1 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 20:41:59.83 j79lXf71P 1/158

「な、なんで?」

幼馴染「えっちぃのは嫌い」

「そ、そんなこと言わずに…」

幼馴染「しつこい」

「焦らさないでくれよ」

幼馴染「焦らす焦らさないじゃなくてさ」

幼馴染「私たちそんなに深い仲じゃないでしょ?」

「え…」

幼馴染「ただの幼馴染だし」

元スレ
幼馴染「そこでストップ。えっちぃことはダメ」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1277034119/

3 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 20:44:27.68 j79lXf71P 2/158

幼馴染「それじゃあね」

「あ…うん」

幼馴染「明日は、私早く行かないと行けないんだけど、どうする?」

「え?」

幼馴染「弁当どうするってこと」

「ああ、俺も早く行くよ」

幼馴染「ん、了解」

4 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 20:47:44.12 j79lXf71P 3/158

「な、幼馴染」

幼馴染「ん?」

「好きな人とか…いるのか?」

幼馴染「うーん、まあね」

「そ、そうなのか…」

幼馴染「じゃあね、また明日」

「おう、また、明日」

6 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 20:50:58.68 j79lXf71P 4/158

「うおおおおお…」

「好きなやついんのかよおおおおお」

「くそおおおおおおお」

「どうすりゃいいんだよおおおおお」

「…明日一緒に行くとか気まずいよおおおお」


7 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 20:54:49.99 j79lXf71P 5/158

「というより、うおおおおお」

「サッカー部のあいつとかだったらいやだあああああ」

「そうだ、あいつの周りのやつにメールしてみるか」

「うーん…女にでもメールするか?」

「でもあいつと最近話してないしなぁ…」

9 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 20:58:05.78 j79lXf71P 6/158

「まあいいか…」

「俺もあいつにずっと頼ってるのはカッコ悪いし…」

「深く考えないことにしよう」

「お兄様」

「げっ」

「お兄様とご一緒しようと思いまして」

「なにを?」

「もちろん、就寝です」

「ふざけんなっ」

「もう、いけずっ」

11 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:00:17.99 j79lXf71P 7/158

「おやすみ」

「お休みなさいませ」

「その話し方、変わらないの?」

「どのようなのがいいのでしょうか?」

「え、選べるの?」

「多少は」

「じゃあ普通で」

「そんなものはない!」

12 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:03:55.00 j79lXf71P 8/158

「おやすみー」

「スルーですか!? スルーなのですか!?」

「うるさいなあ、寝るの」

「かまってください!」

「なんで…」

「一緒に寝るか、かまうってくれるか、ひとつにふたつです!」

「じゃあ一緒に寝ていいから、静かにして…」

「おっしゃああ!」

「怖い妹だよ…」

15 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:07:36.99 j79lXf71P 9/158

ピンポーン

「むむ…」

「おーい男…」

「あ、ねーちゃん」

「…なんで妹と寝てんの?」

「え…ああ、それはだね」

「…明日は私と寝なさいよ」

「うぇ…」

「幼馴染ちゃん来てるから、早くしなさい」

「え!? もう!?」

17 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:10:26.16 j79lXf71P 10/158

「いてっ…」

「どしたの?」

「んん、なんでもないよ。いってきまーす」

「男!」

「はい?」

「行って来ますのチューは?」

「…ねーちゃん。さすがにそれは中学で卒業したいよ」

「いいからしなさい」

「…行って来ます」チュッ

「ずるいです! 私も!」

「ああもうっ! 幼馴染待たせちゃうから行って来ます!」

「ちゅぅ…」

「…行って来ます!」チュッ

19 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:13:09.62 j79lXf71P 11/158

幼馴染「おはよ」

「お、おはよ」

幼馴染「いこっか」

「うん」

幼馴染「ああ、ひとつ言っとくことあったんだ」

「?」

幼馴染「あんたが嫌いなもの、弁当に入れちゃった。ごめんね」

「あ、ああ。気にしなくていいよ」

幼馴染「ありがと」

21 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:15:11.73 j79lXf71P 12/158

「いてて…」

幼馴染「? どうしたの」

「ああ、ちょっと寝違えちゃったみたい」

幼馴染「もうっ、どんな寝方したのよ」

「いや、妹と寝たからかな」

幼馴染「…」

「…?」

幼馴染「ふーん」

23 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:17:49.22 j79lXf71P 13/158

幼馴染「姉妹と仲いいよね~」

「う、うん」

幼馴染「…そっか」

「?」

幼馴染「男のお姉ちゃんも妹ちゃんもすっごく可愛いよね」

「でも、そろそろ俺から離れてほしいよ…」

幼馴染「そんなこと言わないの」

「う…ごめん」

24 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:19:44.35 j79lXf71P 14/158

