1 : 以下、名無し... - 2011/12/10 22:09:43 ELpykMHF0

メイド「ご主人様、それは命令でしょうか」

主人「割りと命令に近い」

メイド「・・・・・分かりました。しかしその前に、二三、お聞きしたいことがあるのですが」

主人「ふむ、聴こう」

メイド「ご主人様はロリコンですか?」

主人「・・・・・・・・その、お前はもうちょっと、遠慮というものを知ったほうがいいぞ」


元スレ
主人「メイドよ、そのスクール水着を着なさい」メイド「はい?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1323522583/

5 : 以下、名無し... - 2011/12/10 22:15:19 ELpykMHF0

メイド「あと、何故スクール水着、などという装備を、ご主人様が所持なさっているのでしょうか?窃盗ですか?」

主人「違うわい」

メイド「・・・・買ったんですか」

主人「ま、まぁ、な」

メイド「ご主人様は変態でいらっしゃるんですね?」

主人「まぁ・・・・な・・・・」

メイド「御自覚はあると?」

主人「ま・・・ぁ」

メイド「やれやれ、困ったご主人様に従事してしまったものです」

主人「給料下げるぞ」

メイド「理不尽な給料カットは、労働基準法に違反してるとして通報することになりますが?」

主人「理不尽なメイドだ・・・・・」

メイド「まぁ、何はともあれ、命令ですので。このスクール水着を着用させていただきましょう」

主人「お、そうか?的切、やっぱり嫌だと断られるかと」

メイド「仕方なく、ですよ?」

8 : 以下、名無し... - 2011/12/10 22:22:53 ELpykMHF0

主人「ふむふむ、有難い有難い。ささ、着替えてくれたまえ」

メイド「はい・・・・では、隣の寝室をお借りします」

主人「何を言っているのだ、ここで着替えるのだよ」

メイド「はい・・・?」

主人「あ、いや、違う違う。決して裸が見たいなどというわけではない」

メイド「じゃあ何が見たいのでしょうか?」

主人「有るのだろう?あの肌を晒さずして着替える秘奥義が・・・・」

メイド「まぁ、有りますね」

主人「私はそれが見たいのだ。むしろそちらのほうが見たい。」

メイド「了解しました・・・・」

主人「いやぁ・・・・私は思うよ、むしろ肌を見せないほうがエロスを感じさせるとね。いいよ、着替えというものは」

メイド「その、あの、着替えても宜しいのでしょうか・・・?」

主人「ああ、存分に着替えてくれたまえ。・・・・肌を見せないようにな」

メイド「全く・・・・ご主人様は生粋の変態でございますよ・・・・」



10 : 以下、名無し... - 2011/12/10 22:29:46 ELpykMHF0

主人「ほう・・・・手馴れたものだな」

メイド「まあ私も長らく女をしていますので」

主人「そんなに長くもないだろう? その年でそんな事を言われると私の立場がないよ」

メイド「ご主人様は『僕も長らく変態をやっているのでね』と言えば宜しいかと」

主人「僕も長らく変態をやっているのでね」

メイド「ご主人様が僕、等と言われると新鮮ですね」

主人「全く、誂うんじゃないよ。これでも主人なんだからな」

メイド「それでも主人」

主人「クビにするぞ」

メイド「失礼」

主人「やれやれ」

メイド「・・・・・ところで、着たのは良いのですが、何をすれば宜しいのでしょうか?」

主人「いや・・・別に何をして欲しいわけでもないが」

メイド「ナニをして欲しいと?」

主人「? どういう意味だ?」

11 : 以下、名無し... - 2011/12/10 22:36:40 ELpykMHF0

メイド「ご主人様は、世間一般の常識には疎いようですね」

主人「常識なのか?」

メイド「割りと」

主人「ううむ、それは心外だ」

メイド「くちゅん」

主人「くしゃみを口で言うな。それはもう嫌味だぞ。暖房もついてて寒くないはずなのに」

メイド「いや、結構着てるの恥ずかしいんです、此れ。そろそろ脱ぎたいんですが」

主人「何を言っているんだ、まだまだこれからだろう」

メイド「と、申しますと・・・?」

主人「猫耳と尻尾を用意した。付けて欲しい」

メイド「はぁ・・・・・まあ、良いですけど」

主人「本当か?やったやった」

