7 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/22 23:54:03.71 6dgjJ0oT0 1/63


・古典部部室

奉太郎(千反田は図書館、里志は総務委員の会議、伊原は図書委員の仕事…)

奉太郎(三度目の奇跡だ。今日の奇跡を信じて、この問題を終わらせる)

奉太郎「こんにちは、先輩」

入須「あぁ」

奉太郎「お久しぶりですね」

入須「…そうだな、一週間ぶりだ」


入須「もしもし、入須です」 の続きです

元スレ
入須「来たぞ、折木君」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348325441/

8 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/22 23:56:02.37 6dgjJ0oT0 2/63


奉太郎「はい」

入須「…早くないか?」

奉太郎「そうですか?」

入須「…まぁ、元々私から言い出したことだ。君が気にする必要は無いんだが」

奉太郎「えぇ」

入須「手紙で呼び出されたのは初めてだ」ガタッ

奉太郎(…先輩はいつも目の前に座るな)

10 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/22 23:57:19.36 6dgjJ0oT0 3/63


奉太郎「俺も下駄箱に手紙を入れたのは初めてです」

入須「それで、これはどういう事だ?」パサッ

『本日放課後、古典部部室にて。 折木奉太郎』

奉太郎「そのままの意味ですよ」

入須「…と言われてもな」

奉太郎「部室なので、抹茶が無くて申し訳ないんですが」

入須「それは構わないが」

奉太郎「安心しました」

11 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/22 23:58:23.68 6dgjJ0oT0 4/63


入須「…それで、なんだ?」

奉太郎「…実は、特に大した用事は無かったんですが」

入須「……帰る」スッ

奉太郎「冗談です」

入須「………」トスッ

奉太郎「…入須先輩、お話があります。聞いてもらえますか?」

入須「…あぁ」

14 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:00:21.61 gFVbbjMm0 5/63


奉太郎「……以前、先輩が俺に相談した事を覚えていますか?」

入須「さて、なんだったか」

奉太郎「恋の相談ですよ。先輩に好きな人がいると」

入須「……それは、忘れてくれ。終わった事だ」

奉太郎「…その次に先輩が俺に話した事は、覚えていますか?」

入須「…高校生活についてだ。主に、朝と放課後のな」

奉太郎「えぇ。そして休みの日に先輩の髪の話、文化祭で先輩が怒っていた理由の話」

入須「随分ピンポイントだな」

16 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:01:58.25 gFVbbjMm0 6/63


奉太郎「共通点があります」

入須「…一体なんだ?」

奉太郎「わかりませんか?」

入須「……あぁ」

奉太郎「…先輩、前に俺の事をこう言ってましたね。よく理解してくれて、特別だと」

入須「そうだな」

17 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:03:15.12 gFVbbjMm0 7/63


奉太郎「特別な事、それは人それぞれあります。勿論俺にも」

入須「君にとって特別な事?」

奉太郎「先輩、例えば自分の前を歩く人が居たとしたら、それはどの様な人でしょうか?」

入須「…急になんだ」

奉太郎「答えてください」

入須「……目上の人だろう。上司、先輩」

18 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:04:48.07 gFVbbjMm0 8/63


奉太郎「では、自分の後ろを歩く人は?」

入須「単純に逆にすれば、部下、後輩。目下の者だ」

奉太郎「それなら、隣は?」

入須「同期、同級生。対等な関係の者だ」

奉太郎「…では、その隣を歩く人が先輩の後ろに下がっていくとして、その理由はなんでしょうか?」

入須「…折木君、なぞなぞをする為に私を呼んだのか?」

奉太郎「先輩、答えてください」

20 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:05:58.36 gFVbbjMm0 9/63


入須「……わかった。そうだな…本質的に、立場が下なんじゃないか?」

奉太郎「と言うと」

入須「人を避けるにしろ狭い道を歩くにしろ、自分が動く事で相手を引き立たせている」

奉太郎「では逆に、前に出て行く場合の理由はなんでしょうか?」

入須「…自ら引き立つ為に動く。リーダーたる者、若しくは相手を守る為」

奉太郎「……ありがとうございます。参考になりました」

21 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:07:42.10 gFVbbjMm0 10/63


入須「意図を教えてはくれないのか?」

奉太郎「…先輩、今の話、俺は抜けている事があると思います」

入須「なんだ?」

奉太郎「隣を歩く人は同級生だけではありません。年上の友達や親、年下の知り合いや兄弟」

入須「…確かに」

奉太郎「そして、隣に歩く人が前に出る。 …導いているんじゃないでしょうか?」

入須「隣の者をか?」

22 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:09:50.92 gFVbbjMm0 11/63


