~まどかと星の金貨~
ある所にまどかという女の子がおりました。
まどかは服と一切れのパンをもって、宛もなく歩いておりました。
道で出会った男が言いました。
元スレ
ほむら「世界名作劇場」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1337305696/
中沢「あぁー、お腹空いたなー」チラッ
まどか「…」
中沢「このままだと死んじゃうなー」チラッチラッ
まどかは自分のもっていたパンを、男にあげました。
まどか「この人に神様のご加護がありますように…」
今度は幼い子供に出会いました。
たつや「まろかー、ほむー、まろかー!…へっくち!」
まどか「そんな格好じゃ風邪引くよ、ちょっと待ってて…」
まどかは自分の上着を、子供にあげました。
まどか「この子に神様のご加護がありますように…」
次に泣いている娘に出会いました。
さやか「うぅ、謎の女に身ぐるみ剥がされた…下が寒い」
まどか「…」
さやか「さやかちゃんが可愛いからかー!可愛いすぎるからかー!?」グスッ
まどかは自分のスカートを、娘にあげました。
まどか「この娘に神様のご加護がありますように…」
辺りもすっかり暗くなった頃、全裸で仁王立ちの女の子に出会いました。
ほむら「あら、ようやk…旅の人かしら?」
まどか「あの、どうして裸なのかな?」
ほむら「着るものを奪われたからよ」ファサッ
まどかは自分の下着を、女の子にあげました。
女の子は下着を着ずに大切そうに抱き締めたまま消えてしまいました。
するとどうでしょう、まどかの周りに沢山の星が降り注いだのです。
星をよく見てみると、それは沢山の金貨でした。
きっとあの女の子は神様の使いだったんだ。
まどかは感謝し、幸せに暮らしましたとさ…
~めでたしめでたし~
仁美「以上ですわ」
杏子「…感謝と信仰を忘れんなって話だな」
ほむら「まどかが幸せならそれで良いわ」
まどか「てぃひひ」///
マミ「…」
マミ「…私が純粋じゃ無いだけかしら」
さやか「…わかります」
マミ「ねぇ」
さやか「えぇ」
~槍盾~
とある商人のお話。
商人が物珍しい武器を売るのです。
さやか「やぁやぁ、こちらは杏子の槍!いかな防御をも貫く強者の槍だよ!」
客はざわめきます。
さやか「やぁやぁ、こっちはほむらの盾!いかな攻撃をもすり抜ける強者の盾だよ!」
客の一人が言いました。
中沢「だったら、その槍で、その盾を攻撃したらどうなるんだい?」ニヤニヤ
商人は少し考えた後、無言で客を盾に吸い込みます。
さやか「さぁさぁ、収納にも便利だよ!」
客の一人が言いました。
QB「キュププ…結局、盾の方が高性能なんだね?」
商人が静かに槍を構えると、槍は長く伸び客の額を貫きます。
さやか「さぁさぁ、腕力に自信が無くても安心だよ!」
杏子「おい」
さやか「あ」
ほむら「愚かな美樹さやか…覚悟は出来てるわね」
さやか「ほんの出来心です…」
客はざわめきます。
杏子「おらぁ!」ガスッ
さやか「ピャー!」
ほむら「せっ!」メシッ
さやか「ピャー!」
槍も盾も大変怖いものでした。
マミ「何故マスケット銃はワゴンで投げ売りされてるのかしら…」ニコ
そして、それ以上に怖いものも知りましたとさ…
~めでたしめでたし~
まどか「てぃひひ」
さやか「…」
まどか「てぃひひ」
さやか「…まさか、ケーキの苺を食べただけでこんな話をされるとは…」
まどか「てぃひひ」
さやか「ごめんなさい、ほんの出来心です…」
ほむら「てい!」ポカッ
さやか「ピャー!」
~ほむ兎とさや亀~
昔々、仲の悪い兎と亀がおりました。
兎の馬鹿にした態度についに亀が怒りの声を上げました。
さやか「こら!ほむら!あんたの根性叩き直してやるわ!」
ほむら「あら根性なんて言葉、よく知ってたわね…偉い偉い」
さやか「キィーッ!かけっこだ!かけっこで勝負だ!」
ほむら「トロ臭い貴女の相手は疲れるのよ…それに勝っても何の利益も無いし」
さやか「ある。負けた方は何でも一つ命令を聞くのよ!」
ほむら「いらない」
さやか「ウオーーッ!」
仁美「他にもメリットはございますわ」
二人のやり取りに木菟が割って入りました。
ほむら「…何があるってのよ?」
仁美「賞品を差し上げますわ」
そう言って、紙袋を二つ見せました。
仁美「ほむらさんが勝ったら、脱ぎたてのまどかパンツを差し上げますわ」
まどか「わわっ!?」
まどか「…」ポフポフ
まどか「わーーっ!いいついついつ?!」///
ほむら「受けて立つわ、さやか!」キリッ
仁美「さやかさんが勝ったら、脱ぎたての恭介パンツを差し上げますわ」
恭介「…!」
恭介「あ、本当だ!スースー!スースーする!」
仁美「昨日、夜中にモゾモゾやってたまま変えてませんでしたわ」
恭介「ぎゃーーーっ!!」
さやか「…やる」
こうして、兎と亀の一世一代のかけっこ勝負が始める事にしたのです。
当日。
一目二人の勝負を見ようと、たくさんの動物があつまっています。
仁美「それではこれより兎vs亀かけっこ対決を開催いたします」
仁美「勝者にはこちら!」ババーン
まどか&恭介『ぎゃーー!!』///
仁美「それでは位置について…よーい、どん!」
開始の合図と共に、兎が消え、コースの中間地点に大穴が空き、叫び声が聞こえてました。
ほむら「汚いわ美樹さやか!落とし穴なんて!」ヨジヨジ
さやか「時間止めたやつに言われたく無いわ!」スタコラ
亀は落とし穴でもたつく兎を抜き去ります。
さやか「あっはっは、こりゃ余裕かな?」
ブロロロ…
さやか「へ?」
亀が後ろを向くと、猛スピードでタンクローリーが追いすがってきました。
ほむら「負けないわ」
さやか「どっちが卑怯だ!チキショー!」
兎はあっさりと亀を抜き去ります。
タンクローリーを止めようと、亀は剣を投げつけますが、タンクに刺さるだけで止まりません。
そのまま、兎はゴールしました。
ほむら「ま、当然ね」ファサッ
その勝負をゴール側最前列で見て、はしゃいでいた牛が勝利の祝砲を上げました。
マミ「おめでとう!暁美さん!」パンッ
カッ
突然光が走り、ゴール付近の動物達は吹き飛ばされてしまいました。
タンクローリーから何かが揮発していく音を聞いていた兎だけが上手く回避し立っておりました。
しかし賞品は灰になり、至近距離にいた亀と牛も炭化していました。
やはり争いは何も生まない。
兎はパンツの灰を握りしめ、巣に帰りましたとさ…
~めでたしめでたし~
仁美「うふふ」
ほむら「貴女の話だと私が常に変態なのは何故?」
さやか「そんな事より、何故仁美の方が恭介に近い位置にいたのさ?」
仁美「あら、現状そうでしょう?」
さやか「うぬぬ」
ほむら「そんな事…だと…」
杏子「その男もさっさと、どっちかと付き合ったら良いのに…」
まどか「バイオリン屑だからね…」
ほむら「そこは馬鹿で良かったんじゃ…何より兎と亀関係ないし…」
~醜くないしアヒルどころか鳥ですらない~
ある小さな泉の脇でアヒルが卵を温めておりました。
しばらくすると、卵から可愛い雛が生まれました。
そのなかで一つだけ中々割れない卵がありました。
アヒルはあまりにも生まれないので、一旦餌を求めに巣を離れました。
アヒルが戻ってくると、卵かけ御飯を食べている杏子が生まれておりました。
杏子「旨い旨い」
思いっきり人間でしたが、杏子は巣を動こうとはしませんでした。
アヒルや雛につつかれても微動だにしません。
杏子「…」
アヒルが雛に魚を捕ってくると、雛に紛れて平然と魚を焼いて食べていました。
もはや、アヒルも雛も怖くて突っ込めませんでした。
雛達が泳げる様になった頃も、杏子はビートバンで追随してきます。
杏子「水冷たい」バシャバシャ
この頃になると、アヒルも雛も麻痺してきたのか違和感すら感じていませんでした。
杏子は誰よりも上手に魚を捕まえて焼いて食べました。
因みに一切、他の雛に譲ることはしません。
しばらくたち、雛達が大人になり始めた頃の事です。
いつも腹が減ったと騒いでる杏子が静かに寝ていました。
アヒルは珍しい事もあると、驚きました。
そして、もう一つ驚く事がありました。
雛が一匹巣立っていたのです。
アヒルは喜び、他の雛を応援します。
そして、その日から雛達は一羽ずつアヒルの目を盗んで巣立って行きました。
そして最後に…
杏子「次を探すか…」
満足そうな顔で杏子が巣立ったのです。
無事雛達を育て終え、安心したアヒルは静かに飛び立って行きましたとさ…
~めでたしめでたし~
ほむら「実に微笑ましいエピソードだったでしょ?」
マミ「正直怖かったわ」
さやか「杏子ならやりかねない」
杏子「?…何が?」
まどか「大丈夫だよ!杏子ちゃんはそんなことしないよ!」
ほむら「まどか…全力でフォローするのも、どうかと思うわ」
杏子「えっ?えっ?」
~マミの恩返し~
昔々、あるところに心優しい夫婦まどかとほむらがおりました。
ほむらが山に薬草取りに出ていると、猪用の罠にかかったマミを見つけました。
マミ「イタタタタ…もげるもげる!首がもげる!」
ほむらは罠に頭から持っていかれてるマミを不憫に思い助けてあげました。
マミ「まだある?取れてない?」
ほむら「安心しなさい、繋がってるわ…」
マミ「ありがとう!この借りは必ず返すわ!」スタコラ
マミはそう言うと、リボンで縦横無尽に飛び回り夜の空に消えていきました。
ほむら「…と言う事があったのよ」
まどか「さすが!ほむらちゃんは優しいね!」
ほむら「えへへ」
そして、ある雪の晩の事です。
コンコン
夫婦の家の戸を叩く音が聞こえます。
まどか「こんな雪の日に誰だろ?」
まどかが戸を開けると、そこにはグラサンとマスクで顔を隠した女性がおりました。
まどか「どちら様かな…?」
ほむら「あら、マミじゃない」
マミ「…」
マミ「…違います」
まどか「あぁ、罠にかかってた?」
ほむら「そうそう、首は大丈夫なの?」
マミ「えぇ、お陰様d…違います!私はマミじゃありません!」
ほむら「じゃ誰なのよ…」
マミ「えーと、あー…お鶴!お鶴と申します!」
まどか「じゃあ、お鶴さん。今日はどうされたんですか?」
お鶴?「この雪で道に迷ってしまいました。数日置いていただけないでしょうか?」
まどか「構わないよね?ほむらちゃん?」
ほむら「えぇ、知らない仲じゃ無いんだし」
お鶴?「は、じ、め、ま、し、て!」
マミは夫婦の家でただお世話になるわけにはいかないと、家事全般をこなしてくれました。
しかしお風呂と料理中だけは、けして覗かない様にと夫婦にお願いしました。
その日からマミ特製の極旨料理が食卓に並びます。
マミ自ら、山で材料を捕って来るので食費も浮きました。
しかし、ある時何気無く、台所を夫婦が覗いてしまいました。
お鶴?「はっ!」
それはマミが味見の為、丁度マスクを外している時でした。
なんとマミは、あの時助けたマミだったのです!