メイド「年甲斐も無く燥がないで下さい。私以上に恥ずかしいです」

主人「む、悪い悪い。ささ、装着してくれたまえ」

メイド「・・・・・・っ、っと」

15 : 以下、名無し... - 2011/12/10 22:48:01 ELpykMHF0

主人「ほほう・・・これは素晴らしい」

メイド「お褒めに預かり光栄です」

主人「なんだ、その、結構、胸があるんだな」

メイド「そうですね、私、着痩せするタイプでして」

主人「ほう」

メイド「まぁ、脱ぐ機会もなかったので、お見せしなかった訳です」

主人「なるほど」

メイド「まあ、その脱いだ機会も、スクール水着という奇想天外なイベントで、でしたけど。」

主人「じゃあ次はドレスでも着るか?胸が空いた大胆な奴」

メイド「舞踏会でもお呼びしてくれるんですか?」

主人「君のドレス姿が衆目にさらされるのは嫌だから、私だけのファッションショーにお呼びするよ」

メイド「ふむ? どうしてですか?」

主人「私のメイドじゃなくなってしまうかもしれないからね。何処かの社長夫人になってしまうかもしれない」

メイド「ふふっ、大丈夫ですよ。私はご主人様のメイドですから」

17 : 以下、名無し... - 2011/12/10 22:54:19 ELpykMHF0

メイド「あの、ところで、そろそろこの猫耳と尻尾は外したいのですが」

主人「ん?何故だ」

メイド「いや・・・・その、んっ・・・」

主人「な、なんだ、どうした?」

メイド「お、お尻の力が・・・そろそろ」

主人「えっ、なんだ、メイドよ。お前は尻尾を尻で挟んで・・・いるのか?」

メイド「ちっ、違いましたか?」

主人「いや、それは確か固定する紐が・・・・・あれ、無いな」

メイド「ううっ・・・・もう、いいでしょうか・・・?」

主人「ああ、うむ、悪かったな。外しておいて結構だ」

メイド「・・・・・・・・・・・ふぅ、疲れました」

主人「愚直なメイドめ、可愛いじゃないか?」

メイド「か、誂わないで下さい・・・・」

主人「いやいや、本当に可愛いぞ?」

メイド「全く・・・・こ、困ったご主人様です・・・・」

18 : 以下、名無し... - 2011/12/10 22:58:55 ELpykMHF0

主人「さて、そろそろ、その水着からも着替えていいぞ」

メイド「良いのですか?」

主人「ああ、堪能させてもらった。十分さ。それに、な」

メイド「それに?」

主人「私のメイドをまだ続けてくれるそうだし、またやって貰える機会があるかな、と」

メイド「ご主人様次第です」

主人「精進するよ」

メイド「・・・・・・・・・・んっ、っと。ふぅ、やはり、このメイド服のほうが落ち着きます」

主人「ふむ、やはりメイドはそのほうが似合ってるな」

メイド「メイドですから」

主人「御尤もだ」

メイド「・・・・この後はどうなされます?ご主人様。」

主人「そうだな、そろそろ夜も更けてきた事だ。寝室へ行こうと思う。紅茶の準備を頼むよ」

メイド「畏まりました」



19 : 以下、名無し... - 2011/12/10 23:02:59 ELpykMHF0

メイド「――――――――ご主人様」

主人「ああ、入っていいよ」

メイド「失礼します」

主人「いつもの場所に置いてくれ」

メイド「承知しました」

主人「あと、そこに有る椅子、君の席だ」

メイド「はい・・・?」

主人「何、寂しい主人の話し相手になってくれ、ということだよ」

メイド「ふふっ、いつもどおり、ですね?」

主人「このやりとりも日常的になったものだ」

メイド「――――ご主人様、どうぞ」

主人「有難う。・・・・・ん?これは、パイ?」

メイド「アップルパイで御座います」

主人「ほう、美味しそうだ」

メイド「お口に合うと宜しいのですが。」

23 : 以下、名無し... - 2011/12/10 23:09:19 ELpykMHF0

主人「美味いな――――――――――――」

メイド「良かったです」

主人「ふむ、いつもどおり、紅茶も美味しい」

メイド「有難うございます」

主人「・・・・・・・・ふぅ、やはり、こういうふうに星の見える夜は良いものだ」

メイド「ご主人様は夜空がお好きですね。というより、星でしょうか」

主人「星はロマンだよ。私たち・・・・いや、地球が生まれる前の光が、今ここに降り注いでいるのかもしれないと思うとワクワクするよ」

