男「あー、部活も楽じゃないなぁ……帰りがこんなに遅くなるなんて……」
男「でも手ごたえもあったし! 明日もがんばるぞーっと」
男「腹減ったなー、家帰ったら飯作ってもらわなきゃ……」
ヒュゥゥウウウウ……
男「ん?」
ドォン!
男「な、なんだ!?」
化物「……」ギチギチギチ…
元スレ
男「な、なんだあんた……」少女「魔法……使いかな?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342675110/
男「う、うわぁっ!? なんだこいつ!」
化物「キシャァァッ!」バッ
男「うわあああっ!」
―――カッ!
化物「ギャッ!?」
男「えっ……な、なんだ? 今の光……」
スタッ
少女「ふぅ……大丈夫? ってあれ、おと……」
男「え?」
少女「……普通の人? 巻き込まれちゃったの?」
男「巻き込まれたって……なにが? なんだあんた……」
少女「えーっと……魔法……使いかな」
男「魔法使いって、あんた……」
少女「話は後。とりあえずアイツ片付けちゃうからね」
男「え?」
化物「シャァァッ!」
少女「さぁ、月に代わって……おしおきよっ!」
男「せ、セーラームーン?」
少女「はぁぁっ……てぇーい!」ピカッ
化物「ギュアァァッ!?」
少女「速攻で片付けちゃうわよー!」キュィイイイ…
化物「ギュッ…」
少女「ファイアー!」ドォン!
化物「ギュアアアアア…………」
男「す、すげぇ……」
少女「完全勝利! いえいっ!」
少女「さてと……」
男「なんなんだ、あんた……」
少女「さっきも言ったけど……魔法使い、かな?」
男「魔法使い……?」
少女「うん、あいつらみたいな化物と戦ってるの。言いふらしちゃダメよ?」
男「いや、でも……危ないだろ? 誰か助けとかさ……」
少女「ううん、普通の人じゃ対抗できないから。大丈夫よ?」
男「でも……」
少女「はっはーん、さては男くん。私に惚れちゃったかな?」
男「ほれっ……バカなこというなよ!」
少女「照れるなよ、少年♪」
男「……ってあれ? なんで俺の名前……」
少女「はっ、しまった!?」
男「ひょっとして俺の知り合いだったりとか……」
少女「と、トップシークレトです! さらばっ!」バッ
男「ちょっと待って! おい! なぁ!」
少女「少年よ、世界には知らないほうがいいことがいっぱいあるのよ!」
男「待ってくれ! ちょっと……」
男「……いっちまった」
男「でも……あんなかわいい子知り合いにいたかな?」
男「うーん……」
男「ただいまー」
幼「おっ、おかえりー」
男「……お前なぁ、勝手に上がりこむなよ」
幼「お母さんの許可ならもらったよ?」
男「いやいや、そういう問題じゃなくてだな……」
母「あら、男くん。おかえりなさい」
男「ただいま……じゃなくて。なんでこいつが家にいるんだよ」
幼「コイツとはなにさー、つれないなぁ?」
男「そりゃそうだろ? 部活で疲れてるのに……」
幼「だからこのかわいいかわいい幼馴染がお出迎えしてあげたじゃん?」
男「自分で言う奴がかわいいわけあるかよ」
幼「いけずだなぁ、もう……」
男「まったく……いや、待てよ?」
幼「ん? どうしたの?」
男(よーく見たらこいつ……さっきの女の子に似てるような……)ジー
幼「ちょ、ちょっと? そんなにじっと見つめられたら……て、照れちゃうんだけどなぁ……」
男「……いや、違うか」チラッ
幼「ちょっ、どこ見てるのさ!」バッ
男「別に……」
幼「今ぜったい胸見たでしょ! やーらしー! へーんたーい!」
男「やかましい。見られるのが嫌なら帰れよ」
幼「私ちゃんと許可もらってるもーんだ」
男「あのなぁ……」
母「男くーん、ご飯食べるー?」
男「あ、あぁ。お願い」