マミ「正体がばれたからには、もうここにはいられません」
マミは悲しそうに言いました。
ほむら「今さら?」
まどか「まぁまぁほむらちゃん…気を使わせまいと隠してくれてたんだし…」
マミ「…」
マミは悲しそうにだんまりを決め込みました。
ほむら「第一、それは何処ルールなの?」
マミ「え?」
まどか「確かに…ここに居ても御咎め無さそうだし…」
マミ「…」
マミ「そう言われてみるとそうね…」
ほむら「猟師が仕掛けたマミ用の罠もあるんだから、ここに居なさい…新型のEHOーMAKIはとても危険よ?」
まどか「そうだよ、捕まったら首切られて食べられちゃうよ?」
マミ「…」ガクガクブルブル
マミ「…やっぱり、お世話になります」
こうして、夫婦とマミは仲良く3人で暮らしましたとさ…
~めでたしめでたし~
さやか「大作だった…」フゥ
マミ「私の謎の生物率、高すぎじゃないかしら?」
さやか「そうですか?」
マミ「でも良いわね…3人でルームシェア…夢だわぁ」
ほむら「…」ギクリ
杏子「…」ドキリ
マミ「でも、そんな話受け入れてくれる人は居ないものね…」チラッチラッ
ほむら「…」
杏子「…」
QB「この話は長くなるね…」
~金遣いの荒い若者とさやか~
その若者はとても金遣いの荒い若者でした。
消費する事でしか、ストレスを発散できなかったのです。
とうとう手持ちの品はブランケット一つになってしまいました。
ブランケットは春が来るまで手放す訳にはいきません、まだかまだかと若者は春を待ちました。
そんなある日、目の前をタンクトップのさやかが通りました。
若者は遂に春が来たと喜び、さっそく手持ちのブランケットを売り払ってしまいました。
しかし、次の日からまた寒くなったのです。
実は冬はまだまだ終わっておらず、ブランケットの無い若者は震えながら惨めに町を彷徨きます。
すると目の前に、タンクトップのさやかが元気に歩いておりました。
若者はようやく、さやかがアホの子である事に気づきましたとさ…
愚か者の意見を参考にする者はそれ以上の愚か者である、と言う事を説いたお話です。
~めでたしめでたし~
杏子「分かりやすかった」パチパチ
さやか「私、ほむらに恨まれるような事したっけ?」
ほむら「えぇ」
さやか「即答かい!」
まどか「何かしたなら謝った方が良いよ?」
さやか「え?」
マミ「そうよ、きちんと謝るのは大事な事だわ」
さやか「え?え?…?…えーと、ごめん」
ほむら「何に対しての謝り?」
さやか「うざっ」
~美女と魔獣~
昔々ある所に、美しい3姉妹がおりました。
中でも末妹のほむらは心優しく物静かな娘でした。
商人である父親は、次の仕入れに行くときにそれぞれのお土産を聞いたのです。
マミ「美味しい茶葉とお茶請けをお願いね」
さやか「お土産かー、悩みますなー!…じゃあ、美しいドレスを買って貰いたいですなー!」
上の姉はそれぞれ欲しい物を言いましたが、ほむらだけは特に無いと遠慮しました。
父親は、どうしても何か買ってあげたかったので、何か無いかほむらに尋ねます。
ほむら「じゃあ…綺麗なリボン…」
ほむらはおねだりをした事がなかったので、父親は嬉しくなり必ず買ってくると言って仕入れに向かいました。
仕入れも終わり、帰途に着く父親はがっかりした様子でした。
ほむらに似合うリボンが無かったのです。
ほむらに何と説明しようか悩んでいると、見たことも無い道に出ていました。
少し先に大きな屋敷を見つけた父親は近付いてみることにしたのです。
屋敷は誰もいないかの様に静かでした、庭を歩いてみると欄干にたくさんのリボンが干してあります。
そのリボンはとても綺麗で、これならほむらに似合うと一つ拝借したのです。
これでほむらの喜ぶ顔が見れると、父親が帰ろうとした時、屋敷に声が響き渡りました。
魔獣「こらっ!リボン盗んだな!」
父親は色んな部分がモザイク処理された大男をみて、竦み上がりました。
魔獣「代償に子供を奉公にだせ!」プンスカ
魔獣はそう脅すと、父親を解放したのです。
家に戻った父親は3姉妹に事の顛末を話しました。
ほむら「私が我が儘を言ったせいだし…その屋敷には私が行くわ…」
そう言って、父親の制止も聞かず、屋敷に向かったのです。
ほむらが屋敷に付くと、魔獣が到着を待っていました。
ほむらは魔獣のあまりのモザイクに、これからの屋敷での生活を想い怯えました。
魔獣「部屋は右だよ」
ほむら「ほむ?…ありがとう…」
魔獣はそれだけ言うと広間に消えて行きました。
提供された部屋もとても綺麗にしてあり、監視カメラや仕掛けの類いも見つかりませんでした。
ほむら「見た目だけで誤解してたかしら…」
ほむらは壁を叩きながら、そう呟きました。
こうして、屋敷での生活が始まったのですが、魔獣から接触してくる事はほとんどありませんでした。
ほむら「ほむほむ…」カチャカチャ
魔獣「あ、ごめん」
ほむら「ゴクン…待って、食事は?」
魔獣「これから」
ほむら「だったら一緒に食べましょう?」
魔獣「良い?」
ほむら「良いわ」
魔獣は静かに食べました、醤油とかも取ってくれました。
ほむら「暇だわ…」
魔獣「暇」
ほむら「暇よね…歌でも歌う?」
魔獣「親父は無口なぁ、方が良んいぃ♪」
ほむら「知らないから歌えないわ…」
魔獣は演歌しか知らなかったので、ほむらは誰もが知ってる歌を教えました。
ほむら「見たい場所が見える鏡?」
魔獣「…」コクコク
ほむら「本当だわ!姉さん達が見える!」
魔獣「似てない」
ほむら「よく言われるわ…にしても凄いわねこれ…表示の更新も速いし」
魔獣「更新?」
ゆっくりとほむらと魔獣の距離は近くなって行きました。
ほむら「昼間のぉパパはぁいい汗かいて、るぅ~♪」
魔獣「くぁっこいいぃ!」
ほむら「すっかり覚えたわね」ホムホム
魔獣「演歌の方が」
ほむら「…」ジッ
魔獣「何でもない」
ある時、ほむらが鏡で実家を見ると父親が酷い病にかかっていました。
ほむら「必ず戻るから、父のお見舞いに行ってきて良いかしら?」
魔獣「戻るなら良いよ」
ほむら「ありがとう、様子を見てくるわね…」
父親はほむらが戻ると、少しずつ体調も良くなっていきました。
ほむら「心労に因るものね…」
マミ「それはそうよ、貴女を行かせてしまった事をずっと悔いてたから…」
さやか「まぁ、無事みたいだし父さんも良くなるでしょ?」
ほむら「じゃあ、そう言う事で…」
さやか「待ちなよ!」ガッ
マミ「全快するまで居てくれない?」ガッ
ほむら「ほむ…」
魔獣の屋敷に帰ろうとするも姉達に止められ、屋敷に戻れない日が続きました。
ほむら「怒ってないかしら?」
ほむらは鏡で魔獣の様子をみることにしました。
なんと、鏡には倒れている魔獣が映ったのです。
ほむら「病気だったの?…大変!モザイクが消えかかってる…」
モザイクが消えてしまえば、魔獣は社会的に死んでしまいます。
ほむらは急いで屋敷に戻りました。
ほむら「大丈夫!?」バンッ
魔獣「約束守ったね」
ほむら「あぁ…もうこんなにクッキリしてる…ごめんなさい、もっと早く戻っていれば…」
魔獣「もう道徳的に駄目」
ほむら「諦めては駄目よ!」
ほむらが魔獣の手を強く握った時、魔獣は輝き始めたのです。
そして、みるみる内にほむらと同じくらいの少女になりました。
まどか「てぃひひ、ほむらちゃん…心から私を想ってくれてありがとう!」
ほむら「ドキーン!?」///
魔獣は少女が呪いをかけられた姿でした。
心から想ってくれる者が現れない限り呪いは解けないモノだったのです。
ほむらは大興奮。
まどか「てぃへへ…布一枚は恥ずかしいね…服貸してくれる?」///
ほむら大興奮。ほむら大興奮です。
まどか「ほむらちゃん?」///
大興奮したほむらは大興奮させたまどかに服を貸せるとあって大興奮です。
そして大興奮のまま、まどかの下で奉公し続ける事を大興奮で誓いました。
こうして、ほむらとまどかは仲良く屋敷で暮らしましたとさ…
~めでたしめでたし~
杏子「魔獣ってさ…」
ほむら「何?」
杏子「なんで袈裟着てんの?」
マミ「お坊さんぽいからじゃないかしら?」
杏子「あーそっかー…ハゲだしね、なるほどね」
さやか「そう言う事だったのかー!」
ほむら「納得できた意味が解らないけど…」
まどか「なむなむ?」
ほむら「?…ほ、ほむほむ?」
~歌う中沢~
