※『始まらなかった世界【魔法少女まどか☆マギカ】』のスレで書かれたおまけです。
休日、巴家の昼下がり―
マミ「さぁ~て、晩ご飯でも作ろうかしらね」
せっかくの休日なので、晩御飯はちょっと手の込んだものを……
そう思い、私はいろいろと食材などを買い込んでおいた。
マミ「あ、そうだ。あの調味料ってあったかしら?」
ガサゴソ……
マミ「ああ、あったわ。よかった」
そう言って手にしたのはガラス瓶に入った買い置きのソース。
元スレ
魔法少女まじかる☆まどっち
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350889103/
マミ「これがあるとないじゃ全然味が違うのよね~♪」
しかし、小瓶を開けようとすると――
マミ「あ、あれ?」
フタに付いたソースが固まってしまったのか、なかなか開きそうにない。
マミ「う~ん……ダメね。開きそうにないわ」
せっかくいろいろ準備したのになぁ……
何とかならないものかしら……
マミ「はぁ~、困ったわねぇ……」
???『お困りですか~?』
マミ「うん、そうなのよ……って、誰!?」
突然誰かの声が聞こえてきた。
???『そんな時には、わたしにおまかせ♪』
マミ「え、ええ?」
まどっち「はぁい、まじかる☆まどっちだよぉ♪」
マミ「……へ?」
突然、魔法少女姿の鹿目さんが部屋の中に出現していた。
まどっち「お困りのようですね、マミさん?」
マミ「か、鹿目さん、その格好はいったい……?いつもの姿とは違うし……」
いつもの鹿目さんの衣装とは違うようだった。そもそもソウルジェムが見当たらない。
色がピンク基調なのは同じなのだが、カチューシャ、首元のリボン、肩のフリル……
まぁ、なんというか……よりキャピキャピとした印象を受けた。
あと手に持っているその金ピカの巨大ハンマーは何なの……あなたの武器は弓でしょうに……
まどっち「ち、ちがいますよぉ、鹿目まどかじゃないですよー。
そ、それに~、いつもの姿ってなんのことですか?」
マミ「えっ。でも、どこからどう見ても鹿目さんなんだけど……」
まどっち「そ、そんなことないですよ?」
マミ「それより、そのノリは恥ずかしくないの?」
まどっち「うぐ…………そ、それは言わないでください……」
そして鹿目さん? は一拍置くと、真剣な面持ちでこちらを見る。
まどっち「いいですか、よく聞いてくださいねマミさん」
マミ「え、ええ」
まどっち「わたしは魔法の国からやってきた……」
まどっち「まじかる☆まどっちだよ~♪」
マミ「…………………」
マミ「………………はい?」
まどっち「まじかる☆まどっちだよ~♪」
マミ「………えと」
まどっち「…………OK?」
マミ「え、ええ…わかったわ」
話が進みそうにないので、そういうことにしておきましょう……
まどっち「それでマミさん、何に困っていたんですか?」
マミ「そ、そのね、この瓶のフタが開かないのよ」
まどっち「ふむふむ、それはお困りですねぇ」
マミ「そうなのよ……。このままだと晩ご飯が用意できそうになくて……」
まどっち「大丈夫ですっ、わたしにお任せですよ♪」
マミ「えっ、本当にできるの?鹿目さん?」
まどっち「うぅ、だ、だからまどっちですって…」
マミ「そ、そうだったわね、ごめんなさい。それじゃあお願いします、…まどっちさん」
まどっち「はいっ! それじゃあ魔法の力で開けますよ~」
というか私もさっさと魔法使って開ければよかったわね
…今更水を差すのもかわいそうだから黙っておくけども
まどっち「よ~し、それじゃあいきますよ」
まどっち「ピンプル、パンプル、ロリポップン、
マジカルマジカル、るんららぁ……」
マミ(うっわぁ……痛っ)
まどっち「そ~れっ、フタ開け~、にゃう~ん♪」ピロリロリーン
…………………………
………………
………
136 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/10/25 00:13:46.47 FMtogoNIO 13/28> マミ(うっわぁ……痛っ)
お前が言うな
お前が言うな
そして呪文(?)を唱え終えるとそこには――
まどっち「ん~~っ」ギリギリ
マミ「あ、あの…まどっちさん?」
まどっち「んん~~~~っ!」ギリギリギリ
マミ「え、え~と、その…」
力尽くで瓶のフタを開けようとしているまどっちさんの姿があった。
まどっち「なんですか? …ん~~っ」ギリギリ
マミ「その…あの…、ま、魔法の力はどこに?」
まどっち「えっ」
マミ「力尽くで開けようとしてるようにしか見えないのだけれど……」
まどっち「………」
マミ「いやその…ち、違ったらごめんなさいね?
