1 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:24:26.97 XRDzP5sX0 1/66

先日"後輩「…今日はなにやってるんですか」先輩「おー後輩!」"を投稿した者です

(前作URL:http://blog.livedoor.jp/ayamevip/archives/18133577.html)


今回は前作の続きにあたる作品を投稿します
前作を一読してから読んでいただけると幸いです
前作からの登場人物の名称が一部変わっておりますので下に書いておきます

【名称変更】
後輩→先輩

先輩→女先輩

後輩友→先輩友


少し長いですが、読んでもらえると嬉しいです!

元スレ
後輩「…今日はなにやってるんですか」先輩「おー後輩!」 【その後】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349007866/

2 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:29:00.45 XRDzP5sX0 2/66

―女先輩が卒業してから数ヵ月後―


<部室>

先輩「るーるるー」


コンコン


先輩「ん?どうぞ、空いてます」


ガラガラ


校長「やあ、先輩君。失礼するよ」

先輩「あ、校長先生こんにちは」


ガラガラ


先輩「お茶飲みますか」

校長「いやいや、どうぞお構いなく」ヨッコラショ

校長「それにしても、女先輩君が卒業してもう随分と経つ。月日は早いものだ」

先輩「確かにあっという間って感じですね」

校長「女先輩君…いや、未来の奥さんは元気にしているかね?」ニヤニヤ

先輩「なんでそれを!?」

校長「この間先輩友君に聞いてな」フォッフォッフォ

先輩(あの野郎聞いてやがったのか)

校長「結婚式にはぜひ私も招待しておくれ。なんせ私は二人のキューピットだからね」

先輩「確かに校長先生の頭皮はだいぶそれにになってきましたね」

校長「それキューピーじゃね?いや、誰がキューピーだよそんなパンキッシュな頭じゃないしっていうかサラッと何言ってんの結構気にしてn…

先輩「つっこみがくどい。そして無駄に長い」

校長「ほう、夏休みは毎日補修がいいということかな」

先輩「先生にはぜひ仲人をお願いしたいです」

校長「どうしてもというなら仕方ない」

先輩(これが職権濫用か)

3 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:29:49.33 XRDzP5sX0 3/66

校長「で、彼女は元気にしているのかな?」

先輩「はい。今頃もどっかの国で楽しくやってると思います」

校長「留学でもしているのかね」

先輩「いえ、単なる個人旅行です。俺が大学入るまでに世界を回っとくんだーとか言って、よく行ってるみたいです」

校長「相変わらずのアクティブさだな。それにしても、費用もかかるだろうし、なぜ君が大学入る前なんだい?」

先輩「費用はモデルのバイトで結構稼げるらしいです。コンビニで女先輩が表紙を飾ってる雑誌を見つけたときはさすがに驚きました」

校長「すごすぎワロタ」

先輩「今のうちに海外を回ってるのは、俺も正直俺もよくわかりません。何かしら目的はあるようですけど」

校長「そうかそうか。元気すぎて何よりだ」

先輩「近々ここにも遊びに来るとか言ってたんで、ぜひそのときは校長先生もいらっしゃってください」

校長「楽しみにしているよ。ところで先輩君はどこの大学を受験するつもりなんだい?もう君も3年だろう」

先輩「…一応、女先輩の大学を受けるつもりですが…俺にはレベルが高すぎて…」

校長「だよね。君のこの間の模試の結果見たけどぶっちゃけやばいよね。がんば!」

先輩「軽っ!もっと禿増してくださいよ!」

校長「漢字間違ってるから!笑えないから!」

先輩「失礼しました」

校長「いいよ。じゃ、そういうことで」

先輩「さようなら」


ガラガラ







先輩(何しに来たんだあの人)







ガラガラ


先輩(あ、戻ってきた)





校長「なあ先輩君」


先輩「なんですか校長先生」






校長「ここ廃部になっちゃうかも」



先輩「えっ?」

4 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:30:52.20 XRDzP5sX0 4/66

先輩「どういうことですか」

校長「うむ、先日の職員会議でついに集中砲火を浴びてな」

先輩「集中砲火?」

校長「そうだ。この部のことについて質問攻めにあってね」

先輩「どういう質問だったんですか。まあだいたい予想はできますけど」

校長「何部なのか、何をしてるのか、人数足りてないんじゃないか…まとめるとそんな感じだ」

先輩「自分は察しがいいんじゃないかって自信がつきそうなほど思った通りでした」

校長「そんな部活廃部にしちゃおうぜって意見も出た」

先輩「ドラマとかだったら意地悪な先生の嫌がらせっぽいですけど、うちの部に向けてだと正論すぎですね」

校長「さすがにほぼ全員の教職員に鋭い眼光を向けられた中ではごまかすにごまかせなくてね」

先輩「なんて答えたんですか?」

校長「『なんとかする!』」

先輩「ダメだこの人なんとかしないと」

5 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:31:28.31 XRDzP5sX0 5/66

先輩「まぁ確かに、先生たちの意見はもっともなわけですが、個人的にはこの部室が使えなくなると辛いですね。俺の憩いの場ですから」

校長「私としてもせっかく女先輩君が作った部なわけだから、そう簡単に廃部にしますとは言えないよ」

先輩「現段階では、校長先生の微々たる権限で首の皮一枚繋がっているわけですね」

校長「若干ひっかかるがそういうことだ」

先輩「今年度中なんとかごましきれませんか?」

校長「校長に平然と粉飾を頼める君はある意味大物だな。まあできるけど」

先輩「いや、できるのかよ。頼んだ手前つっこむのもあれなんですが」

校長「今年度中はなんとかできるだろう。ただ来年度以降はさすがに無理だろう」

先輩「じゃあいいじゃないですか」

校長「来年度以降はこの部は無くなっていいと?」

先輩「そう聞かれるとあれですけど…来年には俺も卒業しますし、この部にはもう誰も残らないじゃないですか」

校長「確かにそうだ。しかし先ほど言った通り、私は女先輩君が作り上げたこの部を創設3年で安々と廃部にはしたくないんだよ」

先輩「それに異論はありませんが、どうやって残すんですか?部活勧誘の時期なんてとっくに終わってみんなそれぞれの部に入ってますよ」

校長「高校だと部活動に入っていない生徒も割と多くいる」

先輩「いたとしてもこんな意味不明すぎる部には入ってこないでしょう。っていうか存在自体知られていませんし」

校長「ええええい!黙れ!黙れ!黙れ!」

先輩「校長先生キャラが不安定すぎます」

6 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:32:02.70 XRDzP5sX0 6/66

校長「無茶苦茶なことを言っているのは重々承知だ」


校長「それに深く考えず思いつきで部の創設を提案した私は、経営責任のある校長としては間違っていただろう」


校長「しかし、君たちが楽しそうに笑っている顔を見たとき、私は間違っていなかったと確信したよ」


校長「一人の教師としてね」

7 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:32:39.03 XRDzP5sX0 7/66

先輩「そこまで思ってもらっていたのはありがたいのですが…」

先輩「結局のところ…」












先輩「グダグダしてただけですからねえ…」


校長「だよねえ…」


校長「納得してもらえるわけないよねえ…」

8 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:33:14.91 XRDzP5sX0 8/66

校長「そんなわけで校長考えてみたんだけどね」

先輩「はい?」

校長「具体的な活動をして部員を増やそう、ってね」

先輩「具体的な活動ですか」

校長「君は何かしたい活動あるかね?」

先輩「特には」

校長「早っ!無表情で即答って。君ちゃんと考えt…

先輩「考えました」

校長「せめて最後までつっこませて!」

校長「ま、そんなことだとは思っていた」

校長「というわけで、君にはこれをやってもらいたい」ピラッ

先輩「なんですかこの紙。っていうか準備がいいですね」


『あなたの悩み相談何でも聞きます』









校長「生徒相談窓口だ」

9 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:33:50.15 XRDzP5sX0 9/66

先輩「ちょっと待ってください」

先輩「まさかこれを俺にやれと?」

校長「そうだが」

先輩「荷が重すぎます」

校長「どうして?」

先輩「どうしてって…悩みとか相談を打ち明けられるんですよ?」

校長「当たり前だろう」

先輩「いやいや、俺気のきいたアドバイスなんてできませんよ」

校長「そんなのはいらん」

先輩「え?」

校長「悩みを抱えた人たちが1番して欲しいことはなんだと思う?」

先輩「だからその悩み解決への糸口なんかをアドバイスしてあげることじゃ…」

校長「それもある。だが私はそれが1番ではないと考えている」

先輩「じゃあ一体何なんですか」

校長「"聞く"ことだ」

先輩「話をですか?そんな当たり前のことを…」

校長「そうだ。当たり前のことだ。話を聞くこと、それだけでいい」

校長「相談者の悩みほど一朝一夕で解決できないものはない」

校長「相談者自身、それをよくわかっている」

校長「だから悩みなのだ」

先輩「………」

校長「君は何か悩みを抱えたとき、誰かに話を聞いて欲しいと思ったことはないかね?」

先輩「あります」

校長「話した後、悩みは解決してないのにどこかすっきりした気持ちには?」

先輩「なったことも、ならなかったこともあります」

校長「そうか」

校長「私はね、相談を受けるということは、悩みを完成させることだと思っているよ」

先輩「悩みを完成させる、ですか?」

校長「そう。悩みを洗いざらい吐き出す。そうすれば悩みの形が見えてくる。一旦悩みを作り上げるんだよ」

校長「悩みを作り上げれば、何に、なぜ、どのように、悩んでいるかが見えてくる」

校長「これで違った角度から悩みを見ることができ、新しい考え方を見いだせるかもしれない」

校長「私たちはその手伝いをするんだよ。作り上げるにはどうしても誰かに聞いてもらわないと難しいからね」

校長「あとは相談者自身の問題。私たちは少し背中を押してあげる程度だ」

先輩「言わんとすることがわかるような、わからないような…」

校長「無理もない。これはあくまで私の持論だからね」ハッハッハ

校長「深く考えずに、ありのままの君で話を聞けばいいってことを伝えたかったんだよ」

先輩「はぁ…」

校長「それに君は、解決への糸口を見る才能も十分にもっているしね」ボソッ

先輩「え?」

校長「いや、何でもない。引き受けてくれるかね?」

先輩「…はぁ…まぁ…やらないと潰れちゃいますし…」

10 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:34:59.31 XRDzP5sX0 10/66