メイド「右に同じで御座います」

主人「・・・・・街外れに館を作ったかいがあったよ」

メイド「そうで御座いますね」

主人「星が綺麗に見える、それだけで幸せだ」

メイド「ご主人様はロマンチストなのだか、変態なのだか」

主人「ロマンチストで」

メイド「いえいえ、変態でございますよ」

主人「ううむ・・・・・」

26 : 以下、名無し... - 2011/12/10 23:20:11 ELpykMHF0

メイド「ふむ」

主人「どうした?」

メイド「いや、何でもございません」

主人「うん?」

メイド「ただ、この何もやり取りのない空気をちょっと、崩したくなりまして」

主人「嫌か?何も喋らないが、そばにいられるだけで、私は十分なのだがなぁ」

メイド「側にいるだけで?」

主人「ああ、安心できるな」

メイド「――――そうで御座いますか」

主人「うむ。」

メイド「ご主人様」

主人「何だ?」

メイド「いえ、呼んだだけです。」

主人「そうか」

メイド「はい――――――――」

28 : 以下、名無し... - 2011/12/10 23:27:15 ELpykMHF0

主人「ふぅ、そろそろ風呂に入るか」

メイド「了解しました。ご用意は出来ていますよ」

主人「そうか。なら、もう直ぐに行こうかね」

メイド「そうなさって下さい」

主人「うむ」

メイド「此処の浴槽は広いですよね」

主人「まぁ、な」

メイド「複数人数は余裕ですよね。一般開放して温泉にしたらどうです?」

主人「それもありかもなぁ」

メイド「あら? 冗談のつもりだったのですが」

主人「人と一緒に入れるのだろう? それはまあ、素敵なことだと思うよ」

メイド「素敵なこと、ですか」

主人「ああ」

メイド「・・・・・では、ご主人様お先に行ってて下さい。後でお着替えをお持ちします」

主人「分かった、頼むよ」

30 : 以下、名無し... - 2011/12/10 23:34:11 ELpykMHF0

主人「――――――――――――――――かぽーん」

主人「なんてね」

主人「露天風呂、作ればよかったかな」

主人「メイドに後で聞いてみようかなぁ・・・・」

メイド「――――ご主人様、お着替えをお持ちしました」

主人「ん、ああ、有難う」

メイド「・・・・・・・・・・っ・・・・・・・と」

主人「む、なんだ、どうした? お前のシルエットが、ガラス越しに見えるのだが。そのシルエットは服を脱いでいるように見える」

メイド「ご主人様、さすが変態でございますよ。正解です」

主人「なんと」

メイド「失礼します」

主人「なんと」

メイド「・・・・・一緒に入るのは、素敵なこと、何でしょう?」

主人「顔が赤いようだが」

メイド「む・・・・・ちょっと熱気で逆上せたんですよ」

33 : 以下、名無し... - 2011/12/10 23:41:57 ELpykMHF0

メイド「隣、失礼します」

主人「お、おう」

メイド「――――――――――――。」

主人「――――――――――――。」

メイド「何か喋っても宜しいのでは?」

主人「ふむ、サプライズの衝撃が凄すぎて言葉が出なかった」

メイド「そ、そうですか」

主人「肌、綺麗だな」

メイド「・・・・おっさん臭いですよ」

主人「臭いか?」

メイド「落ち込んだ顔しないで下さい、そういう意味じゃないですよ。言葉が、っていう意味です」

主人「ううむ、歳かな」

メイド「何を言ってるんですか、年寄りみたいに」

主人「そうだな、まだ、若い・・・・・よな?」

メイド「はい、お若いですよ、ご主人様」

35 : 以下、名無し... - 2011/12/10 23:50:06 ELpykMHF0

主人「・・・・・・なぁ、やっぱあの、かぽーんって、なるやつ欲しいよな」

メイド「鹿威しですか?」

主人「そうだ、それだそれ。露天風呂にそれ付けて、ゆっくりしたいなと思って」

メイド「いいですね・・・・」

主人「いいよな・・・・・」

メイド「かぽーん」

主人「うむ、露天風呂作ろう。決定」

メイド「お金持ちですね」

主人「うむ、金はある」

メイド「知ってます」

主人「そして金しかない」

メイド「それも知ってます」

主人「仕事が趣味、だったからな。別に他にしたいこともなかったしな・・・・」

メイド「その点では、幸せだったんですね、ご主人様は」

