3 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 19:07:44.21 6/kB7wat0 1/40

――ある冬の日――

さやか「うー、寒いー。骨の髄まで凍りつきますよ~今日は」

まどか「そうだね。ちょっと寒いかも」

さやか「ちょっと? そんなに着込んでおいて何を言う! このこの!」

まどか「くすぐったい! くすぐったいよさやかちゃん!」

さやか「うりうり~……と、おふざけはここまでにしときますか」

まどか「今日はマミさんの家にお呼ばれしてるからね。遅刻はダメだよ」

さやか「休みの日にマミさん家に遊びに行くことってそんな無いからさー、楽しみっ!」

まどか「うぇひひ! 私も」

元スレ
まどか「あったかいなぁ……」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1323597825/

5 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 19:12:45.10 6/kB7wat0 2/40


さやか「それにしたって、今日はエラく曇ってるなぁ」

まどか「天気予報だと、雪が降るかもって言ってたよ」

さやか「何ですと!? これは一刻も早くマミさんの所で暖を取らねば!」

まどか「じゃ、急ごっか」

さやか「ちょーっとまったー!」

まどか「え?」

さやか「たまには何か持ってかないと、流石のさやかちゃんも心苦しいのだよ」

まどか「は……いはい。コンビニにでも寄る?」

さやか「そうこなくっちゃ!」

6 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 19:15:15.60 6/kB7wat0 3/40


――マミさん家――


さやか「おはようございまーす」

まどか「おはようございます。マミさん」

マミ「朝から呼び出しちゃってごめんね~、忙しかった?」

まどか「いえ、特には……」

さやか「休日のさやかちゃんは特別にお暇でいらっしゃいましたよー!」

マミ「そう……。途中は寒かったでしょ。さ、上がって上がって」

まどか「お邪魔しまーす」

さやか「おじゃまー」





7 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 19:19:09.64 6/kB7wat0 4/40


まどか「マミさん、こ、これって……」

マミ「うふふ、コタツ、出してみたの」

さやか「これにはさやかちゃんも大歓喜!早速スライディーング!」

マミ「あらあら」

さやか「ふわああああぁぁぁぁぁ……あったかいなりぃ……」

まどか「さやかちゃん、あんなにとろけた顔して……」

マミ「さ、鹿目さんも入って入って。私はお茶入れて来るから」

まどか「あ、手伝います」

マミ「いいからいいから」

8 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 19:23:13.30 6/kB7wat0 5/40


まどか「あったかいなぁ、コタツ」

さやか「おコタの魔力からは絶対に逃れられない!」

まどか「今のとろけた顔で言われると絶大な説得力だよ」

さやか「あー、あったかいよぉー。寝ちゃいそうだよぉ……」

まどか「コタツで寝ちゃうと風邪ひいちゃうよ。さやかちゃん」

さやか「それは分かってるんだけどさぁ、ああ逃れられない!」

10 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 19:27:21.06 6/kB7wat0 6/40


マミ「お茶入れてきたわよ。……美樹さんはおねむかしら?」

まどか「いや……」

さやか「おきてましゅ~」ウトウト

まどか「……あっ、マミさん! その右手のお盆は?」

マミ「冬のコタツには欠かせない……そう、必需品よ」

さやか「ひちゅじゅひん?」

まどか「えー、なんだろー?」

13 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 19:32:09.63 6/kB7wat0 7/40


マミ「やっぱり熱い緑茶にみかんよねー」

まどか「このみかんは甘いなぁ」

さやか「私も眠気覚ましに一つ……すっぱ!酸っぱい!」

まどか「うぃひひひ。私の食べなよ。こっちは甘いから」

さやか「くぅーっ!みかんめ、このさやか様に牙をむくとは無礼千万!」

マミ「良く揉んでから食べると甘くなるって言うわよ」

さやか「そーなのかー」

17 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 19:49:01.64 6/kB7wat0 8/40


