さやか「ぽっちゃり系?」
恭介「うん」
さやか「つまりデブ専ってこと?」
恭介「デブじゃなくてぽっちゃり。ちょっとふくよかなくらいが好きだな」
さやか「ふ……ふぅん」
恭介「ウチのクラスにはそういう子っていなかったよね。さやかの知り合いにいない?」
さやか「いっ、いないって! そんなぽっちゃり系美人なんていないよ!?」
恭介「そうか……」ガッカリ
元スレ
さやか「恭介はどんな女の子が好み?」恭介「ぽっちゃり系」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348833952/
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――
さやか「……ってことがあったの」
まどか「上条くんってぽっちゃり系が好きだったんだ……」
ほむら「美樹さやかの体型はむしろスレンダーな方だから、なかなか厳しいわね」
杏子「あたしみたいに普段からモリモリ食べればいいんじゃねーのか?」バリボリ
マミ「食べれば食べただけ太る、というわけでもないのよ?」
さやか「確かに、そう言ってる杏子自身が全然太ってないし……」
さやか「で、どうしたらいいと思う?」
杏子「なんとかして太ればいいじゃん」
さやか「そのなんとかが分からないから困ってるの……」
まどか「いっそ、上条くんに聞いてみたらいいんじゃないかな」
さやか「聞く?」
まどか「うん。どれくらいぽっちゃりが好みなのか。もしかしたら今のさやかちゃんが好きって言うかもしれないよ?」
さやか「え……い、いやぁ~それはないっしょ~///」
ほむら「何を照れているの、美樹さやか。気持ち悪いわ」
マミ「それじゃ、善は急げと言うし……早速行きましょう」
さやか「行くって、どこへですか?」
マミ「決まってるじゃない。その上条くんが入院してる病院へ行くのよ」
さやか「!?」
まどか「私とさやかちゃん以外は初めて会うんだよね?」
マミ「ええ。美樹さんが好きになった男性がどんな人か、すごく興味があるわ」
さやか「いや、マミさんはちょっと……その……」
杏子「病院ってこんなカッコで行っていいの?」
ほむら「大丈夫」
杏子「へへ、良かった。服買う金なんて無いもんな」
ほむら「それも寂しいわね。今度何か買ってあげるわ」
病院――
さやか「や、やっほー、恭介」
恭介「やあさやか。いつも来てくれてありがとう」
まどか「こんにちは、上条くんっ」
恭介「鹿目さん……久しぶりだね」
ほむら「……こんにちは」
恭介「こんにち……ん? 誰だっけ……クラスメイト?」
さやか「あっ、ごめんごめん、紹介してなかったね。この子は転校生なんだ。名前は暁美ほむら」
ほむら「暁美ほむらよ。よろしく」
恭介「う、うん、よろしく……」
さやか「びっくりしたでしょ?」
恭介「当たり前じゃないか……ごめん、さやかが無理やり連れてきたんだろう?」
ほむら「気にしてないわ」
さやか「しかも、他にあと二人来てるの」
恭介「ええっ? ひ、人にあまり迷惑かけちゃ……」
ガラッ
杏子「ワリーワリー、売店でお菓子買ってたら遅れちまった」
マミ「もう、そのお金を出したのは私じゃない」
恭介「っ!?」
杏子「細かいこと気にすんなよー」
恭介「ちょ、さやか、ちょっ……!」
恭介「こ、この人は誰だい!?」
さやか「ああ~、やっぱりこうなった……」
恭介「ねぇ誰!? どういう知り合い? どこの学校の人? 趣味は? 好きな食べ物は? 男性のタイプは?」
さやか「ちょ、ちょっと待って! そんな一気に言われても困るって!」
恭介「そ、そうか……ごめん、さやか」
マミ「……え、えっと。私は巴マミ、あなたや美樹さんの先輩よ。これからよろしくね」
恭介「よろしくお願いします!」
杏子「あたしは佐倉杏子。魔法少――」
恭介「それで、巴さんのご趣味は何ですか?」
杏子「聞けよオイ」
さやか「恭介、がっつきすぎ!」
恭介「えっ……な、ななななんのことだい?」
さやか「いや、これを誤魔化すのは無理があるよ」
まどか「そうだよ。マミさんも困っちゃうよ?」
恭介「困るって……そうなんですか?」
マミ「……上条くん。私に興味を持ってくれるのは嬉しいけど」
恭介「けど?」
マミ「二人の言う通り、あまり積極的すぎるのもよくないわ。女の子はムードを大切にするものだから」
恭介「わっ、分かりました……すみません……」ショボン
マミ「あっ、そ、そんなに落ち込まなくてもいいのよ? 私もちょっと嬉しかったし……」
さやか「………………」
――
――――
――――――
さやか「ハァ……」ズーン
まどか「さ、さやかちゃん……」
マミ「その、美樹さん。何か、ごめんなさい……」
さやか「いいんです……ある程度予想はしてましたし」
杏子「いいじゃねーか、次の男を探せばさー」ボリボリ
ほむら「食べるのはいいけれど口を拭きなさい」フキフキ
杏子「むぐっ……や、やめろよ、ガキじゃねーんだ」
ほむら「いいから」フキフキ
QB「やぁ、みんな」ヒョコッ
まどか「キュゥべぇ!?」
ほむら「インキュベーター……!」
QB「おっと、喧嘩腰にならないでほしいな、暁美ほむら」
マミ「キュゥべぇ、紅茶飲む?」
QB「うん、いただくよ」
杏子「何か用かよ。見ての通り、女子会の真っ最中だってのに」
QB「マミに呼ばれたんだ。ここに来てくれって」
さやか「えっ……」