―数日後―


<部室>

先輩「―――ということになった」

先輩友「相変わらず校長はおもしれえな」

先輩「人ごとだからお前は気が楽でいいよ」

先輩友「案外向いてじゃないの?」

先輩「まさか」

先輩友「マジだって」

先輩「何を根拠にそんなこと言えるんだ」

先輩友「特にない」

先輩「無くてもそれっぽいこと言えよ」

先輩友「………ごめん、やっぱないわ」

先輩「ちょっと時間かけられた分ショックだわ!」

11 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:35:41.73 XRDzP5sX0 11/66

―同じころ―


<保健室>

ガラガラガラ…

カツカツカツカツ…

シャーッ


保先生「まーたサボりかあんたは」

女後輩「ん~~~~」

保先生「起きろ」ビシッ

女後輩「いったぁ~~何すんのよ!」

保先生「あんたこそ何してんのよ」

女後輩「寝てんのよ!見てわかるでしょ!」

保先生「起きろっつってんだよ!」ビシビシ

女後輩「無茶苦茶すぎるわっ!!」


※保先生=保健室の先生

12 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:36:14.25 XRDzP5sX0 12/66

女後輩「ったくも~人が気持ちよく寝てたってのに」

保先生「思いっきり授業の時間に何言ってんだバカちん。あんたもう2年生でしょ」

女後輩「どーせあたし頭悪いから授業なんて行っても無駄だから」

保先生「またそーやって開き直る」

女後輩「それにここから一歩でも出れば『その髪色はなんなんだ』『そのスカートの丈の長さはなんなんだ』とかしか言われんのウザったいの」

保先生「至極当然のことでしょ。みんな染めたくても、スカート短くしたくてもちゃんと我慢してる。あんたが悪い」

女後輩「そーゆーのがウザったいの」

女後輩「黒くすれば頭よくなるの?スカート長くすれば偉いの?高校生らしくって何よ。バッカみたい」

保先生(やれやれ)

女後輩「誰か今暇なやついないかなー」ポチポチ

保先生「あんたまた大学生と遊んでんの?」

女後輩「そーよーそこそこ金持ってるから何でも買ってくれるよ。誰か紹介しようか?」ニヤニヤ

保先生「バーカ。私は年下には興味ない。にしてもこんなクソガキと遊ぶなんて大学生はよっぽど暇なんだな」

女後輩「それ生徒に言う言葉!?ま、そういうサバサバしたとこが先生のいいとこなんだけどね」

女後輩「あと遊んでもらってるんじゃなくて、遊んであげてるの!」

女後輩「こんな巨乳で可愛い合法JKなかなかいないからね」フヒヒ

保先生「自分で言うか」

女後輩「ほんと男なんて単純でゲスで能なしよ」

保先生「そんなことばっか言ってると天国に行けなくなっちゃうよ」

女後輩「望むとこよ。あたしは目先の幸せを取るタイプだから。ま、常に目先の幸せ取り続けて結果的に永遠に幸せになるけどね」

保先生「今が幸せだと?」

女後輩「そうだけど?なに?」

保先生「私には寂しくてしょうがなくて人肌が恋しいだけのお子様にしか見えないけどなー」

女後輩「は?」ムカッ

女後輩「もーいいや。なんかめんどくさくなってきた。あたし帰る」

保先生「授業出なって」

女後輩「ふん」


スタスタスタ

ガラガラガラ

ドーーーン!!!



保先生「どうしたもんだか」

13 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:37:07.00 XRDzP5sX0 13/66

女先輩(勢いよく飛び出してきたのはいいけど)

女先輩(…行くあてがない……)ガーン

女先輩(ま、いっか。適当にどっか寄り道して帰るか)

女先輩(ん?)



<職員室前>


ガラガラ

男後輩母「どうかうちの息子をよろしくお願いします」

男後輩「………」ペコリ

先生「安心してください、きっとうちの校風は気にいってもらえると思いますから」



女後輩(あの雰囲気は転校生?この時期に?あの上履きのラインの色は1年か…ってデカすぎるわっ!何食ったらあんなになるんだ!)



先生「あーっ!女後輩お前こんなとこで何やってんだ!授業に出らんか!)



女後輩(やっば、早くかーえろっと)ピューン

14 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:37:55.37 XRDzP5sX0 14/66

―1週間後―


<部室前>

先輩「んんん」


『あなたのお悩み何でも聞きます』


先輩「わかってはいた。うん、わかってはいた」

先輩「こんな貼り紙を貼ったところで、部室の前を通る人がいなければ誰も相談なんかに来るわけがない」

先輩友「ドアの前で長々と独り言なんて気持ち悪いな」

先輩「なんて口の悪い友達なんだ」

先輩友「掲示板にでも貼ってくれば?こんなとこじゃ全然目立ってねーじゃん」

先輩「生徒会の許可印がいるらしい」

先輩友「じゃあ貰ってこいよ」

先輩「これ以上登場人物が増えると…いやなんでもない」

先輩友「メタってんじゃねーよ」

15 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:39:10.90 XRDzP5sX0 15/66

<保健室>


女後輩「~♪」ピラッ


カツカツ…


女後輩「~♪」ピラッ


カツカツ…ピタッ


女後輩「~♪」ピラ…ガバッ

女後輩「!?」

保先生「はいこれ没収」

女後輩「ちょ!何すんのよ先生!返してよ」

保先生「授業あってる時間に雑誌読んでんじゃないわよ」

女後輩「私の生きがいなのよ!!」

保先生「生きがいしょぼっ!!」

女後輩「保健室の先生にあるまじき発言ね」

保先生「サーセン。ところで女後輩、これに興味はない?さっき校長先生に貰ってね」ピラッ

女後輩「なにこれ」


女後輩「『あなたのお悩み何でも聞きます。お茶とお菓子も用意してます』」


女後輩「なにこれ」

保先生「生徒による生徒相談窓口よ。最近出来たんだって」

女後輩「これに行けと?」

保先生「ま、お茶でも飲みながらたまには同じ学校の人としゃべってきなさいってこと」

女後輩「行くわけないじゃん」ケラケラ

女後輩「冗談でしょ。こんな胡散臭くて陳腐な場所行くわけないじゃん。っていうか何この場所全然知らないんだけど」ケラケラ

女後輩「っていうか雑誌返してってば!今月号は特に大事なの!」

保先生「何かおまけでも付いてんの?」

女後輩「表紙よ!ひょーし!あたしの大好きなモデルなの!」

保先生「表紙?ピラッ…ん?(これって…)」

女後輩「こんなにスタイルよくて顔がいい人が私の2個上なんてたまげたわ」

保先生「え?なにあんた知らないの?」

女後輩「なにが?」

保先生「この人」

女後輩「が?」

保先生「うちの卒業生」


女後輩「…」

女後輩「……」


女後輩「………」


女後輩「うっそぉおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!!」

16 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:39:47.41 XRDzP5sX0 16/66

女後輩「え?マジで言ってんの?冗談でもちょーウケるんですけど」

保先生「ウケるの意味がわからんけどマジだよ。あとこの人は…

女後輩「SUGGEEEEEEEEEEEEEEEEEEE」

保先生「やかましい」ビシッ

女後輩「ITTEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE」

保先生「ちなみにこの部作ったのその女先輩だから」

女後輩「ぱーどぅん?」

保先生「だからこの相談窓口やってる部作ったのは、あんたの憧れてる女先輩。昔はやってなかったみたいだけど」

女先輩「りありぃ?」

保先生「さっきあんた、『胡散臭くて陳腐』とか言っちゃってたけど」

女後輩「んのおおおおおおおおあたしとしたことがああああ」

保先生「あとこの人は…

女後輩「先生!その相談なんちゃらどこにあるの?自転車で行ける?」

保先生「校内に決まってんでしょ」

女後輩「ちょっと行ってくる!」ガラガラピューン

保先生「なんて敏捷性なんだ。っていうかもっとすごいこと教えてやろうと思ったのに」




保先生「ま、いっか。久々に生きた顔してたし」ニコッ

17 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:40:19.60 XRDzP5sX0 17/66

<部室>

先輩友「じゃ、俺そろそろ部活行くわ」

先輩「おう。最後の大会近いしな。頑張れよ」



バァァァァアアン!!!