幼馴染「逆に離れたら、あんた私以外のオンナと話す機会あるの?」

「…ないかも」

幼馴染「でしょ?」

「うん、幼馴染の言うとおり」

幼馴染「…じゃあ、私が男から離れちゃおうかな?」

「えっ…」

幼馴染「…どう?」

「そ、それは…」

幼馴染「ふふん、冗談よっ」

26 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:21:59.85 j79lXf71P 15/158

「……ははは、なんだよ、驚かすなよ」

幼馴染「ごめんごめん」

(すっげえビビッた…)

幼馴染「昨日さ」

「うん」

幼馴染「なんで私に好きな人がいるかどうか聞いたの?」

「え!? あ、それは…だね…」

29 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:25:11.40 j79lXf71P 16/158

「で、できるなら、応援しようと思って…」

幼馴染「…」

「…」

幼馴染「ありがと」

「ど、どういたしまして」

幼馴染「…頑張る」

「う、うん、頑張って」

31 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:27:31.36 j79lXf71P 17/158

幼馴染「男は、いないの?」

「え? 俺?」

幼馴染「うん」

「俺は……」

(…気づいてくれよ)

「い、いるよ」

幼馴染「…そうなんだ」

32 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:29:34.65 j79lXf71P 18/158

幼馴染「どんな人?」

「え…」

(お前だよ)

「…うーん…秘密」

幼馴染「そっか、そりゃそうよね」

「そうそう、そりゃそう」

34 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:32:19.48 j79lXf71P 19/158

幼馴染「…鈍いよね」

「え?」

幼馴染「ん、なんでもない」

「…?」

幼馴染「こんな時間に学校行っても、男やることあるの?」

「ないよ」

幼馴染「…じゃあなんで一緒に来たのよ」

「え…特に理由はないよ」

幼馴染「ちゃんと考えなさいよ、バカ」


37 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:36:48.88 j79lXf71P 20/158

「むっ…俺だって考えてるよ!」

幼馴染「へえ。じゃあなにするのよ?」

「…幼馴染の仕事を手伝う!」

幼馴染「…えー」

「だ、ダメ!?」

幼馴染「いや、うれしいけど…」

「じゃあいいでしょ!?」

幼馴染「うーん…後悔しない?」

「しないしない!」

幼馴染「オッケ、わかったわよ」

39 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:39:16.24 j79lXf71P 21/158

「ここ、掃除するの?」

幼馴染「うん」

「俺…」

幼馴染「ごちゃごちゃ言わないの。よろしくね」

「嘘…だろ」

(更衣室なんて…入ったこともないのに)

40 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:45:03.13 j79lXf71P 22/158

「まあ、とりあえず…掃除にレッツゴー」


ガチャ


「きゃああああああああああ!!!」


「なんて展開!?」

41 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:48:17.41 j79lXf71P 23/158

「あれ、男じゃん」

「あ、女…ご、ごめん」

「あんたにまさか、こんな趣味があったとは…」

「ち、違う! これはその…掃除をしにきたんだ!」

「ああ、幼馴染ちゃんがやってる掃除か」

「う、うん」

「ふーん。あんたもちゃんとやってるんだ」

「そ、そうだよ。ちゃんとやってるよ」

「朝っぱらでも、やってる部活あるんだから気をつけなさいよ」

「了解です…」

42 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:52:25.73 j79lXf71P 24/158

「さて、気を取り直して…」

サッサッサッ

「でも、あんまり埃ないきがするけど…」

「まあちゃんとやっとくか」

サッサッサッ

「よし…こんなんでいいかな?」

45 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:57:02.11 j79lXf71P 25/158

幼馴染「できた?」

「うん、グッドタイミング」

幼馴染「そ、じゃあちょっと手伝って」

「オッケ」


幼馴染「あそこ綺麗にするから」

「高いね…届くの?」

幼馴染「届かないからあんたに手伝ってもらうの」

「え、どうするの?」

幼馴染「肩車して」

「」



46 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 21:59:05.57 j79lXf71P 26/158

幼馴染「ほら、早く」

「そ、そこらへんの机でいいんじゃないの!?」

幼馴染「あぶないじゃん」

「いや、俺もあぶないと思うよ!?」

幼馴染「ふーん…私がそんなに重いって言いたいの?」

「そ、そういう意味じゃ…」

幼馴染「わかったわよ、机でする」

「…」

47 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 22:02:43.60 j79lXf71P 27/158

「!」

幼馴染「! ちょ、なにすんのよ…!」

「肩車する」

幼馴染「い、いきなり股に頭を突っ込むな! バカッ!」

ポカリ

「いてっ」

幼馴染「いいのよ、それにあんた、今日寝違えたんでしょ?」

幼馴染「無理しなくて、いいから」

49 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 22:09:47.71 j79lXf71P 28/158

「そうだった…」

(…はぁ)

(なんだか、幼馴染の背中が遠くに見える…)

幼馴染「机しっかり持ってて」

「了解」

幼馴染「よいしょ…」

「…」

幼馴染「やっぱりダメ。イス持ってきて」

「ん」

51 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 22:12:32.96 j79lXf71P 29/158

「ほい」

幼馴染「ありがと」

「…ん?」

幼馴染「うん、なんとか届きそう」

(けっこうスカートギリギリじゃないか…!?)