さやか「ホントだ!揉むと甘い!」

マミ「でしょう? でもすぐに食べないと今まで以上に酸っぱくなるわよ」

さやか「うへぇ、諸刃の剣って奴ですかー」

まどか「大げさだよさやかちゃん……」

さやか「甘い甘い。もはや酸っぱさなど敵ではないわー

マミ「んー、これまた緑茶が美味しいわ」



19 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 19:54:22.12 6/kB7wat0 9/40

―――― ・・・


杏子「うう~っ、今日はいつもより寒ぃんだよなぁ。流石に堪えるぞ……」

杏子「巴マミん家にでも世話になるかなー」

杏子「休みの日だし、ま、多分家にいるだろー」

ほむら「奇遇ね。私もそうしようと思ってたの」

杏子「うおっ! 急に後ろから現れんなよ! 心臓に悪い!」

ほむら「ほら、行くわよ。公園にずっと居たら体を冷やすわ」

杏子「お前は話を聞けよ! ったく」

21 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 19:58:44.83 6/kB7wat0 10/40

ピンポーン


マミ「あら、誰かしらね。どちらさまですかー」

ほむら『私よ』

杏子「いや名乗れよ」

マミ「ハッ! 名乗らないという事は……まさかの『わたしわたし詐欺』!?」

杏子「違うから! いや違うから!」

ほむら『冗談が過ぎたわ。暁美ほむらよ。開けて頂戴』

22 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 20:05:44.78 6/kB7wat0 11/40


杏子「おーっ、お前らも居たのかー」

さやか「おいすー」

まどか「おはよう。杏子ちゃん、ほむらちゃん」

ほむら「おはよう、まどか。ところでこれが……所謂こたつと言うものかしら?」

まどか「そうだよ。とってもあったかいんだ。ほむらちゃんはもしかして初めて?」

ほむら「ええ。病院暮らしが長くて、こういった風物詩はあまり体験したことは無いわ」

まどか「ほむらちゃん……ごめん」

ほむら「謝らなくても良いわよ。隣、失礼するわ」

さやか「さぁー! 転校生のコタツデビューですよー! ほれほれ」

ほむら「そんな公園デビューみたいに言わないで……」

24 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 20:12:30.45 6/kB7wat0 12/40


ほむら「あっ……あふぅぅぅぅ。何なのこれぇ……」

さやか「うーわ、まるで別人みたいだぁ……」

マミ「これがコタツの魔力ね。みかんはどう?」

ほむら「いただくわ」

杏子「まるで極楽だな……んーっ!」

さやか「ふぁっ! 冷たい! 杏子、つま先当てないでよ!」

杏子「んだよー。しょうがねぇだろー」



26 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 20:19:05.82 6/kB7wat0 13/40


杏子「うりうり」

さやか「んひゃっ! 太ももとか反則だって!」

ほむら「すぐに温まるわ。それまでの辛抱よ」

まどか「ガンバってね。さやかちゃん」

さやか「二人とも助けてよー。この薄情者ー!」

杏子「さやかー、万事休すだな」

さやか「こうなったら反撃だ! おりゃー!」

杏子「あっ、やめろって、くすぐったい。……そこはダメだって! いや、くぅ、マジでヤバいからああああああ!」

29 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 20:24:09.12 6/kB7wat0 14/40


マミ「そろそろみかんが切れそうね。取ってくるわ……さむさむ」スッ

杏子「たっぷり頼むぜー」

まどか「せっかくみんないるんだし、トランプとかやりたいな」

ほむら「私が持ってるわよ」

さやか「ババ抜きで勝負しようじゃない」

ほむら「望むところよ」

さやか「最下位は罰ゲーム、というのはどう?」

まどか「えっそれは……」

杏子「おーっ! 面白そうだな、私もやるぞー!」

ほむら「いざ勝負よ」

31 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 20:29:34.76 6/kB7wat0 15/40