先輩・先輩友「「!?」」



女後輩「ゼェ…ゼェェ…ゼェ…」



先輩「あのう、君は…

女後輩「女先輩のここですか部室は部活は!!!!」ゼェゼェ

先輩「なんて!?」

18 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:40:45.97 XRDzP5sX0 18/66

先輩「まあとりあえずこれを飲んで」ハイ

女後輩「どーも」ゴクゴク…

女後輩「って熱いわぁぁぁぁあああああ!!!冷たいの出せやぁぁぁぁあああああ!!!」アホカァァア

先輩「マジでお前は一体なんなんだ」

先輩友「俺知ってる。君2年の女後輩ちゃんでしょ」

先輩「なにお前知ってんの?」

先輩友「超絶美少女で有名じゃん。ほとんど学校来てないらしいけど。あ、そのことで相談に来たんじゃね?」

先輩「こんな元気に相談に来られるとは思ってもみなかった」

女後輩「美少女は認めるけど相談なんてしに来るわけないじゃない」

先輩「ダメだ、こいつ嫌いなタイプだわ。なにこの自信満々な感じ」

先輩友「おいおい窓口の方がなんてことを言っちゃってるんだ!」

女後輩「あんた頭逝っちゃってんじゃない?」

先輩「先輩友さん。ビンタの許可を」

先輩友「先輩さんそれはいけません。一瞬で廃部です」

先輩「っていうか俺3年生ね。お前2年な。OK?」

女後輩「敬うか敬わないかは私が判断するわ。敬わないわ」

先輩「判断早っ!!そんで敬えや!!」

女後輩「あんたみたいな寝暗地味野郎に敬う価値なんてないわ」

先輩「おい先輩友!こいつなかなかデレないぞ!どういうことだ!」

先輩友「お前なんだか活き活きしてるな」

先輩「してねえよ!!」

女後輩「あんたもうるさいわよ筋肉イケメン」

先輩友「これは失礼」

先輩「先輩友にもちゃんと悪口言えよ!!不公平だ!!」

女後輩「で、あんたなんなの?」

先輩「お前がなんなんだよ!!」

19 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:41:14.11 XRDzP5sX0 19/66

先輩「っていうかお前その髪の毛なんなんだよ」

女後輩「なによ、文句あんの?」

先輩「うちの学校は髪染めんのダメだろ」

女後輩「染めなかったら頭よくなるとでも?」

先輩「なるわけないだろバカか」

女後輩「はぁあ?」ムカッ

先輩「それにスカート短すぎだろ」

女後輩「変態。見てんじゃないわよ」

先輩「いや、見てんじゃねえよ見えてんだよ」

女後輩「えっ!うそっ!!」

先輩「クマさんが丸見えだ」

女後輩「は?」

先輩「まあ嘘だけ…バキッ!!!

先輩友「今のはキレイに入ったな」

先輩「当たってたのかよ…ガハッ…」チーン

女後輩「このゲス野郎が」セキメン

20 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:41:40.08 XRDzP5sX0 20/66

先輩友「で、結局のところ何しにきたわけ?」

女後輩「あたしが崇拝している女先輩がこの部の創設者だと聞いたもので」

先輩友「ああ、女先輩ね。そうだよ。よく知ってるね」

女後輩「やっぱりほんとだったんですか。あー1度会ってみたかった。1年同じ学校にいたっていうのに」

先輩友「確かに女先輩はみんなの目を引く美人だったけど、決して目立とうとはしなかったからね」

女後輩「もったいない。あんな美人だったら誰とでも付き合えそうなのに」

女後輩「この部も先輩目当てでさぞかし部員が多かったのでは?」

先輩友「それが創設当初は先輩1人で、去年やっと2人になったと思いきや、今年また1人になって廃部寸前ってわけさ」

女後輩「嘘でしょ?いくら場所が場所でもあの女先輩がいればいくらでも人は集まってくるでしょ」

先輩友「この部はちょっと特殊でね。知っている生徒はほとんどいない。事実君もついさっきまでは知らなかったでしょ?」

女後輩「まあ、そうですけど…あなたはその最後の1人なんですか?」

先輩友「先輩友でいいよ。そして俺はこの部の人間じゃないよ。そこで虫の息なのが唯一の部員」

先輩「チーン」プスプス

先輩友「そして女先輩の旦那だ」

女後輩「 は い ? 」

21 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:42:35.52 XRDzP5sX0 21/66

先輩「チーン」プスプス

女後輩「今このちんちくりんが旦那って聞こえたんですけど?」

先輩友「そういったんだよ」ニコッ

女後輩「この年で婚約とか嘘でしょ……金ですか?」

先輩友「何の話!?」

女後輩「とにかくあんな美人がこんなモブキャラの彼女なんておかしいじゃないですか!」

先輩友「女後輩は結婚する気満々だよ。プロポーズしたのも女先輩からだったしね」

女後輩「そんな…あたしの女先輩がこんなのに……」

先輩友「はっはっは。君の気持もわかる。女先輩はとても変わった人だよ」

先輩友「そしてその女先輩を変えた張本人がさっき君がふっ飛ばした先輩なんだよ」

女後輩「よく意味がわからないんですけど」

先輩友「先輩が女先輩を助けたってことさ」

女先輩「助けた?」

先輩友「昔女先輩はその端麗な容姿のせいで、上級生からしょっちゅうちょっかい出されてて、とても困ってたんだよ。性格もとても暗くなってた」

先輩友「そんな女先輩をある日、中学生の先輩が体を張って助けてね、まあそこまでかっこよくは助けられなかったんだけどね」ケラケラ

先輩友「そこから女先輩は以前の明るさを取り戻して、友達を増やすべくこの部活を作ったわけさ」

先輩友「結局先輩しか入らなかったけど先輩はとても楽しそうだったよ」

先輩友「あとは時間の問題でさ。2人は無事惹かれあったってわけさ」

女後輩「それなんてエロゲ」

先輩友「おっしゃる通りで」

22 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:43:14.18 XRDzP5sX0 22/66

先輩友「確かに助けたっていうのは大きかったと思うけど、女先輩がそこまで先輩を好きなった理由は他にもあると思うよ」

女後輩「なんですか?」

先輩友「居心地のよさだろうね」

女後輩「居心地のよさ?」

先輩友「そう。あいつと一緒にいるのはほんとに苦にならない」

先輩友「なんていうか話しやすいって感じかな。干渉はしてこないけど、気遣って欲しいときには気遣ってくれる。いいやつだよ」

先輩友「君もさっき初対面とは思えないほど話せたでしょ?」

女後輩(まぁ…確かに…久々にこの学校の人間とあんなにしゃべった…)

先輩友「だから俺は相談を受けることは天職なんじゃないかと思ってるよ」

先輩友「本人は全くそんなこと思ってないけどね」

女後輩「はぁ…」

先輩友「君ともいいコンビになれると思うよ」

女後輩「コンビ?冗談じゃない。廃部の危機なんて知りませんから」

先輩友「違う違う。入部しろって言ってんじゃないよ。もっと一緒にしゃべってみなってこと」

先輩友「君は学校にあまり来てないらしいね。いや、説教するつもりじゃないよ」

女後輩「………」

先輩友「君にも事情はあるんだろう。俺はそんなこと何も知らない」

先輩友「ただ現状には満足してないでしょ?そうじゃないなら学校には絶対来ないはずだしね」

先輩友「学校に来てるってことは、何かを変えたいからでしょ?」

女後輩「余計なお世話なんですけど」

先輩友「おっと失礼」ハハハ

先輩友「ま、どうせふらふらしてんならこいつんとこにしばらくいてみたら?」

先輩友「お茶飲んでお菓子食ってしゃべってればきっと何かいいことあるよ」

女後輩(表情がころころ変わる人だな…優しそうだけど迫力がある…)

先輩友「あ、こんな時間だ。部活いかなきゃ」

女後輩「部活何やってるんですか?」

先輩友「空手部だよ。まあまあ強いよ」ニコッ

女後輩「そうですか」

先輩友「じゃ!そういうことで!女先輩のことで聞きたいことあったらこいつに何でも聞くといいよ」ガラガラ、タッタッタ

女先輩「掴みどころのない先輩だ」

23 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:43:49.69 XRDzP5sX0 23/66

先輩「…うっ…あぁ…いてぇ…」ムクッ

先輩「俺の身に一体何があったんだっけ…誰もいない…」ズキズキ

先輩「あぁ…不覚にも女後輩に1発KOされたのか」

先輩「ん?テーブルにあったシュークリームがない。先輩友は甘いものは苦手だったはず…」




先輩「あの女後輩許さん」



先輩「ん、なんだこの紙」ピラッ









女後輩『シュークリームご馳走様でした』













先輩「ま、いっか」


先輩「また買っとかないと」

24 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:44:17.26 XRDzP5sX0 24/66

―1週間後―


<部室前>

先輩「………」

女後輩「早く開けてよ」

先輩「いや、あのさ、なんで毎日来てんの?」

女後輩「悪い?」

先輩「別に悪くはないけどさ、最初の感じと全然違うじゃん」ガチャッ


ガラガラガラ


女後輩「素直にこんな美少女が来てくれて嬉しいって言いなさいいよ」

先輩「悪いけど俺年下には興味ないしましてやお前とか余計無理」

女後輩「そこまで!?」

先輩「すまん言いすぎた。言いなおす。多分無理」

女後輩「あんた病院でデリカシーを投与してきてもらったほうがいいわ」

先輩「お茶飲むか?」

女後輩「紅茶がいい」

先輩「んなもんあるわけ…いや、あった。なんでだ」

女後輩「昨日買ってきた」

先輩「準備いいなオイ」

25 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:45:17.09 XRDzP5sX0 25/66