幼馴染「うーん…爪先立ちこわぁ…」

(もうすこし…もうすこし!)

53 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 22:16:46.68 j79lXf71P 30/158

幼馴染「ふう、完了」

(見えたぁ!!!)

幼馴染「…あんた、なにしてんの?」

「…?」

幼馴染「…私のパンツを堪能したみたいね…」

「これは、事故です」

幼馴染「そんな反射で答えたようないいわけ、よくできるわね…」

「ごめんなさい…」

60 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 22:34:27.73 j79lXf71P 31/158

幼馴染「えっちぃこと、嫌いだって言ったよね?」

「反省してます…」

幼馴染「じゃあ私の質問に答えなさい」

「はい…」

幼馴染「私のパンツの色は?」

「とっても白かったです…」

幼馴染「今どんな気持ち?」

「後悔と反省と達成感に満ちてます…」

幼馴染「はぁ…」

62 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 22:38:25.76 j79lXf71P 32/158

幼馴染「まあ、今回は許してあげる」

「ほんと!?」

幼馴染「でも、本当にえっちぃのは嫌いなの。やめてよね」

「うん」

幼馴染「とりあえず、掃除終わったから、イスと机もどそ」

「うんっ」

63 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 22:42:18.90 j79lXf71P 33/158

幼馴染「あ、もうこんな時間」

「ほんとだ」

幼馴染「教室に戻ろう」

「うん」

幼馴染「あと、男」

「なに?」

幼馴染「私のパンツの色とか…言わないでよね」

「い、言わないよ」

65 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 22:47:10.85 j79lXf71P 34/158

(…なんというか)

(目を閉じると…)

(パンツが浮かび上がってくるんだよなぁ…)

幼馴染「なに考えてんのよ?」

「えっ!? いや、別に…」

幼馴染「ふんっ、バカ」

68 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 22:51:35.07 j79lXf71P 35/158

そして…

「くそう…授業に集中できないぞぉ…」

キーンコーンカーンコーン

「ふぅ…やっと飯か」

男子「おい、男。食おうぜ」

「え、あ…」

幼馴染「ごめん、男子くん。男は私と食べるから」

男子「殺してやる!」

「いきなり変貌した!」

幼馴染「ほら、いこっ」

「う、うん」

72 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 22:54:39.85 j79lXf71P 36/158

幼馴染「男、はい」

「ありがとう」

幼馴染「朝言ったとおり、あんたの嫌いなもの、入ってるから」

「うん…」パカ

幼馴染「…」

「あ、ほんとだ」

幼馴染「ごめんね、ついうっかりしてた」

「全然、問題ないよ」

(俺の嫌いなものを知ってるってことがとてもうれしい…)

74 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 22:59:51.40 j79lXf71P 37/158

「いただきます」

幼馴染「嫌だったら無理しなくていいからね」

「うん」パクッ

幼馴染「…」

「あれ? おいしい…」

幼馴染「ほんと!?」

「うん、すっごくおいしい! あれ? 嫌いなはずなのに…」

76 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 23:06:38.67 j79lXf71P 38/158

幼馴染「…」グスン

「うえぇ!? なんで泣いてんの?」

幼馴染「男が嫌いなもの、食べてくれたから…」

「…」ドキドキ

(告白…してもいいかな?)

「あ、あの…!」

幼馴染「?」

「お、俺…」

ガチャ

「あ~幼馴染こんなところにいたんだ」

「!」

79 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 23:10:40.11 j79lXf71P 39/158

「あ、男といたのか。邪魔しちゃった?」

幼馴染「んん、全然」

「うん、全然」

(落ち着けよ…今のタイミングはねぇよ!)

(なんで告白しようとしたんだよ! 死に急ぎすぎだろ!)

「? 男、変な顔してんぞー」

幼馴染「?」

「あ、まさか、私の下着姿でも思い出した~?」

「え!?」

幼馴染「…ふーん」

81 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 23:14:59.73 j79lXf71P 40/158

「してない、してない!」

(むしろその後の幼馴染のパンツのほうが…)

幼馴染「えっちぃ…」

「考えてないから、本当に!」

「顔真っ赤だけど?」

「黙れ!」

「そ、そんなに怒らないでよー」

幼馴染「…」

(うわあああああ、幼馴染の鋭い視線がコワイィイ)

83 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 23:22:38.38 j79lXf71P 41/158

幼馴染「…」

(そ、そんなジト目で俺を見ないでくれ…!)