ほむら「何てこと……何てこと……」

杏子「意外と顔に出るタイプなんだなー」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「ああっ! そんな目で見ないで! 私はまだ戦える。戦えるから!」

さやか「それはどうぞご勝手に、でも、とりあえず罰ゲームは受けてもらうぞ~」

ほむら「くっ、わ、分かったわ」

さやか「それじゃあねぇ……物まね、なんてどう?」




33 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 20:36:28.79 6/kB7wat0 16/40


マミ「みかん持って来たわ」

杏子「あんがと!」

マミ「ダンボールで買っちゃって食べきれないと思ってたの、バリバリ食べてね」

杏子「おう! 食い物は粗末にできないからな!」

さやか「自分の中学では罰ゲームでぇ……『公開物まね』って言うのがあってぇ……」

杏子「えっ、何それは……」

ほむら「そんな仕来たりがあるなんて、知らなかったわ」

まどか「無いよ! そんな意味不明な仕来たり無いから! 安心してほむらちゃん!」

さやか「んじゃ、レッツトラーイ。あっ、お題は何でもいいからね」

ほむら「……QBやります」



ほむら「……きゅっぷい!」



36 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 20:40:54.51 6/kB7wat0 17/40


ほむら「……」プルプル

さやか「……」

杏子「やべぇ……やべぇよ……」

マミ「これは……うん、似てたわ……似てたけど……」

まどか「ほむらちゃん。か、かわいかったよ……」

さやか「すいません許してください!何でもしますから!」



39 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 20:47:45.35 6/kB7wat0 18/40


杏子「お茶も美味しいな。まどか、お代わりくれよ」

まどか「はいはい」コポポポ

ほむら「さっきは酷い目にあったわ。まったく、貴女はロクな事を考えないわね、もう」プンスカ

さやか「いや、勝負を受けたのはほむらじゃん……。みかんすっぱい!」

ほむら「バチが当たったのね」

さやか「うぅ、うるせーやい」

マミ「あっ、そろそろお昼の時間ね。みんな、簡単にうどんでいいかしら?」

杏子「おっけー! 出されたものは何でも食うぞー」



41 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 20:54:53.10 6/kB7wat0 19/40


マミ「マミ特製、きつねうどんよ」

杏子「はぇ~、すっごい旨そう。いただきまーす!」

さやか「マミさん、七味ありますかー?」

マミ「鹿目さんの近くに置いてるわ」

まどか「さやかちゃん、七味かけ過ぎ……」

さやか「今日は辛いのが食べたい気分なのだ」

ほむら「そう……まどか、私にも七味を」

まどか「はい、ほむらちゃん」

ほむら「ありがと」

44 : >>42 訂正[] - 2011/12/11 21:02:28.72 6/kB7wat0 21/40

杏子「ごちそうさまでした!」

さやか「うわ~、見事な食べっぷり。麺のかけら一つ残って無いわ」

マミ「きれいに食べてくれて私も嬉しいわ。あっ、佐倉さん、口元にネギがくっついてるわよ」

杏子「うおっ、サンキュー」

まどか「マミさん、まるでお母さんみたいだね」

ほむら「確かに。不似合では無いわね」

さやか「まさに、良妻賢母、って感じになりそうでっす!」

マミ「こら、 まだ私はお母さんってトシじゃないわよ」

47 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 21:10:44.91 6/kB7wat0 22/40


ほむら「むぅ、この問題は中々ね……」

まどか「何やってるの?」

ほむら「ナンプレよ。ナンプレ」

まどか「あの数字をマス目に埋めていく……」

ほむら「そう。単純だけど、結構面白いのよ。まどかにもこんど冊子をあげるわね」

まどか「えー、私でも出来るかなー」

ほむら「大丈夫。私が手取り足取り教えてあげるわ」

杏子「ドロー4だぜ! どうだ!」

さやか「こしゃくな……でも、やっぱり私も持ってるドロー4.赤で」

杏子「うげ!?」

マミ「残念でした。私も、赤のドロー2。美樹さんが赤を選んでくれなかったら危なかったわ」

杏子「ああああああああああああああ!」





50 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 21:16:09.29 6/kB7wat0 23/40