奉太郎「えぇ、例えば、俺の様な何もできない省エネ人間をね」

入須「…君は何もできなくないよ」

奉太郎「…そう言って貰えると嬉しいです」

入須「本当だ」

奉太郎「……本題に入りましょうか、先輩」

入須「…待て」

23 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:11:10.69 gFVbbjMm0 12/63


奉太郎「はい」

入須「聞きたくない」

奉太郎「聞いてもらいます」

入須「嫌だ」

奉太郎「先輩」

入須「………」

24 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:12:57.65 gFVbbjMm0 13/63


奉太郎「…知る事の出来る者が、知らないフリをする事はできない」

入須「…どういうことだ?」

奉太郎「先輩、人の気も知らないで、勝手に結論を出すのは良くありませんよ」

入須「………」

奉太郎「………」

入須「……わかった、聞かせてくれ」

奉太郎「はい」

奉太郎(布石は打った。ここからだ…!)

26 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:15:07.15 gFVbbjMm0 14/63


奉太郎「…先日言ってましたね、昔の関係に戻るのは嫌だと」

入須「あぁ」

奉太郎「それは、俺と先輩の距離が離れてしまうからですか?」

入須「…そうだ」

奉太郎「なら、それはありえません」

入須「なぜだ。君は私に騙され、苦手意識を覚えたはずだ。そうなれば…」

奉太郎「先輩、俺はどうやら省エネはやめられません。そしてあなたは女帝と呼ばれている」

27 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:16:42.12 gFVbbjMm0 15/63


入須「…あぁ、変わらない」

奉太郎「それで良いんです。見方を変えましょう」

入須「見方を…?」

奉太郎「先輩は、隣に歩きながら俺を導いてくれていると」

入須「…私が、君を」

奉太郎「えぇ。先ほどの共通点の話ですが、あれは全て先輩の問いに俺が考え、答えを示した話です。正答は少ないですが」

入須「…なるほど、確かに」

28 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:18:06.38 gFVbbjMm0 16/63


奉太郎「最初は嫌でしたが、今はそこまで嫌ではありません。まぁ、余り多いと困りますけど」

入須「…そんなに言わないよ」

奉太郎「悪い気はしませんけどね」

入須「……だが、私はまた君を騙そうとするかもしれない。導くと嘘をついてな」

奉太郎「その時は、また先輩の真意を俺が解きます」

入須「………」

29 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:20:00.04 gFVbbjMm0 17/63


奉太郎「先輩、あなたは俺に道を示してくれた。そして、これからも変わらないでしょう」

入須「あぁ」

奉太郎「これがこの間の答えです。 …先輩は特別です。俺には、あなたが必要な理由がある」

入須「!」

奉太郎「俺達は二人で歩いていく。そして先輩は時々前に出て、俺を導いてください」

入須「…それなら君は、時々後ろに下がって私を見守ってくれるのか?」

奉太郎「そうですね、後ろに下がって、俯瞰で先輩の気持ちを理解しましょう」

30 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:21:50.36 gFVbbjMm0 18/63


入須「…そうか」

奉太郎「お互いが特別であれば、対等じゃないですか?」

入須「……そうかもしれない。だが、私は君を束縛してしまう。嫉妬心も強い。君はこんな女、嫌だろう?」

奉太郎「先輩、俺は先輩を信頼します。だから先輩も俺を信じてください」

入須「だが…」

奉太郎「………」

奉太郎(ここか…)

31 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:24:11.19 gFVbbjMm0 19/63


奉太郎(姉貴が言っていたな。わかっている事実を検討し、わからない事に上書きしろと)

奉太郎(姉貴…信じるからな。失敗したら、一生恨むぞ)

奉太郎「…あの時、俺の事を変わっていないと言いましたね、先輩」

入須「…あぁ」

奉太郎「そんな事はありません。変わっていますよ、俺は」

奉太郎(………)ドク…ドク…

奉太郎(胸が痛い…勇気を出せ、俺!)

奉太郎(…事実はある。全てを伝えるんだ、先輩に!)

