそうな顔をして欲しいわね?」

キリカ「はっ……ははっ……香りがたまらないねっ……」

明らかに無理をしているのがわかる。
まぁ、キリカがそれでいいと言ったのだ。わたしの方から無理して砂糖を勧めるのは失礼に当たるだろう。

142 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/02 22:22:10.12 uY3wMrgd0 83/178

キリカ「ところで、織莉子はどこに行ってたんだい?」

織莉子「ああ、そう言えば話はしていなかったかしら?廃工場に、魔女を倒しに行っていたのよ」

キリカ「ま、魔女をっ!?だ、大丈夫!?どこか怪我はしてない!?」

織莉子「ふふ、ありがとうキリカ。大丈夫よ、あっさりと片付いたから」

キリカ「なんでわたしに黙ってそんな危険なことを……」

織莉子「キリカには、狩りの方に集中して欲しかったから。心配しなくても、わたしも無理はしないわ」

キリカ「むぅ……」

不満げな顔をするキリカを嗜め、茶菓子をひとつ口に放り込む。

143 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/02 22:23:08.15 uY3wMrgd0 84/178

キリカ「……まぁ、織莉子がそれでいいと言うのならわたしも何も言わないけれど……」

織莉子「心配症ね、キリカは」

キリカ「織莉子の事を心配するのは当然の事じゃないか!」

織莉子「わたしは幸せ者ね」

キリカの気持ちに感謝しながら、わたしは眼を瞑る。
恐らく、次のターゲットは……。

織莉子「………千歳ゆまは、佐倉杏子と行動を共にしているのよね?」

キリカ「ああ、わたしたちに協力してもらう時以外はそうしているんじゃないかな」

144 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/02 22:24:10.42 uY3wMrgd0 85/178

織莉子「千歳ゆまを側に置いて、佐倉杏子をターゲットにするのは危険ね……」

頭の中で、作戦を練る。
狩りの実行は変わらずキリカにお願いするつもりだから、わたしが二人を引き剥がさないと。

織莉子「キリカ。次の作戦は、少々複雑になるわ。それに恐らく、三つ巴の戦いになる。少なからず危険かもしれないけれど……」

キリカ「なに、どれだけ危険だろうとやり遂げて見せるさ。織莉子は、わたしなら出来ると踏んで作戦を練ってくれるんだろう?ならわたしは、その期待に答えないと」

織莉子「キリカ……わかったわ。少しでも危険が無くなるよう、作戦を練る。次の作戦決行は、今日より三日後。場所は、商店街の路地裏ね………」

Target3 佐倉杏子

156 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:24:34.49 daAoud4Y0 86/178

それから三日後。
巴マミは、使い魔を追って路地裏へと足を運んでいた。

マミ「これで……っ!」

手に持ったマスケット銃を、その使い魔に照準を合わせて引き金を引く。
その攻撃は、どこからか伸びて来た槍に阻止されていた。

マミ「っ! この槍は……っ!?」

杏子「よぅ、マミ。久しぶりじゃん?」

マミ「佐倉さん……っ!」

ゆま「………」

マミと使い魔の間に割って入るようにして、杏子とゆまが地面に降り立つ。

157 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:25:24.45 daAoud4Y0 87/178

マミ「見滝原に、何の用かしら?」

杏子に向き直り、敵意をむき出しにしてマミは言い放つ。

杏子「未だに使い魔まで狩ってるなんて、御苦労なこったな」

マミ「………っ?」

杏子「大体さぁ、―――」

マミの様子などお構いなしに、杏子は話し続ける。
その肝心のマミは、杏子の後ろ、ゆまの方に視線を移していた。
いや、正しくはゆまではない。ゆまの近くに浮遊している、奇妙な物体にだ。


158 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:26:17.51 daAoud4Y0 88/178

ゆま「………?」

ゆまはゆまで、その浮遊している物体―――織莉子の武器である水晶―――を不思議そうに眺めていた。
その水晶には、一枚のメモ紙が貼られていた。

『ゆまちゃん、この水晶に捕まって頂戴。声は出さず、佐倉杏子に気付かれないように  織莉子』

ゆま「……」

そのメモに書かれている通り、ゆまは水晶に捕まる。
と、水晶が浮上を始める。ゆまの体を連れて。
杏子と相対しているマミも、その一部始終を見ていた。
唯一、話を続けている杏子だけが気付いていない状態だった。

159 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:26:45.87 daAoud4Y0 89/178

杏子「―――……おい、マミ。人の話、聞いてんのか?」

マミ「いえ、あの……」

杏子「ンだよ?今更怖気づいたっての?」

マミ「佐倉さん、後ろ……」

杏子「?」

マミの言葉を聞き、杏子は後ろを振り返る。
そこにいたはずの少女、千歳ゆまが忽然と姿を消していた。

160 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:27:17.23 daAoud4Y0 90/178

杏子「あ、あれ?ゆま?どこに行ったんだ?」

マミ「ええと、佐倉さんが話をしている時に……」

キリカ「おっと、そこまでにしてもらおうか!」

マミの言葉を遮り、キリカが水晶と入れ違いに地へ降り立つ。

杏子「っ!誰だ、てめぇ!?」

マミ「あっ、あの時の!?」

キリカ「双方、とりあえず落ち着いてもらおうか!」

それぞれの武器を構えて一触即発状態だった二人を、手で制する。

161 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:27:51.17 daAoud4Y0 91/178

杏子「あぁ?いきなり現れてなんだよお前は?」

マミ「っ……」

キリカ「佐倉は初対面だったっけね。でも、巴の方は、わたしの事を知っているだろう?」

マミ「……ええ。わたしの、敵ね」

杏子「ンだよ、随分とこの街にゃ魔法少女が多いんだな?」

キリカ「巴の方は、今日は用は無い。わたしが用があるのは、佐倉、キミの方だ」

杏子「へぇ?あたしとやろうっての?」

マミ「待ちなさい、佐倉さん。この人……呉さんは、わたしの敵よ」

162 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:28:58.66 daAoud4Y0 92/178

杏子「……ずいぶんと敵意をむき出しにしてんな。なんかあったのか?」

マミ「わ、忘れもしないわ……あの日、わ、わた、わたしのパンツを……っ!」

マミの声が、怒りと恥ずかしさで震える。

杏子(パンツ?)

キリカ(ふむ、なるほどね。巴の時は意表を突いてだったし、美樹はそもそも魔法少女じゃなかったから容易かった。
     けれど、佐倉の場合は違う。この混戦に乗じて、狩ろうって魂胆か)

163 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:29:38.35 daAoud4Y0 93/178