杏子「くっそー、もう一回だ! 今度こそ勝ってやるぞ」

マミ「何度やっても私の勝ちは変わらないわよ」

杏子「言ってろ。目にモノ見せてやるよ」

さやか「んじゃ、次負けた人は罰ゲームね」

杏子「いいのか? そんな事言っちゃって」

さやか「だいじょうぶだいじょうぶ。だって杏子ちゃんがいるもんねー」

杏子「むっきぃぃぃぃぃ! 見てろよぉぉぉぉぉ!」


52 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 21:23:17.66 6/kB7wat0 24/40


杏子「……」

マミ「ふふふ、一番上がりっ」

さやか「予想通りと言うか、何と言うか……」

マミ「それじゃあ、罰ゲームね。何にしようかしら……迷うわぁ」

杏子「や、優しくしろよ」

マミ「そうねぇ……じゃあ『私の買い物についてくる』っていうのはどう?」

杏子「え?」

マミ「みんな晩御飯、食べて帰るでしょ? お鍋でも振る舞うわ」

まどか「えーっ? いいんですか? ……なら、パパに電話して来ますね」

ほむら「私もお言葉に甘えようかしら」

マミ「と、いう訳で、佐倉さん、今日のお買いもの、寒いけどついて来てね」

杏子「お、おう」

56 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 21:32:34.05 6/kB7wat0 25/40

――――・・・


杏子「うぅ~っ、やっぱりクソ寒いなぁ……」ブルブル

マミ「スーパーの中はあったかいから、そこまで頑張りましょう」

杏子「ところでよー」

マミ「何かしら」

杏子「何鍋にするか決めてるのかー? さやかの奴がやたらとキムチ鍋を主張してきたが……」

マミ「えーっと、まだ決めてないわ。お店でゆっくり選びましょ」

杏子「そーだな。時間もたっぷりある事だし」

マミ「そういう事」

59 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 21:41:03.24 6/kB7wat0 26/40


杏子「流石は店の中、あったけーなぁ」

マミ「でも、汗をかかないようにね。風邪ひいちゃうわよ」

杏子「へーい。さっそく、見て回ろうぜ」

マミ「確か、今日は白菜が安かったのよ」

杏子「そーなのか。んじゃ、それメインで考えるか」

マミ「美樹さんの希望で、スープはキムチ風味の奴にしたわ」

杏子「アイツ辛いの好きだったっけ……?」

マミ「まあまあ、佐倉さんも欲しい食材あったら言って。何でも入れられるのが鍋の良い所なんだから」

63 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 21:47:27.69 6/kB7wat0 27/40


まどか「マミさんたち、寒くないかなー」

ほむら「大丈夫でしょ。あれだけ厚着していけば北極でも多分平気よ」

まどか「そっか。そうだよね。みかんでも食べようか……さやかちゃん」

さやか「揺らさないで! 今揺らしたら誰であっても許さない!」

ほむら「……」トントン

さやか「だから机の端を指で突くのはやめて! このトランプタワーには私のすべてが懸ってる……!!」

ほむら「そう……」トントン

さやか「ほむら! アンタ絶対楽しんでるよね、怒らないからさやか様に言ってみなさい」

ほむら「……」トントン

さやか「無言の肯定かぁ……あとマジで崩すのやめて」

69 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 21:56:02.54 6/kB7wat0 28/40


さやか「酷い妨害に耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び……とうとう完成した! 特大トランプタワー!」

まどか「おめでとう! これは超大作だね」

さやか「まどかがほめてくれて嬉しいぞ~」

まどか「あっ、くすぐらないでよー、もう」

ほむら「後は崩すだけよ」

さやか「さらっと酷い事いうのやめろ! マミさんと杏子にも見せてやるのだーはっはっはー」

まどか「ウェヒヒヒヒ、二人ともびっくりするだろうね」




72 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 22:02:23.48 6/kB7wat0 29/40