ある時代の話。
マミという少女が村に住んでおりました。
マミは中沢というストーカーから嫌がらせを受けていましたが、ある日、中沢を意図せず殺してしまいました。
マミ「どどどうしよう…郵便受けにQBの死体を押し込んでたから、カッとなってやっちゃったけど…」
中沢は王の近衛兵隊でした。
いかな理由が有ろうと権力が違います、投獄されるのは目に見えてました。
幸いマミの放った銃撃で下半身は消しとんでいたので一人でも運べそうです。
マミ「こうなった以上、森に埋めるしか無いじゃない…」ズルズル
しばらくの後。
森を弦楽弾きの恭介が歩いておりました。
あまり良い詩が出来ないので気分転換に森林浴と洒落こんでいたのです。
恭介が一休みしていると、どこかから美しい歌声が聞こえました。
マミめっちゃ怖い、マミめっちゃ怖い♪
死体を送っただけなのに♪
自分が死体にされちゃった♪
服を奪っただけなのに♪
自分は未来を奪われた♪
歌の聞こえた方に向かうと、なんと中沢の骸骨が歌を歌っていたのです。
恭介「凄い!なんてメッセージ性のある歌なんだ…もっと聞かせてもらえるかい?」
中沢「マミめっちゃこw…
恭介「それはいいや、他ので」
中沢「…」
恭介「他ので」
マミのおっぱい世界一♪
部屋にカメラを設置して♪
観察したから間違いない♪
張りよし、艶よし、形よし♪
中沢はさっそく骸骨を連れて帰り、町でコーラスを歌ったのです。
中沢の歌と恭介の演奏は人々を惹き付け、マミのおっぱいは瞬く間に評判になりました。
さやか「ねぇ恭介…」
恭介「あ、さやかじゃ無いか」
さやか「マミって誰?」ニコ
恭介「骸骨が作った歌だからね…僕はよく知らないんだ…」
さやか「信用すると思う?」
恭介「どうして?僕はやましい事なんて…」
さやか「仁美」
恭介「メッサァッ!…ど、どうしてその名を…」ガクガク
中沢「…」
仁美「私も聞きたい事がありますわ」ニコ
恭介「キャパァ!…ひ、ひ仁美!」
二股がばれてしまった恭介は必死に言い訳しますが、弱点の腕を叩き折られたショックで死んでしまいました。
中沢「…」
さやか「まさか…まさかトルチョック程度で昇天するなんて…」
仁美「心も体も弱い方でしたわね」
さやか「どうしよっか?」
仁美「森に埋めましょう」
さやか「それだ!」
こうして、何故か中沢も再度森に連れていかれ、また土に埋まりました。
さらにしばらくの後。
森に入ったほむらと言う猟師は骸骨達のこんな歌を聞いたそうです。
女めっちゃ怖い、女めっちゃ怖い♪
体液送ったはずなのに♪
自分は鉛を返された♪
二人を交互に抱いてたら♪
二人に交互に殴られた♪
ほむら「自業自得じゃない…」
ほむらが二つの骸骨を粉々に砕き、更に地中深く埋め直すと、二度と歌が聞こえる事は無くなりましたとさ…
~めでたしめでたし~
マミ「私って汗っかきじゃない?」
ほむら「知らないわよ」
さやか「ご存知のテンションで言われましても…」
マミ「…」
マミ「まぁ、それで体育の後なんかに男子がチラチラ見てくるのよね…」
ほむら「魔性の乳の自覚はあるのね」
さやか「私だって見ますよ、そんな状況なら」
QB「ただの脂肪と乳腺じゃないか」
マミ「QB、明日からご飯抜き…」
QB「重すぎる!」
~浦島ほむら~
昔々、ある所に浦島ほむらと言う、若者がおりました。
ほむらは村でも評判の、たいそう真面目な若者でした。
ある日、釣りの帰りに浜辺を歩いていると子供らが集団で亀を虐めておりました。
さやか「ウワーン!私が何したってのさー!」
中沢「おらぁ!卵産んでみろ!」ガス
中沢「目の前で焼いて食ってやるよ!」ゲシ
中沢「堅焼きもよし!」ポカポカ
中沢「半熟もよし!」ペチペチ
すぐに、ほむらは止めに入ります。
ほむら「やめなさい。母沢に言うわよ!」
中沢「卑怯だぞ!」
中沢「母沢は怒ると怖いんだよ?」
ほむら「だったらやめなさい。大体、卵なんて産めるわけ無いでしょ?」
さやか「た、助かった…」ボロッ
ほむら「相手が居ないと卵は出来ないのよ?…その亀が卵を産む事は一生無いわ」
さやか「…」
中沢「…」
中沢「何か…ごめんな」ポム
さやか「釈然としない…」
子供達が居なくなると亀はほむらにお礼を言いました。
さやか「ありがとー助かったよ!…お礼に竜宮城へお連れしますです!」
ほむら「竜宮…?…何それ?」
さやか「まぁ、いいから…来たら分かるよ!」
ほむらは何だか良く解らないまま、竜宮城に案内してもらう事になりました。
ほむら「どうやって行くの?」
さやか「私に乗ってよ!」
ほむら「無理でしょ…小さすぎるわ」
さやか「大丈夫!大丈夫だって!」
ほむら「…」
ほむらは片手で甲羅を鷲掴みにすると、言われたまま海に飛び込みました。
亀は海をぐんぐん潜って行きます。
ほむら「ブバッ…」
さやか「何?楽しみ?」
ほむら「ガバァ…ゴボゴボ…」
さやか「ふんふーん、もうすぐ見えてくるよ!」
ほむら「ゴボォ…アバババ…」ビタンビタン
さやか「もう少し、もう少しだから!着いたら空気はあるから!」
亀に連れられ到着した竜宮城は、海の底にある立派なお城でした。
ほむら「助けた亀に殺されて~♪…笑えない…」
さやか「水にも酸素は含まれてるって聞いてたのに」
ほむら「酸素だけを肺に取り込む術は無いわ…」
さやか「悪かったって!」
ほむら「まぁ良いわ…確かに凄い綺麗な場所だし…」
さやか「じゃあ、主のマミ姫様に会いに行こう!」
そう言って二人が広間に向かうと、とても美しい女性がたっておりました。
マミ姫「亀を助けてくれて、ありがとう」
ほむら「お気遣いなく」
マミ姫が手を叩くと何処からともかく魚達が出てきて、料理を運んで来ました。
マミ姫「お礼に宴を用意しております。ごゆっくり御滞在ください」
ほむら「結構です」
マミ姫「はい?」
ほむら「素晴らしい城も見れたし帰るわね」
マミ姫「え?ど…どうして」
ほむら「まどかが居ないから」ウズウズ
マミ姫「はぁ…」
ほむらは家で待っているまどかに会いたくて、仕方ありませんでした。
ほむら「帰るわよ、さやか」ワシッ
さやか「亀使いが荒いなぁ…」プラーン
マミ姫「ではせめて、こちらの玉手箱をお持ちください」
ほむら「中身はまどかが喜びそうな物かしら?」
マミ姫「さぁ?…本来開けてはならないものですので…」
ほむら「じゃあ、結構です」スタスタ
マミ姫「えぇぇ……」
こうして、ほむらが家に戻ると泣きじゃくるまどかにしこたま怒られました。
話を聞くと、ほむらは一週間ほど行方不明だったそうです。
ほむらはまどかを撫でながら、二度と竜宮城には行くまいと心に誓いましたとさ…
~めでたしめでたし~
杏子「おしまい」
ほむら「とうとう、杏子にまで私のイメージが…」
まどか「あれ?さやかちゃんは?」
マミ「私が街路樹に縛り付けた男の子を殴りに行ったわ」
まどか「あぁ、中沢君か…」
マミ「ベランダから侵入しようとしてた時は、ゾッとしたわよ」
まどか「ベランダからは怖いですよね、わかります」
ほむら「…」ギクリ
~走れさやか~
さやかは激怒した。
必ず、王の鼻をへし折ってやらねばならぬと決意した。
さやかには大抵の事はわからぬ。
しかし、馬鹿にされてるなぁ…と言う空気には敏感であった。
今日未明さやかは、野を越え山越え、10里も離れた町にやって来た。
さやかには竹馬の友があった。
杏子である。
久しく会わなかったその友を、これから訪ねて見るつもりなのだ。
揚々と歩いているうちに、やけに寂しい町の様子を怪しく思った。
通りを歩いていた中沢を掴み、体を揺すり恫喝に近い質問をした。
中沢は人目をはばかり、僅か答えた。
中沢「王は人を殺します」
さやか「なんで?」
中沢「(頭が)悪い者を殺すと言ってるけど、そうそう絶望的に悪い人はいないんだ」
さやか「結構殺されたり?」
中沢「今日だけで6人が殺され、エネルギーにされた」
聞いて、さやかは激怒した。
さやかは単純であった。
目的も忘れ、のこのこ王城へ入って行った。
捕まった。
さやか「王に話があんの!放せ!」
QB「僕に何の様だい?」
さやか「悪い人を何故殺すのさ!」
QB「そういう質問は城門前の投書箱にって、御触れを出したはずだけど?」
さやか「投書箱?お弁当箱みたいな奴?」
QB「あぁ…君も結構アレだね。死んでエネルギーになってよ!」
