2 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/03 23:15:19.05 cGzUSvbq0 1/127

「なによ!いいじゃない!」

「そんなめんどーなことを何で俺がしなくちゃいけないんだ」

「弟と妹の面倒見るだけでしょ!」

「この上なくめんどくせーよ!!」

「どうせあんた毎日暇で特にやることもないんでしょ?はいどどんぱ」

「え?なにどどんぱって!?なんで今最後にどどんぱって言ったの!?何がはいなの!?」

「あなた知らないの?インターネット上ではよく相手を言い負かしたときに使うのよ」ヤレヤレ

「まさか…論破って言いたかったのか!?」

「えっ…うそっ……」カァアッ

「本気で言ってたんだな」

「だってこの間…友達が教えてくれて…」オロオロ

「底知れぬ羞恥心に襲われていることは察する。恨むなら友達恨め」

「お前爆ぜろ!」

「なんで!?」

元スレ
女「頼むよ!」男「断る!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349273519/

3 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/03 23:18:35.31 cGzUSvbq0 2/127

「というわけで男、頼んだぞ」

「どういうわけだ。何度も言うが俺はお断りだ」

「じゃあ何度でも頼んでやるよ」

「なんでいつの間にか上からになってんだよ」

「往生際が悪い」ケッ

「態度わるっ!」

「ならハーゲンダッツ1個でどうよ!男にはもったいないくらいだけど!」

「しょぼっ!っていうかお前は俺を270円くらいの男としてか見てなかったのか」

「はいはい、ならジャイアントコーン2個にしてあげるわ」

「数は増えてるけどハーゲンダッツより安上がりじゃねえか!」

「大丈夫よ!ジャイアントなのだから!」

「商品名で補ってんじゃねえ!」

4 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/03 23:21:16.27 cGzUSvbq0 3/127

「しぶといわね」

「俺が子ども苦手なの知ってるだろ」

「だからいいのよ」

「はい?」

「変な間違いとか絶対起きなさそうだから」

「俺はこのモヤモヤした気持ちを一体どこにぶつければいいんだろうか」

「信頼してるってことよ」ニコッ

「そんな上辺だけの笑顔に俺は決して騙され…」

「上から3段目の引き出し」

「!?」

「タイトルは巨乳女子高生とピーピーピーピー」

「お、お、お、お、お、おまえなななななにい、い、いってる、んだ?」ガクブル

「あら、もう1タイトルくらい諳(そら)んじてあげましょうか?」ニヤニヤ

「な、なんのことだか僕にはさっぱりダナー」アセアセ

「爆にゅ…

「ストォオオオオオオオオオオオオオオップ!!!!!!!!!」

「わかったから!」

「もうわかったから!」

「お願いだからもう言わないで!」

「じゃあどうすればいいかは、わかるわよね?」ニコッ

「ひぃっ!」

5 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/03 23:21:54.70 cGzUSvbq0 4/127

「弟と妹の面倒、見てくれるわよね?」ニコッ

「……はい…」

「あ?聞こえないなー男くん?」

「みます…僕が面倒見ま…

「爆乳お姉さんと濃厚な…

「見ます!いえ見させてください!全力で僕が面倒を見ます!!!」

「そう言ってくれるとすごく助かる♪ありがと♪」

「あの…アイスは…」

「は?」ギロッ

「何でもありません!!今日もバイト頑張ってください!!」

「じゃ、あとで2人連れてくるからね!」

ガチャッ

「そうそう、あとさ」

「はい何でしょうか女さん」










「巨乳好きとかマジきもいんですけど」ギロッ



バタン!!!!!!!!!















「…なんて恐ろしい貧乳なんだ」

6 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/03 23:25:38.65 cGzUSvbq0 5/127

(はぁ、せっかくの夏休みだってのに…)

(はぁ、夢の朝から晩までゲーム三昧の日々が…)

(まぁ、今日1日くらいならなんとかなるだろう…)


ピンポーン


(はぁ、ほんとに来ちまった…)


「はぁーい」


ガチャッ


「やっほ!さっきぶり!」

「はいはい」

「2人とも!このシケた面してるのが男お兄ちゃんよ!」

「おい」

「今日から2人とたくさん遊んでくれるから仲良くしてあげてね!」

「はーい!」ニコニコ

「ふんっ!」ツン

「ちょっとまっておんなさん!」

「なに?あ、自己紹介ね!今からす…

「違う違う!そんなんじゃなくて、今お前『今日から』って言ったか?」ヒソヒソ

「言ったけど?」

「確認するけどこいつらの面倒みるのは今日1日だけだよな?」ヒソヒソ

「なにいってんの、これからあたしがバイトの日はずっとよ」

「ふんがっ!」

「なにそれキモい。顔面が崩壊しているわ」

「辛辣すぎるだろ!あまりの驚きで息吐き出しながら吸いこんじまったんだよ!」

「あんた意外と器用なのね」

7 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/03 23:26:23.73 cGzUSvbq0 6/127

「おいおいおい聞いてねーぞ!俺はてっきり今日1日だけかと思っ…」

「ほら、あたしんちって両親が離婚してて父親がいないじゃない?…」シンミリ

「うっ…」

「お母さん夜まで働いててすごく大変そうだから、少しでも生活費の足しになればと思ってあたしもバイトしたくて…」

「でもこの子たちのことはとても大切だから…」

「隣に住んでる信頼できる友人に頼んだんだ…」

「…女」

「お前の母ちゃん…」

































「社長じゃん!お前んち金持ちじゃん!」

「バレちった!」テヘペロッ!

8 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/03 23:27:49.85 cGzUSvbq0 7/127

「バレちったじゃねーよ!昔からよく存じ上げてるわ!」

「まあまあ細かいことは気にしない気にしない!」

「で、結局お前がバイトしまくる理由はなんなんだ」

「友達と旅行行くから。お母さんにそれくらい自分で稼ぎなさいって言われたのよ」ニコッ

「」

「ちなみにイギリス」

「」プルプル

「ちゃんとお土産買ってきてあげるから!ね!」

「子守りやってくれるって言ったよね?」

「男に二言はないよね?」
















「てっめぇえええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」


「おとこおもしろーい!」キャッキャ


「ふんっ!」ツン

9 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/03 23:30:14.70 cGzUSvbq0 8/127

「じゃ、改めて紹介するわ」

「こっちの小さいのがあたしの弟よ!」ポン

「小1で7歳。性格は明るくて純粋そのものよ。好奇心旺盛だから目を離さないように!」

「あとゲーム好きだからすぐに仲良くなれると思うわ」

「にししし!」

「はぁ…」

「こっちでツンツンしてるのが妹よ!」ポン

「小3で9歳。基本おとなしい子なんだけど、絶賛反抗期で罵詈雑言を浴びせてくるわ」

「おいおいマジかよ」

「基本1人で絵を描いたりぬいぐるみで遊んだりするのが好きだからそこまで手は焼かないと思う」

「ふんっ!」

「こいつさっきから『ふんっ!』ってしか言ってねーぞ」

「最近の口癖なのよ」

「一体どこで覚えて来たんだ」

「あなたたちにも紹介しておくわね」

「こちらが男さん。高2で17歳、寝暗で地味で巨乳好きよ」

「最後の紹介は必要だったのか!?」

「お姉ちゃん!きょにゅーってなに?」

「あたしの嫌いなものよ」

「そーなんだー」

「げすめ」ツン

「もうやだ帰りたい…」











「あ、ここが俺のうちだった…」

10 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/03 23:30:54.41 cGzUSvbq0 9/127

「おっともうこんな時間!そろそろバイトに行くわ!」

「何時に帰ってくんの?」

「うーん、夕方には帰ってくるわ」

「わかった」

「今日もおばさん仕事?」

「ああ」

「大変だと思うけどよろしく頼むね」

「はいはい、がんばりますよ」

「じゃ!行ってきます!」パタパタ












「ふうふみたいだね」ケラケラ

「やかましいわっ!」

「ふんっ!」ツン

16 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/05 20:10:38.33 EY/2ANEu0 10/127

「というわけでお前らの面倒を見ることになっわけだが…」









「どうしたらいいんだマジで!」

「預かった以上ほっとくわけにもいかないし…」

「っていうかお前らいつもなにやってんの?」

「そとにDSとかもっていってあそんでる!」

「外でゲームするのかよ。サッカーとかしないのか?」

「あんまりしないかなーゲームのほーが楽しいし」

「そうか…まぁわからんでもないが…かくいう俺もそんな活発な小学生ではなかったしな」

「おとこはなにやってんの?」

「呼び捨てにすんな。男さんと呼べ!もしくは男お兄さんだ!」

「わかった!おっさんね!」

「どこすっ飛ばしてんだよ!!」

「おっさん!おっさん!」ケラケラ

「ダメだ…このテンションに突入した小1はもうとめられない…」ハァ…

「俺まだぴちぴちの17なのに…」

17 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/05 20:13:38.07 EY/2ANEu0 11/127

「で、お前はいつも何して遊んでんだ?」

「あたしはお前じゃない!妹よ!」フン

「くっ…すまん…妹は普段何して遊んでんだ?(落ち着け俺!相手は小3だ!)」

「気安く妹って呼ばないで!」フン

「」

「……」







(な、なんだこの姉ちゃんに負けず劣らずの偉そうな感じはぁああああああ)








「わ、悪かった…それじゃあ何て呼んだらいい…カナ?」イライラ

「ま、しょうがないから今日は妹って呼んでもいいわよ」フン

「」

18 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/05 20:20:30.80 EY/2ANEu0 12/127

「っていうかおm…妹は人見知りじゃなかったのか!?」

「あんたみたいな雑魚そうなやつに緊張なんてしないは」

「今のはきっと空耳だろうそうに違いない。では何して遊んでるいるのかって話に戻ろうか」

「あたしは1人で絵を描いたりするのが好き」

「あとぬいぐるみで遊ぶのもだっけ?」

「」シカト

(あれっ!?なんで今無視したんだ!?さっき女そう言ってたよな!)