主人「そうだな・・・・・」

37 : 以下、名無し... - 2011/12/10 23:57:40 ELpykMHF0

主人「メイド、お前はどうだ・・・?」

メイド「と、言いますと?」

主人「うむ、このメイドの仕事は楽しいか、と」

メイド「楽しいですよ?」

主人「そうか? 私の世話ばかりで、つまらないだろう?」

メイド「ご主人様のお世話は楽しいですよ。時々あるイベントも、心を踊らせます」

主人「まだ舞踏会引き摺ってるのか・・・・」

メイド「そのつもりはなかったのですが」

主人「そ、そうか」

メイド「そうです、偶に言う悪口も、別段ご主人様が嫌いとか、ではなく、単なるノリですよ」

主人「ほう・・・・・」

メイド「ご主人様はとても良い人ですよ。私がお仕えしていいのかと、思うぐらいにです。」

主人「そんなことはないさ。私も優秀なメイドが、私のような物のメイドに収まってていいのかと、常々思うよ」

メイド「照れますよ」

主人「私もだよ」

39 : 以下、名無し... - 2011/12/11 00:02:59 5gXPxbsK0

メイド「・・・・・私、少し逆上せたかもしれません」

主人「ん、大丈夫か?上がるか?」

メイド「いえ。でも、ちょっとおかしなことを言うかもしれません」

主人「?」

メイド「――――――――私はご主人様のことが好きです」

主人「なっ」

メイド「ふふっ、逆上せてしまってつい、心の底に隠していたものが、出てしまいました」

主人「やれやれ・・・・」

メイド「本当に好きなんです。いえ、多分好きなんです。私、生まれてこの方、一度も恋、などしたことが無いので、分からないのですが」

主人「なんとまあ」

メイド「でも、多分この、『いつまでも、一緒にいたい』という気持ちは、多分、好き、とか、恋、とかそういう物なんでしょう」

主人「いつまでも、一緒にいたい、ね」

メイド「ご主人様と一緒にいると、とても楽しくて、時が立つのも忘れてしまいます」

主人「そうかね」

メイド「ええ」

41 : 以下、名無し... - 2011/12/11 00:07:13 5gXPxbsK0

メイド「ご主人様、私はつい、このようにして、逆上せて変なことを話してしまいました」

主人「うむ」

メイド「失態をお許しください」

主人「うーむ、駄目だ」

メイド「・・・・・えっ?」

主人「そのような話を聞いてしまったら、もうメイドとして雇っては置けない。」

メイド「と・・・・言いますと?」

主人「クビだ」

メイド「そう・・・・・・・・ですか」




43 : 以下、名無し... - 2011/12/11 00:11:08 5gXPxbsK0

主人「何、そんな悲しそうな顔をするんじゃない」

メイド「だ、だって・・・・ご、主人っ・・・・・様っ・・・・」

主人「お、おい、泣くんじゃあない。まて、きちんと話を聞け」

メイド「・・・・・・・・っ、ん・・・・?」

主人「そんな話を聞けば、メイドとして雇っておけないのは当然だ」

メイド「・・・・?」

主人「つまり、だ」


主人「嫁として、迎えよう、というわけだ」


主人「急すぎたかね?」

メイド「そ、そんな・・・・滅相もないです」

主人「なら良かったよ」

メイド「ご主人様・・・・・・」

主人「こほん。改めて、これから、一生、宜しくお願いするよ」

メイド「・・・・・・こちらこそ・・・・っ」

49 : 以下、名無し... - 2011/12/11 00:18:24 5gXPxbsK0

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主人「さ、紅茶の用意も出来たぞ」

メイド「貴方、これもどうぞ」

主人「む、これは」

メイド「”あの日”のパイと同じものですよ」

主人「はは、あの日の、ね」

メイド「ええ、早いものです」

主人「君が打ち明けた日、昨日のことのように思い出せるよ」

メイド「私もです」

主人「・・・・・・・・・あっという間だったな」

メイド「あっという間、でしたね」

主人「これからも、宜しくしてくれるのかな?」


メイド「――ええ、もちろん。ずっと、一緒ですよ?」         ~fin~

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