さやか「えー…やだよ!」
QB「君に選択権など無いよ」
さやか「無理無理、やだもん」
QB「…君はまず状況を見る事から始めようか」
さやか「うぬぬ…せめて、3日待って!友人が結婚するから、晴れ姿を見ときたい」
QB「キュププ…そんな事言って、逃げるつもりだろ?」
さやか「逃げないっての!そんなに疑うなら杏子をここに置いてくよ!」
杏子とは誰だ?その辺の説明を省くからお前は愚かなのだと、王は嘲笑した。
さやかは口惜しく、地団駄踏んだ。
竹馬の友、杏子は深夜、王城に召された。
杏子「なんで私が身代わりなんだよ!」
さやか「絶対戻るから大丈夫だって!」
杏子「信用出来ねー」
さやか「大丈夫だって!」
杏子「なんか普通に忘れそうだし…」
さやか「忘れるかー!」
杏子「お前を?信用?するの?」
さやか「疑いすぎ!!」
杏子は頷き、さやかを抱き締めた。
抱き締めたと言うよりは羽交い締めであった。
友と友の間はそれで良かった。
その日の内にさやかは走って、村に向かった。
しかし、式は明日の夕暮れである事を思いだし、悠々歩いた。
途中、道草などした。
さやかが村へ到着したのは、翌る日の午後、式の目前であった。
さやか「ようよう、やっとるかね」
まどか「さやかちゃん、遅い!もう来ないかと思っちゃったよ!」
さやか「しかし、まどかが結婚か…幸せになりなよ!」
新郎「当たり前よ…幸せにしてみせる」ファサッ
式が始まり、それは美しいモノであった。
この頃には、杏子の事など忘れ、まどかの花嫁姿に酔いしれた。
さやかは一生このままここにいたいと、思った。
まどか「死が二人を分かつまで、ずっと一緒だよ」
新郎「ままままどかぁーーー!」
さやか「死が…死…?…あ!殺される!」
良かった、思い出した。
さやかは友の為、戻らねばならなかった。
狼狽するさやかに、まどかは違和感を感じ、質問を浴びせた。
さやかはあっさり答えた。
まどか「それって大事なんじゃ…」
さやか「やっぱり?今からだと走らないと間に合わないしね」
まどか「でも、たとえ間に合ってもさやかちゃんが…」
さやか「杏子を見捨てるよりずっと良いよ…しかし間に合うかな」
新郎「私が送れば、すむ話じゃない?」
まどか「あ!」
さやか「どういう事?」
そうして直ぐに、新郎の、言葉では言い表せない、ある助力によって、さやかはさしたる労苦なく町に着いた。
約束の時間より半日程、余裕があった。
当然、疲労困憊でもなく意気軒昂そのもので、王の心打つものではなかった。
しかし、仲間を思う気概だけは認めようとしていた。
QB「キャップイ!本当に戻って来るとはね…」
さやか「当たり前だ!疑ってすいませんって言え!」
QB「君が仲間を思う気持ちは、正直僕には理解出来ないものだ…しかs
さやか「謝れバーカ、バーカバーカ!」
QB「…しかし、君の様に多少アレでも生かす価値h
さやか「言ってごらん!ご、め、ん、な、さ、い!ほら!」
QB「…」
QB「…すまn
さやか「バーカ」
杏子は解放された。
さやかはエネルギーにされた。
~めでたしめでたし~
マミ「しかし、さやかは我等四天王の中で最弱…」
ほむら「その続きはいらないわ」
さやか「あれ?私死んだ?」
まどか「死んじゃったね…」
仁美「安らかにお眠りください」
マミ「美樹さんならバッドエンド感が無くていいかなって…」
ほむら「個人的な経験だとバッドエンド感しか無いけどね…さやかは」
さやか「…泣くぞー!泣いちゃうぞ!」
~杏子の白い馬~
モンゴルの草原に杏子という少女がマミさんと暮らしておりました。
杏子は毎日、羊を追いかけまわす仕事をしていましたが、ある春の晩に不思議な生き物に出会いました。
杏子「何だお前?」
QB「キュップイ!UMAだよ!」
杏子「私の知ってる馬と違う気がするけど、まぁ本人が言ってんだから間違いないよな!」
杏子は子馬を連れて帰る事にしました。
杏子「マミー、ウマー…」
マミ「また何か食べt…何それ?」
杏子「だから馬」
マミ「色々言いたいけど、まずそれは馬ではないわよ?」
QB「UMAだよ!」
マミ「えぇー…馬どうこうより喋ったし…」
杏子「今日から、こいつも家族だからな!馬もちゃんとマミの言う事聞くんだぞ?」
QB「一つよろしく」
こうして子馬は杏子に可愛がられ大事にされました。
杏子と子馬はいつも一緒で、マミをして、二人は兄弟の様だと言わしめる程でした。
ある日、杏子達は一つの話を聞きました。
珍しい物好きの村長ほむらが、第一回ご自慢!家の珍獣コンテストを開催すると言うのです。
金一封も出るとあって、杏子達は参加する事にしました。
そして当日。
中沢「鳴き声が歌っている様に聞こえる犬です!」
犬「ワンワン!ワンワンワン!」
ほむら「…」
中沢「ほら!」
ほむら「…次」
まどか「エイミーって言うの!可愛い猫だよ!」
ほむら「優勝」
ブーブー…フツウスギルダロー…ブーブー
ほむら「ちっ…」
まどか「そうだよね…珍しくはないかな…」シュン
ほむら「気を落とさないで、すぐ三日後に可愛い動物コンテストをやるからその時エントリーしてくれない?…必ず優勝出来るはずだから…なんならまどか本人が(以下略)
まどか「ばいばーい」フリフリ
ほむら「ほむほーむ…次」
いよいよ杏子の番です。
杏子「はい、これ」
QB「やぁ!」
ほむら「…」
杏子「馬だよ!」
QB「間違いなくUMAだよ!」
ほむら「見つけたわ…」ボソ
杏子「?」
全ての動物の紹介が終わり、とうとう優勝の発表です。
ほむら「優勝は…杏子の馬!」
杏子と子馬はとても喜びました。
村長は杏子に賞金を渡し、一つお願い事をしました。
ほむら「その馬を譲ってくれない?」
杏子「え?やだよ?」
ほむら「悪い事は言わないわ、そいつと居るとひどい目に会うかもしれないわよ?」
実は村長は以前、子馬に似た生物にひどい目に会わされた過去がありました。
その生物を探すため、こうしてコンテストを開いていたのです。
杏子「…」
杏子「やっぱり、やだ!」
ほむら「…そう」
話し合いは物別れにおわり、杏子達は家路につきました。
杏子「何だってんだよな!」
QB「きっと、別の個体だね…人間を喰いものにする奴が居るって聞いた事がある…」
杏子「そうなんだ…」
二人で話していたその時です。
突然、目の前で子馬が穴だらけになりました。
ピクリとも動きません。
状況を理解して、杏子はとても悲しみました。
そして、泣きながらマミの待つ家に亡骸を運んだのです。
マミ「遅かったじゃない!…馬だけ先に帰ってきたから心配したのよ!」
杏子「マミー、馬がー…あれ?」
QB「やあ!僕の死体を回収してくれたんだね!ありがとう!」
杏子「え?…え?何で?」
QB「僕らの体は替えがきくんだ!心配させてごめんよ!」
杏子「馬ー!」ヒシッ
こうして、二人と一匹はまた幸せに暮らし始めましたとさ…
杏子「…」スピョスピョ
マミ「…」スヤスヤ
QB「…ふぅ」
QB「…上手く穏健派の個体を始末できたもんだ…しかし、ほむらもしつこいね…今回ばかりは感謝するけどさ」
QB「さて、後はこの二人も契約させれば僕のノルマは達成だ…キュップイ!」
~めでたしめでたし~
QB「ふぅ」
エイミー「…」
QB「ベランダで猫に話して聞かせる…」
エイミー「ニャ?」
QB「なんて寂しいんだ…」
エイミー「…」ゴロゴロ
QB「しかし、このての話はほむらに殺されかねないしね…」
エイミー「ニャー」
QB「キュップイ!…僕にそんな気は更々無いよ…もうね」
~花咲かまどか~
昔々、まどかという心優しい者がおりました。
まどかが家で料理をしていると、隣に棲んでいる中沢が叫んでいました。
中沢「人ん家の畑に勝手に入ったな!鍋にして食ってやる!」
まどかが外に出て見ると、痩せて傷だらけの猫がフラフラ足元に来ておりました。
まどかは優しく抱き上げると、すぐに中沢がやってきます。
中沢「鹿目さん、そいつを渡すんだ!罰として主に食べなきゃならない!」
まどか「酷いことは駄目だよ!許してあげて!」
そう言って頭を下げ、作ったばかりの料理を中沢にあげました。
中沢「今度入ってきたら、ポン酢とネギでシャッキリポンだからな!」モグモグ
中沢は怒って行ってしまいました。
まどかは、この猫をエイミーと名付け飼うことにしたのです。