「まぁいいや。友達とは遊ばないのか?」

「たまには遊ぶけど1人のほうが楽しい」

「ちっちゃい頃は友達といっぱい遊んどいたほうがいいぞ」

「なんで」

「なんでってお前……ほら、あれだ」

「俺みたいになっちゃうからだ!」

「それは死んでもいやだ」

「そんなに!?」

「男は友達いないの?」

「普通に呼び捨てかよ…まぁいいや。友達くらいさすがにいるぞ、少ないけど」

「遊ばないの?」

「たまにはな。でも基本1人でこーやってゲームしてるのが好きだからな」

「あたしと一緒じゃない」

「ぐぬぬ…確かに…でもな、友達多いと困ったときにいろいろ助けてくれるぞ」

「あたしはなんでも1人でできるから大丈夫」

「ほんとおm…妹は可愛くないな。まーそのうち分かるから遊んどけって」

「意味わかんないし。[ピーーー]っ!」

「ふんがっ!」

「汚い」

19 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/05 20:21:01.90 EY/2ANEu0 13/127

「妹よく聞け![ピーーー]とかいう言葉は冗談でも言っちゃいけないんだぞ!」

「本気だもん」

「本気なのかよっ!!いや、本気なのかよっ!!」

「あんたいちいちうるさい」

「俺今すっごい傷ついたぞ!俺のプライドがズタズタになったぞ!」

「もう怒った!妹のお母さんに言いつけてやるからな!」

「高校生のくせにお母さんに言いつけるとかダサすぎ」フン

「てめえ今鼻で笑いやがくぁすぇdfrgt5y6じゅ7きぉp!!!!!!」ブホッ

「ちょっと!何て言ってるかわからないし唾とばさないでっ!」

「なーなーおっさん、おれはらへったーおかしだべたい」

「もういやぁあああああああああああああああああああああああああ」


22 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/07 21:36:19.82 f7Tm4MW60 14/127

【お菓子編】

「近所のスーパーに菓子でも買いに行くか」

「いくーっ!」

「めんどくさっ」チッ

「それなら妹は留守番しとくか?」

「なんでよ」

「いや…今めんどくさいって言ったじゃん」

「よその家の女の子を1人留守番させるなんてその頭ちゃんと脳みそ入ってるの?行くに決まってるじゃない」

「君は罵倒しないと死んじゃう病でも患っているのか?」

「意味わかんないんだけど」

「あー小3とか中途半端な年じゃなくて園児くらいの設定にしときゃよかった」

「はぁ?」

「いやこっちの話」

「はやくいこーよー」

「それじゃー行きますか」

23 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/07 21:37:33.35 f7Tm4MW60 15/127

「なーなーおっさん!おかしたくさん買っていい?」

「頼むから外でおっさんなんて呼ばないでくれ。あとお菓子は300円までだ」

「わかった!!そんでね!ばななは!…えっと…ばななは…ばななはばななですか!?」

「ああ、もちろんバナナはバナナだ。ちなみにバナナはお菓子には入りません」

「それがいいたかった!」

「妹はどんなお菓子が好きなんだ?」

「い…」

「?」

「チョコ」

「そうか(なんだ今の)」

(危なかった!)

24 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/10/07 21:38:07.34 f7Tm4MW60 16/127

「着いた!」

「ついたっ!」

「…」

「なんだよー妹もそこは『着いた!』って一緒に言おうぜー」

「突いたっ!」ハッ!!!!

「ふんがっ!!!」ブハッ

「wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」」

「てめえええええ何で今いきなり正拳突きしやがっt…」

「ついたっ!」カンチョー

「ぎゃぁああああああああああああああああああああああああああ」

「wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

「wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」










(すげえ痛いけど…まぁ…なんというか…こいつら楽しそだからいいy…)










「なんて言うかああああああああああああお前らぶっ[ピーーー]!!!!!!!!!」


「きゃあー変態が来るー!誰か助けてー!」ケラケラ


「きゃあーきゃあー!」ケラケラ



ザワザワ…ザワザワ…


アノコタチオソワレテナイ?

ケイサツヨンダホウガイイカモ

コワイワー



「うわぁああああああそれはあらぬ誤解ですぅうううううううううう」

25 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/07 21:38:38.03 f7Tm4MW60 17/127

「お前らマジでふざけんなっ!!!」ハァ…ハァ

「今後このスーパーに行きにくくなるだろっ!!!」

「いつも家に引き籠ってるじゃない」

「確かにそうd…ってオイっ!そういう問題じゃねえよ!」

「ねーその説教長い?早くお菓子選びたいんだけど」

「お前なんか学校の担当清掃区域が毎回トイレになればいいっ!」

「うちは私立だから業者が掃除してる」

「」

「終わり?じゃ、選んでくるから」

「ちょい待ち!」

「なに?」

「そこまで小3にダルそうに返事されると何かに目覚めそうだな…じゃなくて」

「弟どこ行った?さっきから見当たらんが」

「あそこ」ピッ

「あそこは確か試食コーナー…まさか…」

26 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/07 21:39:05.85 f7Tm4MW60 18/127

「おいしい!おいしい!おいしぃいいいい!」

「おーい弟……あ…遅かったか」

「あ!おっちゃん!このウインナーおいしいよ!おばちゃんもういっこちょうだい!」

「はいはーい、弟君さっさとお菓子買いに行きますよーほら行くよー」

「えーっ!おれまだたべたい!」

(よく聞くんだ!このおばちゃんは試食させたら買うまで帰してくれないんだ!今ならスキをついて逃げられる!)ヒソヒソ

「わかった!にげよう!」

「バカ!!!声がでk……」トントン

店員「ふふふ」ニコッ

「ど、どうも…ははは…ではこの辺で…」ガシッ

「…あはは……」

店員「ふふふ」ニコッ

「…あはは………だめ?」

店員「ふふふ」コクリ


















店員「ありがとうございましたー!」ニコッ






「ふぇえん…ウインナーなんていらないよぉ…」

「どんまいどんまい!」ケラケラ

「誰のせいだよっ!」

27 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/07 21:39:32.97 f7Tm4MW60 19/127

「おれはこれをかう!おっちゃんこれ300えんこえてないかたしかめて!」

「どれどれ……………………うん、300円は超えてない」

「よっしゃー!!」

「でも弟お前な…」

「なに?」









「10円ガム20個もいるのか?」

「いるっ!」

「即答かよ!ガムだけで200円分もあって残りポテチって買い物へたくそすぎんだろ!」

「ガムはなくならないからおとくなんだよ!」

「まぁ…確かにすげー長持ちするけど…場合によっちゃ…」

「なに?」

「いや、なんでもない。多分そんなことはないと信じてる。でもあることに期待してる俺がいる」

「なにいってんのおっちゃん」

「気にすんな。にしてもその呼び方いくらか親しみやすさは出て来たけどやっぱり違和感あるな」

「おっちゃんいや?」

「まーぶっちゃけ慣れてきたけどやっぱり『兄ちゃん』とかの方がいいかな」

「わかった!2ちゃんね!」

「やっぱおっちゃんでいい!っていうかお前わざとやってんだろ!」

「にししし」

「よし、妹と合流して会計済ませるぞ」

28 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/07 21:40:32.07 f7Tm4MW60 20/127

「あれ?お菓子コーナーにはいないな。別のとこか?」

「おっちゃん!妹ちゃんいたよ!」

「ちょ!弟っ!」

「おー妹ここにいたのか…って、なんだそりゃ」

「なんでもないっ!」サッ

「いや…思いっきり見えてたんだけど…」

「わ、わわ悪いっ?なんか文句あるっ?」

「別に文句はないけどさ」

「なによっ!!」

「欲しいのか、それ?」ニヤニヤ

「なんでそうなるのよっ!」

「だってお菓子他に持ってないってことはずっとこれ見てたんだろ?」

「うっ……べ、べべ別に見てるだけならいいじゃないっ!」

「やっぱ欲しいんじゃーん」ニヤニヤ

「だから見てただけでなんでそうなるのよっ!第一これ500円するし!」

「なるほど、300円以内だったら買いたかったのね」ニヤニヤ

「だから違うってば!」

29 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/07 21:41:50.69 f7Tm4MW60 21/127

「いいよ?買っても」

「えっ……」

「ま、妹がいらないって言うんなら買わないけど」

「それは…別に…でも…」オロオロ

「どうするぅう?」ニヤニヤ

「くっ……このゲスめ…」

「あれー?そんなこと言っていいのかなー?んー?もーレジ行っちゃうよー?」

「…………ちっ…」タッタッタ

ガサッ

(あ、こいつ無言でカゴに入れよった)

「早くレジに行くわよっ!」

「あー妹ちゃんだけずるーい!」

「はいはい、お前には俺の分わけてやるから心配すんな」

「よかったー!」

「っていうかこれそんなにうまいのか?」

































「"おつまみ いりこ"」

「マジ半端ない」

30 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/07 21:42:30.90 f7Tm4MW60 22/127

<アリガトーゴザイマシター!!



「よし帰りますか」

「のどかわいたー」

「うむ。同感だ。あそこの自販機でジュースを買おう」

「よし弟よ、お金を渡すからあそこまで行って買ってこい」

「わかった!」

「待って!」

「どうした妹」

「あそこの自販機の周りは車通りが多いから弟1人で行かせるのは危ない」

「確かにこいつすぐどっか行っちゃうしな。ならみんなで買いに行くか」

「あたしが買ってきてあげる」

「今なんと!?」

「だからあたしが買ってきてあげるって言ってんの」

「お前…頭でも打ったのか?!」

「なんでよっ!」

「だって…お前がいい子キャラだなんて……狙いすぎだろっ!」

「わりと本気で意味がわからないんだけど」

「まー気持ちはありがたいけど小3の女の子をパシるってのはなんだか気が引けるな」

「いーんだってば!さっきは…その……いりこ買ってくれたし…」テレテレ

「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

「粉砕骨折しろっ!」

「そこまで!?」

31 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/07 21:42:57.93 f7Tm4MW60 23/127

「弟はオレンジジュースでいい?」

「おっけー!」

「男はコーラでいい?」

「お、おう」


タッタッタ


「なー弟」

「なに?」

「妹の好きな食べ物ってなに?」

「とうふとえだまめといりことぴーなっつ」

「あいつビールでも飲んでんのか?」

「こどもびーるってやつのんでる」

「かわいすぎワロタ」

「わろたってなに?」

「おもしろいって意味だよ」

「へー!こんどつかってみる」

「それはやめとけ。うん」

32 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/07 21:43:24.59 f7Tm4MW60 24/127

タッタッタ

「買ってきたー」

「さんきゅー!」

「さんきゅー!」

「はい弟」カチッ

「妹ちゃんありがとー!」グビグビ

「俺も開けてー妹ちゃーん」

「[ピーーー]っ」ポイッ

「やっぱかわいくねえ!!」

(早く開けろっ!そして泡まみれになれっ!)

「じゃーおれがあけるー」

「お!じゃー弟に頼むぜ!」

「ちょ!自分で開けなさいよ!」

「えーだってせっかく弟が開けてくれるって言ってくれたし」

「弟もこんなやつの開けてやらなくていいから……って!こっち向けながら開けn…」


ブッシュッ!!!