母「はいはーい♪ 幼ちゃんも食べていくのよね?」
幼「あ、はい! お願いします。うちのママ最近忙しいらしくて……」
母「いいのよ、困った時はお互い様だもの」
幼「ありがとうございます……」
母「あぁ、そうそう男くん」
男「ん? あぁ姉ちゃんと妹か」
母「そういうこと。上で遊んでるはずだから呼んできてねー」
男「はいはい了解……」
男「おーい」トントン
男「……はいるぞー?」
姉「ちょっ、ちょっと待ってよ男くん!」
妹「今入ったら絶交です! 二度と口聞きませんから!」
男「……はいはい」
ドタバタドタバタ…
姉「よし! どうぞ!」
男「いや、飯できたから呼びに来たんだけど」
姉「なんと」
妹「……必死に片づけた私達の気持ちはどうなるんですか?」
男「いや、知らないけど」
姉「もう……だったら最初にいってよぉ……」ガチャッ
妹「まぁ別にいいですけれど……まったく、兄さんは気が利きませんね」
男「すまんな。お前たちのきょうだいだから」
姉「遠まわしに私達ポンコツ呼ばわりされた気がする」
男「……」
幼「やっほー妹ちゃーん、ひさしぶり♪」
妹「昨日もきてたじゃないですか……まったく、どこがひさしぶりだっていうんですか」
幼「そんなこといっちゃってー、本当はさびしかったんじゃないのかな? うりうりー」
妹「やめてください!」
姉「うんうん、仲良きことは良きことかなー。お母さん、おかわり!」
母「はいはい、ちょっと待ってねー」
男(……あの女の子……うーん……やっぱり気になるなぁ)
男(俺の名前を知ってたし、知り合い? 変身してるからちょっと雰囲気が変わってるとか……)
姉「ん、どうしたの男くん? お箸が進んでないよ?」
男「いや、なんでもない」
姉「じゃあこのからあげは私がもらってあげましょう!」
男「ちょっ、姉ちゃん!」
姉「食べられないままじゃかわいそうだよねー、からあげくん?」
姉「ウン、ソウダヨー ボク、オネエチャンニタベテホシイナー」
男「一人芝居はやめろよな……いい年なんだから」
姉「まだまだピッチピチですよーだ!」
男「まったくもう……いや、待てよ?」
姉「んん? もうこのからあげは返さないよ?」
男「いや、そこじゃなくて……じゃなくて。からあげは返せよ」
姉「えーっ、男くんのケチー」
男(……姉ちゃんがさっきの女の子って線は……ないかな)ジー
姉「……そこまで見つめられるとなぁ、しかたない」
男「いや、別にそういう意味じゃなくて……」
姉「このキャベツをあげよう」
男「からあげ返せよ」
男「ごちそうさまでした」
母「はいはい、おそまつさまでした♪」
妹「……兄さん。あなたの幼なじみでしょう。どうにかしてください」
幼「ねぇねぇ、妹ちゃんが私につめたいよー?」
男「うちの妹をいじめるのをやめてからいえ」
幼「違うよ、これは愛情表現だよ!」
妹「迷惑です」
男「はっきり言われてるじゃねぇか」
幼「これはほら、ツンデレだよ?」
妹「違います」
男「はっきり否定されてるだろ……」
幼「ううむ、分が悪い……」
妹「反省してるならもう少しまともにコミュニケーションしてください」
幼「はーい」
男「……んー」
妹「どうしたんですか、兄さん?」
男「いや、別に」
男(こいつがってことはないよなぁ。年はたぶん同じぐらいだけど……)
男(口調も違うし、だいたい体つきも……うん、だいぶ違う)
妹「兄さん……?」
幼「ほう、シスコンな男くんは妹ちゃんに見とれてるのかな?」
男「そんなわけないだろ、ちょっと考え事してたんだよ」
幼「ふーん……どんな考えかな?」
男「別になんだっていいだろ?」
妹「……兄さん?」
男「いや、本当にたいしたことじゃないから気にしなくていいぞ」
妹「そうですか……悩み事なら相談してくださいね」