マミ「とにかく!あの時のお礼をしてあげるわっ!そして、目的を洗いざらい吐いてもらおうじゃないの!」

両手を広げて、無数のマスケット銃を召喚するマミ。

杏子「はっ!なんかよくわかんねぇけど、マミもあんたもあたしの敵だ!」

槍を構え、今にも突進を仕掛けようとしている杏子。

キリカ「わたしの目的は佐倉だけど、向かって来るのならキミも相手するよ、巴!」

両手に鉤爪を出現させ、二人に向けるキリカ。
三つ巴の戦いが、始まりを告げていた。

164 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:30:21.19 daAoud4Y0 94/178

~~~

ゆま「お、織莉子お姉ちゃん?ゆまに、何か用?」

織莉子「ええ、わたしとキリカの目的を話しておこうと思って」

地上で三つ巴の戦いが勃発している中、ビルの屋上では織莉子とゆまが話をしていた。

ゆま「目的……」

織莉子「ええ、そう。今わたしたちがしていること……それを、理解しておいてもらわないと」

ゆま「なにをやってるの?」

織莉子「え、えぇ……驚かず、呆れずに、聞いてね?」

ゆま「?」

165 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:31:16.44 daAoud4Y0 95/178

織莉子「実はね……全員で五人をターゲットにしているのだけど……その中に、あなたが行動を共にしている佐倉杏子も含まれているの」

ゆま「それは、最初に会った時にも言ってたよね?」

織莉子「そうね。そして、そのターゲットに何をしているか、という話なのだけれど……」

織莉子はひとつコホンと咳払いをする。

織莉子「……ぱ、パンツ狩り……を、ね」

ゆま「ぱんつがり?」

織莉子「そ、そう!そうなのよ、ええ!」

166 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:31:55.44 daAoud4Y0 96/178

ゆま「それが、何かの目的に繋がるの?」

織莉子「それは……」

二人の会話が、そこで途切れる。

「ぎゃあああああっ!!なにすんだてめぇぇぇぇっ!!?」

ビルの下、キリカとマミと杏子が戦っている場所から、ひとつの悲鳴が響いてきていた。

ゆま「こ、この声!キョーコ!?」

織莉子(キリカ………仕事が早いのは流石だけれど、タイミングが悪いわ……)

167 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:33:14.16 daAoud4Y0 97/178

悲鳴が響いてから数刻の間を置いて、キリカがビルの屋上へと登ってくる。

キリカ「織莉子、佐倉杏子のパンツ、狩って来たよ!」

着地と同時、得意げに手に握った黄色と白の縞々模様のパンツを見せて来る。

織莉子「え、えぇ……」

ゆま「そ、それ……?」

キリカ「?」

キリカの登場から更に少しの間を置いて、杏子とマミも屋上へ上がってくる。

杏子「てめぇ!!あたしのパンツを返せっ!!」

キリカ「おっと、ここまで追って来るとは予想外だった。織莉子、どうする?」

織莉子「と、とりあえず逃げましょうっ!」

168 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:33:59.03 daAoud4Y0 98/178

織莉子はちらりとゆまの方を一瞥する。

ゆま「? ……?」

どうしたらいいのかわからず、ゆまはオロオロとしていた。
マミはと言うと、何故か申し訳なさそうにしている。

杏子「なんだ!?おい、そこの白いの!お前もそいつの仲間か!?」

織莉子「急ぎましょう、キリカ!」

キリカ「ああ!それじゃあね、杏子!せいぜいノーパンで家まで帰るんだね!」

織莉子はキリカを連れて、その場から逃げだす。
キリカは杏子とマミを一瞥し、高笑いをする。

169 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:34:51.45 daAoud4Y0 99/178

杏子「くそっ!待てこの野郎っ!!」

マミ「ダメよ、佐倉さん!スカートなんだから、派手に動いたら、その、見えちゃうわ!」

杏子「な、なんなんだよあいつら!?変態か!?」

ゆま「キョーコ、どうしたの?」

杏子「……あたしのパンツ、持ってかれた」

マミ「………」

ゆま「そ、それじゃあやっぱりキリカお姉ちゃんが持ってたのは……」

織莉子〈ゆまちゃん、わたし達のことは他言無用よ?〉

ゆまが説明しようとしたところで、織莉子のテレパシーがゆまの頭に響いた。


170 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:35:20.89 daAoud4Y0 100/178

ゆま「……!」

杏子「あん?なんだ、ゆま?あいつら、知ってんのか?」

ゆま「え、ええっとね……」

織莉子〈わたしに連れ去られた、と言っておきなさい〉

ゆま「し、白い人に連れ去られただけだよ!」

杏子「……ホントになんなんだ……」

マミ「ごめんなさいね、佐倉さん……結果的に、わたしが手助けをしたような形になってしまって……」

杏子「いや、もういい……」

171 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:35:59.10 daAoud4Y0 101/178

マミ「わたしも、あの人にパンツを持ってかれたのよ……」

杏子「ああ、さっき言いかけたのはその事か…」

マミと杏子は、互いに顔を突き合わせる。

杏子「………あいつら、放置しとくわけにはいかねぇな?」

マミ「そうね」

杏子は無言で、マミに手を差し出す。

杏子「あいつらの目的の把握と、今日のお礼をするまで……あたしらは一時休戦と行こうか」

マミ「!」

204 : 今更だけど>>172修正[sag... - 2012/06/05 00:47:53.08 GdxhvqwQ0 102/178

杏子「勘違いすんなよ?この件が片付いたら、あたしはまた風見野に帰るだけだからな」

マミ「佐倉さん……ええ、それでいいわ。あの人たち……互いに名前を呼び合っていたわね。
   キリカさんに、織莉子さん……あの二人を懲らしめるまで、共闘と行きましょう」

マミは差し出された杏子の手を取り、握手をする。

ゆま「え、ええと……」

杏子「ゆま、お前も一応用心しとけよ。お前も狙われるかもしれねぇんだからな」

ゆま「う、うん」

ゆまは、複雑そうな顔をするしかなかった。

Target3 佐倉杏子 完了

173 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/03 20:38:54.17 daAoud4Y0 103/178

~~~

一部始終を、離れた灯台からほむらが眺めていた。

ほむら(………美国織莉子、呉キリカ……それに、千歳ゆまもどうやら彼女達に協力しているようね)

渋い顔をしながら、ほむらは思考を巡らせる。

ほむら(何を考えているのか……巴マミの時には、魔女との戦いに飛びこんで……結果を見れば、マミは無事だった。
     それに、美樹さやか……彼女から聞いた事を鵜呑みにするのなら、病院にも呉キリカは姿を現した。
     そして、自棄を起こした上条恭介の行動を止めて……結果を見れば、さやかの契約は阻止されている)

しかし、それだけでは彼女達の行動の全てに説明がつかない。
わざわざパンツを狩る必要があるのか?それがほむらには理解出来ないでいた。

ほむら(これで……巴マミ、美樹さやか、佐倉杏子が彼女達の手にかかった。あと、考えられるターゲットは……)

恐らく、自分とまどかの二人だろう。

ほむら(……考えたくないわね。でも、恐らくはわたしとまどかも狙って来る……用心しておかなければ)

特に。わたしのパンツだけは、狩られるわけにはいかない。
用心深く彼女達の動向を探ろう、とほむらは心に決めたのだった。

197 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/04 16:46:54.31 m7Q7T8OI0 104/178

佐倉杏子の狩りを終えたわたしたちは、追跡を振り切って家へと帰ってきていた。

キリカ「うんうん、順調だね!」

織莉子「そう、ね」

わたしの頭に思い描いていた通りに、事が進んでいる。

キリカ「さて、織莉子。これで残るターゲットは二人だよね?」

織莉子「えぇ……」

鹿目まどかと、暁美ほむら。
この二人は、容易にはいかないだろう。

198 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/04 16:47:36.78 m7Q7T8OI0 105/178

キリカ「次は、どちらになるんだい?」

織莉子「そう焦ることもないわ。落ち着いて、ゆっくりと行きましょう」

言いながら、わたしは眼を瞑る。

織莉子「………」

キリカ「どうだい?何が視える?」

織莉子「……町外れの、廃ビル。そこが、次の決行場所ね。今日より一週間後」

キリカ「ふむ、ずいぶんと期間が空くね?」

199 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/04 16:48:51.31 m7Q7T8OI0 106/178