「あばばばばあばばば」

「ぶはっ!」

「ふんがっ!!!!」
























男・妹・弟「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

35 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 03:02:55.37 FZmA7AwD0 25/127

「ただいまー」

「おかえりー」

「うえーベタベタするー」

「風呂場で洗ってこい。着替えいるなら俺のTシャツ貸すぞ?」

「このロリコン変態」

「人の善意になんてこと言うんだ!」

「可愛いやつもってきてよね!」

「なんやかんや言いつつも使うのね」

「なによ!悪い?」

「いや悪くはねーけど、もっと素直になればいいじゃないの」

「はぁ?なんでよ」

「妹は姉ちゃんと一緒で見た目は可愛いんだから素直になればきっとモテるぞ」

「余計なお世話だから!」

「はいはいわかったから、さっさとシャワー浴びるなり着替えるなりしてこい」

「げすめ」フン

「その捨て台詞やめなさい結構心にくるものがあるから!」

「やーだよーだ」


ダッダッダ
ガラガラガラ


「おっちゃんはやくおかしくおーぜ!」

「お前は明日顎が筋肉痛になるから覚悟しとけよ」



















(かわいいって言われた///)テレテレ

36 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 03:06:08.13 FZmA7AwD0 26/127

「なにこのだっっっさいTシャツは!」

「しょうがないだろ!男のTシャツなんてそんなもんだよ」

「くまさんがプリントされたやつとかないの?」

「ねーよ。俺がそんなTシャツ着てたらどう思う?」

「考えただけで吐き気がしてきた」

「そこまでっ!?」

「で………どうよ」

「ん?なにが」

「Tシャツ」

「はい?」

「はぁ?」

「なんで逆ギレしてんだよ」

「似合ってるかって聞いてんの!!!!!」

「『Tシャツ』だけ言われてわかるかよっ!!」

「まー、でも、なんていうか」

「なによ」

「破壊力あるな。下すっぽんぽんみたいだな」ケラケラ

「このクソ変態ウジ…

「ま、可愛いんじゃないの?っていうか今お前なんて言おうとしたっ!?ウジってなに!?まさかあのウジm…」

「///」

「おい聞いてんのか」

「///」

(ダメだ全然聞こえてねえ)

37 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 03:06:36.75 FZmA7AwD0 27/127

「おっちゃんみてー」クッチャクッチャ

「お前もう食って…って一体何個食ってんだよ!」

「ななこ!」クッチャクッチャ

「うえー見てるこっちが顎疲れてくる」

「みてみてー!」プーーーーーッ

「おおおすげえええ!めちゃくちゃでかい風船だな!ギネス更新くるか!」





「ん」パンッ ベチャッ





「うわぁあああああああまえがみえないいいいいいい」ベッチョリ









「あっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!!」


「………ぷっ…」















男・妹・弟「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

38 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 03:07:09.32 FZmA7AwD0 28/127

「ちょっとそのいりこ少し分けてくれよ」

「少しね!このちっさいやつね!」

「お前どんだけ好きなんだよっ!」

「はい」

「ちっさっ!!!頭だけじゃん!!!」

「1番おいしいとこなのよ!」

「マジで!?それはすまんかったありがとう!…って苦っ!!!」

「このおいしさがわからないなんてまだまだ子どもね」

「わかったときはきっとおっさんだと思う」

「あ?」

「いりこ食いながらメンチ切ってんじゃねーよ」

「おれめんちかつくいたい!」

「ポテチでも食ってろ!」

39 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 03:08:21.39 FZmA7AwD0 29/127

「男もなんかちょうだいよ」

「いいぞ。ほら」

「なにこれ」

「まーグミみたいなもんだ。ほら食ってみ」

「なんかすごく噛み応えのありそうなグミね」パクッ




「!?」




「ひっかっかったな」ニヤニヤ




「なひこれすっはいぃいいいいいい(≒なにこれ酸っぱい)」

「やはりいりこ大好き系女子はシゲキックスを知らんか」ケラケラ



「おっちゃん!!!たいへん!!!どうしよう!!!」

「どうした」

「ガムが…ガムが……」




「なくなっちゃった!!!」アーン

「やっぱりこうなったか…」

「なんで!?」

「お前ガムとポテチ一緒に食っただろ」

「うん。だっておっちゃんがポテチでもくってろっていったから」

「一緒にじゃねえよ!」

「それ一緒に食うとガムが溶けて無くなるんだよ」

「え…」

「えぇえええええええええええええええええ!!!!!」

「すっげぇえええええええええええええええ!!!!!」

「でもおれのガムがぁああああああああああ!!!!!」

「やかましいわっ!」

「なんで!?なんで消えたの!?」

「なんで…だろうか…ほらあれじゃないのか?ポテチの油分が…」ゴニョゴニョ

「ゆぶん?なにそれ?」

「えっと…それはだな…あぶらのことでな…」

「うんうん!」

「あとは自分で調べなさい」

「えーーーーっ」

「自分で色々調べると他の知らないことももっと知れるぞ」

「わかった!じぶんでしらべる!」

(純粋おバカで助かった)

40 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 03:11:49.17 FZmA7AwD0 30/127

【遊び編】

「ふー食った食った」

「ガム20こたべて1こもあたらなかった」ショボン

「ある意味すげーから元気出せ!ゲームでもするか!」

「するっ!」

「妹もしようぜ!」

「あたしはゲームとかよくわからないからいい」

「そんなこと言わずにほらほら!ちょっと古いけど64のスマブラやろうぜ!」

「すまぶら?」

「大乱闘スマッシュブラザーズっていうみんなで遊べる不朽の名作だよ」

「そんないかがわしいゲームあたしたちやっていいの?」

「深くはつっこまんがお前はきっと恐ろしい勘違いをしていると思う」

「早くやろー!俺カービィ!」

「カービィなんて甘いぜ弟!玄人はルイージ使うんだぜ!妹も選ぶんだ!」

「えっ?えっ?これどどど、どうすればいいの?」

「この中で好きなキャラクターを選んでみ」

「あ!これ知ってる!ピカチュウでしょ!」

「お!ピカチュウか!使いこなせるようになるとものすごくつえーぞ!」

「どうやって遊ぶの?」

「ジャンプはこれで、Aボタンがあーで、Bボタンがこーで………」

「む、難しい…」

「大丈夫大丈夫。ゲームなんだし何回かやってればすぐできるようになる」

「ほんとぉ?」

(う…さっきまでの毒舌キャラはどこへいったんだ)

「どうしたの?」

「いや…なんでもない」

「コースははいらるじょーね!」

「よっしゃーいくぜ!」

「あわわわわわ」オロオロ

41 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 03:12:18.03 FZmA7AwD0 31/127

-1時間後-

「……………なあ弟」

「……………なに?」

「妹ってさ……ゲーム普段やってんの?」

「たぶんきょうがはじめてだとおもう」

「だよな…さっき言ってたもんな」





















「30分過ぎたあたりから俺ら一勝もしてないぞ…」

「妹ちゃんうますぎ」





ピカピカーッ♪

「やったー!また勝ったー!」

42 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 03:13:10.59 FZmA7AwD0 32/127

-数時間後-

「弟!挟み打ちだ!」

「おっけーおっちゃん!」

「甘いっ!」

「なんだよこの一切無駄のない高速移動は!!」

「おっちゃんそこばくだんしかけてあ…



ドカーン

ウワァアアアアアアアアアアアアアア

キラーン



「うわぁああああやられたぁあああああああああ」

「よっしゃ!」ガッツポーズ

「おっちゃんのかたきぃいいいいいいいいい!!」

「バカっ!!うかつに近づくと…



ピガー!!!

カミナリドッカーン

ファワァアアアアアアアアアアアアアアン

キラーン



「また…まけた…」


「いえーい!2対1でも勝ったー!」


「なんだよこの凄腕ゲーマー」

43 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 03:13:37.59 FZmA7AwD0 33/127

「あーダメだ。なんなの妹、お前強すぎ」

「もういっかい!つぎこそ妹ちゃんにかつ!」

「のぞむとこよ!」


ピンポーン


「はーい」

44 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 03:14:22.30 FZmA7AwD0 34/127

「久々の女ですっ☆」

「なに言ってんだお前」

「テンション低っ!!どうしたの?!」

「お前さ…自分が得意だと思ってたものでボコボコにされたことある?」

「なんの話?」

「お前の妹の話。ゲームうますぎんだろ」

「ゲーム?あの子そういうのはやったことないはずだけど」

「今日半ば強引に一緒にやってみたんだけどな、開始30分以降は全く勝てなかった」

「あはは、うちの妹やるじゃん!」

「まったく末恐ろしいぜ」

「それにしてもあの子がゲームかあ」

「なんだよ」

「いやさ、あんまり人に懐かない子だからいつも1人で遊んでるって言ったでしょ?」

「言ってたな」

「どんな顔して遊んでたのかなーって思って」

「どんな顔って…まあそこそこ笑ってたんじゃね?罵詈雑言はしっかり浴びたけど」

「あはは、今日はありがとね!」

「ん」

「ほらーあんたたち!帰るわよ!」






<ハァーイ
<ハァーイ

45 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 03:15:26.61 FZmA7AwD0 35/127

「はい2人とも男にちゃんとバイバイ言って」

「ばいばーい!またくるね!」

「おう!二度と来んな!」

「……ばい」ボソボソ

「声ちっさ!さっきみたいに素直な感じなら萌えるのに」

「うちの妹をそんな目で見ないでっ!」

「冗談に決まってんだろ」

「目が本気だったわ!」

「マジで!?」

「あのさ…」

「ん?」

「また…ゲーム教えてよ」

「思ってたのよりすごく楽しかったから」

「おう!ゲームなら任せろ!って言っても妹の方が断然うまいけどな」ケラケラ

「ふんっ!」

「ふんっ!の使い方雑すぎるだろ」ケラケラ

「ふんっ!」ブハッ

「うおっ!お前鼻水飛ばしてんじゃねえよ!!!」



男・妹・弟「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



「仲良くなりすぎでしょっ!!!!」

46 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 18:06:08.13 FZmA7AwD0 36/127

-その日の夜-

「あー、なんか無駄に疲れた1日だった」

「今日は早く寝るか」


Prrrrr Prrrrr

表示名:女


「ん、女からだ」


Pi


「はいもしm…

≪これでもヒロインの女ですっ☆≫


ブチッ…


「………」


Prrrrrr Prrrrr


Pi


≪ちょっとあんたなんで1回切ったのよ!!≫


「悪い。なんかすげーイラっとしたからつい」

47 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 18:07:46.97 FZmA7AwD0 37/127

「で、なに?俺疲れたからすげー眠いんだけど」

≪改めてお礼の電話よ≫

「感謝してくれてんなら早く旅費稼いであいつらの面倒みてやれ」

≪もうちょっと時間かかるかな!てへぺろっ☆≫

「それ切ってくれって合図か?」

≪ごめんって!あたしも早く稼ぎ終わるように最善は尽くすから≫

「はいはい」

≪あの子たちもすごく楽しかったって言ってたわよ≫

「弟は結構エンジョイしてたみたいだけど妹はどーだろーな」

≪あはは、むしろ妹の方に今日の話ずっと聞かされたわよ≫

「マジかよ。女ってほんとよくわからんな」

≪あんたは女心がわかってないわね≫

「何の話だ?」

≪あはは、こっちの話≫

「なんだよそれ…で、用はそれだけか?俺もう寝たいんだけど」

≪ごめんごめん!じゃ、あと少しの間お願いね!≫

「はいはい」

≪おやすみっ!≫

「おやすみー」


Pi













「今日は久しぶりにぐっすり眠れそうだな」

48 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 18:09:09.05 FZmA7AwD0 38/127

-翌朝-


「ぐかぁ~~~ぐかぁ~~~」zZZZ


ガチャッ

<アライラッシャイ

<オッチャンイル?