男「あぁ、ありがとうな」ナデナデ
妹「いえ……別に。悩みを抱えたままでいられるのは面倒だと思っただけですから」
男「……なぁ幼」
幼「んん? どうしたの?」
男「お前ってさ……」
幼「……な、なに?」
男「……ごめん、やっぱりなんでもない」
幼「な、なんだよもー。男ったら……」
男(お前実は魔法少女だったりしないか? なんて聞いたら頭おかしいと思われるよなぁ)
男(……とりあえず考えるのはおいとくか)
~ 自室
男「……」
男「んー、やっぱりどこかで見たことある気がするんだよなぁ」
男「俺の名前を知ってたし、やっぱり知り合いなのか……」
男「姉ちゃんにしては若すぎる」
男「いや、そもそも俺たちの年代にしては若すぎるけど……」
男「幼にしては……体型が違うし、隠し事できるほどあいつは器用じゃない」
男「妹にしては……体型も口調も違いすぎるな。年齢はあってるけど」
男「じゃああと、候補は……」
男「……学校の知り合いか?」
男「委員長とか……地味子とか……」
男「……うーん」
男「ピンとこないんだよなぁ」
男「でも……」
男「……」
男「まぁいいや。寝よ」
男「……」
幼「おっはようござ……あれ? 起きてるなんて珍しいね」
男「ん、なんか目が覚めて」
幼「ふーん? なんかよくわかんないけどさ、悩みとかなら相談してよね?」
男「あぁ、うん」
幼「……まったく。どうしたのさ?」
男「別に……」
幼「別にって……ねぇ」
男「なんだよ」
幼「今日は学校サボる?」
男「はぁ?」
幼「なんか悩みでもあるんじゃないの? 昨日から調子が変みたいじゃん」
男「そんなことないって、こっちのことだし」
幼「本当に?」
男「あぁ、別に……」
幼「……」
男(魔法少女に出会って正体が誰か悩んでる、なんていえっこないしな)
幼「んー……よし!」
男「よしって何がだよ。着替えるから部屋から出ろよな」
幼「やっぱりサボろう!」
男「はぁ?」
幼「いいじゃんいいじゃん。ね?」
男「ね? ってなぁ、お前……」
男「……どうしてこうなった」
幼「まぁまぁ、私の気分転換につきあってくれてありがとうね?」
男「まぁ別に……」
幼「ふふん、素直じゃないなぁ。嬉しいっていいなよ?」
男「誰がお前と一緒で嬉しいなんて……」
男「……っ、なんか嫌な気配が」
幼「気配? いったい何言って……」
キャァァァァ……
男「あっちだ!」
幼「ちょっと待ってよ、いったいな、に……」
化物「……」ギチギチギチ…
女「た、たすけてぇ……」
幼「なんかでたぁ!?」
男「昨日の……!」
男「幼、お前はあれを知らないんだな?」
幼「知ってるわけないじゃん! なにあれ……っていうか人が襲われてる!? 助けなきゃ!」
男「あ、あぁ! うおぉぉぉ!」
化物「シュウウウ……シャー!」
化物「ぎゃん!?」バキッ
幼「あ、あれっ?」
男「あっ……」
少女「危ないところだったわね、だいじょ……ってあら。男くんに幼……」
男「昨日の女の子!」
幼「だれ? っていうかなに!?」
少女「まったく、二人とも学校はどうしたの?」
幼「いやいや、そんなことより化物を……」
化物「ギャオー!」
少女「うっさい!」カッ
化物「ギャアァァァァ……」
少女「で、二人とも学校は?」
男「いや、それよりさ。お前っていったい……」
少女「お前とはなんですかお前とは!」
男「えっ?」
少女「今はお説教中です」
男「いや、あの……」
少女「なに? いくら男くんでもうちの幼を……」
男「うちの?」
少女「……あっ」
幼「……ねぇ、ひょっとして……」
少女「……き、君達もちゃんと学校行かなきゃダメだよ♪ えへっ」
幼「ママ……?」
少女「……ぎくっ」
男「えっ」
少女「わ、私みたいに若くてかわいい女の子が君みたいな子の親のわけがないじゃない、やだなぁ」