織莉子「巴マミと、佐倉杏子……どうやら、この二人は協力関係になっているみたい。そこに、暁美ほむら……彼女も合流している光景が視えたわ」

キリカ「……と言うことは、次のターゲットは暁美ほむら、かな」

織莉子「そうなるわね。一週間後、そこに現れる魔女を倒した後、暁美ほむらはこの二人と分かれて家へ向かう。そこを襲撃することにしましょうか」

キリカ「さすがに三対二は分が悪いからね、その方がいいと思うよ」

織莉子「この一週間の間、キリカには魔法の修練に励んでもらうことになるわ」

キリカ「うん?どういうことだい?」

200 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/04 16:49:45.87 m7Q7T8OI0 107/178

織莉子「キリカの固有魔法……それは、暁美ほむらの魔法に唯一対抗出来る可能性を秘めている」

キリカ「……暁美も、時間操作の魔法を操る、ということ?」

織莉子「ええ、それも完全なる時間停止。それを行使された場合、今のわたしたちでは手も足も出なくなる」

キリカ「なるほどね……」

織莉子「拡大解釈……ということになるけれど。頑張って、キリカ」

キリカ「了解だ。で、具体的にはわたしはどういう魔法を身につければいいのかな?」

織莉子「よく、覚えてちょうだい。これは、難しい狩りになるわ……―――」

Target4 暁美ほむら

205 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:48:35.80 GdxhvqwQ0 108/178

一週間の時が流れた。
廃ビルの中。そこで、影の魔女に相対する四人の魔法少女がいた。
その様子を、隣の工事中の建物の上から眺めるキリカと織莉子。

キリカ「ふぅん……結構強力な魔女っぽいけど、さすがに四人の魔法少女に囲まれたらひとたまりも無いみたいだね」

織莉子「四人のうち三人はベテランだもの、当然と言えば当然ね」

やがて、結界が崩れ始める。

206 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:49:16.26 GdxhvqwQ0 109/178

杏子「っと……これでこの街で手に入れたグリーフシードゲットはちょうど四つか」

ほむら「そうね。みんなにひとつずつ、これでみんな文句はないでしょう?」

マミ「ええ。……最近、あの二人の活動は行われていないみたいね……」

ゆま「そ、そうみたいだね」

ほむら「……」

ほむら(次はわたしかまどかがターゲットになるかと思っていたのだけれど……杞憂だったのかしら)

207 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:49:50.77 GdxhvqwQ0 110/178

マミ「……っ?」

不意に、マミがビルの窓から空へ視線を移す。

杏子「どうかしたか、マミ?」

マミ「いえ……気のせいだったみたい」

マミの視線の先。工事中の建物の上には、誰もいなかった。

マミ「それじゃあ、帰りましょうか」

ほむら「わたしは家に帰る前に寄るところがある。三人は気にせずに先に帰ってちょうだい」

杏子「? ああ、そうさせてもらうよ。ゆま、行くぞ」

ゆま「うん」

マミ「………」

三人はほむらをその場に置いて、それぞれ帰って行く。

208 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:50:34.16 GdxhvqwQ0 111/178

ほむら「さて……家に帰る前に、まどかの様子を見に行きましょう。もしかしたら、わたしの知らないところで美国織莉子達の襲撃を受けているかも……」

三人を見送ったほむらは、まどかの家に向けて足を延ばす。

その道中。

キリカ「相変わらず、織莉子の未来予知は的確だね」

織莉子「……」

ほむら「……現れた、わね」

キリカと織莉子の姿を確認したほむらは、すぐさま魔法少女姿に変身した。

キリカ「へえ、そうやって身構えると言うことは、わたしたちのやっていることに気付いたってことかな?」

ほむら「そうね。あなたたちが、この街の魔法少女、或いは魔法少女候補を襲撃していることは既に承知済みよ」

209 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:51:16.92 GdxhvqwQ0 112/178

織莉子「なら、わたしたちの次の狙いもわかっているわね?」

ほむら「こうしてわたしの目の前に現れた以上は、ね」

キリカ「ふふ、キミのパンツも、狩らせてもらうよ!」

ほむら「っ……」

ほむらはバックステップで距離を取りながら、時間停止の魔法を発動させる。

210 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:51:44.44 GdxhvqwQ0 113/178

織莉子〈今よ、キリカ!!〉

キリカ〈ああ、わかってるよ!〉

ほむらの時間停止の魔法が発動する直前。織莉子は、キリカにテレパシーで話しかける。
それに答えたキリカが、この一週間の間に練習していた魔法を発動させた。

211 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:52:52.72 GdxhvqwQ0 114/178

と。

キリカ「………どう?織莉子、上手く行ってる?」

織莉子「……ええ、完璧よ、キリカ」

ほむら「っ!!?」

時間停止の魔法を使っているはずなのに、二人の声が響いた。
その声に敏感に反応を示したほむらは、再び距離を取る。

ほむら「ど、どういうこと!?」

何が起こっているのか状況を掴めないほむらが、自身の盾を確認する。
時間停止の魔法は、発動したままのはずだった。

212 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:53:24.01 GdxhvqwQ0 115/178

キリカ「いや、案外うまく行くもんだね」

織莉子「正直、分の悪い賭けだったけれど……上手く行ったようで、安心したわ」

ほむら「ど、どうして動けるの!?確かに、時間停止の魔法は発動しているはずなのに……っ!!」

織莉子「あなたに話すつもりは無い。さあ、行くわよキリカ」

キリカ「ああ!」

二人は、ほむらに飛びかかる。

ほむら「くっ!なぜ、どうして!?」

動揺を隠せないほむらは、二人から距離を取りつつ拳銃を取り出した。

213 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:54:07.94 GdxhvqwQ0 116/178

織莉子「キリカ、少し右に!」

キリカ「!」

ほむらが撃ち放った拳銃の直線上から、二人は退避する。

ほむら「………っ!!」

キリカ「ほら、油断している暇は無いよ!」

地面に着地し、態勢を低くして尚もほむらへと向かうキリカ。

ほむら「くそっ!」

盾の中から手榴弾を取り出し、ピンを引き抜くとキリカへ向けて放り投げる。
それは、ほむらの手から一定距離離れたところで空中で停止する。

214 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:54:39.83 GdxhvqwQ0 117/178

キリカ「無駄だよ!時間停止の魔法を解除しないと、手榴弾は爆発しないし、拳銃の弾だって飛びはしない!」

右手の鉤爪を、ほむらに向けて突き出す。

ほむら「っ……」

間一髪それを回避し、尚も後退を続ける。

織莉子「いつまで、時間停止の魔法を発動し続けるのかしら?あなたの魔力が尽きてしまうわよ?」

ほむら「……あなたたちには、この魔法は意味を成さないようね」

冷静さを取り戻したほむらは、魔法を解除する。
と同時に、撃ち放った拳銃の弾が地面をえぐる。
放り投げた手榴弾も、爆発した。

215 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:55:22.41 GdxhvqwQ0 118/178

キリカ「ふふ……さあ、どうする?」

言いながら、キリカも発動させていた魔法を止める。

織莉子「……」

ほむら(分が……悪い……いえ、でも……)

ほむら「あなたたちの目的は、一体なんなの?」

キリカ「おや?今度は対話を試みるつもりかい?」

ほむら「……」

織莉子「悪いけれど、全て終わるまで話すつもりは無いわ。あなたは黙って、わたしたちにパンツを狩られればいい」

216 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:56:05.46 GdxhvqwQ0 119/178

ほむら「な、何故パンツ狩りなんてわけのわからない事を……っ!?」

キリカ「わからなくってもいいんだよ、キミは!」

キリカはキリカで、今度は使いなれた時間遅延の魔法を発動させてほむらに駆け寄る。

ほむら「く、くそっ!?」

時間停止の魔法が意味を成さないと知ったほむらは、魔法の発動を一瞬躊躇った。
その間に、キリカはほむらの背後に回り込んでほむらを羽交い締めにする。

217 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:56:40.07 GdxhvqwQ0 120/178