<オッチャン?ア、オトコノコト?

<ウン!

<マダネテルカラオコシテキテクレル?

<ハーイ!


ドタドタ



ダッダッダ



ガチャッ



「おっちゃぁああああああああああん!!!!!!!」ドスン


「ふんがっ!!!!!!!」


「あっそ!びま!しょ!!!!」


「がはっ…」チーン

49 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 18:11:26.67 FZmA7AwD0 39/127

「お前…まだ7時半だぞ……」

「おれラジオたいそうしてきた」

「ああ…そんなもんあったな…」

「思いっきりCD音源じゃねえか!って毎回思ってたわ…」

「きょうはなにしてあそぶ?」ウキウキ

「遊ぶって…お前さすがにまだこの時間なら家に家族いるだろ?」

「いるけどきた!」

「寄り道は行けないんだぞ。帰るまでがラジオ体操なんだぞ」

「1かいかえってきた!」

「うちの人には…」

「ちゃんとおっちゃんちいくっていってきた!」

「妹は?」

「あとでくるって!」

「はぁ…わかったから…わかったからとりあえず朝飯食おう」

「お前朝飯は?」

「いえでくったけどはらへった!」

「はいはい。さっさと1階行くぞ」

「うぇーい!」

「そのリア充みたいな喜び方やめろ」

「りあじゅーってなに?」

「クソまずいジュースだよ」

「じゅーすがよろこぶの?」

「それに関しては上手い返しが思い浮かばないからスルーだ」

「?」

50 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 18:14:45.89 FZmA7AwD0 40/127

「おはよー」

男母「あらおはよ!今日は早かったわね」ニヤニヤ

「こんな刺客を送りこんどいてよく言うぜ」

男母「みなさん初めまして☆男母36歳です☆」

「どこ見て言ってんだ42歳」

男母「あ?なに食べる?」

「あ?じゃねーよ…適当にパンでも食うから仕事の準備してていいよ」

男母「そ!助かるわ!」

「おれのは?」

「お前には特製の朝飯作ってやるよ」

「やったー!」

「って言っても…」

「昨日お前のせいで買うはめになったウインナーにスライスチーズ乗っけてオーブンで焼くだけのやつだけどな」

「それうまいの?」

「まーおとなしく待ってろって」

男母「ふふふ、あんたたち本当の兄弟みたいね」

「こんな騒がしいのが弟だったら体が持たん」

「ねーまだー?」

「はえーよっ!」

51 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 18:15:11.65 FZmA7AwD0 41/127

チーン

「できた。ほら食ってみ」

「いただきまーす!」ガブッ

「あっちぃいいいいいいいいい!!!!!」

「うめぇええええええええええ!!!!!」

「うるせーよっ!」

「おっちゃんにもあげる」

「俺は別にいいよ」

「だまされたとおもって!これうまいんだって!」

「俺が作ってやったんだけどな」

「ま、ありがたくもらうぜ」




























「ん。うまい」ホクホク

52 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 18:16:34.85 FZmA7AwD0 42/127

男母「そろそろ私は引き籠もり気味の哀れな息子を養うために仕事に行くから」

「朝からそれは効くぜ…」

男母「ちゃんと子守りするのよ!お昼はそうめんか何か適当に食べてね!じゃ、行ってきます!」

「はいはい、いってらっしゃい」

「いってらっしゃーい!」













「はぁ、なんで夏休みなのにこんな朝早くに起きなくちゃいけないんだ…」


「まぁ悪い気分ではないけど…」


「1日の活動時間もたっぷりできたし…」


「別にやることはないが…」


「そうめんたべる?」


「はえーよっ!」

53 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 18:18:05.28 FZmA7AwD0 43/127

ピンポーン

「はーい」

ガチャッ

「お、…おはよ」

「お、妹か。おはよー」フワァ~ッ

「お邪魔しまーす」

「靴ちゃんと並べるとか偉いな」

「当然でしょ」

「相変わらず素直じゃないなー」

「ふんっ!」

「はい今日の初ふんっ!いただきましたー」

「くたばれ」

「だいぶ暴言に耐性が付いてきた自分が情けない」

54 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 18:18:58.13 FZmA7AwD0 44/127

「というわけで…」

「当たり前のようにやってきた君たちであるが」

「今日も女はバイトなのか?」

「しらなーい」

「今日は夕方からよ」

「じゃあなんでこんな朝早くから来たんだよ」

「ひまだから!」

「暇そうにしてると思ったから」

「暇ならどっか他で遊べよ!そんで暇そうにしてると思ったからってなにっ!?俺気を遣われたの!?」

「暇じゃないって言うの?」

「あ、ああ当たり前じゃないか!高校生にもなると日々忙しいんだぞ!」

「じゃー今日の予定教えてよ」

「うっ……それはだな…」

「ゲームして…」

「昼寝して…」

「テレビ見て…」

「ゲームして…」

「うわぁ……」

「ドン引きしてんじゃねーよっ!俺だって言っててすごく辛かったんだぞっ!」ブワッ

「彼女の1人でもいればなあ…」

「………」

「せめてなんか言って!生ごみを見るような目で見るのだけはやめてお願いだからっ!」

55 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 18:19:44.21 FZmA7AwD0 45/127

「はぁ…で、今日は何すんの?」

「せみとりっ!」

「えええええ、このクソ暑い日に?」

「あついからせみがいるんでしょ!」

「まぁ…そりゃそーだけどさ…」

「あたしも絵を描きたいから外がいいかな」

「ぐぬぬ……」



















「じゃ、夏休みの定番、セミ取りしますか…はぁ…」

「いぇえええええええええええい!!!」

「♪」

56 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 18:20:44.19 FZmA7AwD0 46/127

【セミ取り編】

「セミ取りに行くのはいいんだが…」

「お前網の1つくらいはもってるんだよな?」

「なーいっ!」

「おい…ってか持ってないなら今までどうやって虫採ってたんだ?」

「むしとりやったことない!」

「マジかよ」

「きのうてれびでむしつかまえるのやってておもしろそーだった!」

「まー採れたときの達成感は確かにあるな」

「妹は虫とか大丈夫なのか?」

「正直…苦手…」

「そこらへんはちゃんと忠実に女の子なんだな」

「あ?」

「ひぃっ」

「最近怯え方が棒読みじゃない?」

「そんなことございません」

「はやくいこ!」

「とりあえずホームセンターで道具を調達だ」

60 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:41:10.85 FZmA7AwD0 47/127

<アリガトーゴザイマシター

ガラガラ

「ま、安いけどこれで十分だろ」

「むしかごもかってくれてありがとう!」

「安かったから気にすんな。多分今日のセミ取りで使うことはないけど今後使うといいさ」

「うん!」

「妹も色んな色が入った色鉛筆見つけられてよかったな」

「あ、…ありがとう。でもお金は…」

「あとで女からもらっとくから気にすんな」ニシシ

「うん…わかった」

「じゃ、近くの公園にでも行くか」

61 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:41:50.52 FZmA7AwD0 48/127

「着いた!」

「ついた!」

「ついた…?」スッ

「構えんな構えんな」

「それにしても…


ミーンミンミンミー


ジリジリジリジリ


ツクツクボーシ ツクツクボーシ


「すごい喧騒だな」

「すげー!」

「あそこのベンチで書いてていい?」

「おう!一応俺の目の届くとこにいてくれ」

「わかった」コクリ

「じゃ、セミ捕まえるか!」

「おう!!しょうぶだ!!」タッタッタ

「えー、それはだるいなー」ダッダッダ









「さて何を描こうかな…」


<ワーワーワー

<ワーワーワー

62 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:42:41.04 FZmA7AwD0 49/127

(よし、セミを捕ってる2人を描こう!)


カキカキ


(さっき買ってもらった色鉛筆もさっそく使おう!)


ヌリヌリ


(~♪)

63 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:43:07.69 FZmA7AwD0 50/127

「せいやっ!」

ミーン

「そこだっ!」

ミーン

「はっ!」

ミーン

「………」





「ぜんぜんだめだ…」

「へたくそか」

64 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:44:50.23 FZmA7AwD0 51/127

「あのな、そんな声出しながら突っ込んでったら捕まるもんも捕まんねーよ」

「どうしたらいい?」

「まずはターゲットを決める」

「ふむふむ」

「ターゲットが決まったら、次は慎重に近づく…もちろん声は出さずに…」ソローリ

(いーか、なるべくセミの横側に行くんだ)コソコソ

(なるほど)コソコソ

(そしてタイミングを見計らって…)コソコソ

(おおお!)ワクワク



「っ!!!!!」バシッ

ジジジ!ジジジ!