まどかはエイミーをとても大事に可愛がり、痩せていたエイミーも見る見る元気になりました。
ある日、エイミーがジッとまどかを見ておりました。
気付いたまどかが近づくと、少し離れジッと見てきます。
そうして、エイミーは桜の木の下で立ち止まりました。
まどか「ここに何かあるの?」
頷くエイミーを信じたまどかは、スコップで木の根本を掘りました。
すると、なんと千両箱が出てきたのです。
家に戻り開けてみると、中にはぎっしりと小判が敷き詰められておりました。
まどかは、初めて見た小判に大はしゃぎです。
その様子を壁の隙間から見ている者がおりました。
中沢です。
中沢「目的とは違うものが見れたが、こいつはラッキーだな…」
次の日、中沢はまどかの留守を狙い、昼寝しているエイミーを頭陀袋に入れ、下着とともに奪って行きました。
そして、無理矢理エイミーに宝探しをさせたのです。
しばらくしてエイミーが弱々しく鳴く場所を中沢は掘りました。
しかし、掘っても掘っても何も出てきません。
中沢がもたつく様を、頭陀袋から抜け出したエイミーは静かに見ておりました。
中沢「やい!猫!何も出てこないじゃないか!」
2m程掘って、ついに中沢は怒りました。
中沢は怒り、持っていた鍬でエイミーを殺そうとしたのです。
しかし、エイミーは避けます。
あの時は衰弱していたエイミーも今は健康体です。
エイミーはすり抜けざまに中沢の足を引っ掻きました。
中沢「ギャァアア!」
エイミー「…」
中沢「もう、許さん!僕の五臓六腑にお前の味を教えてやる!」
中沢は突進してきます。
エイミーが肉球に力を入れると、プニプ肉球が岩のように固くなりました。
エイミー「愚かなり…」
すぐさま、中沢のマウントを取ると、両手で顔面を殴り始めました。
ほむら「突然ですが実況のほむらです!」
ほむら「エイミー強い!エイミー強い!」
ほむら「中沢何も出来ない!」
ほむら「誰が予想出来ましたでしょうか!死合いは一方的な展開になってきたぁ!」
ほむら「おぉっと…あれは?…中沢タップだ!タップのようだぞ!」
ほむら「しかしエイミー、攻撃の手を緩めない!中沢の人生ごとKOするつもりかー!?」
中沢も多少は抵抗しますが、普段からゴロゴロしている中沢と、傷だらけになりながらもヒグマとの戦闘から生還したエイミーとでは力の差は歴然でした。
エイミーは動かなくなった中沢を口にくわえ、ズルズルそのまま掘った穴に落とします。
ほむら「決着ー!エイミーの圧倒的勝利だー!」カンカンカーン
ショウリダー…ョウリダー…リダー…ダー…
ほむら「…」フゥ
ほむら「じゃ、後は私がやるから…」ファサッ
ほむらは中沢の懐から純白の布を取り出すと大切に仕舞い、坦々と土をかけ始めたのです。
エイミーはそのままスタスタとまどかの所に戻りました。
それからというもの、入れ替わるように隣に越してきた、ほむらとも仲良くなり、まどかとエイミーは幸せに暮らしました。
中沢は文字どおり墓穴を掘りましたとさ…
余談ですが、まどかは庭に様々な花を育てており、栽培の難しい植物もあることから、皆に[花咲かまどか]と呼ばれているそうですよ。凄いですね。
~めでたしめでたし~
さやか「一回、ほむらに紹介してもらったけどエイミー可愛いよね!」
ほむら「エイミーがひどい目に会わなくて良かったわ…」ホッ
まどか「ほむらちゃん、凄く仲良いもんね」
マミ「今度、私にも紹介してね」
ほむら「もし、エイミーが死ぬような展開になってたら、私はさやかを…」
さやか「怖っ!最後まで言えよ!」
マミ「今度、私にも紹介してねってば!」
ほむら「半分冗談だから安心なさい」
さやか「もう半分は!?」
~杏子と豆の壺~
杏子はお腹が空いていた。
辺りを見回すと、細長い壺を見つけた。
驚くほど床に固定されていてビクともしない壺だ。
中を覗くと、ぎっしり豆が入っている。
杏子は喜び、壺に手を突っ込んだ。
しかし、杏子は欲張りなので豆をたくさん握り混んだ。
杏子「あれ?抜けない?」グイグイ
どうやっても抜けない。
皆様はお気付きだろうが、豆を離さない為である。
一度、手にした食べ物を手放す事など杏子には出来ない。
と、言うか無意識でやっていた。
杏子「んーっ!何で?」
あまりに抜けないので、杏子は一生このままなのではと考えた。
杏子「ふぐぅ…」ジワッ
泣きそうになっていると、マミが通りかかった。
マミ「何してるの?」
杏子「抜けなくなったんだよ!」
マミ「何で?」
杏子「知るか!豆がいっぱいあったから食べようと思って手を突っ込んだら…」
すぐにマミは全てを理解した。
マミは近くに行って、杏子の脇腹をくすぐった。
杏子「ちょっ…イヒャヒャ、ヤブッ…バカッ…」///
スポンッ
杏子「あ…抜けた」
力の抜けた、杏子の手から豆が離れたからだ。
杏子はマミにとても感謝した。
マミ「こういうものは、少しずつ取れば良いでしょう?」スッ
キュ
マミ「あら?…え?嘘!?豆すら触ってないのに?」
杏子「あー…そりゃそうだよ。入口は私の手でもギリギリだったもん」
マミ「ちょっと!?それじゃ私の腕が佐倉さんより俄然太いみたいじゃない!?」
杏子「みたいって言うか…うーん」
マミ「ンググ…」プルプル
杏子は油を探しにいった。
戻って来た時には何故かほむらもついてきた。
ほむら「巴さん…」
マミ「こんな時だけ、さん付けで呼ばないでくれる!?」
杏子「ごめんマミ!油無かった!」
ほむら「ぺぺしか無かったけど良い?」
マミ「この際、何だって良いわよ!」
こうして、数時間にも及ぶプレイの末、マミの腕は無事抜けた。
口に入れても問題ないタイプなので、豆も無事だった。
マミは壺が嫌いになり、超音波振動の器具を腕につけるようになった。
~めでたしめでたし~
マミ「美樹さん、覚悟は良いわね?」
さやか「杏子が細いだけですって!」
杏子「てか、さすがの私でもここまで食い意地はってないっての」
ほむら「杏子、この花瓶に干し葡萄が入ってるわよ?」
杏子「いっただきー」ズボッ
まどか「…」
杏子「あれ?抜けない?」
マミ「…活けてあった花は?」
~ハメルンの弓笛鳴らし~
昔、ハメルンと言う町でほむらが大繁殖し人々を困らせていました。
不衛生なほむらから疫病が蔓延すれば大変です。
そこで、町の人達はお金を出し合い、駆除専門の人を雇うことにしたのです。
町に来たのはまどかと言う、女の子でした。
まどか「わかりました!ほむらちゃんは私が責任をもってここから離れさせます!」
中沢「まじで頼むよ?…高い金払うんだから」
その夜、まどかは弓笛を携えて現れました。
そして、空に向かって構えたのです。
ピュィイーーーーー……
笛矢の鋭い音が響くと町の至るところで、ほむらが顔を出してます。
マドカ?…マサカマドカ?…マドカァー?…
続けざまに今度は町の外に向かって、構えました。
ヒュルルル…
今度は、穏やかな音が、山の向こうに消えて行きます。
すると、どうでしょう。
ホム!?…マドカダワ…マドカァー!…
音が消えた山に向かってほむらは、一斉に移動を始めました。
朝になる頃には、町にほむらは一匹もいなくなりました。
しかし、一息付くまどかに町の人達は言いました。
中沢「見事な手際だったね」
まどか「ありがとうございます」
中沢「でも、凄いのは君じゃなくて、弓笛だろ?それさえあれば誰だってこなせる…だから君にお金は払わないよ」
まどか「えぇっ!そんな…」
中沢「第一、手際が良すぎる。いるんだよね…自分で問題を起こして金を稼ごうって輩がさ…」
まどか「…」
まどか「そうですか…では失礼します」
まどかは頭を下げます。
まどか「仕事を途中で投げ出すのは不本意ですが…」スタスタ
まどかは町を出ていきました。
中沢「…?…途中で?…途中ってどう言うこと?ねぇちょっと?…弓笛使いさぁーーん!?」
そうなのです、実はこの後重要な仕事が残っていたのです。
それは、ほむら達に会う必要があるということ。
弓笛は[まどかがこっちに居るよ~]と言う、ただの合図でした。
今頃、ほむら達は笛矢の落ちた辺りで血眼になって、まどかを探している事でしょう。
そして居ないとわかると、騙された事への悲しみ、ぬか喜びが怒りとなって押し寄せます。
生粋のマドカーであるほむら達にとって最も残酷な嘘なのです。
ダレがダマした?
ダレがカタった?