ほむら「や、やめなさい!!離せ、離して!!」

キリカ「無駄な抵抗、だね。大人しくしていれば、痛い目には合わせないから」

織莉子「そういうこと、です。ふふふ……」

織莉子は不敵に笑いながら、羽交い締めにされたほむらにゆっくりと近づいて行く。

織莉子「あなたの魔法少女姿には悩まされたわ。タイツを履いているから、スカートをたくしあげてパンツをずり下ろす、ということが出来ないんですもの」

ほむらの眼前まで来ると、しゃがみ込む。

218 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:57:35.88 GdxhvqwQ0 121/178

ほむら「いや、やめて……そ、それだけは……っ!!」

足をジタバタとさせるが、キリカはその足の動きを自身の足で封じる。

織莉子「抵抗は無意味よ……ふふふ」

ゆっくりとスカートの中に手を入れ、まずはタイツを脱がし始める。

ほむら「こっ、こんなことをしてタダで済むと思っているの!?」

キリカ「さて、ね。だが、わたしは織莉子に従うだけだ。キミがなんと言おうと、織莉子がやめると言わない限りはやめないよ」

両手を拘束し、両足を拘束しながらキリカはほむらの耳元で囁く。

織莉子「うふふ……タイツは降ろし終わったわよ?」

ほむら「い、や……やめっ……!!」

織莉子「さて、あなたのパンツはどんなものかしらね……」

焦らすように、スカートをゆっくりとたくしあげる。

219 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:58:18.97 GdxhvqwQ0 122/178

織莉子「あら、随分とかわいらしいパンツを履いているのね。意外だったわ」

ほむら「う、うぅぅっ……!」

ほむらはついに涙ぐむ。
スカートの中から出て来たものは、白地に小さな赤いリボンが中心についたシンプルなものだった。

織莉子「年相応、と言ったところね。あなた、妙に大人びたところがあるからもっと色気のあるパンツを履いていると思ったのだけど」

ほむら「や、やめっ……」

ほむらの制止の言葉など意にも介さず、織莉子はパンツに手を掛けた。
それをゆっくり、ゆっくりと脱がせていく。

ほむら「いやああああああ、やめてよおおおおおおっ!!」

220 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 00:58:58.58 GdxhvqwQ0 123/178

織莉子「作戦、終了ね」

パンツを完全に取り去ると、脱がせたタイツを再び履かせる。
それを確認したキリカは、羽交い締めにしていたほむらを解放した。

キリカ「おや、取り返そうとしないのかい?」

ほむら「う、ううぅ……っ!」

ほむらはその場に力無くへたりこむ。

織莉子「さあ、キリカ。帰りましょうか?これで、残すターゲットは後一人よ」

キリカ「そうだね、織莉子。もう少しで、織莉子の大願が成就するんだね!」

へたりこんだほむらをその場に残し、二人は歩き始める。
穏やかに談笑をしながら。

Target4 暁美ほむら 完了

221 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 01:00:00.24 GdxhvqwQ0 124/178

ほむら「………」

その場でしばし呆然としていたほむらだったが、やがてゆっくりと立ちあがる。

ほむら「……許さない。美国織莉子、呉キリカ……!!!」

怒り心頭と言ったほむらの呟きが、夜の闇へと吸い込まれる。

ほむら「わ、わた、わたしのパンツを……よくも……っ!!!」

拳をギュッと握りしめ、固い決意を新たにする。

ほむら「………とりあえず、まどかの家へ寄るのは諦めましょう……ノーパンであまり外をうろつきたくないわ……」

トボトボと、家へ足を向けた。

222 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 01:01:31.84 GdxhvqwQ0 125/178

おまけ3:織莉子とキリカの魔法談義

キリカ「いや、二人がかりなら楽勝だったね、織莉子!」

織莉子「ええ、そうね。それも、キリカの魔法のおかげよ」

キリカ「それにしても、織莉子の発想力は流石だね。わたしの魔力で、織莉子とわたしの体を包み込むなんて。わたしにはとても思いつかないよ」

織莉子「だって、キリカの魔法は時間遅延の魔法でしょう?それは拡大解釈すれば、周囲の時間から自身の時間を切り取る、と言うことになるじゃない。
     だから、あなたの魔力で体を包み込めば、暁美ほむらの時間停止の魔法からも切り離せるんじゃないか、と思っただけよ」

キリカ「いやぁ、理屈ではそうなんだろうけどさ。あれ?でも、そしたら織莉子の魔法を拡大解釈したらどういう風になるんだろう?」

223 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 01:02:30.42 GdxhvqwQ0 126/178

織莉子「それは、わたしも少しだけ考えているわ。未来を視ると言うことは、ありえる世界を視る、ということにも繋がる。
     つまりどういうことかと言うと……並行世界を視ることも、もしかしたら出来るのかもしれないわね」

キリカ「並行世界?なんだい、それは?」

織莉子「この世は常に、分岐の可能性を持っている、という考え方の事よ。例えば、美樹さやかは今は契約していないわよね?」

キリカ「ああ、そうだね。わたしが契約に踏み切ろうとしていたところに乱入したから、と織莉子は言っていたけれど」

織莉子「そう。もしその時、キリカが乱入していなければ、恐らくその日に美樹さやかは契約していた。
     わたしの未来予知でも、その世界を垣間見ることが出来ていたのよ」

224 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 01:03:37.51 GdxhvqwQ0 127/178

キリカ「なるほどね……それじゃあ、巴マミは?」

織莉子「彼女はもっと悪い。キリカが行っていなければ、美樹さやかと鹿目まどかの目の前で彼女は絶命していた。
     それを助けてあげたのだから、パンツの一枚や二枚で騒がないで欲しいわよね?」

キリカ「ああ、同感だね。命に比べりゃ、パンツの一枚や二枚、どうってことないだろうに」

織莉子「ちょっと話がずれたわね。並行世界とは、そういうありえた世界、と言うことね」

キリカ「ふむ……そういった世界を、織莉子の魔法で視通すことが出来るようになる、と?」

織莉子「修練すれば出来ないことはないでしょうけど……今は、それは置いておきましょう。とにかく、わたしたちの目標を達成させなければ」

おまけ3:織莉子とキリカの魔法談義 終わり

225 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 01:05:40.00 GdxhvqwQ0 128/178

ほむら「わたしのパンツの事だけれど……」

ほむら「みんな忘れてるみたいだけれど、わたしだって普通の中学生だったのよ?」

ほむら「そんな、大人っぽいパンツなんて履いているわけないじゃないの……」

マミ「そっ、そうよね、あ、あははは……」

さやか(マミさん……)

226 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 01:06:19.83 GdxhvqwQ0 129/178

ここまで
まぁ何が言いたいのかって言うと、めがほむ時代からのパンツを履いてるから恥ずかしかったのですね

233 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 19:45:51.48 GdxhvqwQ0 130/178

翌日(ほむループから二十日目)。
ほむらは、自身の家にまどか、さやか、マミ、杏子、ゆまを呼び出していた。

ほむら「来てくれたわね、みんな。知っているとは思うけど、わたしたちのパンツを狩って回っている人たちがいる」

さやか「魔法少女のほむらやマミさん、杏子はわかるけどさ……なんであたしまで狩られたのさ?」

ほむら「あなたにも、魔法少女の素質があるからでしょうね。現在、巴マミ、美樹さやか、巴マミ、そしてわたしがやられている」

まどか「ほ、ほむらちゃんもやられたの!?」

ほむら「ええ……この屈辱は、絶対に晴らすっ……!!」

234 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 19:46:26.43 GdxhvqwQ0 131/178