「おおおおおお!つかまえたああああああああ!」

「まーこんな感じだ」

「おっちゃんすげぇええええええええ!!!!!」

65 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:45:17.61 FZmA7AwD0 52/127

「ほら、せっかくだから手で持ってみろ」

「かまない?」

「噛まない噛まない」

「背中のとこを優しく掴んでやれ」

「お…おお、おぉおおおおお!!」

「いちいちリアクション大きいな」

「なんかいきてるみたい」

「そりゃ生きてますから」

「おれこれそだてる!」

「3日後には死んじゃうよ」

「なんで?!」

「セミの寿命はとても短いんだよ」

「そうなのかぁ…」ションボリ

「だから逃がしてやろーぜ」

「……わかった!」

「偉い偉い」ポンポン

「にしし!」ニコッ

ミーン♪

66 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:45:43.44 FZmA7AwD0 53/127

「~♪」

67 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:48:23.84 FZmA7AwD0 54/127

-数十分後-

「戻ってきたぜー」

「たくさん捕まえられた?」

「なかなか捕まえたぞ。全部逃がしたけど」

「セミがもうちょっとながくいきられるようになるといいね!」

「そうだな」

「妹は絵描けたか?」

「うん。絶対見せないけど」

「ちょこっとだけ!」

「絶対いや」

「そこをなんt…

「あ?」ギロッ

「いえ何でもありません」

「はぁ~でもざんねんだ」

「なにが」

「おれたべたかったんだ」

「なにを」

「からあげ」

「からあげ?」

「セミの」

「それはセミの寿命が延びても食うな」

68 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:49:20.22 FZmA7AwD0 55/127

ガチャッ

「ただいまー」

「ただいまー」

「おかえりー」


男・弟・妹「あぢぃーっ」


「クーラー付けてっと」ピピッ


「意外と長く公園にいたな」


ドバドバドバ


「ほら2人もしっかり麦茶飲んどけ」


ゴクゴクゴクゴク


男・弟・妹「ぷはぁーっ!」

69 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:49:46.65 FZmA7AwD0 56/127

「お、もう昼の時間だな」

「はらへった!」

「よしそうめん作るか!」

「まってました!」

「あたしも何か手伝おうか?」

「それじゃー生姜でもすってくれるか?」

「わかった」

70 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:50:33.45 FZmA7AwD0 57/127

「ねーねーまだー?」

「もうちょっと待たんかい」

「よいしょ、よいしょ」スリスリ

「すり終わりは手も一緒にすらないように気をつけろよ」

「はいはい…」ズリッ

「あ」

「いったーっ!」

「言ってるそばから何やってんだよ」

「ほれ見せてみ」

「あーちょっと切れてるな。痛いか?」

「あう…いや、別に痛くは…///」ドキドキ

「なんで照れてんだお前…」

「はぁー?照れてないし!!ゴミが!!」

「そこまで言わなくていいだろっ!」

「ほら、絆創膏貼るから手出せ」

「う…///」ドキドキ

ピラッ

ピタッ

「よしこれでおーけー」

「あとは俺がするからお前も弟と一緒に待ってろ」

「…わかった」ドキドキ

71 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:51:17.06 FZmA7AwD0 58/127

男・弟・妹「いっただきまーす!」


ズルズル


チュルチュル


ズルズル


チュルチュル


ゴクゴク


ズルズ…


「お前なんでつゆまで飲んでんだよ!」


「えへへ」

72 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:51:47.69 FZmA7AwD0 59/127

男・弟・妹「ごちそうさまでした!!!」

73 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:52:26.31 FZmA7AwD0 60/127

-午後1時くらい-

「さてこれからどーするかなー」

「………」ウッツラウッツラ

「眠いの?」

「ねむく…ない…」ウッツラウッツラ

「まるで幼稚園児だな」

「そんなとこで寝たら風邪引くよ」

「ん………」バタッ

「あー横になっちゃった」

「ほーら弟ー」ユサユサ

「寝かせといてやろーぜ、俺部屋からタオルケット持ってくるから」

「…わかった」

74 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:52:52.47 FZmA7AwD0 61/127

「すぴー、すぴー」

「なんか…こいつの寝顔見てたら…」

「あたしも…」




男・妹「眠くなってきた…」

75 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:53:21.42 FZmA7AwD0 62/127

男・弟・妹「zzZ」

76 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:54:10.92 FZmA7AwD0 63/127

-午後3時半くらい-

「ん………」パチリ

「腹が…重い…」

「すぴー、すぴー」ドドーン

「なんでお前俺の腹の上で寝てんだよ…」

「そんで右腕の感覚が…」

「すー、すー」スリスリ

「お前も見事に俺の腕を枕に使いやがって…」

「ほーら、そろそろ起きねーと夜寝れなくなるぞ」

弟・妹「んんん…」ムニャムニャ

77 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:54:38.56 FZmA7AwD0 64/127


「眠気覚ましがてらコンビニにアイスでも買いに行くか」

「おっしゃぁああああああああああああ!!!」

「お前は買いに行く必要ないな」

「えええええええええっ!!」

「冗談だよ」ケラケラ

「ん~…」ムニャムニャ

「ほらほら、妹も行くぞ」

78 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:55:26.34 FZmA7AwD0 65/127

<イラッシャイマセー

「好きなの買っていいぞ」

「どれにしよっかなー」ワクワク

「あたしはこれ!」

「即決だな。どれだ?」

「ジャイアントコーン」

「また妹ちゃんそれ買うのー?こっちのゆきみだいふくもおいしいよ!」

「なにいってるの!こっちのほうがおいしいに決まっているわ!」

「だって、ジャイアントなのだから!!」

「そっか!!!!」

「さすが姉弟だな」

79 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/09 23:57:00.16 FZmA7AwD0 66/127

男・妹・弟「アイスちべたい」

80 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/10 00:05:22.60 6zxCSfMa0 67/127

ピンポーン

<はーい!

「あ、普通にいた」

ガチャッ

女母「あら男くん!」

「ども。弟くんと妹ちゃん連れてきました」

妹・弟「ただいまーっ!」

女母「おかえり!」

女母「男くん昨日に引き続き今日もごめんねー」

「いえ、それより女も夕方からバイトって言ってたんで家には誰もいないと心配してました」

女母「今日はちょっと家で仕事しててね」

(1日いたのかよ!)

女母「この子たちにも言ったんだけど、昨日があまりにも楽しかったみたいで」

女母「特に妹なんか…」ニヤニヤ

「?」

「ちょっとお母さんっ!」

女母「せっかくの夏休みにごめんね、迷惑だったでしょ?」

「いえいえ!そんな!全然迷惑なんかじゃありませんよ!」アセアセ

(それにしてもこのお母さんの胸元はどうにかならんのか…目のやり場に困る…)

女母「あ、そうだ」

「どうしました?」









女母「みなさん初めまして!女母35歳です☆」

「なに言ってんの42歳」

「よく言ってくれた」

81 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/10 00:05:52.70 6zxCSfMa0 68/127

「あー今日も疲れた…」

「首と腕がひりひりする…日焼け止めぬっとくべきだったか…」

「まぁ…でも…」

「懐かしいな…こういうの…」

「!?」




男母「ひひひひ」ジーッ

男母「なーに一人で酔いしれてんのよ」ニヤニヤ




「きゃぁあああああああああああああああああああああああああ」

82 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/10 00:07:12.99 6zxCSfMa0 69/127

「ったくなんてタチの悪い母親だ」


Prrrrrr Prrrrrr

表示名:女


「またか女か」

Pi

「もしもーし」

「やっほー!今日もありがとね!」

「どーいたしましてー」

「それよりさ、聞きたいことあるんだけど」

「なに?」

「昨日から弟がガム食べながらご飯食べるんだけど」

(あ……)

「『だいはっけんをする!』とか言って全然聞かないんだけどあんたなんか知ってる?」

「いや…特に心あたりは…」

「そ。ならいいんだけど」

(あいつ何やってんだよ!)

「あ!あと今日妹と弟に色々買ってくれてありがと!レシート持ってる?」

「あーいいよ金は」

「でも…」

「俺普段金あんまり使わないし、あいつら喜んでたっぽいからお金はいらない」

「でもそこらへんはちゃんとしとかないと」

「じゃーあいつらがバイトとかするようになったら何か買ってもらうわ」

「まーあんたがそれでいいならいいけど」

「よいよい」

「そ!じゃ、明日もよろしくね!明日は夕方まであたしもお母さんもいないから」

「はいはい」

「おやすみー」

「おやすみー」

Pi

「さて寝るか」

83 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/10 00:07:48.16 6zxCSfMa0 70/127

-女宅-

「おやすみー」

Pi

「お姉ちゃん誰と電話してたの?」

「んー?誰でしょう?」ニヤニヤ

「なんでニヤニヤしてんの」

「男!」

「えっ…な、なにが」

「電話の相手!」ニヤニヤ

「ふ、ふーん…そーなんだ…」

「あんたさ」

「な、なに」

「男のこと好きでしょ?」

「あx34えf6gtybふjきぉ;p!!!」

「わかりやすっ!!!」

「違うってば!!!」

「必殺ね」ニヤニヤ

「別に…好きとかじゃ…ないけど…一緒にいると…楽しいっていうか…」モジモジ

「今日も…ケガしたとき絆創膏貼ってくれたし…///」モジモジ

(かわいすぎる!!!)

「その…お姉ちゃんは男のこと……えっと…」

「好きよ」

「えっ」

「友達としてね」ニヤニヤ

「」

84 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/10 00:09:28.06 6zxCSfMa0 71/127

「あいつとは小さい頃からの幼馴染でずっと一緒だったけど恋愛感情みたいなのは持ってないよ」

「あいつも普通にあたしに接してくるからそういう感情はないと思う」

「それにあたし気になってる先輩いるし」

「そ、そうなんだ…」ホッ

「なんで今あんた安心したのよ」ニヤニヤ

「ち、違う!!」

「あはは、それに幼馴染と付き合えるなんてお話はSSの世界でだけよ」

「えすえす?」

「そ!だから大丈夫よ!」

「何が大丈夫なのか全然わからないけど…」

「まぁ…さすがに高校生と小学生の恋愛には厳しいところがあわるわね」ブツブツ

「いや、あの…お姉ちゃん何言ってんの…」

「あんたが高3で18のとき男が26か…ふふふ、悪くないじゃない!」

「勝手に話進めないでよ!!」

「ま、好きかどうかわからないならどんどん一緒に遊びなさい!」

「…うん」

「変に意識しちゃダメよ」

「お姉ちゃんがそれを言うの!?」

「あはは、あんたは素でいればいいのよ!」

「素かぁ……」

女母「応援してるからねっ!」ニュッ

「きゃぁあああああ!!お母さんどっから出て来たのよ!!」

女母「実は最初から話聞いてたんだけどね」ニヤニヤ

女母「それにしてもこの絵上手ねー!この人は男くんかな?ふふふ」ニヤニヤ

「きゃぁああああああああああああ!!!」







-その頃男の部屋-

「ぐかーっ、ぐかーっ……ふんがっ!!!!」

93 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/11 01:23:28.95 hfjvTjJ10 72/127

-翌日-

「…ん………」パチリ

「あぁ……よく寝た…」

「おはよ」チョコン

「おはよー!」

「ん。おはよ」

「…」

「ん?……」

「なによ」

「………………」

「…………………」
















「なんでいるんだよぉおおおおおおおおおおおお」

94 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/11 01:24:48.93 hfjvTjJ10 73/127