先輩「女先輩に関することならこの一週間んでだいたい話したけど」

女後輩「ごくろう。それにしてもほんとあんたなんかと結婚しなきゃいけないなんて、女先輩が可哀想だわ」

先輩「なんてこというんだ。合意のもとだぞ」

女後輩「脅したとかじゃなくて?」

先輩「お前ほんといっぺんぶん殴るぞ」

女後輩「ちっ…」

先輩「お前が舌打ちすんの!?」

女後輩「ま、しょうがないわ。どうしてもっていうなら認めるわ。で、女後輩のどこが好きなのよ?」ニヤニヤ

先輩「お前は親か。そしてそのニヤ顔やめろ。その手の話になるとまるで女子だな」

女後輩「あんたわたしをどう意識してたの!?」

先輩「認識な。1年前くらいにもやったぞこのくだり」

女後輩「で、女先輩の好きなとこはよ」

先輩「ぜんぶ」

女先輩「面白くないわー全然面白くないわー少しは惚気なさいよ」

先輩「お前筋金入りのウザさだな」

女後輩「じゃー逆に嫌いなとこは?」

先輩「寝ぞうが悪いとこ、何でもラー油入れること、俺の食べ物勝手に食べること」

女後輩「早っ!よほどトラウマ的な何かがあったのね」

先輩「ま、それ含めて全部好きなんだけどね」

女後輩「ジゴクニ、オチロ」

先輩「なんて!?いや、なんで!?」

26 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:45:43.43 XRDzP5sX0 26/66

先輩「お前この部に入る気ある?」

女後輩「今んとこない。っていうかそもそもない」

先輩「そうか」

女後輩「入らないと来ちゃダメ?」

先輩「別にいいよ。そんなことしたら誰も来れなくなるし」

女後輩「でも部員集まらなかったら廃部なんでしょ?」

先輩「まあな。校長と女先輩の為に頑張ろうとは思うけど…」

女後輩「けど?」

先輩「どうしたらいいか全くわからん」

女後輩「それならここで相談者待つよりもっと効率のいい方法があるわ」

先輩「結果は見えてるけど、一応聞いとくよ。その方法とは?」

女後輩「相談者をこっちから探しに行くのよ」

先輩「なにこの子斬新」

27 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:47:03.29 XRDzP5sX0 27/66

女後輩「探せばきっとそこらへんに落ちてるわ」

先輩「あのな、悩みを抱えた人は銀杏じゃないんだぞ?」

女後輩「なにそのジジ臭い例え。ちなみにあたしは茶碗蒸しの銀杏は食べない派よ」

先輩「知らねえよ。それお前が苦手で食べられないだけだろ」

女後輩「とにかくこっちから動かなきゃダメだってことよ」

先輩「まぁ…それに関しては同意せざるを得ない」

女後輩「ほんと言い回しがめんどくさい男ね」

先輩「そのくだりも1年前くらいにやった」

女後輩「ほら探しに行くよ」ガラガラガラ

先輩「いやいや、どこに行くんだよ。っていうかお前も来るのかよ」

女後輩「言いだしっぺだからね。それにこんな美少女下級生と一緒に歩けるなんて光栄に思いなさい」

先輩「俺ツンデレとか現実ではマジであり得ないって思ってる人間だからな」

女後輩「うるさい」ゲシゲシ

先輩「いってえな。なめんな」スパーン

女後輩「いったぁあああああい!!女の子殴るなんて頭わいてんじゃにの?そこは男がやられて仲睦まじい感じで次に行く場面でしょ!!!」

先輩「なんだよそれ!っていうかなんで仲睦まじくないといけないんだよ!」

女後輩「こっちだってお断りよ!!!」

先輩「お前が言ったのに!?」


タッタッタ…












保先生「あんなに活き活きとした女後輩は久しぶり見ましたよ」

校長「彼のああいう誰にでも平等に接するところに、彼女も魅力を感じたのでしょう」

保先生「フラグ立っちゃたらどうしましょう」

校長「先輩君に限ってそれはないでしょう」

保先生「それもフラグですか!?」

28 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:47:35.17 XRDzP5sX0 28/66

先輩「なぁ女後輩…」

女後輩「なに?」

先輩「お前目上の人には敬語使わなきゃいけないって習わなかったか?」

女後輩「大学2年で習うと聞いたわ」

先輩「どこで!?っていうかどこに向かってんの?」

女後輩「考えてないわ」

先輩「おい」

女後輩「そのうち見つかるに決まっているわ」

先輩「だからなんでお前はそんなに自信に満ち溢れているんだ」

女後輩「この可愛いあたしが言うから間違いないわ」

先輩「可哀想なやつだ」

女後輩(ほんとは1人で学校の中歩くのが億劫なだけなんだけどね)

先輩「あーそこは右に曲がれ」

女後輩「なんでよ。あたしはこっちから行きたいの」

先輩「そっちはよく先生がうろついてる。お前はもっと自分の身なりを自覚しろ」

女後輩「…なるほど。ふん」

女後輩(こんなやつに気遣われるなんて…)

女後輩「たまには役に立つじゃない」ゲシッ

先輩「痛い!この後輩可愛くない!」

女後輩「~♪」

29 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:48:17.14 XRDzP5sX0 29/66

<1年棟>


『ねーあの人が例の転校生でしょ?』ヒソヒソ


男後輩「………」


『なんでも前の学校で同じ部活の先輩と喧嘩して大怪我させて居づらくなったとかで転校してきたらしいよ』ヒソヒソ

『うわー俗にいうヤンキーってやつ?』ヒソヒソ

『にしてはおとなしそうな見た目だよね』ヒソヒソ

『確かに。身長はそこらへんの3年より大きいのにね』ヒソヒソ

『でもそういうおとなしそうなやつに限ってキレたら何するかわからないよねー』ヒソヒソ

『確かにー!』キャッキャ


男後輩「………」

男後輩「……あのう」


『『!?』』


男後輩「さすがに聞こえてるんでやめてもらえないですか?」


『うわ聞こえてたのーやばいってー逃げよ逃げよー』タッタッタ








男後輩(あーやっぱこっちにも噂は広まってたかー…)


男後輩(これからどうしようかな…)

30 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:49:25.58 XRDzP5sX0 30/66

―5月上旬隣町の学校―


<武道場>

バシ-ン!!

男後輩「…あっ、だ、大丈夫ですか」

上級生「うわぁあああああああああああああああああ」

ガヤガヤ

オイドーシタ?

ダイジョウブカ?

ザワザワ

主将「どうした?何があった?」

男後輩「えっと…多分受け身を失敗したみたいで…

上級生「この…クソ野郎…わざとやりやがったな…」イテテテテ

男後輩「ち、違います!!僕はただ普通に…

主将「とあえず保健室に連れていこう」

主将「お前たちはそれぞれ練習しておけ」

ザワザワ

ガヤガヤ

アイツワザトヤルトカヒデーナ

イチネンセーノクセニ

デカイカラッテチョーシノッテルヨナ

男後輩「……くっ…」

31 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:49:59.68 XRDzP5sX0 31/66

―翌日―

主将「検査の結果、上級生は靱帯損傷で全治1ヶ月だそうだ。今入院している」

男後輩「!?」

マジカヨー

主将「最後の大会前には退院できても戦力としては乏しいだろう」

主将「もともとあいつは練習にはろくに出てこないし、喫煙疑惑も浮上していたからもともとレギュラーとして登録するつもりはなかった」

主将「せめて補欠登録はしておくつもりだったが、今回の件でそれも無理だろう」

主将「そこで1人補欠枠が余るので今から決める。と言っても顧問の先生と話し合ってすでに決めたのだが」


マジカヨー

チャンスジャン


主将「男後輩、お前だ」

男後輩「ぼ、僕ですか!?」

主将「お前の実力は中学時代から知っている。正直あいつよりお前は強い」

男後輩「願ってもないお話なのでが、僕は上級生に怪我を負わせた張本人です」

男後輩「自分が怪我をさせた相手の代わりに出るなんて僕にはできません。上級生も納得できないでしょう」

主将「気持ちはわかる。だが最後の大会は万全の態勢で臨む。上級生には俺から言っておく」

男後輩「ですが…

主将「男後輩。お前がわざと怪我させたりするなんて俺は思っていない」

主将「堂々としていればいい」

男後輩「……はい」

32 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:50:27.09 XRDzP5sX0 32/66

男後輩(こんな形で大会に出場することになるとは思ってもなかった)

男後輩(今回みんなから反感を抱かれるのは仕方ない)

男後輩(それに俺には上級生に怪我を負わせた責任がある)

男後輩(主将もああいってくれたんだ)

男後輩(しっかり頑張ろう。上級生の為にも…)

33 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:51:02.38 XRDzP5sX0 33/66

<病院>

ガラガラ

主将「よう、足の具合はどうだ?」

上級生「あのクソ1年のおかげで言いざまだぜ。何しにきた?」

主将「今度の大会の件についてだ」

上級生「あぁ…俺はレギュラーじゃなくて補欠枠でいいぜ」

主将「お前は今度の大会にはエントリーしない」

上級生「は?」

主将「レギュラーにも補欠にも登録しないって意味だ」

上級生「ふざけんなよ。冗談でも笑えないぜ?」

主将「代わりにお前より実力のある男後輩を抜擢した」

上級生「おいおいおい!!ふざけてんじゃねえよ!!!!」

主将「ふざけてなどいない。むしろお前がふざけるな」

上級生「あ?」

主将「練習はろくに来ない。喫煙はする飲酒はする。そんなやつがそもそも大会に出る資格などない」

上級生「ど、どうしてそれを…」

主将「噂は前から聞いていた。しかし今のお前の態度で確信した」

上級生「てめぇ…カマかけやがったな」

主将「そういうわけだ。同期として残念だが。受け止めてほしい」

上級生「マジでふざけんなよ!!!!俺の内申に泥がつくだろうが!!!!」

主将「部員の失態に気付かなかったことは主将として申し訳なかったと思う」

上級生「お前ぇええええ」

主将「自業自得だ。そんななまった体でやれるほど柔道は甘かねぇんだよ」ギロッ

上級生「くっ…」

主将「あと最後に」

主将「報復してやろうなんて考えたら容赦しないからな」

主将「じゃ」



ガラガラ…

バタン…

34 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:51:32.45 XRDzP5sX0 34/66

<部室>

男後輩(いよいよ大会3日前だ!レギュラーとしての出場も見えてきた!)