怒り狂うほむら達の矛先は…
~めでたしめでたし~
マミ「暁美さんにはホラーが似合うわ、怖くても行動する感じ」
ほむら「その割に、私自身が恐ろしさ全開だったけど…」
さやか「ホラーって言うか、サスペンスな感じ…犯人側の」
ほむら「あなたは、コメディだものね…失恋系の」
さやか「ムキィー!」
ほむら「杏子はヒューマンで、まどかはファンタジーかしら?」
マミ「私は?やっぱりヒーr…
一同『パニック』
~気狂いさやか~
ある日、さやかが狂いました。
ほむら「何て事かしら…正常な時でさえ手を焼くのに、あんな風になったら何をしでかすかわからないわ」
杏子「一週回って、大人しくなるなもよ?」
ちょっとだけ、ほむらは期待しました。
さやか「うっひょー!うひょはー!」ケタケタ
まぁ、どうにもなりませんでしたが…
~めでたしめでたし~
さやか「…」
さやか「なにこれ?」
ほむら「イソップでも、特に短い部類の話よ」
杏子「手がつけられない奴は、どう転んでも手がつけられないって話」
さやか「…」
~欲張りなマミ~
ある日、マミはケーキを食べていました。
もちろん、一人です。
ふと、前をみると鏡の中でもケーキを食べているマミがいます。
マミ「あら?貴女の苺の方が少し大きかったかしら」クスクス
そう言ってマミは鏡に手を当てました。
マミ「やっぱり入れない…か」
~めでたしめでたし~
ほむら「寂しい…寂しすぎる…」
マミ「やってないわよ!」///
まどか「だ、大丈夫ですよ!私も鏡に話し掛ける事ありますから!」///
マミ「…鹿目さん…そういう話では…」
まどか「え?…あっ!」
さやか「まどかが勝手に自分の恥ずかしい趣味を暴露した…」
まどか「しゅ、趣味じゃないよ!」///
ほむら「可愛いわ」ホムホム
~ほむらと鼠~
ある家にたくさんの鼠がおりました。
それを聞きつけた猫のほむらが、家にやって来たのです。
QB「キュップアー!…ほむらが来るぞー!」
ほむらは次から次へと鼠を食べてしまいました。
すると、当然鼠は隠れてしまいました。
ほむらは鼠を誘き寄せるため、病気の振りをして倒れました。
しかし、倒れているほむらに鼠は言いはなったのです。
QB「キュププ、騙されないよ…君が骨になったって信用するもんか!」
ほむらが悔しがった、その時です。
女の子が家に入ってきました。
まどか「わわ、猫さんが倒れてる!病気かな?…大丈夫?」ダキッ…ナデナデ
ほむらはどうでも良くなりましたとさ…
~めでたしめでたし~
ほむら「イソップは短いのが多すぎて、いじり辛いわ…」
QB「言う割にいじり倒してるけど…」
まどか「ほむらちゃんは本当にQBに容赦ないよね…」
杏子「でも、家に上げたりもしてるよな…」
マミ「最近はQBも暁美さんの側に居る事が多いし…」
さやか「あぁー!まさかツンデレ?…それだけのキャラを持ちながら更に属性を追加しようとは、ほむらは策士ですなー!」
ほむら「ちっ」
さやか「うん…友達にマジ舌打ちは、やめようか…」
~悪賢いほむら~
昔、ある土地は日でり続きで、食べ物があまり取れませんでした。
そこに住んでいたほむらも、食べ物が無い為、痩せてゆくばかりです。
そこでほむらは杏子が住む草原の城へ出かけました。
ほむら「杏子様…私は、水上の城のさやか様の使いで参りました。さやか様は、毎日魚ばかりで食事に飽きております」
杏子「まぁ、魚は旨いけど、毎日はなぁ…」
ほむら「ケーキが食べたいと抜かしましたが、麦がございません。そこで百籠程、麦を譲っていただけないでしょうか?…お礼に城で一番立派なマミを差し上げると申しております」
杏子「マミか…良いよ!引き受けた!」
杏子はすぐに百籠分の麦を用意させました。
ほむらは杏子の兵隊に言いました。
ほむら「後は私が引き受けます。どうか 帰って休んでください」
兵隊が行ってしまうと、ほむらは麦を全て盾へ入れてしまいました。
翌日、ほむらはさやかの住む水上の城へ行きました。
ほむら「私は、杏子様の使いで参りました。草原の城にはケーキを焼く麦はございますが、スープに入れる魚が一匹もありません」
さやか「確かに出汁は大事だかんねー」
ほむら「そこで百籠程、魚を譲っていただけないでしょうか?…お礼に城で一番立派なマミを差し上げると申しております」
さやか「マミさーん!よいぞよ!引き受けた!」
さやかはすぐに、百籠の魚を用意させました。
ほむらはさやかの兵隊に言いました。
ほむら「後は私が引き受けます。どうか 帰って休んでください」
兵隊が行ってしまうと、ほむらは魚を全て盾へ入れてしまいました。
ほむら「これだけあれば、困る事は無いわ」
満足したほむらは、盾から長い長いロープを取り出しました。
それから数日後、杏子がほむらを呼びました。
杏子「マミが一向に届かないけど?」
ほむらは長い長いロープの片方を杏子に握らせました。
ほむら「どうかご安心ください。お届けしようと思っていたところでございますがマミが色々ブーたれて、なかなかお連れする事が出来ません」
杏子「まじか…しょうがねぇなぁマミの奴」
ほむら「申し訳ありませんが、マミをこのロープの先に繋ぎますので、明日の正午に引っ張ってもらえませんでしょうか?」
草原の城を出たほむらは、そのままロープの片側を持って草原の城へ行きました。
ほむら「さやか様、マミの準備が出来ました。しかしマミはあまり動きたがらないので、なかなかお連れすることが出来ません」
さやか「マミさん…さすがマミさん」
ほむら「申し訳ありませんが、 マミをこのロープの先に繋ぎますので、明日の正午に引っ張ってもらえませんでしょうか?」
次の日。
マミ「暁美さん?これは何?」
ほむら「…」クルクル
マミ「説明してもらえると助かるのだけど…」
ほむら「…」ギュッ
マミ「無言で縛られると、怖いんだけど…」
ほむら「…」グイグイ
マミ「喋って!お願いだから!」ガクガク
ほむら「いいから…動かないで…」チッ
マミ「ほっ…私に固定している、このロープは何?」
ほむら「さぁ?さやかと杏子からのサプライズみたいだけど?」
サプライズと言う言葉が大好きなマミは大人しくギチギチに縛り上げられました。
ほむらは当初、首に回すように引っ掻けるつもりでしたが、悪のりが過ぎると思いやめました。
そして、正午。
杏子と兵隊が、ロープを引っ張り始めました。
同時にさやかと兵隊も、ロープを引っ張り始めました。
杏子「おおっ、マミの奴どんだけ動きたくねぇんだよ!」グググ
さやか「さすがマミさん!なんて力!」ギギギ
杏子とさやかが頑張るなか、マミは大変な事になっていました。
マミ「割れる!分離しちゃう!アタッカーとナッターになる!」
杏子「オーエス!オーエス!」
さやか「オーエス!オーエス!」
マミ「んぎぎぎギギギ…」ギリギリ
杏子「オーエス!オーエス!」
さやか「オーエス!オーエス!」
マミ「んごごごゴガガ…」ギリギリ
あまりのマミの力に杏子もさやかも一旦休憩しました。
マミ「はぁ…はぁ、そう…そうなのね…これが二人のサプライズと言うわけね…」
マミ「…ふふふ」
力の抜けたロープをマミは思いきり引っ張りました。
休んでいた杏子とさやかはロープを体にくくりつけたままだったので、あっさりマミの元へ手繰り寄せられました。
マミ「二人とも、サプライズが好きなのよね?」ニコ
さやか「何であんたん所のマミさん、メッチャ切れてんの!?」ヒソヒソ
杏子「お前のマミだろうが!私が知るかよ!」ヒソヒソ
マミ「あなたたちにもサプライズをくれてやるわ」
マミが巨大な銃を構えたかと思うと、閃光がはしり、両者の城はかき消えました。
技名すら言わない程のマミの怒りに二人は怯えました。
マミ「何故、私を引っ張ったのか納得の行く理由を説明してもらえる?」ニコ
杏子「だって、さやかがマミくれるって…」
さやか「はぁ?くれるのはあんたからでしょうが!」
杏子「?」
さやか「?」
マミ「?」
…
杏子「おらぁああ!何処だほむらぁぁああ!!」
さやか「ボコボコにしてやるボコボコにしてやるボコボコニシテヤルボコボコニシテヤル…」
マミ「この辺りを焼き払って、燻し出すのよ!!」
少し離れた場所でほむらは魚と麦を使った出汁茶漬けに舌鼓を打っておりました。
ほむら「あー面白かった」カチッ
ほむらは食事を終えると、世界をやり直しましたとさ…
~めでたしめでたし~
まどか「悪ほむらちゃんだったよ…」
ほむら「まどかにこんな真似した事無いわ!」
さやか「私らにはあるんかい!」
ほむら「この話は、皆生きてる分、可愛いものだわ…」
杏子「私らに何したんだよ…」
ほむら「聞きたい?」
さやか「聞きたくない…」
ほむら「さやかから?…あなたの時は、上條君に告はk…」
さやか「聞きたくない!聞きたくない!」
~マミとキリギリス~
季節は実りの秋、あるところに働き蟻のマミがいました。
毎日、せっせと食べ物を巣穴に運んでいます。
ある日、マミは角砂糖を運ぶ帰りに恭介と言うキリギリスに会いました。
マミ「私が力あるからって…なんで巨大な角砂糖を一人で…」ズルズル
恭介「働き蟻は大変だね」~♪
マミ「綺麗な音色だけど…貴方は食べ物を蓄えなくていいの?」
恭介「蓄えるもなにも、見てごらんよ…食べ物は至るところにあるじゃないか?」
マミ「まぁ、貴方が良いなら良いのよ…」
マミは少し手を休め、音色を聞き、キリギリスと少し話してから別れました。
そうして、マミは懸命に食べ物を運び続け、恭介は夢中で音色を奏で続けました。
季節は冬。
たくさんの食べ物を蓄えたマミは巣穴で悠々暮らしていました。
外にも出れないので、TVを見ながらゴロゴロしています。
マミ「そういえば、あのキリギリスはどうしてるかしら…」
トントン
その時、巣穴の戸を叩く音が聞こえました。
こんな寒い日に誰だろう?マミは戸を開けました。
中沢「遊び呆けてたら、冬になってた…」ガクガク
さやか「同じく!」ブルブル
マミ「本当に誰よ!」
毎年来てる冬対策を怠ったのが悪い!と、マミは蚯蚓と蛞蝓を追い返しました。
さやか「びぇー!そんな殺生なー!」
中沢「恨むぞ…春に戸を開けたら僕の死体が転がってるからな!どんな噂が立っても知らないぞ!」