「ま、いいや。一緒に食べてもいい?」

幼馴染「うん、いいよ」

「じゃ、じゃあ俺は…」

幼馴染「え?」

「お二人でごゆっくり…」

幼馴染「ダメ」

「なんで…?」

85 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 23:30:00.12 j79lXf71P 42/158

幼馴染「弁当あとで渡してもらうのめんどくさいから」

「わかったよ…はぁ」

「やっぱりお邪魔だったかな?」

幼馴染「全然」

「うん、全然」

「…きまずっ」

86 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 23:31:05.89 j79lXf71P 43/158

帰宅

「はぁ…それにしても、幼馴染の弁当おいしかったなぁ」

「それに、あの涙…」

「か、かわいかったなぁ…」

「こんな日はスキップして帰りたくなる…」

「まあ、しないけど」

88 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 23:34:34.63 j79lXf71P 44/158

「ただいまぁ」

「おかえりなさいませ」

「うん、おかえり」

「おや、とても素敵な笑顔ですね」

「うん、今日はちょっとね」

「なにかあったのですか?」

「まあね」

90 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 23:37:12.04 j79lXf71P 45/158

「教えてくださいな」

「えー」

「お兄様の喜びは、私の喜びです」

「えーっと…実はね、俺、嫌いな食べ物が食べれたんだ!」

「ほう、それはとってもよかったですね」

「それもこれも、幼馴染の弁当が美味しいからだよ」

「え…幼馴染さんの…お弁当?」

「あれ、言ってなかったっけ? 俺の昼は幼馴染が作ってくれてるんだよ」

「」バタン

「ちょ、妹!?」

93 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 23:42:59.93 j79lXf71P 46/158

「なんだよ、気絶しやがって…」

「ただいま…あ、おかえり、男」

「あ、ねーちゃん、おかえり」

「ん、なに、その変なの?」

「へ、変なのって…妹だよ」

「ああ、別に気にしなくてもいいわよ。あとで起きるから」

「だ、大丈夫かな…?」

「大丈夫だから、お風呂一緒にはいろ?」

「あれ、なんでそんな展開になるの?」

96 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 23:49:35.05 j79lXf71P 47/158

「汗かいてるでしょ? だから」

「いやでも、その展開には…」

「私も入ります!」

「あれ、いつの間に…?」

「いいわよね?」

「いいですよね?」

「い、いや…いいとかダメとかじゃなくて…」

「流石に…恥ずかしいよ」

(男…可愛い)

(お兄様…胸がキュンキュンします…)

97 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/20 23:52:27.75 j79lXf71P 48/158

「そうだ!」

姉・妹「?」

「ねーちゃんと妹が一緒に入ればいいんだよ」

「え…」

「な…」

「わ、私は男と入りたいなー」

「私も、お兄様とがいいです…」

「え、ええ…」

99 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 00:02:34.16 Q4DknFkbP 49/158

「もういいよ…」

「もう気にせずにお風呂に入るよ…」

「つまり、入っていいってこと?」

「うん、その代わり、俺の邪魔はしないでね」

「手伝うのはいいですか?」

「うん、もうなんでもいいよ」

101 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 00:08:50.26 Q4DknFkbP 50/158

プルルルプルルル

「…ん?」

(! 幼馴染からメール…!)

「男とお風呂…ふふ」

「お姉様は明日でいいではないですか?」

「あんたは昨日一緒に寝てたでしょ」

「…ふふふふふ…」

「あれ、もしかして、男もうれしがってる…?」

「ふふ、素直じゃないですね、お兄様♪」

146 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 19:05:18.40 Q4DknFkbP 51/158

「さーってお風呂はいろっと」

「私もー」

「もちろん私もー」


「~♪」

ガララ

「お兄様」

「おー妹~」

「鼻歌交じりで迎えてくださるとは…とても嬉しいですっ」

(なんのことだろ?)

148 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 19:13:23.30 Q4DknFkbP 52/158

「入る?」

「よ、よろしいのですか!?」

「うん、妹なら小さいし」

「で、では…」ドキドキ

「ん」

ガラッ

「ちょっと待ったぁ!」

「ねーちゃん」

「私も入る!」

「もう入れませんよーだ」

149 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 19:16:06.12 Q4DknFkbP 53/158

「うう…私も男と入りたいぃ」

「わかったよ、あとでね」

「やった」

(はぁ…)

「お兄様」

「ん?」

「お背中をお流ししましょうか?」

「あ、ありがとう」

「お、男」

「なに?」

「前洗ってあげる」

「結構です」

150 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 19:19:13.42 Q4DknFkbP 54/158

「ふぅ…」

「どうですか?」ゴシゴシ

「うーん、いい感じ」

「お兄様のお背中が大きくて…難しいです」

「ははっ、妹は小さいからね」

「…」ムカムカ

「そういえばさ」

「俺、明日幼馴染とデートなんだぁー」

「」

「」

157 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 19:58:25.17 Q4DknFkbP 55/158