男後輩(相変わらず部での風当たりは強いけど、試合で活躍すればきっとみんなだって認めてくれ…)







男後輩「な、なんだこれ…」


男後輩「なんで…俺の道着がこんなに……」


上級生「よう、男後輩」


男後輩「上級生さん?!」

35 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:52:04.06 XRDzP5sX0 35/66

男後輩「退院されてたんですか…足の具合は…」

上級生「あーなんとかよくなったよ。だが試合には出られなくなった」

男後輩「っ……、本当にすみませんでした」フカブカ

上級生「まぁ許すわけないよな」

上級生「この一件で俺の喫煙飲酒もバレた。俺は退学だそうだ」

男後輩「退学!?」

上級生「そうだよ。全部お前のせいだ。その腹いせにまずはお前の道着をずたずたにさせてもらったよ。このカッターでな」

男後輩「上級生さんがやったんですか…?」

上級生「お前になんも仕返しもせずに俺が立ち去るわけないだろバーカ」

男後輩「お前…っ

上級生「あ?」

男後輩「…恥ずかしくないのか!?」ギロッ

男後輩「俺があんたの足を怪我させたことは絶対の事実だ」

男後輩「だが練習もろくに来ない、来てもろくに準備運動もしない」

男後輩「そんな体で本気の人間の投げを受けれると思ってんのか?」

男後輩「あげくの果てには自分の素行の悪さを後輩のせいにして八つ当たり」

男後輩「僕はあんたほどクズな人間を見たことが無い」

男後輩「一生懸命やってる部員に土下座しろ」

上級生「言うようになったじゃねえか」

上級生「ま、この状況で同じことが言えるかどうかは知らないけどな」

男後輩「!?」


ゾロゾロ


上級生「他校の連中だよ。ま、身なりを見てもらえばどういう連中かは、わかるよな?」ニヤッ

男後輩「自分の力じゃ倒せないから最後は他人の力か…」

男後輩「呆れてものが言えねえよ」

上級生「泣いて詫びてももう遅いからな。お前やったあと主将も潰す」


主将「誰もつぶすって?」


男後輩「主将!」

上級生「ちょうどいいとこに来たな主将さんよ~他のやつらもいねえし、まとめてやってやるわ」

主将「言ったよな上級生、報復なんて考えたら容赦しないって?」ギロッ

上級生「くっ…お、おおお前たちさっさとやれ!!!!」

36 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:53:18.20 XRDzP5sX0 36/66

―数分後―

他校s「ぐあぁ…いてぇ…っ」プスプス

男後輩「いてててて…」

主将「大丈夫か男後輩?」

男後輩「大丈夫です。さすがに6人相手はきつかったです」

主将「ま、いい練習になったじゃないか」

男後輩「そうだといいんですけど…」

主将「で、残るはお前1人なんだけど?」

上級生「ひぃっ…」

主将「男後輩の道着ズタズタにして殴り込みなんて…もう覚悟はできてるよな?」

上級生「くそっ…どうするつもりだ…俺もボコボコにするのか…」

主将「お前みたいな雑魚を殴ったら手が汚れる。さっきのやつらはただの正当防衛だ」

上級生「…っそ…っそ…くそがぁあああああああああああああああああああああああああああ」

上級生「うわぁあああああああああああああああああああ」ピッ

主将「このバカ!カッターなんか使ったらいよいよ後戻りできねぇえぞ!」

主将「!?」ガシッ

主将(しまった、さっきの倒れてた他校の連中のやつか!)

他校「へっ…ざまぁみろ」

男後輩「主将!!!!」



ザクッ!!!!!



主将「うっ………



ドサッ

37 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:53:45.83 XRDzP5sX0 37/66

上級生「お、お前が悪いんだからな!俺をバカにしたお前が全部わわわわ悪いんだからな!!!」


男後輩「主将!!主将!!!!!」


上級生「あっひゃひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ」


男後輩「てめぇええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」



















その後

起き上った他校の生徒6人と上級生を男後輩が1人で瀕死の状態にした

男生徒自身、その時の記憶がなく

それ以来、格闘技を見るだけでひどい吐き気に襲われるようになった

主将は大事には至らず2週間後には部に復帰

しかし今回の一件で柔道部は1年間の対外試合禁止処分を受け

上級生と他校数名は、別件の悪事も発覚し少年院送りとなった







そして男後輩は退部し

自主退学し、転校することとなった

38 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:54:15.79 XRDzP5sX0 38/66

<校長室>

校長「君が男後輩君だね」

男後輩「はい…」

校長「話は前の学校の先生から聞いているよ」

男後輩「はい…」

校長「あと君が以前入っていた柔道部の主将君からもね」

男後輩「えっ…」

校長「君が全部責任をかぶったことも聞いたよ」

男後輩「いえ…僕はただ…」

校長「これくらい長く教師をやっているとね、少ししゃべっただけでどんな生徒かだいたいわかる」

校長「もちろんほんの少しだけどね」

校長「それを踏まえて言わせてもらえば、君は他人に好き好んで暴力を奮うタイプの人間じゃないよ」ニコッ

男後輩「…ですが、僕は無意識に大勢の人間に重傷を負わせました」

校長「君もだいぶ怪我をしたと聞いたよ」

校長「それに、君は主将君を守る一心だったのではないのかな?」

男後輩「わかりません…無我夢中だったので」

校長「そうか」ニコッ

校長「あの件以来、格闘技を見るだけでも具合が悪くなると聞いたのだけれど?」

男後輩「はい…あんな人を傷つける競技を一生懸命やっていた自分が今では不思議なくらいです」

校長「それは違う」

男後輩「え?」

校長「過去の自分を否定してはいけない。絶対にだ」

校長「否定していいのは今の自分だけだ。そして今の自分が過去になって人はまた自分を認めるんだ」

校長「君は今の自分をとても責めているだろう。それでいい」

校長「だが、過去の全力で頑張っていた自分を否定することは許さない」

校長「今日は自分のことを責めても悔いてもいい。だが明日には今日の自分を認めなさい」

校長「そして気持ちが落ち着いたら、明日の自分に期待しなさい」ニコッ

男後輩「………」

校長「この学校にも君のように、大切な人を守る一心で動いた生徒がいてね」

校長「今でも楽しくやっているよ。最近は仲間も増えたようだ」

校長「君にも絶対、そういう日々は帰ってくるさ」










男後輩「はい……これがら…よろじく…おねがいじます…」ポロポロ…



校長「ようこそ、我が校へ」ニコッ

39 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:54:44.85 XRDzP5sX0 39/66

―話は現在に戻り―

女後輩「おぉおおっ!!あんなとこにぼっちがいるぞ!!」

先輩「お前もだけどな」

女後輩「うっさい!早く行くよ!」

先輩「行くってなんだよ。お前友達なのか?って、デカっ!!!」

女先輩「確かこの間転校してきた1年よ。相変わらず身長高いわね。んー顔はまぁまぁね」

先輩「で、行ってどうすんの?」

女後輩「ほんと頭悪いわね!あんなとこに1人でぼーっとしてるやつなんて悩んでるやつに違いないわ!」

先輩「なにそのご都合主義!」

女後輩「おーいそこの長身君!一緒にお茶しない!」タッタッタ

先輩「どこの逆ナンだよ!」

40 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:55:16.69 XRDzP5sX0 40/66

男後輩「えっと…あなたは誰ですか」

男後輩(かわいい人だな)

女後輩「美少女です」キリッ

先輩「いきなりごめんね、この子義務教育をまだ終えてなくて」

男後輩「何か…用ですか?」

女後輩「あなた悩んでるわね!あたしにはわかるわ!さあ何でもお話し!」

先輩「暴君かお前は。そんな都合よく悩んでるわけないだろ」

男後輩「それが前の学校で色々やっちゃいまして」

先輩「あんのかーい!」

41 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:55:49.23 XRDzP5sX0 41/66

<部室>

ガラガラ

男後輩「お、お邪魔しまーす」

女後輩「そんな固くならずにほら座って座って!」

先輩「なんでお前が仕切ってんだよ」

男後輩「ここは部室ですか?」

先輩「そ。昔は物置倉庫だったんだけどね。ここ数年俺が使ってんの」

女後輩「あたしたち、ね」

先輩「はいはい」

男後輩「ここは何部の部室なんですか?」

先輩「それは俺もずっと前から思っていたんだよ」

男後輩「えっ?」

女後輩「名も活動もなき部活よ」

男後輩「よく成り立ちますね」

先輩「だから最近悩んでる人の話を聞こう!っていう活動をしてるんだけど、相談者どころかちんちくりんが居座っちゃってね」

女後輩「あたしDはあるわよ」

先輩「胸の話じゃねえよ」

女後輩「誰も胸の話とかいってないしー!この変態が!模試の判定の話に決まってんじゃん!」

先輩「それダメじゃん!」

男後輩(何この人たち面白い)