マミ「暁美さんも、わたしたちの仲間ね。あの二人を、とっちめましょう!!」

杏子「ああ、このまま放っておくわけにはいかねぇ……ぜってぇとっ捕まえてやる」

ほむら「それで、千歳ゆま」

ゆま「っ……!」

ほむら「あなた、彼女達に協力しているわね?」

ゆま「そ、それはええっと……」

杏子「おい、ほむら?ゆまを疑ってんのか?」

235 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 19:48:33.58 GdxhvqwQ0 132/178

ほむら「疑うもなにも、わたしは実際にこの目で見たわ。千歳ゆまが、美国織莉子と親しげに話をしているところを。
     あれは、そう、あなたが狩られた日だったはずよ」

杏子「あん?あたしが?」

ゆま「そ、それは違うよ!?ゆま、なにも聞かされてないもん……」

杏子「……ゆま。お前、あいつらと面識あんのか?」

ゆま「う、うん……わたしたちに、協力して欲しい、とは言われてるんだけど……具体的に、なにをしているのかは、教えてもらってない」

杏子「……つまり、ゆまは利用されてるだけってことか?」

ほむら「その可能性もあるけれど……ゆま。あなたは、杏子の相方なのでしょう?なら、もう彼女達に協力するのはやめなさい。彼女達は、わたしたちの敵よ」

236 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 19:49:36.43 GdxhvqwQ0 133/178

ゆま「う、うーん……」

マミ「あ、暁美さん……あまりゆまちゃんを責めちゃ可哀想よ」

ほむら「っ……わたしのパンツを狩った者に協力しているのだけは、許さない。絶対に……っ!!」

さやか(ねぇ、まどか……なんでほむら、あんなに怒ってるんだろう?)

まどか(わ、わかんない……)

237 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 19:50:32.50 GdxhvqwQ0 134/178

ほむら「ああ、それともうひとつ……これは、魔法少女のみんなに話しておきたいことなのだけれど……」

杏子・マミ・ゆま「?」

ほむら「今日より十日後、この街にワルプルギスの夜が訪れる」

マミ「!」

杏子「ワルプルギスの夜だと!?」

ゆま「な、なにそれ?」

―――ワルプルギスの夜について説明中―――

ほむら「………。彼女達の動向も気になるけれど、ワルプルギスの夜のことも頭に入れておいて」

マミ「ええ、了解よ」

杏子「ちっ、色々考えなきゃなんねぇことが多くって嫌になるな……」

238 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 19:51:42.49 GdxhvqwQ0 135/178

ほむら「当面は、まどかの護衛をしなければならないわ」

まどか「わ、わたしのっ?」

ほむら「ええ。魔法少女の素質を持っているさやかも狙われた、魔法少女であるわたし、マミ、杏子は既に被害を受けている。なら当然、次に狙われるのはあなたよ、まどか」

まどか「し、下着を狩られるのは嫌、かな……」

マミ「鹿目さんまでわたしたちと同じ思いをする必要は無いわ。護衛は必要ね」

杏子「なぁ、ゆまは狙われる心配無いのか?」

ゆま「……」

ほむら「言ったでしょう?ゆまは彼女達に協力している可能性がある、と」

239 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 19:53:18.22 GdxhvqwQ0 136/178

杏子「……まぁ、なんでもいいけどさ。なら、えっと、まどか、だったか?」

まどか「う、うん。鹿目まどか、です」

杏子「お前自身も身の回りには気を配っとけよ?」

さやか「まどかにはあたしがついてるから大丈夫……って言いたいけど、あたし魔法少女じゃないしなぁ……」

ほむら「いえ、それだけでもありがたいわ。万が一わたしたちが側にいないときに現れた場合、さやかは誰でもいい、テレパシーで呼びだしてちょうだい。
     他のみんなは少なからず彼女達に恨みを持っているから、すぐさま駆けつけるわ」

ゆま(なんだかすごい大事になってるよぅ織莉子お姉ちゃん……)

240 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 19:54:32.07 GdxhvqwQ0 137/178

~~~

ほむら達が対織莉子、ワルプルギスへの作戦会議を行っている時。
織莉子とキリカは相対的に、和やかな雰囲気でお茶会を開いていた。

織莉子「はい、今日はちょっと贅沢なハーブティーよ」

キリカ「ありがとう、織莉子」

キリカは織莉子から紅茶のカップを受け取ると、砂糖を三つとジャムをスプーンに三杯、放りこんだ。

織莉子「あら?前はひとつで飲んでいたのに」

キリカ「ああ、もういいのさ。わたしはやっぱり甘いのが好きだから」

織莉子「ふふ、そう。まぁ、あなたが一番おいしくいただける飲み方で飲むのが一番だと思うわ」

キリカ「うん、おいしい!」

キリカの満面の笑みを、穏やかに見つめる織莉子。

241 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 19:56:06.23 GdxhvqwQ0 138/178

キリカ「それで、織莉子」

織莉子「なに、キリカ?」

キリカ「最後の標的……鹿目まどかのパンツ狩り、実行はいつになるんだい?」

織莉子「……彼女の狩りが、一番大変になると思うわ」

キリカ「まぁ、そうだろうね。他のみんなも、わたしたちの事は警戒しているだろうし」

織莉子「だから、彼女の狩りは、タイミングが重要となる」

キリカ「……ふむ」

織莉子「もしタイミングを見誤った場合……わたしもあなたも、全てを失うことになりかねない。それほどまでに、危険よ」

242 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/05 19:57:11.89 GdxhvqwQ0 139/178

キリカ「面白い。やってやろうじゃないか」

織莉子「頼もしいわ、キリカ」

キリカ「全ては……」

織莉子「全ては……」

織莉子・キリカ「あなたの為に」

Final Target 鹿目まどか

250 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:34:26.37 oifb2nVD0 140/178

最後の標的を定めてから、十日後。
ガタガタと鳴る窓を、椅子に座りながら眺め続ける。

織莉子「………ワルプルギスの夜……」

キリカ「来たんだね、ついに」

織莉子「そうみたいね……キリカ」

キリカ「わかっている。これで最後なんだ。絶対に、成し遂げないとね」

見滝原全域に、避難勧告が出されている。
恐らく、一般人である鹿目まどかと美樹さやかは避難所へ行っているはずだ。

織莉子(……そして、仲間を心配した鹿目まどかは……)

そこで思考を中断し、椅子から立ち上がる。
テーブルの上に置いてあるカップに残された紅茶を全て飲み干すと、キリカも立ちあがった。

キリカ「行こう、織莉子」

織莉子「えぇ……」

わたしの、いえ、わたし達の世界を、守る為に。

251 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:35:33.65 oifb2nVD0 141/178

~~~

見滝原を大きく分断している川のほとり。
そこに、四人の魔法少女がいた。

マミ「とうとう……鹿目さんが襲撃される前に、ワルプルギスの夜が来たわね」

杏子「それならそれで構わないさ。さくっとあいつをぶちのめして、織莉子って奴の居所を掴んでやる」

ゆま「織莉子お姉ちゃん……キリカお姉ちゃん……」

ほむら「とにかく今は、目の前の敵を倒すことに集中しましょう!!」

遠い空の向こう。
大きな影がひとつに、その周りには複数の使い魔達。
パレードでも開いているのかと思えるほどの仰々しさで、ゆっくりと近づいて来る。

ほむら「来るわよ、みんなっ!!」

四人の魔法少女は跳躍する。

252 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:36:19.17 oifb2nVD0 142/178