「あれ?」

「」

「」

「二人とも?」

「幼馴染さんと…」

「デート?」

「うん」

158 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 20:03:28.18 Q4DknFkbP 56/158

「ダメ」

「え?」

「ダメです」

「なんで…?」

「私とでかけなさい」

「私とおでかけしてください」

「な、なんでだよぉ…」

159 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 20:07:42.77 Q4DknFkbP 57/158

「そろそろ妹もねーちゃんも俺離れ…」

(こ、こんなこと言っちゃダメ…だった)

「な、なんでもない」

「私はお兄様のことを愛しています」

「私は妹よりも好きだよ」

バチバチ

「取り合われるほど俺はかっこよくないよ…」

161 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 20:16:39.70 Q4DknFkbP 58/158

「それに、もっと外に目を向けようよ」

「結果がお兄様なんです」

「そうよそうよ」

「えぇ…嘘だぁ…」

「わかったわ」

「もし、あんたが幼馴染ちゃんと付き合いたいというなら、私はあきらめる」

「ねーちゃん…」

「でも、もしあんたが振られたら、私と付き合いなさい」

「なっ!!」

162 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 20:18:12.22 Q4DknFkbP 59/158

「ずるいです! せこいです! 汚いです!」

「なんでそういう流れになるんだろう…」

「それで、いいわよね?」

「いや、よくないよ」

「じゃあ、もし幼馴染さんに振られたら、私の初めてをあげま…」

「なにバカなこと言ってんのよ」

「…初めて?」

「はい」

「何それ?」

164 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 20:21:55.05 Q4DknFkbP 60/158

「え…」

「なんてピュアピュア…」

「え、ちょっと教えてよ」

「わかったわ、今から教えてあげる」

「私が教えます!」

「え? 本当になんなの?」

「じゃあ男、聞いとくけどさ。あんたの一番エッチなことって何だと思う?」

「き、…キスかな?」

「くぁいい…」

「キュンキュン…」

「…?」

166 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 20:29:18.93 Q4DknFkbP 61/158

(いきなりキスしようとしたから、幼馴染に嫌がられたんだよなぁ…)

「幼馴染さんとするかもしれないですから、今のうちに練習を…」

「私と私と…」

「しないよ」

「ぶーぶー」

「くすくす、豚みたいですね」

「! うっさい」

「はぁ…」

167 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 20:34:04.76 Q4DknFkbP 62/158

「あの…」

「風呂で暴れないで…」

「おっと、失礼」

「ごめんごめん」

「俺はそろそろあがるね」

「えーもうちょっとゆったりつかろうよ~」

「のぼせちゃうよ」

「私の胸、触らない?」

「触らないよ…」

「なるほど…私にいやがらせをしたいようですね…」

168 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 20:38:22.99 Q4DknFkbP 63/158

「あーれ? なにその真っ平ら平原?」

「うるさい牛!」

「なにおう!」

「なんですか!?」

「はぁ…ごゆっくり~」

ワーワー

「元気いいなぁ…」

169 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 20:42:42.15 Q4DknFkbP 64/158

「明日は幼馴染と…」

「絶対に、告白までこぎつけて…」

「そ、そして…き、き…」

「キス!」

「うわーはずかしー!」

「がんばれーがんばれー」

172 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 20:47:15.07 Q4DknFkbP 65/158

次の日…。

「お、と、こぉ~」

「むぎゅ…おはよ、ねーちゃん」

「おはよう、ねえねえ男ぉ」

「む、胸をどかしてよ…ねーちゃん」

「そうです! その無駄な脂肪をどけなさい!」

「必要な分も無いくせに偉そうね!」

「あー妹もパンツ見せびらかすのやめて! 今日は大事な日なの!」

175 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 21:10:52.95 Q4DknFkbP 66/158

「よし、これでよし!」

「髪もはねてないないし、もう最高だね!」

「それじゃあ、行ってくるよ」

「…」

「…」

「ジトッとした目で見ないでよ。応援してよ」

「いってらっしゃい」

「いってらっしゃいませ」

「う、うん」

178 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 21:37:54.26 Q4DknFkbP 67/158

「ふぅ…」ドキドキ

幼馴染「男ー」

「あ、幼馴染!」

幼馴染「ごめん、待たせちゃった?」

「ううん、全然」

(幼馴染の私服、ちょっと大人っぽくって…)

幼馴染「どうかな?」

「うん、か、か、かわ…かわうそ!」

幼馴染「え?」

(噛んでしまった…)

「なんでもないよ!」

179 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 21:40:40.01 Q4DknFkbP 68/158

幼馴染「あっそ」シュン

「じゃ、じゃあどこ行く!?」

幼馴染「そうねぇ…」

「…」

幼馴染「男が選んでいいよ」

「俺が?」

幼馴染「うん」

(うおおおお、どうしよう…!)