34 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:25:49.26 gFVbbjMm0 20/63


入須「…折木君?」

奉太郎「俺は…俺は!」


奉太郎「入須先輩の事が、どうしようもなく好きになりました!」


入須「!!」

奉太郎「変わっていないなんて、言わせません」

入須「………」

36 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:28:15.41 gFVbbjMm0 21/63


奉太郎「………」ガタッ

入須「お、折木君

ギュッ

入須「!」

奉太郎「束縛してください。嫉妬してください。騙してください」

奉太郎「そのままの先輩で良いんです。俺は、そんな先輩が堪らなく好きなんですから」

37 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:31:04.02 gFVbbjMm0 22/63


入須「………」

奉太郎「………」

入須「………」ポロ…ポロ…

奉太郎「! 先輩…?」

入須「折木君…折木君…」

奉太郎「…泣かないで下さい、先輩」

入須「うるさい…」

39 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:32:40.28 gFVbbjMm0 23/63


奉太郎「…調子が戻ってきましたね?」

入須「……この一週間、とても辛かった。そして今、とても幸せだ」

奉太郎「はい」

入須「想いが込み上げて、止まらない…嬉しくて、悲しくて…」ポロ…ポロ…

奉太郎「はい」

入須「君がこんな…私を抱きしめるからだ。 …暖かくて、優しくて」

奉太郎「………」

40 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:34:06.66 gFVbbjMm0 24/63


入須「今、私も変わった。君の事が…大好きになったよ」

奉太郎「はい」

入須「こんな私でいいのか…?」

奉太郎「…先輩以外、いません」

入須「…嬉しい」ギュッ

奉太郎「………」ギュッ

41 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:35:21.06 gFVbbjMm0 25/63


入須「………」

奉太郎「……入須先輩」

入須「……折木君」

奉太郎「………」

入須「……ん」

奉太郎「………」チュッ

入須「んっ…」

奉太郎「……ふぅ」

入須「………」

43 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:36:30.92 gFVbbjMm0 26/63


奉太郎「………」

入須「……もう一度」

奉太郎「…おあずけです」

入須「…バカ」

奉太郎「これでも、恥ずかしいんですよ」

入須「気にしなくて良いよ」

奉太郎「俺が気にします」

入須「………」ギュッ

45 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:37:22.23 gFVbbjMm0 27/63


奉太郎「……先輩、好きです。この気持ちは、忘れません」

入須「…忘れたら、怒るからな」

奉太郎「手帳に書いておきますよ」

入須「ふふっ。あぁ、頼む」

奉太郎(…入須先輩、出会った当初はこんな関係になるとは思って居なかったが)

奉太郎(こんなにもかけがえのない人が出来て、俺も、幸せだ)

46 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:38:30.12 gFVbbjMm0 28/63


・10分後

入須「これで…正式に恋人同士、だな」

奉太郎「そうですね」

入須「お互いに好きだと確認しあったし」

奉太郎「えぇ」

入須「……キスもしたし」

奉太郎「…はい」

50 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:40:07.07 gFVbbjMm0 29/63


入須「君と将来どういう家族になるのか、今から楽しみだな」

奉太郎「……え?」

入須「折木君、私は婚前交渉は構わないけど、子供は結婚後だからな」

奉太郎「……結婚?」

入須「…君の為なら、痛みも我慢するよ」

奉太郎「ちょっと待ってください」

51 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:41:35.74 gFVbbjMm0 30/63


入須「…なんだ?」

奉太郎「……いや、急に話が飛躍したような気がするんですが」

入須「どこがだ?」

奉太郎「結婚って…」

入須「先ほどキスをしたじゃないか」

奉太郎「はい」

52 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:42:30.46 gFVbbjMm0 31/63


入須「結婚と言う事になるだろう?」

奉太郎「……いや、なんでですか。なる訳ないでしょう」

入須「何故だ、なるだろ?」

奉太郎「なりませんよ」

入須「なる」

奉太郎「なりません」

55 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:43:21.28 gFVbbjMm0 32/63


入須「………」

奉太郎「………」

入須「…まぁ、前提と言う事にしておくよ」

奉太郎「…もうそれでいいです」

入須「結婚はするけどな」

奉太郎「…もうなんでもいいです」

56 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:44:28.00 gFVbbjMm0 33/63


入須「そうか。まぁ、学生結婚は何かと大変だからな、すぐの話じゃないよ」

奉太郎「…はい」

入須「元気が無いぞ」

奉太郎「…疲れが一気に来ました」

入須「私の為に考えていてくれたんだな…ありがとう」

奉太郎「…これは五限の体育ですね。体が痛い」

57 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:45:18.13 gFVbbjMm0 34/63


入須「………」ペシッ

奉太郎「痛っ! 何するんですか…」

入須「君にはデリカシーが足りないな。それに鈍感だ」

奉太郎「酷い言われようですね」

入須「…そして、女に警戒心が足りない」

奉太郎「うっ…もう良いじゃないですか、それは」

59 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:46:20.82 gFVbbjMm0 35/63