「マジでびっくりしたぞ」

「おはようって言っただけじゃない」

「朝起きて目の前に小学生が2人もいたらそらびびるわっ!」

「うるさいなーもう」

「うるさいってお前…」

「とりあえず寝ぐせ直してきなよ」

「めんどくさいからいーや」

「そんなんだから彼女の1人もできないのよ」

「お前は母ちゃんかっ!」

「なーなーそのかみがたどーやったらできるの?」

「んー?髪の毛濡らしたまんま寝たらなるんじゃね?(俺は癖毛が原因だけど)」

「そっかー」

「今日は何するの?」

「なにって…」

「いや待て、お前らここんとこ毎日当たり前のようにうちに来てるが、夏休みの宿題はちゃんとやってんのか?」

「あたしは計画通りに進んでる」

「意外と真面目なんだな」

「意外ってなに」ギロッ

「いえなんでもありません失礼しました」

「弟は?」

「ひゅ~~~」

「目泳ぎまくってるし口笛全然吹けてないぞ」

「おれは……あとでやるタイプかな!」

「31日に泣きを見る典型的なタイプじゃねえか」

「だってー」

「だってじゃねーよ」






「というわけで、今日の午前中は夏休みの宿題やります」

「ぶっちゃけ俺も宿題まだノータッチでやばい!!!」

「計画性のない男は嫌われるわよ」

「はいはい精進します」

「///」テレテレ

「なんでそこで照れる!?」

95 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/11 01:25:38.24 hfjvTjJ10 74/127

【夏休みの宿題編】

「あーもうむりーぎぶー」バタッ

「開始10秒で投げ出してんじゃねーよっ!」

「だってーもじよんでるとねむくなるもん」

「国語の問題か…うっわ!懐かしっ!」

「『大きなかぶ』に『たぬきの糸車』に『えいっ』…うわー懐かしすぎる!!!」

「どうしてもやりたいならしてもいいよ?」

「その手にはのらん。ほらよ」

「ちっ」

「眠くなるならガムを噛むといい。脳が活発になるぞ。ほら」

「ありがと!」クッチャクッチャ

「妹は何やってるんだ?」

「算数」

「算数って響きがね…もうね、懐かしすぎるね」

「高校生は算数しないの?」

「中学生から算数は数学ってのに変わるんだよ」

「へぇー。難しい?」

「なにがわからないのかわからなくなる」

「なにそれこわい」

96 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/11 01:27:10.59 hfjvTjJ10 75/127

「おっちゃんこれなに?」

「英語の長文プリントだよ…それは後回しだ」

「なにこれ。かんじ?」

「これは英語ってやつだ。AとかBとか聞いたことあるだろ?」

「しってる!」

「もうちょっとしたらお前も習うよ」

「ふーん」カキカキ

「こんなことしなきゃいけないならいっそアメリカ人に生まれたかったよ」

「~♪」カキカキ

「なんだお前急にやる気出して……って、は?」

「~♪」カキカキ

「ちょっと…弟くん…」

「なに?」カキカキ

「君いったい何やってるの?」

「おっちゃんのためにこたえかいてるんだよ」カキカキ





「なにやっとんじゃぁああああああああああああああああああ」


「え?お前マジで何やってんの!」


「なに解答欄にうん〇こなんか描いてんの!」


「しかもそれ油性ボールペンじゃねえかよぉおおおおおおおおお」


「ポトッ…あ、ガムおっことしちゃった…えへへ」ネバーッ


「いやぁあああああああああああああああああああああああああ」


「やべえ!早く取らないと固ま……ビリッ…」


「………」

97 : ◆VYJqzu6hsI[] - 2012/10/11 01:27:38.50 hfjvTjJ10 76/127

「おとこぉ…ごめんね…」

「あ…うん…いいよ…気にしてないし…むしろ宿題減ったし…ははは」バタッ、チーン

「おとこぉおおお!!元気だしてぇえええ!!」

「どんまいどんま…」

「あんたのせいでしょ!!!!」バキッ

「も、もうしわけありませんでした…」チーン














男・弟「zzzzzzzzzzzzzz」


「寝るんかい!!!」

98 : ◆VYJqzu6hsI[sag... - 2012/10/11 01:28:55.86 hfjvTjJ10 77/127

男・妹・弟「ごちそーさまでした!!!」

「結局あれから2人とも寝て、それからお昼ご飯食べて、宿題全然やってないでしょ」

「ふかこうりょくだ!」

「やかましいわっ」ビシッ

「弟は家帰ったらちゃんとやるんだぞ!」

「はーい(棒)」

「今からやればいいじゃん」

「あれ?妹ちゃんはこれやりたくないのかなー?」チラチラ


『マリオカート64』


「ゲームっ!」パァッ!!

「まー妹ちゃんが宿題やれって言うならやるけど…あ、もちろん俺が終わるまでゲームはなしだk…」

「ゲームやりますっ!!!!!」ワクワク!!

(ちょろっ!!!)

99 : ◆VYJqzu6hsI[sag... - 2012/10/11 01:29:55.47 hfjvTjJ10 78/127

-数時間後-

「いえーい!また1位!」

「………」

「………」

「あれだろ…友達んちかなんかでやったことあるんだろ?」

「ないよ」

「………」

「おれ1しゅうさつけられた…」

「ふふふ、ハンデでそっちが1周するまでスタートしないであげてもいいけど?」

「この野郎…怒った!今の舐めた発言で完全に俺は怒った!」














「1周半でお願いしますっ!!」

100 : ◆VYJqzu6hsI[sag... - 2012/10/11 01:30:30.62 hfjvTjJ10 79/127

「なんだよあのアイテムの引き運は…雷落とし過ぎだろ!ピカチュウかお前は!」

「なんならスマブラでまた勝負する?」

「おれなんかじしんなくなってきた…」

「安心しろ、俺もだ」

「もうゲームやめよ!べつのことしよ!」

「あのゲーム好きの弟がここまで…なんて恐ろしい姉ちゃんなんだ」

「ま!勝負したくなったらいつでも言ってよ!ボコボコにしてあげるから!」

「ぐぬぬ……よし、気分転換に散歩でも行くか!」

「さんせー!」

「おっけー」

101 : ◆VYJqzu6hsI[sag... - 2012/10/11 01:31:42.67 hfjvTjJ10 80/127

「とは言ったものの……」





「なんで俺は真夏のクソ暑い真昼間に散歩しようなんて提案したんだ…」

「あぢぃー」

「さすがに暑い…」

「よし、予定変更。あそこのレンタルビデオ屋でDVD借りてうちで観よう!」

「さんせー!」

「でぃーぶいでぃー?」

「映画やアニメのビデオを貸してくれるとこだよ」

「おおお!ビデオか!」

「何か借りたいものはあるか?」

「しょうてん!」

「残念だがそれは多分ない。っていうか渋いなお前」

102 : ◆VYJqzu6hsI[sag... - 2012/10/11 01:32:30.74 hfjvTjJ10 81/127

【レンタルビデオ屋編】

店員「いらっしゃいませー!」

(今日もあの店員さんは可愛いなー)ニヤニヤ

「むっ…」ジーッ

「な、なんだよ」

「ふんっ!」プイッ

「あ!そうだ!」

「どうした?笑点のDVDはきっとないぞ」

「ほかにみたいのがある!」

「ならそこらへんで探して来い。絶対に勝手に店の外に出るなよ」

「はーい!」タッタッタ

「妹も好きなDVD探してこいよ」

「わかったー」タッタッタ

103 : ◆VYJqzu6hsI[sag... - 2012/10/11 01:34:02.45 hfjvTjJ10 82/127

(俺はCSIでも借りよーかな…)

(ん?)

(あいつ何やってんだ?)



「すみませーん!」

店員「あら、どうしたのかな?おうちの人とはぐれたのかな?」

「ちがいます!さがしてほしいビデオがあります!」

(あいつ意外と礼儀正しいんだな)

店員「じゃーそのビデオの名前教えてもらえる?」



「きょにゅーのビデオどこにありますか!!!」

「はっ!?」

104 : ◆VYJqzu6hsI[sag... - 2012/10/11 01:34:31.46 hfjvTjJ10 83/127

店員「えっ…と…ごめんなさい…もう1度教えてもらえる?お姉さん聞き間違えちゃったと思うから」ハハハ


「だからきょにゅーのビデオ!!!おっちゃんがすきなの!!!」


ザワザワ…ザワザワ…

アノコイマナンテイッタ?

キョニュー?

オッチャン


店員「えっと…その…お父さんがそれをさがしてるのかな?」



「きゃぁあああああああもう勘弁してくれぇええええええええええええええええ」



店員「えっと…お客様が…こちらのお子様のお父様ですか…?」

「断固として違いますっ!」

「一身上の都合でこいつを預かっている者ですっ!」

「おっちゃん!おれがきょにゅーのビデオさがしてあげてるよ!」

「もうほんと俺今泣きそうだから黙っててくれ」

店員「その…タイトルを言っていただければ…お調べいたしますけど…」

「大丈夫ですほんとに…できたら今日のことは忘却してください…ああ死にたい…」

店員「げ、元気出してください!性癖は人それぞれじゃないですか!」

「全然フォローになってませんよ!!!」

「それに俺まだ17歳ですからっ!!!」

店員(なんで今17歳で声張ったんだろ…)



「男ぉー選んできたよ……って、なにしてんの…」



「ははは、なんでもないよ…さあお会計を済ませようか…ははは…」

105 : ◆VYJqzu6hsI[sag... - 2012/10/11 01:36:23.78 hfjvTjJ10 84/127

店員「旧作3点のご利用でお会計240円です!」

「はい…」チャリン

店員「ちょうどお預かりいたします!」

「ねえ男」

「なに?」

店員「商品袋に入れますので少々お待ちくださいませー」

「昨日お姉ちゃんが言ってたんだけどね…」

「うん」

「お姉ちゃんと男はSMの世界だったら付き合えるの?」

店員「」

「はい?…次から次へと君たちは一体何を言っているのかな?」ハハハ

「だから S M !」

店員「」

「妹…SMって意味わかってんのか?」

「わからないから聞いてんの!」

「一体どういう会話の流れでそんなことになったんだ…」

「なんか幼馴染と付き合えるお話なんてSMの世界だって…」

「それもしかして…SSじゃね?」

「あー、そうかも!よく覚えてないし」

店員「い、一週間後の〇〇日までに…ご返却お願いしたします…」

「店員さん…僕に罪はないんです…ほんとうです…」







<アリガトウゴザイマシター

「ほんと消えてなくなりたい……」

弟・妹「??」

106 : ◆VYJqzu6hsI[sag... - 2012/10/11 01:41:58.57 hfjvTjJ10 85/127

【借りた作品】

男…『CSI』

弟…『ゴーカイジャー』

妹…『ダイ・ハード2』



「まさかお前が『ダイ・ハード2』を借りるとは思わなかった」

「なによ」

「いや、プリキュア?だっけ?そういうの借りると思ってたから」

「あんましあーゆーのは好きじゃない」

「ふーん」

「やっぱりあーゆーの借りた方が女の子っぽい?」

「別にー。妹の好きなやつでいいと思うぞ」

「そっか♪」

「ちなみに俺は3が1番好きだけどな」

「にわかが」

「えっ」

111 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/11 23:32:26.64 hfjvTjJ10 86/127

<俺の知識は冷凍ピザの出現あたりで凍結してるよ


<趣味は裁縫だ!