幼「で、でも……ママの昔のアルバムでみた写真そっくりだし……」
少女「他人の空似だよ! ね!」
幼「……得意料理は?」
少女「クザクザログマ」
幼「やっぱりママじゃない!」
少女「いや、その……」
男「なにこれこわい」
少女「……ふっ、ばれてしまったらしかたないわね」
少女「解除!」
シュゥゥゥ……
幼母「かわいい女の子だと思った? 残念私でした!」
幼「ママ……」
男「おばさん……」
幼母「……」
幼「その格好は自前だったの……?」
幼母「違うの。変身解除しても戻らないだけで普段着じゃないの……」
男「……どういうことですか?」
幼母「いろいろあって……魔法熟女やってるのよ……」
幼「魔法……熟女……」
男「名乗った時に魔法使いだっていったのは……」
幼母「さすがに自分で自分を少女っていうのはちょっと、ね……でも熟女って名乗ったら正体ばれそうだったから」
幼「ママ……」
幼母「……」
男「か、かわいかったですよ?」
幼母「変身してる間は身体は全盛期に戻るんですって……」
幼「あぁ……」
幼母「……」
幼母「……しかし、正体がばれたからには仕方ないわね」
幼「えっ?」
幼母「この力……受け継いでもらうわ」
幼「ママ……私……」
幼母「男くんに!」
男「あぁ、わかった! ……えっ?」
幼「えっ?」
幼母「えっ?」
男「俺?」
幼母「えぇ」
男「魔法少女?」
幼母「えぇ」
男「俺、性別は男性なんですけど」
幼母「知ってるわ」
男「えっ、魔法使い?」
幼母「魔法少女」
男「えっ」
幼母「えっ?」
男「それはつまり、そのフリフリな服になるんですか?」
幼母「そうね」
男「なにそれこわい」
幼母「大丈夫よ、怖いのは最初だけだから」
男「あぁ、変身すると女の子になるとか」
幼母「ならないわよ? そんな非科学的な」
男「えっ」
幼母「えっ」
男「若返ってたじゃないですか」
幼母「でも性別が変わると根本から変わっちゃうじゃない」
男「若返りは違うんですか」
幼母「たぶん違うのよ」
男「なにそれひどい」
幼母「変身キーワードは自分で決めれるから、がんばってね」
男「ちなみにおばさんはなんだったんですか?」
幼母「『アンチエイジング』よ。なんか言葉の響きもかっこよかったし」
男「えっ」
幼「ママ、私は?」
幼母「うん、男くんのサポート役としてがんばってね」
男「幼が変身するのは無しなんですか」
幼母「無しね。だってそのほうがおもしろ……都合がいいもの」
男「いま明らかにおもしろいからっていいそうになりましたよね」
幼母「気のせいよ」
男「いやいや」
幼母「気のせいよ」
男「……」
幼母「がんばってね。男くん、幼!」
幼「うん……わかった。わたしがんばるよ、ママ!」
男「えっ」
男「ちょっとまて、お前はそれでいいのか?」
幼「大丈夫。私は男がどんなことになっても気持ちは変わらないから!」
男「いやいや、気持ちって?」
幼「こんなところで言わせる気? もう……」
男「えっ」
幼母「よし、じゃあ戦い方を教えてあげるわ!」
男「えっ」
幼「がんばろうね、魔法少女!」
男「なにこれこわい」
幼母「特訓よー!」
幼「ファイトー!」
男「ノー!」
おわり
65 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/07/19 17:50:16.70 XKw0BpV60 30/31魔法熟女って一発ネタがやりたかった
以上
66 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/07/19 17:51:10.17 yt3G0Upw0 31/31魔法公務員少女(?)を思い出した