入須「ヘラヘラしてた」

奉太郎「してませんよ。笑顔の練習です」

入須「なら、私にも見せてみろ」

奉太郎「…嫌です」

入須「あの女性に出来て、私には出来ないと」

奉太郎「…そういうわけじゃ

入須「なら見せてみろ」

60 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:47:14.28 gFVbbjMm0 36/63


奉太郎「………」

入須「早く」

奉太郎「………」ニコッ

入須「!」カーッ

奉太郎「…これでいいですか」プイッ

入須「あ、あぁ…」ドキドキ

62 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:48:20.65 gFVbbjMm0 37/63


奉太郎「……恥ずかしいんですから」

入須「…余り、やらなくていいよ」

奉太郎「…はぁ」

入須「目に毒だ…」

奉太郎「失礼な」

入須「年上の女性には絶対に見せない様にな」

64 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:49:16.07 gFVbbjMm0 38/63


奉太郎「…はぁ」

入須「わかったな?」

奉太郎「まぁ、はい」

入須「今日から君には首輪を付けさせてもらうからな」

奉太郎「……え?」

入須「しっかり面倒を見てやろう」

65 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:49:56.57 gFVbbjMm0 39/63


奉太郎「先輩、自由とは」

入須「有って無い様な物だ」

奉太郎「独裁者じゃないですか…」

入須「ふふっ、冗談だよ。 …監視はするが」

奉太郎「…先輩」

入須「しばらく我慢しろ。一週間分、君に甘えたい」

奉太郎「…仕方ないですね」

66 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:50:49.13 gFVbbjMm0 40/63


入須「ふふっ、楽しみだ」

奉太郎「それじゃ、そろそろ帰りましょうか」

入須「あぁ、腕を組んでな」

奉太郎「早速ですか」

入須「…私は容赦しないからな。覚悟しろよ」

奉太郎「…はい」

68 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:51:39.56 gFVbbjMm0 41/63


奉太郎(腕を組んで、隣同士で歩いていく…)

奉太郎(道に迷ったら、先輩が前に出て正しい道を探す。俺はその後ろで考えて、先輩に助言をする)

奉太郎(二人で協力して、この先を歩いていく)

奉太郎(隣同士、対等に…どこまでも…歩いていこう)

奉太郎(かけがえのない、特別な人と一緒に)

奉太郎「行きましょうか、冬実先輩」

入須「! あぁ…そうだな、奉太郎」

69 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:52:31.90 gFVbbjMm0 42/63


おまけ

奉太郎(……ん?)

奉太郎「先輩、少しここに」コソコソ

入須「ん? あぁ…」

奉太郎「………」コソコソ

ガラッ

里志「うわっ!」

伊原「えぇっ!」

千反田「きゃあっ!」

71 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:53:27.31 gFVbbjMm0 43/63


奉太郎「………」

里志「…ばれたね」

伊原「だからやめようって言ったのに!」

千反田「あ、あの、その、これは…」

奉太郎「………」

里志「……逃げろっ!」

伊原「あ! ちょっと待ってよ!」

千反田「え? あ、待ってください! 私、気になりますーっ!」

73 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:54:23.92 gFVbbjMm0 44/63


奉太郎「………」

入須「…見られてたな」

奉太郎「その様ですね」

入須「…まぁ、私は見られていても構わないがな」

奉太郎「俺は嫌ですっ!」

75 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:55:14.84 gFVbbjMm0 45/63


エピローグ

奉太郎「おはようございます。先輩」

入須「おはよう。時間通りだな」

奉太郎「はい。それじゃ、行きましょう」

入須「あぁ」

奉太郎「……大分寒くなってきましたね」

入須「冬も近いからな」ギュッ

77 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:56:15.74 gFVbbjMm0 46/63


奉太郎「…暖かいですね、先輩」

入須「ふふっ、君もな」

奉太郎「昨日はお邪魔しました」

入須「あぁ、気にするな」

奉太郎「…予想通り先輩の父親には睨まれてしまいましたが」

入須「…それも気にするな。まぁ、なんとか説得しよう」

78 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:57:07.48 gFVbbjMm0 47/63


奉太郎「先輩が結婚を考えている、なんて言うからですよ」

入須「本心だ」

奉太郎「空気で死ぬかと思いました」

入須「…まぁ、ゆっくり行こう」

奉太郎「…そうですね」

入須「時間はある。君にも、私にも」

奉太郎「はい」

79 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:58:04.32 gFVbbjMm0 48/63


