とある公園――
ほむら「こんな所に呼び出して、なにか用かしら杏子」
杏子「んーいや、ワルプルギスも倒したことだし聞いておきたいことがあってさ」
ほむら「……?共闘も終わったし、これ以上聞くことなんか」
杏子「アンタ、この町出てくんだろ?……今でも決意変わらないのか?」
ほむら「……え?」
杏子「あたし的には、…残ってもらってもいいんだけどさ」ポリポリ
ほむら「」
元スレ
まどか「さよならほむらちゃん!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326804153/
ほむら「(し、しまったあああああああああああ)」
ほむら「(ワルプルギスを倒して早1週間、すっかりそのことを失念してたわ!)」
ほむら「(ど、どうしましょう…今さら嘘でしたって訳にもいかないし…)」
ほむら「(それに)」チラ
杏子「まあ、さやかもまどかって子も寂しがるだろうけどさ。行くって言うなら、仕方ないよな…」
ほむら「(なんだかそういう空気じゃない…)」
杏子「別れる前に、ぱーっと皆で騒ぐのもいいかもな」
翌日、学校
ほむら「はあ…どうしましょう」
ほむら「(結局あの場はなんとか取り繕ったけど…このままじゃ本当に出ていく事になる)」
ほむら「(折角手にいれた未来を私は…失いたくない)」
ほむら「(でもどうしたら…ああああ何で私ったらあの時あんな事言ったのかしら!馬鹿馬鹿馬鹿!)」
ほむら「(とりあえず一刻も早く、何か策を考えないと…)」
まどか「ほ、ほむらちゃん?」
ほむら「ってま、まどか!?何か用かしら…?」
まどか「う、うん…さっきからほむらちゃん慌てたり机叩いたりしてるから、どうかしたのかなって」
ほむら「あ、いえ…なんでもないのよ。少しふざけただけ、まどかが気にする事は何もないわ」
まどか「ウェヒヒ、そっか。何か悩み事があるなら言ってね?ほむらちゃんは、私の恩人なんだからさ!」
ほむら「まどか…」
ほむら「(嗚呼まどか、貴女はなんて優しいのかしら…)」
ほむら「(やっぱり私……まどかがいるこの場所から、離れたくなんかない)」
ほむら「(……決めたわ、授業が終わったら杏子に会って、やっぱりこの町に残ることを伝えよう)」
ほむら「(私と貴女の未来のために―――待ってて、まどか!)」
ほむら「まどか…。私、頑張るからね!」
まどか「え?う、うん…頑張ってね?」
ほむら「(早速学校終わったら杏子を探しましょう、行動あるのみよ)」
まどか「(ほむらちゃん…やっぱり今日はなんかおかしいよ…)」
授業後
ほむら「見つけたわ、杏子――!?」
杏子「お、主役が来たぜマミ。やったな」
ほむら「げ、巴マミ!?」
マミ「暁美さん……話は聞かせてもらったわ」
ほむら「(また厄介なのが……)」
ほむら「あ、あのね巴マミ、実は――」
マミ「暁美さん……私は怒ってるのよ」
ほむら「え?」
マミ「何で、黙って出ていこうとしたのかしら?」
ほむら「そのことで話が」
マミ「暁美さん、とりあえず私の話を聞いて頂戴?」
ほむら「……はい」
杏子「いい先輩だな、マミは」
――――――
ほむら「……」トボトボ
ほむら「はあ、結局伝えられなかった…」
ほむら「私結局、出ていくことになるのかしら……」
ほむら「まどかぁ…」
ほむら「(もう今日は帰って寝ましょう、疲れた…)」
一方そのころ
さやか「ええ!?ほむらがここからいなくなるって…それ本当なんですかマミさん!」
まどか「ほむらちゃんが…」
マミ「ええ。…でも二人とも、これは暁美さんが前から決心していたことなの」
マミ「彼女の悲壮な決意を無駄にしないためにも――しっかり送り出してあげましょう」
まどか「……っ」ダッ
さやか「まどか!……くそ、ほむらの奴、一人でそんな事抱えてたなんて…」
杏子「ああ…大馬鹿野郎だぜ、アイツは」
マミ「暁美さん…」
朝
ほむら「……あまり眠れなかったわ」
ほむら「…考えても仕方ないわね、学校に行かなくちゃ」
―――――――
パンッ パンッ
女子1「暁美さん!他の学校に行っても元気でね!」
中沢「たまにはこっちにも顔出せよ!」
早乙女「今日はクラス全員で、暁美さんを送り出しましょう!暁美さん、悩みがあったらいつでも私を頼ってね!」
アケミー アケミサーン ホムホムー