織莉子「………頑張って、みなさん」

キリカ「………」

その様子を、ビルの影から見守る二人。
目的はひとつ、だった。

ワルプルギスの夜と、四人の魔法少女の戦いはまさに激戦と称すのが正しいと言える有様だった。
杏子が巨大化させた槍が、辺りに転がっている。
ゆまが破壊したビルの残骸が、街のあちらこちらに散らばっている。
マミが放った砲撃が、ワルプルギスの夜の体に砂埃を被せる。
ほむらが使い捨てた無数の大砲、ピストルが、そこらじゅうに散らばっている。

253 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:36:58.30 oifb2nVD0 143/178

やがて、ワルプルギスの夜の様子が一変する。

ワルプルギスの夜「キャハハハハハハハ………アハハハハハハハハハハハ……」

マミ「な、何……っ?」

ゆま「今まで逆さまだったわるぷるぎすのよるが……」

杏子「回転……してる……?」

ほむら「気をつけて、みんな!!ここからが正念場よ!!」

ワルプルギスの夜「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」

回転を終えたワルプルギスの夜は、より一層大きな笑い声を放つ。
その両手から、巨大な炎を噴出させた。

ゆま「えぇぇぇいい!!」

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

その炎を、ひとつはゆまが衝撃波で、もうひとつはマミの高火力魔法で相殺させる。

254 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:37:36.86 oifb2nVD0 144/178

織莉子「さすが……やはり、強いわね」

キリカ「………」

戦いが始まってから数十分後。

織莉子「……!」

キリカ「織莉子?」

織莉子「来たわ……鹿目まどか」

避難所へと続く道の向こう。
そこから戦いの舞台へ、走りながら近づいて来る二つの影。
美樹さやかと、鹿目まどかだ。

まどか「みんなぁぁぁ!!」

ほむら「まっ、まどかっ!!?」

ワルプルギスの夜の攻撃を受けて地上へ叩き落とされたほむらが、来訪者の存在に狼狽する。

255 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:38:15.40 oifb2nVD0 145/178

まどか「だ、大丈夫!?」

さやか「すごい傷だよ、ほむらっ!?あ、あのでっかいのがワルプルギスの夜!?」

ほむら「どっ、どうして来たの、二人とも!?ここは危険よ、すぐに避難所に……っ!!」

まどか「ごめん、ほむらちゃん……わたし……」

織莉子「行くわよ、キリカっ!!」

キリカ「ああ!!」

三人がワルプルギスの夜と激闘を繰り広げ、ほむらがまどかと話をしている隙を突いて、織莉子とキリカは動き出した。

256 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:39:12.40 oifb2nVD0 146/178

ほむら「ま、まど……っ!!?」

織莉子「鹿目まどか、射程圏内に捉えたり!!」

キリカ「速やかに狩りへ移行するっ!!」

織莉子とキリカは左右に展開する。

QB「きゅぷっ!?」

挟み撃ちにするついでに、キリカはまどかの近くにいたキュゥべえをさくっと切り裂いた。

まどか「あ、あぁ!!きゅ、キュゥべえ!?」

織莉子「キュゥべえに気を取られている場合ではないわ、鹿目まどか!!」

まどかへ向けて駆ける織莉子の前に、傷を負ったほむらが立ちはだかる。

257 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:39:56.36 oifb2nVD0 147/178

ほむら「この忙しい時に……っ!!」

織莉子「っ、暁美ほむら……その傷で、まだ動けるのね……!!」

キリカ「くっ、美樹さやか!わたしの邪魔をするな!!わたしはキミを殺すつもりは無いんだ!!」

さやか「まどかに手は出させるかぁぁ!!」

織莉子はほむらの、キリカはさやかの妨害を受け、まどかに近づく事が叶わない。

まどか「え、あ、えっと……その、ほむらちゃん?」

ほむら「話は後よ、まどか!!ワルプルギスの夜だけでも厄介なのに、更に美国織莉子と呉キリカまで来るなんて……冗談じゃないわ!!」

258 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:40:41.54 oifb2nVD0 148/178

ワルプルギスの夜「キャハハハハハハ!!!アハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

杏子「おい、マミ!!あいつらだ!!織莉子とキリカ!!そ、それに、なんでかわかんねぇけどまどかとさやかまでいやがる!!」

ゆま「な、何が起こってるの!?」

マミ「っ……あっちの方は暁美さんがなんとかしてくれるわ!!わたしたちはとにかくワルプルギスの夜を!!」



QB「わけがわからないよ……僕は一体どうすればいいんだ?」

何故だか三つ巴の戦いが勃発しているところを、離れた場所からキュゥべえが眺めていた。

QB「これじゃ、僕がまどかの側に行くことが出来ないじゃないか」

契約の好機だったのに、とキュゥべえは呟く。

259 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:41:37.35 oifb2nVD0 149/178

ワルプルギスの夜と対峙する三人の魔法少女が、少しずつワルプルギスの夜を押し始める。

ワルプルギスの夜「キャハ……ハハハハハ……」

杏子「これでも食らえ!!」

杏子が再三召喚した槍を巨大化させ、それをワルプルギスの夜に向けて力強く放り投げた。
それは、ワルプルギスの夜の体に突き刺さる。

ワルプルギスの夜「アハハ!!?」

マミ「ティロ・フィナーレッ!!!」

着弾のタイミングを狙って、マミが巨大な大砲を撃ち放った。
巨大な槍が、更に深く突き刺さる。

ゆま「これで……どぉだぁぁ!!」

トドメと言わんばかりに、ゆまが振りかぶったハンマーを槍に叩きこんだ。
巨大な槍が、ワルプルギスの夜の体を貫いた。

260 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:42:12.11 oifb2nVD0 150/178

ワルプルギスの夜「ア……ハハハハハ……」

織莉子「っ!!まずいわ、キリカ!!ワルプルギスの夜が力尽きる!!」

キリカ「えっ!?それは別にいいんじゃ!?」

織莉子「ダメよ!!ワルプルギスの夜が力尽きたら、鹿目まどかのパンツを狩る理由が無くなってしまう!!」

キリカ「っ!!なるほど、それは問題だ!!」

ほむら「!」(ワルプルギスの夜が倒れたら、まどかは助かる!?)

それを聞いたほむらが、時間停止の魔法を使う。

織莉子「   」

キリカ「   」

ここで使われると思っていなかった織莉子とキリカは、魔法の発動をしていなかった。

262 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:42:46.15 oifb2nVD0 151/178

ほむら「っ……杏子!!」

空中に跳んでいる杏子の手を取ると同時、魔力を杏子に流し込む。

杏子「―――……あ、あれ?ほむら?」

ほむら「ごめんなさい、詳しい話をしている暇は無いの!!ワルプルギスの夜にトドメを!!あなたの巨大な槍で、今度は縦に貫くのよ!!!」

杏子「え、ちょっ、おいっ!?」

杏子の手を握ったまま、二人は跳躍する。

ほむら「お願い、杏子!!」

杏子「な、何が何だかわかんねぇが、わかった!!」

ほむらに言われるまま、新たに槍を召喚、巨大化させる。
それを、ワルプルギスの頭上から縦に貫くように放り投げる。

263 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:43:43.38 oifb2nVD0 152/178