180 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 21:47:43.53 Q4DknFkbP 69/158

「そういえば、このまえ新しくできたデパートにでも行こうよ」

幼馴染「うん、いいよ」

「じゃあいこー」

幼馴染「…」

「…どこだっけ?」

幼馴染「はぁ…ほんとアンタは…」

「ごめんなさい…」

182 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 22:08:50.97 Q4DknFkbP 70/158

幼馴染「それくらいチェックしときなさいよね」

「うん…」

幼馴染「残念だけど、私も知らないの」

「えっ…」

幼馴染「だ、だから、水族館、いこ?」

「え?」

幼馴染「わ、私! 偶然にもチケットを二枚持ってて…さ」

「水族館…いいね、それ」

幼馴染「そうでしょ?」

「行こう行こう!」

幼馴染「うん」

190 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 22:33:11.52 Q4DknFkbP 71/158

「でも、よくチケットなんて持ってたね」

幼馴染「え!? そ、そうね…ラッキーね」

「うん」

幼馴染「結構並んでるわね…」

「オッケ。俺が並んでくるから、待ってて」

幼馴染「ううん、私も並ぶわ」

「え」

幼馴染「一人でいるの、つまんないもん」

193 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 23:05:13.45 Q4DknFkbP 72/158

「そ、そう」

幼馴染「じゃあ、並ぶよ」

「うん」


幼馴染「それにしても」

「?」

幼馴染「カップル多いよね」

195 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 23:23:30.06 Q4DknFkbP 73/158

「俺がはじめて行った時は、家族とだったなぁ」

幼馴染「その時もお姉さんと妹ちゃんにべっとりされてたの?」

「ま、まあ」

幼馴染「仲いいわね、ほんと」

「う、うん」

幼馴染「…さびしくなるくらいね」

「え?」

幼馴染「んーん」

199 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 23:42:55.04 Q4DknFkbP 74/158

(うわぁ…俺、変な汗かいてる)

(な、何意識してるんだよ!?)

「幼馴染」

幼馴染「ん?」

「俺とで、よかったの?」

幼馴染「え?」

「俺と水族館に行って、よかったの?」

幼馴染「…なんで?」

200 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/21 23:51:35.39 Q4DknFkbP 75/158

「ほら、好きな人のために残しといた方がよかったんじゃないの?」

幼馴染「あんたこそ、好きな子がいるのに私と水族館に行ってもいいわけ?」

「お、俺は…」

(好きな人と…来れてるから)

幼馴染「そんなこと言うなら、昨日のメールで断ればいいじゃない」

「そ、そんな言い方無いだろ!」

幼馴染「あんたが言わせたんでしょ!」

「…」

幼馴染「…」

202 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:03:20.02 prVtNyrAP 76/158

「ご、ごめん…」

幼馴染「別に、気にしてない」

「…」

幼馴染「明後日、何の日か知ってる?」

「え?」

幼馴染「…」

「…」

幼馴染「あ、そろそろだよ」

「あ、ほんとだ」

203 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:07:47.78 prVtNyrAP 77/158

幼馴染「まあ、今日は来たんだからとことん楽しもうよ」

「うん」

幼馴染「ここの水族館は、いっぱいイベントもあるし」

「そうらしいね」

幼馴染「イルカのショーもあるみたいだよ」

「面白そう!」

206 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:13:39.80 prVtNyrAP 78/158

幼馴染「うわぁ…みて、男」

「ん?」

幼馴染「クラゲさん」

「おっきいね」

幼馴染「プカプカしてるー。可愛い」

「のんびりしてるね」

幼馴染「こんなクラゲさんが、人の体を痺れさせると思うと…」

「危害を加えないクラゲもいるんじゃなかったっけ?」

幼馴染「そうなんだ」

207 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:19:48.90 prVtNyrAP 79/158

幼馴染「あんたは少しくらい危害を加えるくらいがちょうどいいかもね」

「え、どういうこと?」

幼馴染「別に」

「??」

幼馴染「! あー!!」

「ど、どしたの!?」

幼馴染「マンボウ! マンボウ!」

「え、マンボウ!?」

208 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:24:13.14 prVtNyrAP 80/158

幼馴染「可愛い!」

「ほんとだねぇ、可愛いねぇ」

幼馴染「初めて見た、嬉しいっ」

「俺も俺も」

幼馴染「本当に縦長なんだね」

「それに面白い顔してるよ」

幼馴染「ほんとだー」

210 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:29:32.36 prVtNyrAP 81/158

幼馴染「これは小さいから可愛いけど…」

「大きいとね…」

幼馴染「いろいろと見えて怖いよね…」

「うん…」


幼馴染「そろそろイルカショーだよ!」

「うんっ」

212 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:34:26.50 prVtNyrAP 82/158