<助けてくれよ、ニューヨークとワシントンは隣同士じゃないか、恩を売っといて損はないぜぇ?


<なぁ、クリスマスだろ?



――――――――――――


――――――――


――――――


――――


――



「すげぇええええええええ!!!」

「やっぱこのシリーズは面白いな!」

「でしょっ!」ドヤッ


ピンポーン


「お。お迎えがきたな」

「弟のDVDは家で観とけ」

「おっけー」

「ほら、妹も行くぞ」

「え、あ…うん」シュン

「どうしたしょんぼりして?」

「な、なんでもない!!」ニコッ

「しょぼくれたり笑ったり忙しいやつだな」

「あ!そうだ!おれあしたともだちとあそぶんだ!だからあしたはおれおやすみね!」

「おーおー遊んで来い遊んで来いどこまでも行ってこい」

「あ!あたしもお誘い受けてたんだった!」

「ほーっ、さては同じクラスの男の子かな?」ニヤニヤ

「割と本気で死ね」

「」

112 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/11 23:32:55.53 hfjvTjJ10 87/127

「今日もありがとね!」

「うむ」

「じゃ!お前らいつかまたな!」

「またすぐくるし!」ニシシ

「来んな来んな」ケラケラ

(もうちょっと一緒に遊びたかったな…)

「もうちょっと一緒に遊びたかった?」ヒソヒソ

「ちょ!!お姉ちゃん!!」

「ごめんごめん」ニヤニヤ

「?」

「男…ばいばい!」

「おう!またな!」

「///」テレテレ

「だからなぜそこで照れる」

113 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/11 23:33:25.09 hfjvTjJ10 88/127

-その日の夜 男部屋-


Prrrrrr Prrrrrr


Pi


「もしもーし」

≪やっほー≫

「どーした」

≪あの子たちの子守りの件なんだけどさ≫

「金は出世払いでいーぞ」

≪いやいや、そーじゃなくて≫

「ん?」

≪旅費が次回のバイト分でおそらく貯め終えるからさ、もう子守りはしなくていーよ≫

「随分と早いな」

≪これでも一応バイトする前からコツコツと貯金はしてたからね≫

「お前は計画性があって偉いなー」

≪あら、うちの妹に計画性がない男は嫌われるとでも言われた?≫

「あれはお前の受け売りだったのか」

≪そ!それより男、妹はどうよ?≫

「どうって……罵詈雑言は相変わらず浴びせてくるけど、最近はわりと素直で楽しそうだよ。なんで?」

≪あはは!妹ね、帰って来てからあんたのことばっか話してくんのよ!あたしは全く興味ないって言ってるのに≫ケラケラ

「なんか反応に困る話題だな」

≪で、どーよ?1人の女の子として?≫ニヤニヤ

「にやにやしてんのがまるわかりだな」

≪話をそらさないでさ!≫

「あのなお前…妹はまだ小3なんだぞ?」

≪あんたが26のときには18じゃない≫

「それがなんだよっ!」

≪さすがに小3の女の子と付き合えとは言わないわ≫

「話が飛躍しすぎてつっこみが追いつかん」

154 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 18:21:15.75 ke29dEsf0 89/127

≪あんたも自分が気を持たれてることくらい薄々わかってるでしょ?≫

「それは…でも……いやいや、仮にそうだとしても、妹は俺を兄的な存在くらいにしか思ってねーよ」

≪自分のお兄ちゃんのことを楽しそうに話す妹ってなかなか希少だと思うけど?≫

「俺は妹の兄ちゃんじゃねーよ」

≪じゃーそういうことじゃない≫

「お前……言ってることが無茶苦茶だろ…」

≪あはは!でも単純なことじゃない!≫

「言っとくけどな、俺はそういう目で妹を見たことはないからな」

≪妹もそれはきっと自覚してる。それに高校生男子がこの年代の女の子に興味あるなんて言った日にはロリコンの称号授与だもんね≫

「それもあるけど…ほんとに俺は年の離れた妹くらいにしか…」

≪それでいいじゃない!これから変わっていけば!≫

「変わっていけばって……俺の意見は完全無視かよ」

≪あたしは妹の思いをちょこっと伝えてあげただけよ≫

「妹がそんなこと頼むとは思えんのだが…」

≪頼まれてないわ!あたしの独断行動」

「ひでぇ姉ちゃんだな」

≪そうかもね。でも妹の恋を応援するのが姉の務めだと思ってるわ≫

「"人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじまえ"って慣用句知ってるか?」

≪初耳よ。そして随分と手厳しい言葉ね≫

「死んじまえとまでは言わないが、もし妹に本当にそういう気があるなら、自分でなんとかするんじゃないか?」

≪それもそうね、あはは!そのときはしっかり受け止めてね!≫

「むっちゃくちゃだな…ったく…」

114 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/11 23:35:37.01 hfjvTjJ10 90/127

≪じゃ、そういうことだから!≫

「女…」

≪なに?≫

「………いや…なんでもない」

≪そ!≫

「あ」

≪なによさっきから!≫

「あいつら次でうちで預かるの最後なんだろ?」

≪まぁ…家は近いけどそういうことになるかな≫

「そうか。じゃーさ、明後日の夏祭りあいつらと一緒行っていいか?」

≪あら珍しい。もちろんいいわよ≫

「せっかくだしな。何やかんや楽しませてもらったお礼だよ」

≪あはは!たまには小さい子の相手するってのもいいもんでしょ?≫

「案外、悪くはなかったよ。当分は勘弁してほしいけどな、あはは」

≪2人にも伝えておくね≫

「頼むよ!」

「断らない!」


Pi

115 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/11 23:36:39.32 hfjvTjJ10 91/127

「お姉ちゃん!あんなストレートに言っちゃダメって言ったじゃん!!!」カァッ

「ごめんごめん!ついね」

「もー!やっぱこんなことするんじゃなかった!」

「あんたがどうにか男を振り向かせたいって言ってきたんじゃないのー」

「それは…そうだけど……」

「さっきので男も多少なり感じたものはあると思うよ」

「…うん」

「今は可愛い妹くらいしか思われてないとしても」

「妹が男を好きって気持ちをちゃんと持ち続けてれば、きっと男も振り向いてくれるはずよ!」

「そうかな…」

「振り向かせなさいっ!」ニコッ

「………うんっ!」ニコッ

「それより…うふふ…明後日夏祭り行こうだってよ!」

「ほんとに!?」パァッ

「もちろん弟もいるけどね」

「で、ですよねー」

「ま!弟はあたしとお母さんが連れていくけどね!」

「!?」

「しっかり楽しんできなさい!」ニコッ

116 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/11 23:37:10.61 hfjvTjJ10 92/127

-翌日-


チュンチュン


「ん……うぁあ…」ムクッ


「…………………」ポリポリ


「そっか…」













「今日あいつら2人とも友達と遊んでんだな…」



「今ちょっとだけ寂しいと思ったのは、内緒にしておこう」

117 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:17:09.05 ke29dEsf0 93/127

「あしたはまつりじゃぁあああああああああああああ!!!!」




「おとうとくんなにいってるの?」

118 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:17:54.22 ke29dEsf0 94/127

(男と…お祭り…///)テレテレ




妹友「妹ちゃん、顔赤いよ?」

119 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:18:22.26 ke29dEsf0 95/127

(明日で最後か………)




(おもいっきり楽しみたいな)

120 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:19:04.18 ke29dEsf0 96/127

-夏祭り当日-

「うっ…浴衣って思ってたより苦しい…」

女母「はいできあがりっ!」ポン

「うはっ」

「いやーん!かわいいいいいいい!」ギューッ

「お姉ちゃ…苦し…ギブギブ…」バンバン

女母「女ちゃん!妹ちゃんが死んじゃう!」

「じゃーいってきまーす!」

ガシッ

「おっ!?」

「弟は今日はお姉ちゃんたちとお祭り行くよ!」

「えーっ!おれおっちゃんといきたい!」

「出店で好きなものなんでも買っていいよ」ゴニョゴニョ

「!?」

「まー、それでも男と行きたいっていうなら無理には引きとめないけど」

「うっ……」

「あ、そうだ。くじもいっぱい引いていいよ!ゲーム当たるかもよ!」ゴニョゴニョ

「!?」

「どうする?」ニヤニヤ

「くっ……こんなちからには…」














「む、むねんっ!」

(ちょろすぎでしょっ!!!)

121 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:20:54.14 ke29dEsf0 97/127

「よー、準備できたかー」

「あ!おっちゃん!久しぶり」

「さっき遊んだばっかじゃねーか」

女母「いつもごめんねー男くん」

「いえいえ、むしろ誘ったのは俺の方ですし」

(ちょ!お姉ちゃん!あたし大丈夫?変じゃない?)ヒソヒソ

(大丈夫よ!とっても似合ってるし可愛いわよ)ヒソヒソ

「お、妹は浴衣か。似合ってんじゃん」

「ほ、ほんとに?」

「こんなんで嘘つかねーよ。可愛いじゃん」

「///////////」

(こいつ昨日言ったこと全く意識してないし…ま、かえってその方がいいか)

「よし、それじゃー行くか」

「2人とも行ってらっしゃい!」ニコッ

「2人?」

122 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:21:33.33 ke29dEsf0 98/127

「そ!弟はあたしとお母さんと一緒に行くのよ」

「そうなのか?」

「すまぬ…ちからに…くっした…」

「なに行ってんだお前。じゃ、妹行くか!」

「あう…う、うん///」

女・女母「にやにや」

「口から出てますよ」

「男!」

「なに?」

「下駄って意外と歩きにくいのよ」

「へー」

「だから妹の手を引いてってあげなさい」

「そうか」

「ちょっと!お姉ちゃん!」

ギュッ

「これでいいか?」

「Good!!(さすがに恋人繋ぎではないけどいっか!)