先輩「で、さっき言ってた悩みっていうのは本当なの?」

男後輩「悩みは悩みなんですけど、正直もう自分の中である程度ケリはつけれてるんです」

女後輩「はよ!悩みはよ!」ワクワク

先輩「お前にだけは絶対に相談したくないな」

42 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:56:55.55 XRDzP5sX0 42/66

―――――――――――――――

――――――――――

―――――



男後輩「こんな感じです」

女後輩「ええ話や!」ウルウル

先輩「校長が全部もっていきやがったな」

男後輩「確かに前の学校でのことは、この学校でも広まっていてみんなの視線は冷たいです」

男後輩「でも校長先生が言ってくれた言葉で、だいぶ救われました」

男後輩「それにこうやって同じ世代の人に話すのも先輩たちが初めてで、なんだかすっきりしました」

男後輩「ありがとうございました」ペコッ

先輩「うん。俺はこういう礼儀正しい後輩を待っていたんだ」

女後輩「なんであたしを見て言うの?あたしもこんなおとなしくていじりがいのある後輩を待っていたわ」

先輩「えぇええええっ!お前2年なの!?」

女後輩「知らんかったんかい!」

男後輩「ところで2人は付き合ってるんですか?」

先輩・女後輩「「そんなわけあるはずがない」」

男後輩(息ぴったりすぎる)

43 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:57:23.48 XRDzP5sX0 43/66

男後輩「えーっ!先輩婚約者がいるんですか!?」

先輩「まぁ一応ね」

女後輩「しかもその相手めちゃくちゃ美人のモデルなのよ」

男後輩「すごいですね」

先輩「我ながらまだ実感がない」

男後輩「女後輩さんは彼氏何人いるんですか?」

女後輩「なんで複数!?」

先輩「面白いなこの後輩」ケラケラ

女後輩「あいにく彼氏はいませーん!っていうか彼氏なんていらなーい!」

男後輩「レズなんですか?」

女後輩「話ぶっ飛びすぎでしょ!」

男後輩「すみません、女後輩さんみたいな可愛い人が彼氏いらないって言ったらそっち方面しか思い浮かばなくて」

女後輩「それなら許すわ」

先輩「許すのかよ」

女後輩「男はとっかえひっかえ日替わりで遊ぶくらいがちょうどいいのよ…ってあ、メールだ」ポチポチ

先輩「まぁ、こんな感じのやつだ。大学生の男とよく遊んでる」

男後輩「ビッチですね」

女後輩「いつかは来るつっこみだと思ったけどまさかあんたに言われるとは思わなかったわ!」

男後輩「どーも」エヘヘ

女後輩「いや褒めてないから!!」

先輩(あの女後輩をこいつ押してやがる!!)

女後輩「というわけで遊びに行くわ!じゃ!」ピューン

44 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:58:09.34 XRDzP5sX0 44/66

先輩「すまんなこっちが連れてきといて、しかもうるさいやつで」

男後輩「いえいえ、とても面白い先輩です。女後輩さんもこの部に入って長いんですか?」

先輩「あいつはこの部の人間じゃないよ。入る気はないって言ってた」

男後輩「そうなんですか!?」

先輩「そ。元々は保健室通いだったんだけど、女先輩のこと聞きつけて居座るようになった」

男後輩「保健室通い…ですか」

先輩「この間俺も保健室の先生に聞いたんだけどな」

先輩「あいつの両親はすごく厳しい人らしくてさ、あいつはその家の末っ子だそうだ」

先輩「兄ちゃんと姉ちゃんはすごく勉強もスポーツもできるのに、あいつは兄ちゃん姉ちゃんほどではなかった」

先輩「最初の方は怒られながらも必死に兄ちゃん姉ちゃんに追いつこうと頑張ってたみたいなんだけど」

先輩「そのうちどう頑張ったってできないものはできないものと思ったらしい。そして頑張ることをやめた」

先輩「もちろんそんなことを両親は認めるわけなどなく、いつかし居ないものとして扱われるようになった」

先輩「あいつは投げ出したわけではなくて別の自分に合ったものを模索しようとしただけなのに、全く受け入れられなかった」

先輩「そして何をしたらいいかわからなくなって、とにかく目立てば見てもらえると思った」

先輩「あいつの派手な外見はそういうところからきてるんだと思う」

先輩「言うまでもなく両親はそれを侮蔑し、溝は深まった」

先輩「そして、深く人と関われば自分の欠点が見られると思い、浅い関係しか築かなくなった」

先輩「学校の、ましてやクラスの人間なんてあいつにとっては恐怖以外の何ものでもないんだろう」

男後輩「………」

先輩「そこらへんの大学生がちょうどいいってのもきっとそういう意味だ」

先輩「ま、正直俺はなに甘えてんだよって思うけどな」

男後輩「?」

先輩「だけどまだ学校に来ることはやめてない。あいつは変わろうとしてる。今の自分を越えようとしてるんだよ」

先輩「相談者探しもあいつが言いだしたことで、きっと自分のような人間がいたら力になりたかったんだろう」

男後輩「そうですか…」

先輩「色々抱えてるみたいだし、本人の口からは何も聞いてないけど、今のあいつは楽しそうだ」

男後輩「僕もそれはすごく感じました!」

先輩「ウザったいけど、俺には大切な可愛い後輩だ」ニシシ

45 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:58:35.40 XRDzP5sX0 45/66

男後輩「でも、最近ここら辺の大学生では嫌な噂を聞きます」

先輩「と、いうと?」

男後輩「性的暴行です」

先輩「マジでか。でもニュースとかでは聞かないな」

男後輩「ああいう事件って、被害者は訴えないことが多いそうです」

先輩「なんで?」

男後輩「僕も男なのでよくわかりませんが、女性にとってそういうことは底知れないトラウマになるそうです」

男後輩「自分が受けた被害を話しているだけでも、相当精神的にくるらしくて」

男後輩「それにおかしな話、被害者側があとで冷たい目で見られるケースもおかしくないそうです」

先輩「なんでだよ」

男後輩「そこはよくわかりません。ですが痴漢被害が泣き寝入りするって話よく聞きます」

先輩「それは俺もテレビで見たことがあるな。本当に変な話だ。被害者なのに」

男後輩「それに男性恐怖症になることも少なくありません。異性を受け入れらなくなったら生活なんてできなくなります」

先輩「確かに…あいつにちゃんと言っとかないとな」

男後輩「お願いします」フカブカ

先輩「………もしかしてお前さ…」ニヤニヤ

男後輩「な、なんですか先輩」オロオロ

先輩「女後輩に一目惚れした?」ニヤニヤ

男後輩「dvfちゅぎぃgh8ふいmjmjこ」セキメン

先輩「わかりやすっ!」

46 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:59:04.60 XRDzP5sX0 46/66

<居酒屋>

大学生「あれー?なんか最近女後輩ちゃん元気なくなーい?」

女後輩「そ、そーかなー?」アセアセ

女後輩(最近この人たちと遊んでても全然楽しくない)

女後輩(自分の話ばっかで本当につまんない)

女後輩(先輩だったら話聞いてくれるしつっこんでくれるし)

女後輩(男後輩もきっといいボケ役になるし…)

女後輩(部室でおしゃべりしたいなー)




大学生「…っい!」

大学生「おーっい!もしもーし!聞こえてますかー?」

女後輩「えっ、あ、ごめんなさい、ぼーっとしてて」

大学生「んもー最近ずっとそんな調子じゃんー」

女後輩「ちょ、ちょっと体調悪いんで今日はもう帰りますね、ほんとごめんなさい」ペコリ

大学生「えーっ!もう帰るのーっ?なら送ってくよー」

女後輩「だ、大丈夫です!」

大学生「それじゃ気をつけてね!また明日もやるから来てね!」

女後輩「明日ですか?」

大学生「絶対来るよね?」ギロッ

女後輩「…はい」

大学生「じゃまた明日ねー」ヒラヒラ


ガラガラ…パタン…












大学生1「おい、女後輩は明日やるぞ」

大学生2「だな、そろそろ離れていきそうだし」

大学生3「やり方はいつも通りってことで」

47 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 21:59:36.49 XRDzP5sX0 47/66

―翌日―

ガラガラ ドーン!!

女後輩「やっほー!!!」

先輩「やめろ馬鹿ドアがくずれんだろ」

女後輩「お!男後輩も来てんじゃん!よ!」

男後輩「どーも。先輩がお茶飲みに来いって誘ってくれて」

女後輩「なぬ?あたしはそんなお誘い受けたことないが?ん?」

先輩「お前はいつも勝手に来てんじゃねえか」

女後輩「確かに!にしてもあんたデカいわね。身長いくつよ」

男後輩「185です」

先輩「マジかよすげえ」

女後輩「Hey!Stand up!」

男後輩「はい」スクッ

女後輩「うおおお!たっけえええ!!」キャッキャ♪ピョンピョン♪

男後輩(守りたいこの笑顔!!)