パシャーン

「凄い水しぶき!」

幼馴染「…」

「? どうしたの」

幼馴染「あの、さ」

「うん」

幼馴染「さっきの、話なんだけど」

「?」

幼馴染「明後日…何の日かって話」

「うーん」

幼馴染「…わかんない?」

「ごめん、全然わからないや」

幼馴染「そっか」

「?」

216 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:38:53.86 prVtNyrAP 83/158

幼馴染「帰るね」

「えっ」

幼馴染「…」

「な、なんで、まだイルカショーの途中」

幼馴染「いいの」

「っ…」

幼馴染「…じゃあね」

「ま、待ってよ」

幼馴染「離して」

「でもっ」

幼馴染「離して!」

219 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:45:56.33 prVtNyrAP 84/158

「っ…」

幼馴染「…もう、無理」




「…幼馴染…」

224 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:49:51.92 prVtNyrAP 85/158

「…」

パッシャーン

「つめてっ…」

「明後日…」

「…明後日?」

「!!!」

(しまった…)



「幼馴染の、誕生日だ」

230 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:54:15.53 prVtNyrAP 86/158

「最低だ…」

(幼馴染の、誕生日を忘れるなんて…)

「走って謝っても、もうダメかな…」

「はぁ…」

(バカだなぁ…俺)

「あいつは俺のこと気にしてくれてんのに…俺はいっつも自分のことばっか…」

「はぁ…」

232 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 00:57:13.87 prVtNyrAP 87/158

「ただいまー」

「おかえりなさいませ!」

「どきなさいっ! おかえり、男」

「…」

妹・姉「?」

「…はぁ」

239 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:01:41.22 prVtNyrAP 88/158

「どしたのよ?」

「ああ、うん、なんでもないです」

「嘘つくな。なんかあったの?」

「…」

「図星!? 図星!?」

「く、空気を呼んでください…」

「つまり、私と付き合うことに決定ってこと!?」

「そして私の初めてを獲得!?」

241 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:04:46.86 prVtNyrAP 89/158

「うるさい!!!!!」

「…」ビクッ

「…」ビクン

「…妹、その効果音は変」

「ご、ごめんなさい…」

「…寝るね」

「お、おやすみ…」

「おやすみなさいませ…」

243 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:11:48.46 prVtNyrAP 90/158

「…」

(怒って当然だよなぁ…)

(俺も幼馴染も、いつも誕生日には、何かしら、したりあげたりしてたのに…)

(俺、忘れちゃってんだもん)

(うわーちょっと前の俺に戻りたい!)

(なんとか、しないとな…)

248 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:17:37.46 prVtNyrAP 91/158

「そうだ!」

「あ、でも…」

「…これは、大きな賭けだな…」

(失敗したら、俺はもう幼馴染と面と向かって話とかできそうにないよ…)

「それでも…やってみる価値はある!」

251 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:23:56.76 prVtNyrAP 92/158

決戦の日。


「…ねーちゃん、どうかな?」

「うわお…にあわなーい」

「ありがとう」

「あれ? なんで感謝されたの?」

「なんか、うん。似合わないって言われたほうが気が楽」

「あっそ」

「ちょっと、行って来ます」

252 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:31:31.51 prVtNyrAP 93/158

「…いってらっしゃい」

ガチャ バタン

「ずるいです! またキスを…」

「はいはい」

「なんですか? その反応…」

「男が本気で頑張ってるんだから、水を差すわけにはいけないわよ」

「…?」

(頑張りなさい、男)

256 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:38:15.58 prVtNyrAP 94/158

幼馴染の家前

「…」

(うおおおおお、めっちゃはずかしいいいいいいい!!!)

(考えてもみろ…これで、中にはサッカー部のあいつとイチャついてる幼馴染がいたら…)

(そのときは舌を噛み切って死のう。うん)

「…さて」

ピンポーン

「…」

258 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:44:32.41 prVtNyrAP 95/158

幼馴染「はい」

「あ、幼馴染?」

幼馴染「…なに?」

「ちょっと、家出れる?」

幼馴染「まあ」

「じゃあ、ちょっと、お願い」

幼馴染「…うん」

259 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:46:12.30 prVtNyrAP 96/158

「すぅ~ふぅ~…」

(こんな格好までして、俺はバカかもしれないな)

ガチャ

幼馴染「どうし…って、なにその格好?」

「よう、幼馴染」

幼馴染「ぷぷっ…似合ってない…」

「悪かったな」

幼馴染「で、どうしたの?」

「えっと、まず一言」

「誕生日おめでとう」

261 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:49:03.40 prVtNyrAP 97/158

幼馴染「うん、ありがと」

「あと、さ」

幼馴染「?」

「これ…」

幼馴染「なに、その箱…」

「開けてみて!」

幼馴染「? うん」

パカッ

幼馴染「え…これって…」

「…」

幼馴染「…指輪?」

「…飴でできたやつだよ」

264 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:53:23.39 prVtNyrAP 98/158