マミは少しの食べ物を投げつけて、戸を閉め施錠しました。
マミ「まったく、何だってのよ…」プンプン
マミ「あら?」
戻ってきたマミは、TVを見て驚きました。
そこにはあのキリギリスが映っていたのです。
彼の音色に心を奪われた巨大スポンサー、志筑グループが全面バックアップした結果でした。
マミ「数奇なものねぇ」モグモグ
後日、キリギリスからコンサートの招待チケットが届き、意外と律儀なキリギリスだとマミは感心しましたとさ…
~めでたしめでたし~
ほむら「リアルそのままね」
さやか「なんだとー!」
ほむら「ある程度、努力しないとこうなるわよ」ファサッ
さやか「うっ…」
ほむら「とりあえず、追試も落としたら次の試験までマミのケーキは無しよ」
マミ「そうねぇ、その期間は佐倉さんに食べて貰うから」
さやか「そんなぁ…」
杏子「落、と、せ!落、と、せ!」
さやか「あんた…」
~ホムーラさん~
ある城下町に、自分勝手で無思慮なさやかがおりました。
さやかはある日、両親に言いました。
さやか「私、町で噂になってるホムーラさんの所に行ってくるね!なんか珍しい物がたくさん見れるって聞いたんだよ!」
さやかの言葉に、両親は猛反対です。
それも、そのはずです。
ホムーラさんは有名な大悪党で、日頃からとんでもない悪事を繰り返している、と噂されていました。
二度と戻って来れなくなると止める両親でしたが、 さやかはまるで聞きません。
さやか「大丈夫、大丈夫…ちらっと見てくるだけだから…」
さやかはそう言って、ホムーラさんの所へ出かけて行ったのです。
さやかがホムーラさんの家に着いた時、ホムーラさんが聞きました。
ホムーラ「あら?貴女はどうしてそんなに震えてるの?」
さやか「ひっ…だって、さっき…この家の納屋に、蠢く影を見たから…」
ホムーラ「あぁ、それはたまたま出会した炭焼きの中沢ね…自分で炭を焼くのは面倒だから、黒く染め上げて奴隷にしたの」
さやか「他にも、黄金に輝く人も見たんだけど…」ゾク
ホムーラ「それは、狩人のマミね。狐狩りに来ていたので、狐色に染め上げて奴隷にしたの」
さやか「あと一人…血みたいに赤い人が歩いてたけど…まさか…」ブルブル
ホムーラ「それは、獣を綯わす杏子という者よ…獣の血の匂いをさせてたから、赤く染め上げたのよ…質問は終わり?」
最後に怯えながらさやかは言いました。
さやか「実は…この家の窓からホムーラさんが見えたんだけど…」
ホムーラ「…そう」ピク
さやか「まどか、まどかと言いながら、リボン片手にブリッJ…
ホムーラ「ッパァアアア!!!」
謎の奇声と共にホムーラさんは、さやかを薪に変えてしまいました。
ホムーラさんはさやかを掴み、乱暴に竈の火にくべました。
そして、小さくつぶやきました。
ホムーラ「湿気た薪…」
~めでたしめでたし~
マミ「おしまい」
ほむら「いいわね…あなた達が奴隷なんて」
杏子「こえぇよ…」
さやか「私は青に染め上げられると思ったのに…」
まどか「なんか青に染め上げるって、かっこいいね」
さやか「ふふーん」
ほむら「使い道が無いから薪にされたんでしょ?」
さやか「あんだってー!」
マミ「蒼に染め上げる…と」
~ホム頭巾~
ある小さな村に、まどかと言う女の子が住んでいました。
まどかはいつも頭にほむらがくっついていたので、皆からホム頭巾と呼ばれていました。
まどか「ほむらちゃん、ずっとしがみついてて疲れない?」
ほむら「心配は要らないわ!」クンクン
まどか「私、最近肩こりが酷いんだよね…」
ほむら「!…言ってくれればマッサージするのに!」モミモミ
まどか「ふぁ…気持ちいい…伝わってないけど、気持ちいい…」
ある日まどかは、お母さんにお使いを頼まれました。
森外れのマミの家にワインとパンを届けるのです。
まどか「ふひぃ…重たい…」
ほむら「私が持とうか?」
まどか「うん、それ意味無いよね…」
ほむら「?」
まどかは疲れてしまい、森の泉でひと休みする事にしました。
まどか「そうだ、マミさんのおみやげに綺麗な花を摘んでいこう!ほむらちゃん、頼める?」
ほむら「御安いご用よ!はい!」カチッカチッ
まどか「あれ?」
まどかの籠の中にはいつの間にか、たくさんの綺麗な花が並べられておりました。
まどか「そうなんだよね…ほむらちゃんは、物臭な訳じゃないからややこしいよね…」
ほむら「?」
杏子「…何だあれ?」
その様子を物影から見ていたのは、狼の杏子でした。
人の匂いに釣られて来てみたら、人が人に覆い被さった様な、謎の生物に出会ったのです。
仮に人間同士だとしても、あの状況を良しとしてるなら、人としてお終いです。
杏子「あれは手を出さない方が良いかな…」スタコラ
杏子は近くにマミの住む家がある事を思いだし、そっちを食べることにしました。
一方、マミはまどかの到着が遅いので部屋をウロウロしておりました。
マミ「大丈夫かしら…森外れって何かと不便なのよね…ミステリアスなキャラを優先し過ぎたわ…」
トントン
戸を叩く音がして、マミは安心しました。
マミ「はーい、よk…」
しかし戸を開ける直前、不安がよぎったのです。
もし違う人だったら?
昔一度同じ失敗をして、その辺をほっつき歩いてた猟師に素の自分を見られてしまったのです。
あの時の失態は繰り返したくありません。
マミ「フフフ…この魔力の聖域に足を踏み入れようとする者よ、名乗りなさい」
まどかなら、おまけのほむらが突っ込むはずです。
しかし返事はありません。
マミ「違う人だったみたいね…危ない危ない」フゥ
杏子「こいつも駄目だ…昔はこんな森じゃなかったのに…」スタコラ
仮に本当に不思議な力があっても、魔力なのに聖域とか言い出したら、人としてお終いです。
食べると馬鹿になるかもしれません。
杏子は大人しく兎辺りを狙うことにしました。
杏子が居なくなると、入れ違いでまどかがやって来ました。
まどか「はぁ…ふぅ…やっと着いたよ」
ほむら「思ったより、掛かってしまったわね」
まどか「…」
まどか「マミさーん!パン持ってきたよー!」
ほむら「さっさと開けなさい、まどかは疲労困憊よ」
まどか「…」
マミはまどかの声を聞き、戸を開けました。
マミ「いらっしゃい。遅かったわね」
まどか「てぃひひ、ごめんなさい」
マミ「鹿目さん達、さっきノックした?」
ほむら「してないわよ?」
マミ「やっぱり、別の人だったのね…さすが私」ホッ
まどか「?」
まどかが一息ついていた頃、杏子も兎で腹を満たしておりました。
杏子「始めから、こっちにしときゃ良かったな!」ケプッ
腹がふくれ、ゴロゴロしていると、草をわけ何かが近づいてきます。
杏子の目の前に現れたのは猟師のさやかでした。
さやか「なんだ…狼か…」
さやかは毛皮などは剥がず、食糧専門の山師でした。
杏子「近づくな」グルル
さやか「なにもしないよ?…安心なさいな」
杏子「この森の人間は信用出来ねぇ」
さやか「ほら、怖くない」
杏子「怖がってる訳じゃ無いっての、引いてんだよ」グルル
さやか「ね、怖くない」
杏子「聞けよ」ガリッ
さやか「ぎゃー!ラ、ラ、ラステルさーん!」スタコラ
さやかは泣きながら逃げ出しました。
若干猟師にしては致命的な部分もありましたが、反応は意外とまともだったので、杏子はこっそり様子を見る事にしました。
しかし、さやかはよりにもよって、魔力の聖域に逃げ込んだのです。
さやか「開けてー!ゴマー!開けるゴマ!開くのだー!」ドンドン
まどか「何かな?」カチャ
さやか「うぶぉ!なにそれ?頭に…なにそれ?」
マミ「ちょっと!鹿目さん勝手に…」
まどか「わ…怪我してる、大丈夫ですか?」
さやか「痛いよ?ヒリヒリする…でもなんで私の疑問はスルーされたのかな?」
ほむら「…」
マミ「あれ?貴女この前の…」
こうして、さやかはマミの家で傷を直してもらい、なんだかんだ話が盛り上がり四人仲良く夕食を食べました。
杏子「打ち解けやがった…マジかあいつ…」
杏子はこの森にろくな人間が居ない事を確信し、縄張りを隣の森に移しましたとさ…
~めでたしめでたし~
仁美「お二人は仲がよろしくて、妬けてしまいますわ」
ほむら「少なくとも私の最高の親友は、まどかだわ」
まどか「…」///
さやか「すげぇ恥ずかしい事をサラッと言った」
マミ「いいじゃない!…一度言われてみたいわ」チラッ
杏子「うっ」ギクーン
杏子「…マ、マミは私の最高の仕事仲間だよ」
マミ「仕事仲間…そうよね…」グスッ
杏子「泣くほどの事かよ!?」
~マミの重さ~
随分と昔の話。
中国の都へ、遥か南の国からマミが贈られてきました。
皆、初めて見るマミに興味津々です。
ほむら「へぇ…随分とデb…大きな生物なのね…」
まどか「確かに、こんなに…」
まどか「…」
まどか「ふ、ふくよか!…ふくよかな生物は見たこと無いね!」
ほむら「上手いわよ」ナデナデ
まどか「てぃひひ」
マミ「…」
杏子「でも、これだけでかいと重さが気になるなぁ…」
QB「でも、こんな大きな生物を計る量りは無いね」
杏子「だよなぁ…いくら皇帝でも、こんな大きな生物を量りに掛けようとは考えないだろうし…」
QB「確かに、気にはなるけどね」
マミ「…」
その場にいた者が、何か良い方法は無いかと相談してみましたが、中々良い案は出ません。
皆が諦めようとしたその時、背後から阿呆みたいな声が聞こえてきました。
さやか「悩んでますなぁ? …フッフッフ、私が量り方を皆に教えてしんぜよう!」
ほむら「何だ、さやかか…これは小難しい話だから、髪を青く染める様な小娘には無理よ」
さやか「地毛だよ!…本当だって!本当なんだって!いかにマミの様な重い生物でも簡単に量れるんだって!」
マミ「…」
QB「めんどくさいなぁ…やれやれまったく…じゃあやって見せてよ」
さやか「まずは船に、マミを乗せるのだ!」
ほむら「沈んだ位置で、重量を知ろうとでも言うのでしょう?」
さやか「あれ?」
杏子「そんなのは、とっくに話しに出たんだよ」
皆はため息をつきました。
さやか「?…じゃあなんでやらないのさ?」
QB「問題はマミが乗船して無事な船があるのか?と言うことだよ…」
マミ「…」
さやか「でも、一トンくらいでも余裕で…」
皆はやれやれと再度ため息をつきました。