先輩「あ、そーだ女後輩」

女後輩「なに?」

先輩「最近大学生が女の子襲ってるらしいぞ。お前もちゃんと気をつけろよ」

女後輩「はいはーい」

先輩「結構マジだからこれ」

男後輩「そうですよ。ほんと気をつけてくださいね。先輩自分で思ってる以上に可愛いですから」

女後輩「え!?そう?」テレテレ

先輩「なにこれ可愛…マジで危ないっていってんの」

女後輩「心配することなかれ!返り打ちにしたるから!」

先輩「もう知らん」

48 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:00:50.70 XRDzP5sX0 48/66

―その日の夜―

女後輩(あたしだってそろそろ大学生と遊ぶのはやめようと思ってたんだけど)

女後輩(昨日の様子からして今日すっぽかすのはまずい気がした…)

女後輩(なんであたしは実況してるんだろう…はぁ…)

女後輩(1次会で返ってさっさと寝よう。あ、部室のティーパック切れてたから買わなきゃ)

女後輩(でもなんでこんな路地裏集合なんだろ…)



先輩『最近大学生が女の子襲ってるらしいぞ。お前もちゃんと気をつけろよ』



女後輩「ま、まさかね…」ハハハ


大学生1「やっほー女後輩ちゃん」ニヤニヤ

大学生2「今日も可愛いねー」ニヤニヤ

大学生3「ほらほらこっちー」ニヤニヤ


女後輩「な、なんですかあの車は?」


大学生123「へへへ」











先輩「くそ、さっきまでちゃんと尾行してたのにあいつどこ行った」

男後輩「二手に別れましょう」

先輩「そうだな、何かあったら絶対に俺に連絡しろいいな?」

男後輩「わかりました」

先輩「無茶は絶対すんなよ」

男後輩「はい!」

49 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:01:17.10 XRDzP5sX0 49/66

-女後輩が遊びに行った後-

男後輩「そう言えば昨日家に帰って事件のことについて調べてみたんですけど」

男後輩「どうやら大学生3人グループで、見た目はあーでこーでそーで…という目撃情報があるらしいです」

先輩「!?」

男後輩「どうしました?」

先輩「それ…あいつが口にしてる遊び仲間によく似てる…」

男後輩「マジですか」

先輩「それがほんとなら女後輩相当危ない状況だぞ」

男後輩「どうしましょう」オロオロ

先輩「とりあえず追うぞ」

先輩「俺の可愛い女後輩を泣かせたら絶対に許さん」ギロッ

50 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:01:45.93 XRDzP5sX0 50/66

大学生1「自分がこれからどうなるかくらいもうわかってるよな?」ヘラヘラ

女後輩「あなたたちが…もしかして…最近女の人を襲ってる大学生…」

大学生2「おいおいそこまでバレちゃってるのかよーこれは絶対に帰せませんねー」ヘラヘラ

大学生3「手荒な真似はしたくないからおとなしくしててくれるよね?」

大学生1「優しくするからさ」ニコッ

女後輩「うっ…」ゾクッ

女後輩(ヤバイヤバイヤバイ体が動かない…震えが止まらない…)カタカタ

大学生2「ほら早く車に乗って」ジリジリ

女後輩(出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ…

女後輩「…きゃ…っ…っきゃ…

女後輩「きゃぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

大学生123「!?」









男後輩(今のは…女後輩さんの声!?)

男後輩(どかこだ!!!)ダッダッダ

51 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:02:15.77 XRDzP5sX0 51/66

大学生3「て、てめぇ!!黙りやがれ!!」バシッ

女後輩「きゃっ!」ドサッ

大学生1「ほら早く来い!!」ガシッ

女後輩「い、いやだ!離してっ!!!!」ジタバタ

大学生1「大学生2手伝え!大学生3はエンジンかけろ!さっさと行くぞ!」

大学生2・3「「おう!」」

女後輩「やめ…て…」

女後輩(あーこれはいよいよまずいなー)クラクラ

女後輩(せっかく学校楽しくなってきたのになー)クラクラ

女後輩(楽しい先輩も可愛い後輩もできたのになー)クラクラ

女後輩(誰か…助けて…)












男後輩(あれは!!!!女後輩さん!!!!)

52 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:02:56.00 XRDzP5sX0 52/66

男後輩(どうする!?相手は3人か!?)カタカタ

男後輩(くそっ…この間までだったら突っ込んでいけたのに…あんなやつすぐに勝てたのに…戦うことを考えると…)カタカタ

男後輩(でも…)カタカタ

男後輩(でも……)カタカタ

男後輩(でも………)カタカタ

男後輩(いや!)












「壁になるくらいならできる」ダッダッダ

53 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:03:33.76 XRDzP5sX0 53/66

Prrrr

先輩(男後輩からだ)

Pi

先輩「どうした?見つかったか?」

男後輩≪今女後輩さんが連れていかれそうです≫ゼェゼェ

先輩「嘘だろおい!?今どこにいる!?」

男後輩≪〇〇丁△△番地です。俺は女後輩さんを守りますから!先輩は警察に連絡してください!車のナンバーは…………です!≫ゼェゼェ

先輩「守るってお前…今喧嘩できないだろ!!!!」

男後輩≪大丈夫です!手は出せませんが手は出させません!≫ゼェゼェ

先輩「全然それ大丈夫じゃないだろ!わかった!俺は警察に連絡してすぐ向かう!絶対に無茶はするな!」

男後輩≪お願いします!あんな可愛い先輩をあんなクズにはあげません!では≫Pi

先輩「急がないと!!!!!」

54 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:03:59.92 XRDzP5sX0 54/66

ダッダッダ

大学生123「?」

男後輩「おいやめろ!!!」

大学生1「あ?誰だお前」

男後輩「その人の後輩だ」

女後輩(男…後輩…?)クラクラ

大学生2「で、何しにきた?」

男後輩「先輩を返してもらいに来た」

大学生3「返さないし帰さねえよバーカ」

男後輩「んなこと聞いてねえよ。お前らは返すんだよ」ガシッ

大学生1「気安く触ってんじゃねえ!!!」バキッ

男後輩「いって…とりあえず奪還っと…さすが俺…大丈夫ですか?」

女後輩「男後輩…早く逃げて…」

男後輩「せっかく助けに来たんですからまだ逃げませんよ」ニコッ

大学生2「ま、逃がすわけないけどな」バシッ

男後輩「うっ…」

大学生3「さっさとくたばれや!!!」バキッ

男後輩「んっ…」

大学生1「ガキがでしゃばってんじゃねえええええ」バコーン

男後輩「ぐあっ…」


バキッ

バシッ

ドゴッ

ドスッ

ガッガッ

・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

55 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:04:26.60 XRDzP5sX0 55/66

大学生1「な、なんだよこいつ…」ゼェゼェ

男後輩「なんだよ…もう終わりかよ…」

大学生2「全然反撃してこねえし…くそが…」ゼェゼェ

男後輩「お前らのパンチやキックなんて効くかよバーカ」

大学生3「んだとこらぁあああああああ」バキッ

男後輩「ぶはっ…」

女後輩「もうやめてよ…男後輩死んじゃうよ…」ポロポロ

男後輩「…大丈夫です。死にません。ちゃんと守ります」ニコッ

女後輩「早く逃げてよ…あたしが我慢するから…今ケンカできないんでしょ…」ポロポロ

男後輩「そんなこと認めません!逃げません!守ります!」

女後輩「うぅっ…」ポロポロ

男後輩(とは言ったものの、もう景色がぐわんぐわんしてて立ってるのがやっとだ)

大学生1「さすがにここまで手荒な真似はしたくなかったんだけどな」

男後輩「また刃物かよ…男なら素手で戦えやカス」

大学生1「ここまで吠えてたことは褒めてやるよ」

大学生1「くたばれやぁあああああああああああああああ」

女後輩「ダメ…男後輩…誰か…




















先輩「先輩キーック!!!」



先輩友「先輩友キーック!!!」



大学生1「!?」



ドンガラガッシャーン



大学生1「………」チーン



先輩「遅れて悪いな男後輩。よく女後輩を守ってくれた。あとは先輩に任せろ」



男後輩(先輩…よかった…)バタッ

56 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:04:58.78 XRDzP5sX0 56/66

先輩「ふう、残り2人も思ったより弱かったな」

先輩友「ほとんど俺がやったけどな」

先輩「あとでジュース奢るよ」

先輩友「そういえばジャンボパフェまだ奢ってもらってなかったな」

先輩「げっ覚えてたのか」

先輩友「+ラーメンも奢りな」

先輩「そんなぁあ」



ピーポーパーポー



先輩「ちょうどよく警察の方もおいでなすったな」

先輩友「あとはお前がちゃんと説明しろよ」

先輩「おう。いきなり呼びだしといてしかもこんなことに巻きこんで悪かったな」

先輩友「気にすんな」

先輩友「最近出番少なかったし…」

先輩「気にしてたのね」

57 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:05:42.67 XRDzP5sX0 57/66

―翌日―


<病院>

男後輩「…んっ……」

先輩「お、やっと目覚めたか」

男後輩「ここは…?いてててて」

先輩「病院だよ。あれからお前は気を失って搬送されたの。少し胸骨にひびがはいってるそうだ」

男後輩「そうですか…」ハッ!!