マミ「うん、お肉に豆腐にお野菜、必要な食材は全部揃ったわね」

杏子「待った、締めはどっちにするんだ?」

マミ「そうねぇ……うどんはお昼に食べたから、おじやにする?」

杏子「あぁ^~いいっすね~」

マミ「フフ、何なのその口調」

杏子「やってみただけだよ!」

マミ「……そうだ。お買い物について来て、ちゃんとお手伝いしてくれたからー、好きなお菓子、一つだけ買ってあげるわ」

杏子「マジか!? いやったー!」


78 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 22:11:07.93 6/kB7wat0 30/40


杏子「どれにしよっかなー♪」

マミ「そこまで喜んでくれるなんて、こっちまで嬉しくなっちゃうわ」

杏子「うーん、きのこの里にするかなー、でもたけのこの里の方が可愛いし、ホワイトロリータも捨てがたい……いやいやあえての歌舞伎揚げ?」

マミ「ドーナツやバタークッキーなんてのも悪くないんじゃない?」

杏子「だぁーっ! 選択肢が増えちまってありがた迷惑だ!」

マミ「まあ、ゆっくり選ぶといいわ」

杏子「おーう」


しばらくして―――


杏子「よし、これに決めた!」



81 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 22:17:37.62 6/kB7wat0 31/40

――――・・・


さやか「……」

まどか「……うん、誰も悪くないよ。不幸な事件だったんだよ」

ほむら「そうよ。美樹さやか……心中は察するけど、これは致し方ないわ……」プルプル

さやか「おいちょっと笑ってるだろ」

まどか「……お茶を取りに行った時に、足を滑らせて」

さやか「あの時油断して無かったら……くぅぅ~~」

ほむら「まだチャンスは……あるわよ……きっと」プルプル



84 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 22:23:29.15 6/kB7wat0 32/40


さやか「わたしって、ほんとバカ。真っ白に燃え尽きたよあたしゃ……」

まどか「そんな! さやかちゃんが一気におばあちゃんみたいな感じに!」

ほむら「……雪」

さやか「え?」

ほむら「窓の外、ほら」

さやか「ホントだ! 雪じゃん!」

まどか「きれいだなぁ。明日は積もるかな」

ほむら「ええ、きっと。そして地面もきっと凍るわよ。足を滑らせないようにね、美樹さやか」

さやか「うるへーうるへー」

86 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 22:28:15.47 6/kB7wat0 33/40


杏子「おっ、雪かぁ?」

マミ「寒いと思ったら、やっぱり降ってきたわ」

杏子「んま、今は雪よりこれからの鍋だ。早く帰ろうぜ」

マミ「花より団子って奴かしら?」

杏子「おう。おいしいものに勝るものなんてないぞ」

マミ「……フフ、そうね。家で皆が待ってるわ」

杏子「お鍋~お鍋~♪」

89 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 22:36:20.68 6/kB7wat0 34/40


マミ「ただいまー」

杏子「ぬわあああああん疲れたもおおおおおん!」

まどか「二人ともおかえりー」

ほむら「おかえりなさい。あっそうだ、巴マミ、調理位なら手伝うわよ」

マミ「ありがと。まずは野菜を出して頂戴」

杏子「さ、私はご褒美のお菓子でも食べて待つとするかなー」

さやか「ちっちゃい子供か!」

まどか「そうだ。さやかちゃんもお菓子持ってきてたんだよね」

さやか「あわわわわ! 忘れてたー!」

ほむら「そそっかしい……」

92 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 22:44:02.67 6/kB7wat0 35/40