女母「意外とやるわね男くん」

「あばばばばばばばば…」

「じゃ、いってきまーす」

女・弟・女母「いってらしゃーい!」

「あばばばばばばばばば」

123 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:22:03.35 ke29dEsf0 99/127

「だいぶうす暗くなってきたな」

「そ、そだね」

「いつもの毒舌キャラはどこいったんだ」ケラケラ

「う、うるさい」ゴニョゴニョ

(ダメだ、ドキドキしすぎて頭の中が真っ白だ)

「まーあれだ、うん」

「え?」

「いつも通り、楽しもうぜ」ニコッ

「うん///」

124 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:22:32.10 ke29dEsf0 100/127

「お!出店が見えてきた!」

「うわー、すごい…」

「なにか食べるか?」

「かき氷…食べたいな」

「よし!最初はかき氷から攻めるか!」

125 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:22:57.86 ke29dEsf0 101/127

「やっぱかき氷っていったらメロンだよな」

「何言ってるのイチゴに決まってるじゃないの!」

「ふーん、じゃあ俺が頼むメロンはいらないな?俺は妹が頼むイチゴもらうけどな」

「もらうに決まってるじゃない脳みそに練乳かけるわよ」

「こえーよっ!」

「~♪」

(だいぶ、いつも通りになってきたな)

126 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:23:24.77 ke29dEsf0 102/127

「べーっ」

「緑キモッ!きたなっ!」

「そこまで言わなくていいだろっ!」

「べーっ」

「あかっ!……あかっ!」

「他になんかないのよ!」

「思いつかんかった」

127 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:23:53.60 ke29dEsf0 103/127

店員「まさか40匹もってかれるとは…」

「お前相変わらずゲームの類は半端ない強さだな」

「えへへ~♪」

「全部はさすがに持って帰れないから2匹くらいでいいな?」

「うん!」

店員「仲のいい兄妹だな!」

「ふふふ」ニコッ

128 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:24:21.66 ke29dEsf0 104/127

「よし次はあれだ」


パンッ!! ボトッ


「あれも欲しいな」


パンッ!! ボトッ


「記念にあれも!」


パンッ!! ボトッ


店員「」


「将来スナイパーにでもなったらどうだ」


「ならんわっ!」

129 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:24:50.95 ke29dEsf0 105/127

「はい、あーん」

「えっ、マジでやるのか…」

「なによ、嫌なの?」ギロッ

「いえ、嫌だというわけでは…」

「そーいっ!」グイッ













「あっちぃぁああああああああああああああああ!!!」

「こんなデカいたこ焼き一口で食えるかぼけぇえええあっふあっふあっふ」

「wwwwwwwwwww」

130 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:25:18.56 ke29dEsf0 106/127

ヒューーーー

ドーーーーーーーーン

バーーーーーーーーン




「きれいだなー」

「きれいだねー」

ギュッ

131 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:25:47.19 ke29dEsf0 107/127

*****************


132 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:26:31.87 ke29dEsf0 108/127

カラン カラン…

カツ カツ…


「今日は楽しかったか?」


「うん!とっても」


「それはよかった」ニコッ


「ねえ男…」


「ん?」


「あたしがさ…もっと大人になってさ、もっと可愛くなれたらさ」


「また一緒に夏祭りに行ってくれる?」


「今度は近所の預かった妹じゃなくて」


「1人の女性として」














「もちろん。楽しみにしてるよ」ニコッ


「あはは!約束だからね!」ニコッ

133 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:27:06.73 ke29dEsf0 109/127

「というわけで、あたしがおっきくなるまで彼女作るのダメだからね!」


「えーっ、それは辛いなー俺にだって奇跡くらい起こるかもしれないしー」ケラケラ


「ないない」


「おいっ!」


「嘘だよ!作っても乗り換えさせてやるから問題ないもん!」


「いやそれ大問題だから」


「~♪」

134 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:28:19.32 ke29dEsf0 110/127

「ただいまー!」

女母「あらお帰り!男くんもおかえりなさい!」

「遅くまで連れまわしてすみません」ペコッ

女母「いーのいーの!見てよこの子の満面の笑み」ニヤニヤ

「もう!からかわないでよっ!」

「弟は?」

女母「食べまくって爆睡中よ」

「あはは、あいつらしいですね」

「女は?」

女母「途中で友達と合流するって言って別れたわ。まだ帰って来てないし、多分男(≠主人公)のとこね」ニヤニヤ

「あいつは自分のこともしっかりやってるんですね」

女母「我が娘ながらいい子よ。もちろん妹も弟もだけど」

「いいですね、こういう家族」

女母「ふふふ、いつでも婿入りしていいわよ!お母さんも連れてらっしゃい!」ニコッ

「」

「むこいり?」

135 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:29:14.08 ke29dEsf0 111/127

「それじゃ、俺帰ります!」

女母「すぐそこだけど気をつけてね」

「はい!」

女母「ほら妹も、今までお世話になったんだしちゃんと別れの挨拶くらいしなさい」

「…ばいばい」


タッタッタ


ギューッ


「ふんがっ!」


女母「あらあら!ふふふ!」


「またな」ナデナデ

136 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:29:43.26 ke29dEsf0 112/127

*****************

137 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 01:30:09.71 ke29dEsf0 113/127

-翌日-


チュンチュン


「ん……うぁあ…」ムクッ


「…………………」ポリポリ























妹・弟「やっほー!!!!!」



「あはは、普通に来てんんじゃねーよ」ケラケラ

141 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 17:49:01.62 ke29dEsf0 114/127

*****************

142 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 17:50:00.91 ke29dEsf0 115/127

-始業式の日 教室にて-


先生「それじゃー英語の長文プリント後ろから順に前へ回してー」

ガヤガヤ

オレヤッテネー

オレモワスレター

コレムズカシカッタヨネー

ワイワイ





「………」ボーッ

「どうしたの?2学期早々冴えない顔して!あ!もともと冴えてないか!」

「………」ボーッ

「男がつっこまない!?」

「………」ボーッ

「おーい!生きてますかー!」

143 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 17:52:22.29 ke29dEsf0 116/127

先生「12,13,14,15…ん?」

先生「おい男」

「はいっ!」ビクッ

先生「お前なんだこれは」

「あはははは、何のことでしょうか…」

先生「なんでお前のプリントの解答欄にはソフトクリームが大量に描いてあるんだ?」

「いや…あの…それを話すと長くなりますので…えへへ」

先生「ほーう、では後ほど放課後職員室でじっくり聞こうじゃないか」ニヤニヤ

「ひぃーっ!!(やっぱ落書きされたまま出すんじゃなかったーせめてもとコーンを描き足したけど無駄だったか…)

(ぷーっ!まぬけーっ!)ヒソヒソ

「お前の弟のせいだよっ!…あ」

先生「お説教30分プラスだな」ニコッ

「」

「wwwwwwwwwwwwww」

144 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 17:54:56.93 ke29dEsf0 117/127

*****************


145 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 17:55:24.78 ke29dEsf0 118/127

-その年の秋 男の部屋-



ガチャッ!!

「おとこぉおおお!!!」

「うおっ!!ってお前かよ!ノックどころかピンポンすら押してねえだろ!」

「賞とった!!!!」

「は?」

「絵で賞とった!」

「エデショウトッタ?」

バキッ

「絵で賞をもらったの!!!」

「あぁ…なるほどね…ちなみに今蹴る必要はあったのか…すごく痛かったんだが…」

「夏休みに描いた絵をコンクールに応募してたんだよ!」

「あー、あのセミ捕り行ったときに描いてて見せてくれなかったやつか!」

「そうそう!」

「へー、やるじゃん」

「でも…金賞とかじゃなくて…佳作だから…あんまりすごくないかも…」

「いやいや!俺絵で賞とか貰ったことないし、じゅうぶんすげえよ!」

「ほんとに!?」パァッ

「ほんとほんと、おめでと」ナデナデ

「/////」テレテレ

「賞獲ったってことは市の美術館とか市民会館とかに飾られるんだろ?」

「うん///」

「じゃー今度見にいこーぜ」

「断るっ!」キリッ

「そこ断るのかよっ!頼むよっ!」

「仕方ないから断らないっ!」キリッ

「なんでいちいち決め顔なんだお前」

146 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 17:55:52.19 ke29dEsf0 119/127

そして…

147 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 17:56:32.20 ke29dEsf0 120/127

    月日は流れ……

148 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 17:57:16.24 ke29dEsf0 121/127

-あれから8年後 夏の日の朝-

150 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 18:13:29.88 ke29dEsf0 122/127

「やばい!…やばい!!…やばすぎるっ!!!」バタバタ


ピンポーン

ガチャッ


「おはよー…って、また寝坊したの?」

「お前ピンポン押す意味なくね!?」アタフタ

「はいはい、つっこみはいいから早く準備するっ!仕事遅れるよっ!今日大事な会議なんでしょ!」

「やべーっ!!」バタバタ

「まったく………ふふふ」

男母「あらあら!妹ちゃんおはよう!」

「おばさんおはようございます!」ニコッ

男母「おばさんだなんて!もうお義母さんって呼んでいいわよ!」

「あはは!まだプロポーズされてないんで!」ニコッ

男母「付き合ってもう3年にもなるのにあの子ったら…」

「いいんです!あたしはちゃんと待ってますから」ニコッ

男母「ほんとに!うちのあんな息子がこんな美少女と付き合ってていいのかしら!犯罪で捕まればいいのに!」

「あはは!それはあたし困りますっ!」

「おっしゃー準備完了ぉおおおお!!!!!」

151 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 18:14:07.64 ke29dEsf0 123/127

「はーい、お弁当!」

「いつもさんきゅーな!今食おうかな!」

「だーめ!ほら早く行かないと!」

「はいはーい。あ!そう言えば女の子ども、無事に生まれたんだって?」

「うん!昨日の夜生まれたよ!元気な男の子!」

「また騒がしくなるな!それに妹は女子高生のくせにもうおばさんだな」ケラケラ

「やかましいっ!」バキッ

「旦那もいい人そうだし、幸せになるといいな!」

「うん!もちろんあたしたちもね!」ニコッ

「おう!」ニコッ

「今日ちゃんと間に合う?」

「死んでも間に合わせる!なんてったって今日は大事な日だからな!」

「あはは!おっけー!あたしのお色気たっぷりの浴衣姿見て鼻血出さないようにね!」キリッ

「期待してまーす!じゃ!俺行くわ!」

「男っ!」

「ん?」






「いってらっしゃい!」ニコッ






「おう!いってきます!」ニコッ



タッタッタッタ…

    タッタッタッタ…

























(指輪…喜んでくれるといいな!)タッタッタッタッタ!!!


-fin-

152 : マクレーン ◆VYJqzu6hs... - 2012/10/12 18:15:04.58 ke29dEsf0 124/127

長い間お付き合いしてくださった方々、本当にありがとうございました。
今までで1番長い作品になりましたがとても楽しく書けました。
誤字脱字の多さや語彙力の乏しさは今後の課題としていきたいです。
今作を含めて、ベタな展開の作品が続いたので
次回は一風変わった作品を書けたらなと思っています。
見かけたときは、ぜひ覗いていってください。
ではまた!

153 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/10/12 18:15:46.57 XldfAyBao 125/127

乙乙
面白かったよ

155 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/10/12 18:26:58.28 a1lW6PgGo 126/127

面白かった!乙!

156 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/10/12 18:34:36.89 OtY3qEsFo 127/127


妹が可愛かったなぁ

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