ほむら「」
さやか「ほむら……」
ほむら「み、美樹さやか…これは一体…」
さやか「私とまどかが皆に話したんだよ、そしたら早乙女先生が皆でほむらを送り出そうって…」
ほむら「いやあの、私は」
さやか「私も色々考えたけど、アンタはもう決心…したんだもんね。だから何も言わないよ」
ほむら「いやだから」
さやか「今日は名一杯楽しんでよ!そんでそのあと、笑顔で別れよ?」
ほむら「人の話を聞いて頂戴!」
ほむら「(ああ、まずいわ…このまま行くと取り返しのつかないことに)」
ほむら「(何か…何か手はないかしら)」キョロキョロ
ほむら「!!」
まどか「あ、ほむら、ちゃん…」
ほむら「まど、か……」
まどか「……」
ほむら「(まずいまずいまずいまずい、沈黙が重い)」
ほむら「(せめて…まどかだけにでも理解してもらわねば!)」
ほむら「あ、あのねまどか。これはそのね」
まどか「……」
ほむら「えっと…、まどか?話を聞いて――」
まどか「………………嫌い」
ほむら「え?」
まどか「ほむらちゃんなんか、大嫌い!!!」
まどか「馬鹿!!」タタタ
ほむら「死にたい」
そして日は経ち―――
QB「暁美ほむら、本当に行くのかい?」
ほむら「ええ。まどかに嫌われた以上、もうここに残る意味はないもの」
QB「そうか……寂しくなるね」
ほむら「思ってもないこと言わないで頂戴、あとまどかに手を出したら、真っ先に殺しに来るわよ」
QB「はいはい、それは何度も聞いたよ」
QB「そんな事はしないから、遠慮なく行ってくるがいいさ」
ほむら「…………………………………………………まどかぁ」
ほむら「(結局、私は誰にも話を聞いてもらえなかった)」
ほむら「(クラスメイトからは惜しまれながらも背中を押され)」
ほむら「(巴マミや佐倉杏子からは、涙ぐまれながら別れを告げられた)」
ほむら「(まどかはあれから一度も……話をしてくれなかった)」
ほむら「もうどこか遠いところへ行こう。そして――一人で暮らそう」
まどか「ほむらちゃん!!」
ほむら「!?まどか―――」
QB「やれやれ、僕はお邪魔みたいだね。退散するとするよ」キュップイ
まどか「ほむらちゃん…」
ほむら「見送りに…来てくれたの?」
まどか「……」
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃん…あの時、酷いこと言ってごめんね…?」グズッ
ほむら「いいのよ…そんなの」
まどか「私、ほむらちゃんと、これからもずっと一緒にいられると思って、でもそんなこと、なくて……」
ほむら「……うん」
まどか「マミさんからほむらちゃんがいなくなるって聞いた時、凄く悲しくなって。そのあと泣いて…」
まどか「それで学校でほむらちゃんと顔を合わせたら、ついカッとなっちゃったの……ごめんね、ごめんねほむらちゃん」
ほむら「……まどか」
ほむら「(私、何をしてたんだろう)」
ほむら「(まどかに勝手に嫌われたと勘違いして、挙げ句泣かせて…)」
ほむら「(ちゃんとまどかと、向き合うべきだったんだ)」
ほむら「(だっていうのに私は…!)」
ほむら「まどかぁ!」ダキッ
まどか「ほむらちゃん!」
ほむら「(大切なものはここに――あったんだ)」
ほむら「まどか、まどか!」
まどか「ほむらちゃん…行っちゃやだよお」グスッ
ほむら「安心してまどか―――どこかに行くなんて、嘘だから」
まどか「えっ?」
まどか「ほむらちゃん………嘘だったの?」
ほむら「え?あ、いや、今のは誤解ある言い方でその…」
まどか「ねえほむらちゃん、ちゃんと話してほしいんだけど」
ほむら「いやだから、そもそも皆が私の話も聞かず勝手に話を大きくして……」
まどか「ほむらちゃん」
ほむら「私はどこにも行かないって言おうとしたのよ?なのに杏子やマミが――」
まどか「ほむらちゃん!!」
ほむら「あ、はい」
ほむら「(――こうして私は、やっぱりこの町に残ることにした)」
ほむら「(なんだか周囲の目が痛いが、それでも私は元気だ)」
ほむら「(今日もこの見滝原の平和――そして、大好きなまどかのために、戦っていきたいと思う)」
ほむら「(すべての物に、感謝して―――)」
まどか「もうほむらちゃんか知らない、どっか行って!」
ほむら「まどかあああああああああ」
完