杏子「んー、まさかのロールケーキだったとはな」

まどか「丁度5切れあってさ、良かったね」

ほむら「ええ。美樹さやかにしては良いチョイスよ」

さやか「『しては』っていうのは余計だぞ」

マミ「ご飯までは時間もあるけど、今日は何だか食べてばっかりね」

さやか「なんの! 辛い物を食べて血行を促進させて代謝を高める『カプサイシンダイエット』があるじゃないですか!」

マミ「なるほど。それで脂肪を燃やして、いっぱい食べても大丈夫って訳ね」

ほむら「ああ、合点がいったわ」

まどか「だからうどんに唐辛子をたくさんいれたりしてたんだ」

杏子「でもその分食べたら意味が……おい、さや……う、羽毛」

さやか「世の中には言ってはいけないこともあるのだよ、杏子君」

ほむら「……」

95 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 22:49:50.53 6/kB7wat0 36/40


さやか「とにかく! 乙女の大敵、脂肪はカプサイシンで死亡するの!」

ほむら「……今狙った?」

マミ「スープは辛いのを買ってきたわ。やっぱり私も体重、気になっちゃって」

ほむら「ねぇ、今狙ったでしょ」

まどか「ほむらちゃってば、さっきの杏子ちゃんの惨状を見てたのに……」

さやか「だから大丈夫! 絶対に大丈夫!」

ほむら「狙ってたわよね? ねぇ、美樹さやk……う、羽毛」

まどか「(犠牲者がまた一人……)」

102 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 22:57:18.79 6/kB7wat0 37/40

――――・・・
(ほむら、杏子が復活)


マミ「あら、もうこんな時間。晩御飯の準備しなきゃ」

ほむら「手伝うわ」

マミ「じゃあ、台所に行きましょ。さむむむむむ」

ほむら「あ、寒い寒い」

杏子「ポッキーうめぇなーポッキー」

さやか「それ、マミさんに買ってもらったんだ」

杏子「ああ。やっぱりこれだよなー」

まどか「ちゃっかりイチゴ味にしちゃってる、杏子ちゃんカワイイ」

杏子「う、うるせーよ」

105 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 23:01:31.07 6/kB7wat0 38/40


マミ「よし、しっかり煮えたわね」

ほむら「巴マミ、貴女料理上手なのね」

マミ「まあ、長いこと一人暮らししてたら、嫌でも出来るようになるわよ」

ほむら「時々教わりに行っても……いいかしら」

マミ「ええ、勿論よ」

杏子「おっ、鍋だー! 鍋が来るぞー!」

さやか「全く、皿くらい配りなってば」

まどか「あっ、お箸こっち足りないからちょうだい」

さやか「ほいほーい」

108 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 23:07:33.15 6/kB7wat0 39/40


ほむら「蓋、開けるわよ」

杏子「うひょおおおお! 旨そうな匂いだ! なぁ、食っていいか?」

さやか「もう、待ちな。逃げたりしないからさ」

マミ「私の自信作よ。具の下ごしらえもしっかりしたから、不備はないわよ」

まどか「凄いですマミさん。その、私にも料理を教えてくれたら……なんて……」

マミ「いいわよ。暁美さんと一緒に習いに来るといいわ」

さやか「ほむらとまどかだけで何やってんだ。私も仲間に入れてくれよ~」

杏子「私は食べる役で参加するぞ!」

マミ「……あらあら。もう、みんなまとめていらっしゃい」



111 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/12/11 23:10:47.71 6/kB7wat0 40/40


杏子「なあなあ! 早くしないと鍋が冷めちまう。早く食べよーぜ!」

さやか「はいはい、んじゃ、手を合わせて」


いただきまーす!


マミ「あ、デザートにはケーキがあるから」

まどか「えっそれは……」

ほむら「流石に胃袋が耐えられないかもしれないわね」

さやか「何の、カプサイシンパワーで!」

ほむら「無理」

さやか「ですよねー」

杏子「私が全部食ってやるから大丈夫だって平気平気」

まどか「私の分あげるね……」



その日は夜遅くまで、少女たちの笑い声が白く染まった見滝ヶ原に響いていましたとさ

終わり

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