QB「簡単に説明するよ…タンカー系の輸送船でも、耐荷重量は想定設置面積に荷重が分散された形で計算しているんだ。マミを見てごらんよ…あのサイズにどれ程の重量を秘めていると思うんだい?…あの小さな軸足二本が、その圧倒的重量を支えているんだ。…おそらく、その集中荷重は船を甲板ごと貫く程に…」クドクド
さやかにはちんぷんかんぷんでしたが、ほむら達が深く頷いているので、合わせて頷く事にしました。
マミ「…」
まどか「万が一重すぎて、船を壊すわけにはいかないもんね…万が一にだけど…」
杏子「さっきから、まどかは保険はるなぁ」
ほむら「まどかは良いのよ、マミを怒らせて圧死させられたらどうするのよ!?」
皆が頭を悩ませるなか、とうとうマミが口を開いたのです。
マミ「…楽しい?」
マミ「楽しいか!?」
マミ「人を辱しめて楽しいか!?」
マミ「…だいたい、そんなに重いわけないでしょう!!」
切れたマミは船に飛び乗りました。
スタッ…バキッ…メキッ…バキッ…ズボッ…ボチャ…ブクブク
船はマミの重量に耐えきれず、マミは床を貫いて海に沈みました。
予想以上に重かったマミは二度と浮上する事はありませんでした。
~めでたしめでたし~
中沢「めでたしめでたし!!」
さやか「すごい…縛り付けてある植樹から大声で叫んでる…」
ほむら「よほど、縛ったマミと殴ったさやかを恨んでる見たいね」
マミ「じゃあ、口も縛ってくるわ…」スタコラ
さやか「目を突いてくるね」スタコラ
…
ムグー…
…
杏子「静かになったな…」
~少女と靴屋~
どこかの町の隅の隅。
小さな靴屋がありました。
靴屋のマミは真面目に働いていましたが、あまり靴は売れず、とうとう一足分の靴の皮だけになってしまいました。
マミ「この皮を張ったら、もう靴を作ることも無いのかしら…」
マミは皮を靴の形に切っただけで、その日は寝むってしまいました。
次の日の朝、目を覚ましたマミは驚きました。
何と、いつの間にか靴が出来上がっていたのです。
マミ「え?なんで…?」キョロキョロ
その靴はとても素晴らしい出来で、高い値段で買ってもらう事が出来ました。
靴屋はお金が出来たので、二足分の皮を買い、そしてその皮を切ったところで、また寝むってしまいました。
マミ「また?…嘘でしょ?」
なんと翌朝にも、靴が二足出来上がっていたのです。
そして毎日、同じ事が続きました。
皮を仕入れる量もどんどん増えて行き、マミは、すっかりお金持ちになりました。
マミ「しかし、綺麗に出来てるわ…」
繁々と眺めます。
マミ「どう作られてるのか気になるわね…あぁー、でも幽霊とかだったらどうしよう…」
それでも、とうとう好奇心に勝てず、夜中に工房を覗いて見ました。
夜深く、工房に突然二人の少女が現れました。
ほむら「さ、今日もやるわよ」
杏子「マミの奴、私らに遠慮して皮の量減らしてるよな」ハリハリ
ほむら「それだけ、生活が安定し始めたのでしょ?喜ばしい事だわ…」トントン
二人の不思議な格好の少女は人とは思えない動きで、あっと言う間に靴を仕上げました。
杏子「気付いた訳じゃ無いよな?」ハリハリ
ほむら「それは、無いわ。マミの事だから、気付いたら露骨に数を減らすだろうし…」トントン
マミ「…」ドキドキ
杏子「はぁ、さやか達は良いよな…面と向かって礼が言えて…」ハリハリ
ほむら「貴女もそうすれば良いじゃない?」トントン
杏子「いやいやいや…そんな簡単じゃねぇのさ、ほむらだってそうだろ?」ハリハリ
ほむら「私の場合は、今のマミの記憶には無いから…お礼を言ってもキョトンとされるだけだわ」トントン
何か、これ以上聞くのは悪い気がしてマミは工房を離れました。
次の日、マミは自分が仕上げられる分だけ皮を買い、朝から靴を作りました。
マミ「ふふふ。あの娘達にお礼をしないとね…でも、ばれたと知ったら二人共ばつが悪いでしょうし…」ハリハリ
少し悩んで、マミは手紙を書いたのです。
夜、ほむらと杏子が来てみると、靴は全て出来ており、ケーキとお茶と一枚の手紙が置いてありました。
[どなたか知りませんが、いつもありがとう]
なんか他にもゴチャゴチャ書いていましたが、まぁ、今後は自分で作るから的な内容でした。
杏子「そっかそっか、マミにもばれてないみたいだし、恩返しは上手く行ったかな!」
ほむら「何言ってるの?完全に見られたのよ…」ハァ
ほむらがケーキとお茶を指差します。
ケーキが二切れとカップが二個置いてあります。
杏子「あぅ」///
ほむら「はぁ、恥ずかしい…二度とマミには会えないわ…」
杏子「うぶふぅ…」///
ほむら「恥ずかしがりすぎよ…万が一会ったって、マミはきっと知らない体で接してくれるわよ」ポン
杏子「それがヤなんだよ!」///
二人はケーキとお茶をいただくと、外に出て行き、そのまま二度と現れる事はありませんでした。
二人はいなくなりましたが、それからもマミの靴屋は順調に売れ、マミは幸せに暮らす事が出来ましたとさ…
~めでたしめでたし~
まどか「終わり!」
マミ「今からは全部、鹿目さんに話して貰おうかしら…」
ほむら「かまわないわよ、一向に」
杏子「これは、恥ずかしい」///
さやか「杏子は良い娘ですなぁ」
杏子「なんで、まどかは私の事に詳しいんだ?話したっけ?」
ほむら「私がね」
まどか「てぃひひ」
杏子「…ほむらこのやろう」
~さやほむ合戦~
昔々、あるところにさや蟹とほむ猿がおりました。
ある日、さや蟹はモゲラとまど蟹とおにぎりを食べている所でした。
ほむ猿「あら、奇遇ね…まど蟹」
さや蟹「げっ、ほむ猿」
ほむ猿「げっ、とは何よ…それより美味しそうなおにぎりね、一つくれない?」
まど蟹「あっ、私のでよけr…
さや蟹「あげるわけ無いでしょ?バカ?」
ほむ猿「っ…阿呆みたいに炭水化物ばかり胃袋に入れてたら手遅れになるわよ…只でさえ服のサイズが上がったのに…」
さや蟹「はっ、スタイルばっか気にして、いかにも病み上がりですって感じだした、ガリガリの転校生よりゃマシでしょ?」
ほむ猿「確かにマシかも知れないわね。私がガリガリだと思ってしまう、貴女の狭い視野からしてみれば、ね?」
さや蟹「おぉ?」
ほむ猿「あぁ?」
仲の悪い二人はいつも喧嘩ばかりです。
一緒にいたまど蟹も呆れています。
まど蟹「ダメだこの二人は…この二人はダメだ…」
まど蟹「この二人は本当にダメだ…」
ほむ猿「さすがに、まど蟹に言われるのは傷つくわ…」
さや蟹「…そんな冷めた目でこっち見ないで?」
まど蟹「だったら仲良くしてよ!」
ほむ猿「貴女のせいでまど蟹に怒られたわ、砕け散りなさい」
さや蟹「怒られたショックで髪の毛ずる剥けになれば良いのに」
ほむ猿「坊主なら貴女の方が似合うわよ?そんな人工着色料全開の髪の毛より違和感無いわ」
さや蟹「…まな板が」
ほむ猿「おぉ?」
さや蟹「あぁ?」
まど蟹「…」
まど蟹「…なんだこいつら…」
さや蟹「やるっての?」
ほむ猿「そんな度胸が貴女にあるのかしら?」
さや蟹「きーっ!やったろうじゃん!」
こうして、互いに一線を越え二匹は決着をつける事になりました。
二匹共に、モゲラやまど蟹、杏子蜂なんかにそれぞれ協力を申し入れましたが、面倒な事になりそうだと断られました。
さや蟹「奴は、ザ・ワールドを使うからな…やるからには先手を取らないと…はっ!?」
悪寒が走ったさや蟹は岩の下に隠れました。
その瞬間、今までさや蟹がいた場所に大量の青柿が降り注いだのです。
ほむ猿「ちっ」
さや蟹「現れたな…」
そして戦いが始まりました。
さや蟹が馬糞をほむ猿に浴びせかけると、どこからともなく現れた臼がさや蟹を襲います。
手数は圧倒的にほむ猿でしたが、さや蟹も硬い甲羅と再生力で決定打を許しません。
さやか「くっ!顔面ホームベースが…むははは!お前で野球をしてやろうか!?」
ほむら「なるほど、合点がいったわ。だから相撲取りを目指しているのね…」
さやか「ぬがー!!」
まど蟹「…」
戦いの間、二匹の罵声も止むことはありませんでした。
ほむ猿「N、T、R!N、T、R!」ポカスカ
さや蟹「コ、ミュ、障!コ、ミュ、障!」ポカスカ
まど蟹「…」キュラキュラ
ほむ猿「だいたい、剣?使えもしない剣を武器に選択した神経がわからないわ…」ギリギリ
さや蟹「んな事、言い出したらあんた盾じゃん!素手で戦うつもりだったのかなー?」グググ
杏子蜂「おい、お前ら…」
ほむ猿「手出し無用よ!」
さや蟹「邪魔すんな!」
杏子蜂「いや、まど蟹が尋常じゃない顔でお前ら見てるけど?」
ほむ猿「へ?」
さや蟹「え?」
二匹の向いた方向にはまど蟹がいました。
笑いもせず、怒りもせず、無表情でランドモゲラーの上に立っておりました。
ランドモゲラーの左右のドリルがうねりをあげ、今にも襲い掛からんばかりです。
ほむら「待って!待ってまどか!落ち着くから!落ち着いたから!」
さやか「まー!すんません!なんかすんません!」
すぐに、二匹は戦いをやめました。
まど蟹「喧嘩は終ワり?」
ほむ猿「はい!」
まど蟹「仲良くスる?」
さや蟹「します!」
まど蟹「なンだ残念。私も参加シよウと思っタノに…てぃヒひ…てぃひヒ」
一向に表情の変化が無い、まど蟹に二匹は震え上がりました。
それからは、少なくともまど蟹の前では仲良くする二匹の姿が見られましたとさ…
ランドモゲラー「…」
~めでたしめでたし~
仁美「私、怒ると怖いのはまどかさんだと、思っておりますの」
ほむら「同意見だわ、まどかに怒られたら反省するもの」
杏子「誰に怒られても、それが正当なら反省しろよ…」
まどか「ほ、ほむらちゃんに怒ったりはしないよ…」ワタワタ
さやか「と、言いつつ家ではほむら人形をぼこぼこに…」
ほむら「!」ガーン
まどか「やらない!やらないよ!さやかちゃん!もぅ、嘘言わないでよ…大事にしてるよ!」
さやか「いや、信じんなよ」
杏子「いや、持ってんのかよ」
622 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 00:46:51 nebA6JP2 503/792寝ますね。
読んでくれた方、ありがとう。
また明日お付き合いください。
では、おやすみなさい。