ひょ、ひょっとしたら魔法で筋力を強化したりしてるのかしら?」
なんで私が謝ってるのかしら……
まどっち「……固いですね、このフタ…」
マミ「うん、そうなのよ……」
最初に言ったじゃない……ていうか魔法使いなさいよ……
まどっち「でも不思議ですね。このわたしの魔法をもってしても開かないなんて」
マミ「そ、そうねぇ、不思議ねぇ。あははは………………はぁ」
まどっち「あっ、そうか!うん、わかりましたよマミさん」
マミ「えっ、何が?」
まどっち「きっとこのビンのフタには恐ろしい封印がかけられているんですよ!」
マミ「えっ、何で!?どうしてそんな結論に!?」
まどっち「う~ん、これを解くにはまず七人のサーヴァントを召喚して~、その魂を~……」
聞いちゃいないわね……
…………………………
………………
………
マミ「でも、そんなに固かったかしら………」
私は小瓶を手に取って、フタに手をかけた。
まどっち「あ、無理ですよ、マミさん。それを開けるにはまず封印を……」
マミ「ん~~~しょっと!」カポンッ
まどっち「えっ…………」
マミ「あ、開いたわっ!」
まどっち「あ、あれれ?」
マミ「よかったー。これで晩ご飯が作れるわ~♪」
まどっち「…………………」
マミ「もう、まどっちさんたら、簡単に開いたじゃないの~」
まどっち「う………………」
マミ「うふふ、でも、まぁ、よかったわぁ♪」
まどっち「うう、こんなはずじゃ……」
マミ「…まどっちさんの魔法もたいしたことないわね?」
まどっち「え」
マミ「あー、何でもない、何でもないわ、うふふ~♪」
まどっち「うー…」
マミ「……?どうしたの、まどっちさん?」
見ればまどっちさんが半泣きになってうなっていた
まどっち「う~うう~…」
マミ「まあ用事も済んだことだし、早く帰ったほうがいいと思うわよ?」
まぁ、これで私は華麗なるディナーを楽しめそうだし、細かいことはいいわね♪
そんなことを考えていた時のことだった――
まどっち「わぁーんっ!」ブゥン
マミ「えっ!?」
癇癪を起したまどっちさんが、手に持っているハンマーを振り回して暴れ始めたのだ
まどっち「うわぁ~~ん!」ガシャン、パリーン
マミ「ちょ、ちょっと! うわっ!?」ガチャーン
まどっち「も、もう、マミさんのバカーッ!」ヒュン
マミ「お、落ち着い……キャッ!」パリーン
まどっち「うぇ~~んっ!」ガッチャーン
…………………………
………………
………
その後、何とかまどっちさんを部屋から追い出すことに成功したのだけど……
マミ「はぁ………」
まどっちさんの暴走により、台所は機能停止状態で……
マミ「……………」ズルズル
私の休日の華麗なるディナーは、買い置きしてあったカップラーメンになったのであった……
※ ※ ※
まどっち「こうして今日も、まじかる☆まどっちは大活躍です♪」
まどっち「魔法のハンマーで何でも粉砕だよ、うぇひひ♪」
マミ「うぇひひじゃないわよ、はぁ………」
終わり
150 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/10/25 00:38:23.03 FQAHvdIU0 27/28乙っす!
魔法のハンマーでビンを粉砕!!・・・・・・の方がなんぼかマシだったなぁw
151 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/10/25 16:57:27.70 ZxPM/UW30 28/28乙