地面に着地すると、ほむらは時間停止の魔法を解除した。
解除と同時、放り投げた巨大な槍が、ワルプルギスの夜の頭に刺さった。

織莉子「っ!?あ、暁美ほむらは!?」

キリカ「あっ、あそこに!!」

ほむら「今度はゆま!!」

ゆまの手を握ると、再び時間停止の魔法を発動させた。

ゆま「ほ、ほむらお姉ちゃん!?」

ほむら「ワルプルギスの夜の頭に刺さった槍を打ち付けるのよ!」

ゆま「え、え!?」

ほむら「早く!!」

ゆま「わ、わかった!」

264 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:44:34.83 oifb2nVD0 153/178

織莉子「させないわ、暁美ほむら!!」

ほむら「み、美国織莉子!?」

織莉子「キリカ!わたしが暁美ほむらを抑える!その隙に、あなたは鹿目まどかの……っ!?」

さやか「ぐぬぬ……まどかのとこには行かせるかぁ……っ!!」

キリカ「くっ、すまない織莉子!!手を掴まれているせいか、美樹さやかも時間停止から逃れられているみたいなんだ!!」

織莉子「なんと言うこと……!!」

ほむら「やりなさい、千歳ゆま!!」

ゆま「えええええええええええええいいいいいいいい!!!!」

ワルプルギスの頭上に跳んだほむらとゆま。
片手はほむらと手をつないだまま、もう片方の手で巨大な槍を何度も打ち付ける。

265 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:45:54.74 oifb2nVD0 154/178

織莉子「あ、あぁぁぁ……!!」

着地すると、ほむらは時間停止の魔法を解除した。

ワルプルギスの夜「アハハハハッッッ!!!!!???」

ワルプルギスの体に、十字に槍が差しこまれた形となる。

ほむら「トドメよ、マミ!!」

マミ「な、何が起こったの!?急に、ワルプルギスの夜の体に……!!」

ほむら「ええい、状況説明なんてしなくていいの!!さっさとティロなんとかを撃てばいいのよ!!!」

マミ「っ……どうせなら、もっと火力の高い攻撃で!!」

なんとなく空気を察したマミは、普段使用している物よりも更に一回り大きな大砲を召喚した。

マミ「ボンバルダメントッ!!!」

ワルプルギスの夜の体の中心に照準を合わせ、それを撃ち放った。

266 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:46:50.09 oifb2nVD0 155/178

ワルプルギスの夜「キャ……ハハハハ……アハハハハハハ………アーッハッハッハッハッハ………―――」

その攻撃で、とうとうワルプルギスの夜は力尽きたようだった。
断末魔の笑い声を上げながら、少しずつその体が崩れ落ちて行く。

織莉子「な……なんという………こと………」

キリカ「織莉子の戦略が………負ける、なんて……」

その光景を見させられた織莉子とキリカは、膝から地面へくずおれる。

ほむら「やった……ついに、やり遂げた……」

まどか「あ、あの……?」

織莉子の持っていた鞄が、トサリと地面に落ちる。

267 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:47:36.57 oifb2nVD0 156/178

キリカ「お……織莉子……」

織莉子「わたしたちの……負けよ、キリカ……」

ゆま「織莉子お姉ちゃん、キリカお姉ちゃん!!」

ゆまが、意気消沈した二人に駆け寄る。
激戦を制した四人の魔法少女と二人の少女は、その三人を囲うようにして集まってくる。

ほむら「……さて。美国織莉子、呉キリカ、千歳ゆま。どういうことか、一から説明してくれるかしら?」

織莉子「………えぇ」

杏子「やっぱり、ゆまもこいつらに協力してたんだな?」

ゆま「う、うん……」

織莉子「ええと、まずは……なぜわたしが、こんなことをしようと思ったのかからね……」

268 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:49:36.66 oifb2nVD0 157/178

全てが終わった今、隠すことは何もない。
織莉子はポツリポツリと話し始める。

織莉子「最初は……わたしが生きる意味を知る為だった。その祈りで契約したわたしは、未来予知の魔法を使えるようになったの」

織莉子「そうして手に入れた未来予知で、わたしは、この街の未来を視た」

織莉子「……強大な魔女が、この街を破壊し尽くす光景だった」

織莉子「そして、それを更に深く探るウチ……その魔女が、鹿目まどかが契約することによって出現するということを知ったの」

まどか「え?わたし?」

ほむら〈ちょっと、美国織莉子。魔法少女の真実は伏せておきなさいよ?わたし以外の魔法少女は皆知らないのだから〉

織莉子〈……わかったわ〉

269 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:50:50.73 oifb2nVD0 158/178

織莉子「なぜ鹿目まどかが契約することでその魔女が現れるのかはわからない。でも、鹿目まどかが契約さえしなかったら、その魔女はこの街に現れることはない」

織莉子「最初に考えたのはここまで。そして次に、鹿目まどかの契約を止める為に、どうしたらいいのかを考えた」

織莉子「………そう。わたしは、何も悪くない。悪くないはずなのよ」

杏子「どういうことだよ?」

織莉子「大体、あなたたちは年の割にシリアスになりすぎるのよ!!」

マミ「ぎ、逆切れ!?」

織莉子「そんな、シリアスな雰囲気で話を進められたらそりゃ鹿目まどかだって契約を決意するわ!!現に今だってそう!!」

まどか「え、えっと……」

270 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:52:33.68 oifb2nVD0 159/178

織莉子「あなたがここに来たのは、魔法少女の契約をする為だったのでしょう!?」

まどか「う、うん……」

織莉子「あなたに契約されたら、わたし達も困るのよ!!この街を、わたし達の世界を、わたしとキリカの世界を守る為には、あなたに契約されたら困るの!!」

キリカ「落ち着け、織莉子。大丈夫だって、わたしはいつでもキミの側にいるから」

織莉子「キリカぁ……!」

織莉子とキリカは、ギュッとお互いの手を握り合う。

ほむら「そんな茶番はいらないわ。パンツ狩りに至るまでの経緯をさっさと話しなさい」

織莉子「は、はい」

ほむらの睨みで委縮した織莉子は、再び話を始める。

織莉子「とまぁ、あなた達が妙にシリアスに走りたがるから、その……わたし達がバカな行動を取ってやれば、なんとか出来るのでないかな、と。そう思ったんです、はい」

271 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 20:54:02.26 oifb2nVD0 160/178

杏子「………」

マミ「………」

さやか「そ、そんなくだらない理由で……あたしたちは、パンツを狩られたって言うの……?」

キリカ「そういうこと、になるね」

ほむ杏さやマミ「………っ……はぁ……」

みんなの口からは、怒りを通り越してため息しか出てこなかった。

Final Target 鹿目まどか 失敗

277 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:19:33.36 oifb2nVD0 161/178

どうして、こうなったのだろう。

マミ「何か、言うことがあるんじゃないの?」

キリカ「……すみません」

わたしは、何も間違ったことはしてないはずなのに。

さやか「それだけ?もっと他になんかあるよねぇ?」

織莉子「謝るくらいしか出来ません……」

辺りは、荒れ果てた見滝原の町並み。

杏子「なんでゆまも一緒になってやってたんだよ?」

ゆま「ごめんなさいキョーコ……でも、織莉子お姉ちゃんが……」

わたしとキリカ、それに千歳ゆまは、五人の少女に囲まれていた。

278 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:20:23.20 oifb2nVD0 162/178

ほむら「……まぁ、過ぎたことはもういいわ。謝るのもいいけれど、それより先にやるべきことがあるでしょう?」

織莉子「は、はい。全て承知しています」

暁美さんの言葉に気圧され、わたしはひとつの鞄を差しだした。

まどか「も、もう二度としないでね?」

織莉子「深く反省していますので、どうか、お慈悲を……」

鹿目さんが、恥ずかしそうにしながらその鞄の中身をぶちまけた。
中から出て来たのは……―――色とりどりの、下着だった。

279 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:21:48.11 oifb2nVD0 163/178