マミ「実は、キュゥべぇに……というか皆に相談したいことがあって」
まどか「マミさんが、私たちに?」
杏子「そんなの初めてじゃねーか?」
ほむら「是非聞かせて、巴マミ」
マミ「ええ……まあ、これは私の友達の話なんだけど」
マミ「その友達は……小さい頃からデブだとか太っちょだとか言われて、毎日のようにいじめられていたわ」
マミ「それがある時、とある男性に『太ってる方がいい』と、熱烈なアプローチを受けたの」
マミ「本気の気持ちが伝わってきて、正直、悪い気はしなかったみたい……むしろ、それに惹かれてたのかも」
マミ「……でもその男性は、実は可愛い後輩の意中の相手だったのよ」
マミ「だから、友達はその男性の気持ちに応えていいものか、迷ってるの。どうすればいいと思う?」
杏子「ふーん。その友達って誰なんだ?」
まどか「マミさんって、嘘がつけない人なんですね……」
さやか「もう勝ち目無いじゃん……」
マミ「キュゥべぇはどう思う?」
QB「質問を返すようだけど、どうして僕に聞くのかな?」
マミ「だって、私と一番付き合いが長いのはキュゥべぇだもの。昔いじめられてたことも……あっ!?」
QB「どうしたんだい?」
マミ「『私』って言っちゃったわ……///」
ほむら「元々隠せていなかったからどうでもいいわ。それより話の続きをしなさい」
まどか「そうだよ。キュゥべぇはどうなの?」
QB「……僕としては『このショックでさやかが魔女化するだろうから推奨したい』という思いが50%くらいかな」
杏子「それ言っていいのかよ……」
QB「あと『マミと結婚するのはマミとずっと一緒にいた僕が相応しい』が30%」
ほむら「ふ……ふざけないで!」
まどか「そうだよ! 人間とインキュベーターなんて……」
ほむら「結婚を考えるなら、別世界の彼女すら知っている私の方が相応しい」キリッ
まどか「え、えぇ~……そっち?」
QB「最後に『あんな男に娘はやれん』が20%だね」
杏子「やっぱり親バカだったか……」
QB「『やっぱり』って?」
杏子「この間マミの部屋行ったら、ベッドの下からマミの写真が山ほど出てきたからな」
まどか「きゅ、キュゥべぇ。それ、一歩間違うとストーカーだよ……」
QB「総合すると、僕はマミが上条恭介と付き合うのに賛成だ」
さやか「キュゥべぇ……アンタまで……」ズーン
マミ「いきなりお付き合いなんて……私、まだ誰とも付き合ったことないのよ?」
QB「最初はみんなそうだよ。産まれた瞬間から経験のある赤子なんていないさ」
マミ「た、確かに……でも、デートとか大丈夫かしら? 男の子の好みとか全然分からないのに……」
QB「上条恭介の退院まで、二人でゆっくりプランを考えればいいじゃないか。時間は沢山あるだろう?」
マミ「…………」
QB「どうしたんだい?」
マミ「いつも、キュゥべぇは頼りになるわね……」
QB「そうかな」
杏子「はい、あーん」
ほむら「あーん」
杏子「どうだ?」
ほむら「……なかなかおいしいわね」モグモグ
杏子「だろ?」
さやか「で……あんたたちは、何で食べさせあいっこしてんのよ」
杏子「え? ぼっちのマミに付き合う相手ができて、めでたしめでたしなんだろ?」
ほむら「そうね。特に懸念するところも無いし」
さやか「私が魔女になったらどうすんのよ!」
ほむら「甘えないで。気合でなんとかしなさい」
さやか「気合って……」
数日後――
マミ「上条くんと付き合うことになったわ……///」
まどか「おめでとう、マミさん!」パチパチ
ほむら「おめでとう」パチパチ
杏子「おめでとう!」パチパチ
QB「おめでとう」ペチペチ
さやか「おめ…………ヒグッ、グスッ」
ほむら「ちょっと誰、美樹さやかを呼んだのは。鬱陶しくてしょうがないわ」
杏子「あたしだよ。やっぱりめでたいことは人が多い方がいいと思ってさ……ダメだったのか?」
ほむら「……そう。あなたなりに気を使ったのね。それならいいわ」
まどか「い、いいのかな……」
ほむら「やはり勝因は『ぽっちゃり』にあったようね」
マミ「そうかも……で、でもね」
ほむら「?」
マミ「『もし貴女が痩せても、僕はずっと貴女の側にいますよ』って……きゃぁぁどうしよう!!///」
ほむら「巴さん、先輩だけど言わせてください。うざいわ」
さやか「恭介ぇぇ……私には優しい言葉の一つもくれないくせにぃ……!」
杏子「次があるだろ。世の中広いんだ、さやかみたいな女の子が好みってヤツもどこかにいるって」
まどか「いくらなんでもドライすぎるよ、杏子ちゃん……」
ピピッ
マミ「あら、上条くんからメールだわ。『マミさんのふくよかな体を抱きしめたい』……やぁだもぉぉぉぉ///」
終わり。
54 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/28 23:05:33.23 1QZZz2Vd0 18/20乙
なんだこの投げっぱなし感は…
57 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/28 23:20:57.35 5HXUhp0p0 19/20>>54
まさに巴投げだな
62 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/28 23:27:11.34 xMvpoikoO 20/20>>57
オチかっさらってんじゃねーよ