入須「いつか、二人で一番幸せになろう」

奉太郎「えぇ、必ず」

??「おおーい!」

奉太郎「…里志だ」

里志「奉太郎! 入須先輩!」

奉太郎「随分早いな」

82 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:59:01.00 gFVbbjMm0 49/63


入須「おはよう、福部君」

里志「おはようございます。奉太郎達の姿が見えたから追ってきたんだよ」

奉太郎「朝から元気だな、お前は」

里志「そりゃそうだよ! なんせ神高の女帝を落とした帝王、折木奉太郎とその女帝が腕を組んで歩いているんだからね」

入須「…そんな話になっているのか」

奉太郎「話半分に聞いておいてください」

83 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 00:59:42.81 gFVbbjMm0 50/63


里志「嘘じゃないよ、奉太郎」

奉太郎「……嘘だと言ってくれ」

里志「大体、こんな露骨にアピールすれば誰だって気づくさ」

入須「…奉太郎、堂々としろ」

奉太郎「ですが、先輩…」

入須「私は気にしない」

奉太郎「俺が気にするんですっ!」

84 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:00:29.09 gFVbbjMm0 51/63


里志「その内新聞部や放送部が来るかもね」

奉太郎「勘弁してくれ…」

里志「女帝、入須冬実を手に入れた帝王、果たしてどの様な人物かっ! ってね」

奉太郎「…お、俺の省エネ生活を返してください、先輩」

入須「…まぁ、頑張ってくれ」

奉太郎「先輩!」

入須「知らん」

里志「…まったく、諦めなよ、奉太郎」

86 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:01:29.97 gFVbbjMm0 52/63


奉太郎「………」ガクッ

入須「歩け」

奉太郎「……はい」

奉太郎(好きだけど…好きだけど…!)

奉太郎(別れようかな…)

入須「…今、何を考えていた?」

奉太郎「い、いえ、何も!」


おわり

91 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:04:48.22 gFVbbjMm0 53/63

以上です。支援してくださった方、ありがとうございました。
これで、とりあえずこのSSシリーズは終わりです。
入須先輩に惚れて自家発電として書いたSSでしたが、
色々な方にお読みいただきまして、ありがとうございました。
それでは、また次の機会がありましたら、宜しくお願いします。

89 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:04:26.49 JMqV95190 54/63

おつ
今回はただのデレデレだったな

95 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:07:40.41 gFVbbjMm0 55/63

>>89
前回デレ成分がほとんど無かったので意識しました。
VIP的にはこの後エッチシーンなんかを書いたりするんだと思いますが…
技量不足で申し訳ないです。

92 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:05:11.56 maWxvkSrO 56/63

最初から追っかけてたけど乙!
いりほーで新シリーズというか、ただただ甘いアフターストーリーでまた書いてくれると嬉しいです

98 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:09:38.73 gFVbbjMm0 57/63

>>92
ありがとうございます!
キャラスレのディズニーの話とか、最終話のその後とか、まだまだ書ける余地はありそうです
入須先輩には夢が詰まってます

102 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:11:59.93 maWxvkSrO 58/63

>>98
あのディズニーの話の先輩可愛かった
キャラスレでもいいから書いて欲しいよ
キャラスレの中の人達も>>1の読んでるし

107 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:22:20.15 gFVbbjMm0 59/63

>>102
割と貼り付いているので実は知ってました。ありがたいです。
今度お邪魔するかもしれません。

100 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:10:53.24 JMqV95190 60/63

ディズニー期待

106 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:20:01.96 gFVbbjMm0 61/63


入須「折木君、まずはミッキーを見よう」

入須「そして次はカリブの海賊に行くんだ」

入須「その後はトムソーヤ島いかだだ」

入須「そしてプーさんのハニーハントに行く」

入須「トゥーンタウンを見て回ろう」

入須「スペースマウンテンも…乗ろう」

入須「シンデレラ城で魔法のステッキを振りたいな」

入須「最後はイッツ・ア・スモールワールドだ」

奉太郎「…先輩」

入須「なんだ」

奉太郎「ここは岐阜ですが」

入須「……わかってる」

110 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:27:08.33 gFVbbjMm0 62/63

お付き合いくださってありがとうございました。
明日は予定があるので、そろそろ寝ます。
最終話からの入須先輩ルートが史実であることを願って…
それでは、おやすみなさい。

113 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/23 01:43:36.19 uel8quKE0 63/63

ふたりは特別!

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