ほむら「もうなにもかもどうでもよくなったわ……」

暁美さんが、白地に小さな赤いリボンがついたパンツを拾い上げる。

マミ「えぇ……まぁ確かに恥ずかしい眼には合わせられたけれど、結果として誰ひとり欠けることなくワルプルギスの夜を倒せたんだものね」

巴さんが、黒いレースのパンツを拾い上げる。

杏子「考え方の問題、か」

佐倉が、黄色と白の縞々模様のパンツを拾い上げる。

さやか「あたし、完全にとばっちりな気がするんだけどさ……」

美樹さんが、飾り気のない白いパンツを拾い上げた。

280 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:23:02.13 oifb2nVD0 164/178

織莉子「こ、これで許していただける……の、でしょうか……?」

ほむら「それとこれとは話が別よ」

織莉子「つ、償いは致しますので……あ、あの、鹿目まどか……さん?」

まどか「な、何かな……?」

織莉子「あなたが契約したい気持ちは、よく、よぉくわかっているつもりです。
     ですが、わたしとキリカ、それに暁美さんの気持ちを汲んで、その、魔法少女の契約は、見送っていただけないでしょうか……?」

まどか「………う、うん。わたしも、あのワルプルギスの夜以上の魔女が現れるのは嫌だし……わたしが契約さえしなければ、いいんだよね?」

281 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:24:22.31 oifb2nVD0 165/178

織莉子「!! そ、そうです!!」

まどか「うん、わかった。人を不幸にしてまで、魔法少女になろうとは思わないから」

織莉子「あっ、ありがとう!!ありがとう、まどかさん!!」

感極まったわたしは、まどかさんの両手を握る。

まどか「な、なんだか大げさだよ……織莉子さん」

織莉子「これだけでっ……わたしが頑張った意味があるというもの!!」

キリカ「まぁ、結果オーライ、ってところかな?」

ほむ杏さやマミ「丸く納めようとするな!!」


終わり

282 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:25:33.84 oifb2nVD0 166/178

おまけ4・彼女達のその後

マミ「さあ、準備が出来たわ」

八人分の紅茶とケーキをお盆に乗せたマミが、台所からやってくる。

杏子「おっ、今日もうまそうだな!」

さやか「マミさんのケーキは絶品だからねぇ~」

ゆま「おいしそう!」

織莉子「わたしとしては、マミさんの淹れる紅茶の方が楽しみね」

マミ「うふふ、今度織莉子さんの淹れた紅茶も飲ませてね?」

キリカ「あ、すまない巴。砂糖を三つほど入れてくれないかな?」

マミ「え?構わないけれど……それだと紅茶の風味が落ちちゃうわよ?」

織莉子「キリカは甘いものが大好きだから……入れてあげて、マミさん」

マミ「まぁ、キリカさんがそれでいいのなら……」

まどか「うん、おいしい!」

八人の少女は、マミの家でお茶会を開いていた。

283 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:26:54.37 oifb2nVD0 167/178

織莉子「それにしても、こんなことで許してくれるの?」

紅茶を飲みながら、織莉子はみんなに問いかける。

ほむら「いいのよ、これで」

マミ「ええ。仲間が増えてくれて、わたしも嬉しいわ」

狩られた四人の総意。
それは、今後は共に見滝原、風見野の街を守る為に魔女と戦うこと、というモノだった。

284 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:27:49.81 oifb2nVD0 168/178

キリカ「ずいぶんと情状酌量をしてくれたね」

杏子「ま、実際にやった行為はともかくとして、あたしたちみんな無事と言やあ無事だし。こんなもんじゃねぇの?」

ゆま「あの後、キョーコはゆまにしっかりと説教した癖に……」

杏子「あたしに黙ってこいつらとつるんでたお前が悪い!」

ゆま「ごめんなさい……」

織莉子「そんなにゆまちゃんを怒らないであげて、杏子さん」

杏子「うっせぇ!ほむらとマミがこれでいいって言うから、あたしも妥協してやってんだ!その辺忘れんな!」

285 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:28:31.03 oifb2nVD0 169/178

キリカ「ほらほら、そんなにカッカカッカしてたら血圧上がるよ。佐倉の紅茶にも砂糖が足りないんじゃないのかい?」

杏子「あたしはこれでいいんだよ!おい、入れんな!?」

杏子の制止を受け、キリカは手を引っ込める。

キリカ「まったく、過ぎたことをいつまでも……」

マミ「あなたが言えた事じゃないでしょう、キリカさん?」

キリカ「まぁ、わたしたちもこう見えてちゃんと反省はしてるよ」

286 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:29:28.61 oifb2nVD0 170/178

まどか「でもよかった。魔法少女同士で戦うとか、そういうことにならなくって」

織莉子「わたしは元々敵対するつもりは……全くなかった、というわけではないけれど……」

言いながら、織莉子はまどかの顔を見る。
少しだけ、視線が鋭かった。

まどか「な、何?織莉子さん?」

織莉子「未だに、心残りと言えば心残りなのよね。あなたのパンツだけ狩れなかったこと……」

ほむら「ちょっと、織莉子?」

織莉子「ふふ、安心していいわ。もう二度とあんなことはしないから」

287 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:30:40.33 oifb2nVD0 171/178

まどか「はぁ……」

さやか「だいじょーぶだって、まどか!あたしがついてるんだから!」

キリカ「キミと鹿目は随分と仲がいいんだね?」

さやか「そりゃーもう!なんたって、まどかはあたしの嫁になるんだから!」

まどか「あはは、それ毎日のように聞いてるよさやかちゃん」

キリカ「……ふむ。織莉子」

織莉子「なにかしら?」

キリカ「果たしてわたしと織莉子だと、どっちが嫁になるんだろうね?」

まどほむ杏さやマミ「!?」

288 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:31:17.67 oifb2nVD0 172/178

織莉子「どっちでも構わないわよ、キリカ?わたしが嫁でも、あなたが嫁でも」

キリカ「まぁ、それはさほど重要なことでもないか」

織莉子「そう。わたしとキリカは、これからもずっと一緒なのだから」

まどほむ杏さやマミ(この二人、ガチだったのか……)

ゆま「ケーキおいしー♪」

おまけ4・彼女達のその後 終わり

289 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:32:54.09 oifb2nVD0 173/178

QB「ちょ、ちょっと!結局鹿目まどかとも美樹さやかとも契約出来てないじゃないか!!」

QB「わけがわからないよおおおぉぉぉぉ!!!」



織莉子「魔法少女の」キリカ「パンツ狩り」  END

290 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:34:12.90 oifb2nVD0 174/178

これで本編終了
こんなくだらない話に付き合ってくれてありがとうww
後日、【Extra Target 美国織莉子&呉キリカ】を執筆しに来る……と思います

291 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:35:49.94 fnYLGA0IO 175/178


そうか皆が幸せになるには程良く馬鹿になれば良かったのか

293 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:41:27.49 JM6pFH3m0 176/178

まあシリアスばかりじゃ気が滅入るもんな


295 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:47:55.02 ztgGvmBpo 177/178

ところでおりことキリカのパンツはどんなものだったのかね

296 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/06/06 23:49:04.43 CND/rjdIO 178/178

>>295
エクストラ待ちだなー、楽しみ

談義スレとかではローレグの白とか言われてたなwwwwww

【Extra Target 美国織莉子&呉キリカ】 に続きます。

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