男後輩「女後輩さんはどこですか!?無事だったんですか!?」

先輩「お前の左手に絡みついてるのはなんだ?」ニヤニヤ

男後輩「うおぉおおおおおっ!!!いてててててて」

女後輩「ん~~むにゃむにゃ」スリスリ

先輩「これで全校男子を敵に回したな」パシャリ

男後輩「ちょ、何写真撮ってんですか」

男後輩(なんてご褒美だ)

先輩「後輩の青春を見届けるのは先輩の役目だって昔ばっちゃんがいってた」

先輩「昨日の夜も1人お前に付きっきりだったんだぞ」

先輩「絶対に離れない!って言って」

男後輩「うっ…」セキメン

先輩「冗談抜きにお前はよくやったよ。好きな女の子を体を張って守るなんてかっこよすぎるよ」

男後輩「へへへ」

男後輩「とにかくよかった。無事で本当によかった」ナデナデ

先輩「ああ。本当によかった」

女後輩「Zzz…」スリスリ

58 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:06:11.33 XRDzP5sX0 58/66

男後輩「大学生たちはどうなったんですか?」

先輩「警察にちゃんと連れて行ってもらったよ。やっぱり最近の一連の事件はやつらのせいだったみたいだ」

男後輩「そうですか」

先輩「しばらくは出て来れないだろうな。一生出てこなくていいけど」

男後輩「…また僕問題起こしちゃいました」ハハハ

先輩「学校にまた居づらくなるなんて思ったら大間違いだぞ」

男後輩「え?」

先輩「昨日お前が寝てる間に校長も来たんだけどな、よくやったって本当に褒めてたぞ」

男後輩「校長先生がですか?…」

先輩「ああ、『あんなに人の為に体を張れる人間はいない、彼は素晴らしい生徒だ』ってね」

先輩「お前は相手を決して傷つけなかった」

男後輩「手が出せなかっただけです」

先輩「それでもいいんだよ。お前は正しいことをしたんだから胸を張っとけ」

男後輩「ちょっとまだ胸を張るのは痛いですけどね」ハハハ

先輩「早く治せよ」ポン

男後輩「はい!」ニコッ

59 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:06:53.45 XRDzP5sX0 59/66

―2週間後―


<部室>

ガラガラ

男後輩「失礼しm…うおっ!!」

女後輩「あれっ!来るの早っ!せっかく先輩と退院祝いサプライズしようと思ったのに!」

男後輩「思ったより早くHR終わっちゃって」ハハハ

男後輩「それにしても僕なんかの為にこんなにお菓子用意してくれたんですか?」

女後輩「そうよ!あたしもいくつか作ってきたわ!自信作よ!」ドヤッ

男後輩「嬉しいです!まだ始まってないけど、本当にありがとうございます!」

女後輩「う、うん…///」テレテレ

男後輩「どうしたんですか?」

女後輩「そ、その…」

男後輩「?」

女後輩「///////////」

男後輩(なにこの可愛い生き物)

女後輩「ちゃんと…お礼言ってなかったから…」

男後輩「あー、そんなのいいですって、俺がしたくてしたことですから」

女先輩「そういうのはダメなの…だから…」タッタッタ


抱きつきっ!


男後輩(うぉおおおお!!なんだこれ!!めっちゃいい匂いする!!)


女後輩「…りがと…

女後輩「本当に…ありがとう…」ギューッ


男後輩「いえいえ」ニコッ


女後輩「しゃがんで…」ボソッ


男後輩「えっ?」


女後輩「しゃがめって言ってんの///」


男後輩「こ、こうですか?」シャガミ


チュッ


男後輩「!?」

女後輩「///」




ガラガラ




先輩「お、なんだお取り込み中か」ニヤニヤ

60 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:07:19.86 XRDzP5sX0 60/66

―冬のある日―


<部室>

先輩「最近はここに遊びに来る人も増えたな」

女後輩「だね。結構あたしの友達の間でも来ようかなって人多いよ」

先輩「そっか。クラスには馴染めたの?」

女後輩「まぁまぁかな。思ったよりいい人たくさんいた。お父さんとお母さんとも少しは仲良くなったよ」

先輩「それは何より」

女後輩「まー毎日告白しまくられるのが美少女の辛いとこよね」

先輩「お前には未来の旦那さんがいるもんな」ニヤニヤ

女後輩「うっさい」ゲシゲシ

先輩「やめて!寒い日は特に痛いから!」


ガラガラ


男後輩「どーもです」

先輩「よ!」

女後輩「おかえり!紅茶でいい?」

男後輩「紅茶でお願いします」ニコッ

先輩「夫婦か!」



ガラガラ



女先輩「おー後輩!」


先輩「!?」


先輩「なにやってるんですか先輩」

61 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:07:49.18 XRDzP5sX0 61/66

先輩「というわけで改めて紹介します」

先輩「この部活の創設者で俺の先輩の、女先輩です」

女先輩「どーも♪」

女後輩(こんなに綺麗な人初めて見た…)

先輩「女後輩、お前ずっと会いたかったんじゃないの?」

女後輩「えっ…その…そんな急に…」

女先輩「かっわいぃいいいいいいいいいいいいいい」ダキッ

女後輩「あっ……」トロトロ

先輩・男後輩((美人と美少女が抱きついてるだと!?))

先輩「で、女先輩どうしたんですか急に」

女後輩「君は相変わらず素っ気ないなーモテないぞ。まー私がもらうからいいんだけど」

男後輩・女後輩「「///////」」

先輩「あとでネタにされるからやめてください」

女先輩「それにしても君は大きいなーレモン何個分なの?」

男後輩「レモン!?」

女先輩「後輩は面白い後輩をたくさん集めたね」

先輩「『先輩』と『後輩』のゲシュタルトが崩壊しそうです」

女先輩「最近忙しかったんだけどようやく落ち着いてね。そんで最近のこの部のことを聞いて見に来たのさ」

先輩「相変わらず俺ら自身よくわかってないんですけど、細々と活動してますよ」

女先輩「うん!楽しそうで何よりだ!」



ガラガラ



校長「お!みんなお揃いのようだね!」

62 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:08:18.16 XRDzP5sX0 62/66

校長「やあ女先輩君お久しぶり」

女先輩「ご無沙汰しています校長先生」フカブカ

校長「また一段と綺麗になったね」

女先輩「セクハラですか?」

校長「褒めただけなのに!?」


――――――――――――

――――――――

――――







校長「毎日忙しそうだと先輩君から常々聞いているよ」

女先輩「忙しいと言っても私がしたいことをやってるだけですから」

校長「実に君らしいね」

校長「ところで先輩君から聞いたんだが、なんで先輩くんが卒業する前に海外を回っているんだい?」

女先輩「彼が元々そういうのにあんまり興味ないことと…」

校長「と?」

女先輩「彼が大学に入学したら、ずっと一緒にいるつもりなので今のうちにと」ニコッ

校長「先輩君、君早く爆発したまえ」

男後輩・女後輩「右に同じ」



先輩「なんで!?っていうか同棲するってことですか?」

女後輩「そ。だからちゃんと大学受かってね!」ニコッ

先輩「これ以上プレッシャーかけんでください…」

校長「そう言えば女先輩君、お姉さんには会ったのかな?」

女先輩「あとでお弁当私に行きます」

先輩「お姉ちゃん?」

女先輩「ん?言ってなかったけ?保健室の先生は私のお姉ちゃん」

3人「えぇええええええええええええっ!!!!!!!」

63 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:08:47.21 XRDzP5sX0 63/66

―そして月日は流れ―

64 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:09:14.16 XRDzP5sX0 64/66

―ある日―


「お母さんただいまー!」


「おかえりー!」


「あれ?お父さんはまだ返って来てないの?」


「今日は市がやってるカウンセリングのお手伝いに行ってるから少し遅くなるって」


「へー、そう言えばお父さん高校生のときもそんなことしてたんだっけ?」


「そうよ、あの人は昔から人の話を聞くことと背中を押すのがとても上手な人だったわ///」テレテレ


(なにこの母親可愛い!)


「あ、そう言えば今日新しく先生が赴任してきてさ」


「上級生って名前の先生なんだけどね」


(上級生…ふふふ、あの人ちゃんと先生になってたのね)


「なかなか渋くて厳しそうな先生だったよ。お父さんとは真逆ね」



ピンポーン



「あ!来た!」



パタパタ

ガチャッ



「いらっしゃい!」


夫・嫁「お邪魔します!」

「…ます…」モジモジ

65 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:09:45.68 XRDzP5sX0 65/66

「えー、まだ先輩返って来てないの?」

「相変わらず先輩頑張ってるね」

「もうちょっとで返ってくると思うよ」

「それにしても女ちゃんまた美人になんたねーどんどんお母さんに似てってるよ」

「そ、そうかなー///」テレテレ

「ふふふ!さすが私の娘!」

(めっちゃ可愛い)ボーッ

「ほら男!こんな美人さんなかなかいないわよ!触りまくっときなさい!」

「おい」ビシッ

「来る前はあんなに喜んでたのに。来た途端これだもん」

(恥ずかしくてしゃべれない…)

「わかるぞ、俺には男の気持ちがよくわかるぞ」ウンウン

「おとこぉーまた大きくなった?」

「少し伸びた…かな」

「今度遊びに行こーっ!」

「う、、うん!」テレテレ

母・夫・嫁「にやにや」

男・女「口で言うな!」











ガチャッ


「ただいまー」










みんな「おかえりなさい!」


-fin-

66 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/09/30 22:20:24.46 XRDzP5sX0 66/66

前回の話を書いて、あの後どうなったんだろうと思って書きました。一気に投稿したので誤字脱字は多いかもしれませんが、少しでも楽しんでもらえたらなと思います。次回は短くてシンプルな作品を書こうと思っていますので、見かけた方はぜひ読んでみてください。感想やダメ出しをもらえるとすごく参考になります。

最後に、ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。

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