幼馴染「なによ、これ…」

「え、えっと…ほ、ほら」

幼馴染「? なによ」

「昔、幼稚園のころ…だけど」

幼馴染「…」

「『大きくなったら結婚する』って、俺、言ってたじゃん?」

幼馴染「…また古い話持ってきたわね…」

「い、いいの! だから、その形だけでもと思ってさ」

幼馴染「なんで私にこんなもの…?」

「え?」

幼馴染「男には好きな人、いるんでしょ?」

「…うん、いるよ」

265 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 01:55:50.77 prVtNyrAP 99/158

「…お前、だけどね」

幼馴染「!」

「ちょっと、照れくさいけど…はは」

幼馴染「…ふ、ふーん」

「だから、この際言うよ。俺は、幼馴染のことが…」

「しゅきです!」

幼馴染「…」

「…」

幼馴染「ぷふ…なんでそこで噛むのよ…」

269 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 02:04:19.83 prVtNyrAP 100/158

「恥ずかしいからいっそバサッと斬ってください!」

幼馴染「はぁ…」

「…」

幼馴染「なんでバサッと斬らないといけないの?」

「…え?」

幼馴染「私は逆に…」

ギュッ

「!!!」

幼馴染「ギュッとしたくなったよ」

275 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 02:07:50.40 prVtNyrAP 101/158

「は、はへ…へ? え、な、こおお!?」

幼馴染「何言ってんのよ」

「こ、こんなことされるのははは、初めてだから…!?」

幼馴染「わ、私だってしたことないわよ」

「そ、そうなんだ…」

幼馴染「男…」

「にゃ、にゃんでしょう…」

幼馴染「目閉じて」

「は、はい…」

277 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 02:10:32.69 prVtNyrAP 102/158

幼馴染「あんたになら、えっちぃこと、する」

「え?」

チュッ

幼馴染「…感謝しなさい」

「」

幼馴染「? 男?」

「」

幼馴染「な、なんで気絶するのよ…バカ」

幼馴染「…でも、そんな男が好きなんだけどね」



E N D ?

325 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 19:54:09.67 prVtNyrAP 103/158

「ふわぁ…」

「おはよう、男」

「おはよー」

「…」

「妹もおはよう」

「…」

「…?」

331 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 20:01:19.39 prVtNyrAP 104/158

「あの、妹?」

「あーだめだめ」

「?」

「ちょっとすねてんのよ」

「なんで?」

「あんたが幼馴染ちゃんと付き合ってるから」

「えっ…」

「まだあいつも子供だからねぇ」

「だれが子供ですか! 牛の分際で!」

334 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 20:04:07.14 prVtNyrAP 105/158

「あんたは牛の妹のくせに、牛に見えないわねぇ」

「じゃあ俺は牛の弟…」

「殴るわよ?」

「も、もう殴ってるよ…」

「な、なぜ…あなたは…」

「ん?」

「くやしくないんですか!?」

「?」

335 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 20:07:56.23 prVtNyrAP 106/158

「あんたねぇ…あきらめなさいよ」

「無理です!」

「あのーなんの話を…?」

「お兄様!」

「ん?」

「昨日は、どこまでいったんですか!?」

「ど、どこまで?」

「はい、A? B? C?」

「いや、幼馴染の家までだけど…」

「」

「ほんとピュアねぇ…」

340 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 20:15:20.29 prVtNyrAP 107/158

「なるほど…なるほど…」

「さっきから何が言いたいの、妹?」

「つまり家であんなことやそんなことを…!」

「え…な、なんで知ってるの!?」

「」

(キスでもしたのかしら)

343 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 20:17:40.72 prVtNyrAP 108/158

「も、もしかして妹見てたの!?」

「い、いえ…それより具合が悪くなってきました…」

「ちょ、ちょっと!」

「すいません…すこしおやすみします…」

「さっき起きたばっかりじゃん!」

「いいのよ、男」

「え?」

「気にしない気にしない。あんたも今日はデートでしょ?」

「あ、うん。この前の埋め合わせ」

「じゃあ早くご飯食べて準備しなさい」

「うんっ、ああ、ねーちゃん」

「ん?」

「ありがとっ」

「…」キュン

347 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 20:22:33.19 prVtNyrAP 109/158

(男…本当にあんたは…)

「モグモグ…うんっ、おいしい!」

「ふふっ、口の周りについてるわよ」

「え、どこどこ」

「こーこ」スッ

「う、うわっ、な、なにすんの!?」

「取ってあげたの」

「そ、それなら手でとってよ…」

353 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 20:31:31.58 prVtNyrAP 110/158

「可愛い弟を可愛がっちゃダメ?」

「そ、そういうことじゃなくて…」

「顔、真っ赤♪」

「もう、やめてよー!」

「ふふふ…」

「…ごちそうさまでした! 行って来ます!」

355 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 20:36:12.14 prVtNyrAP 111/158

「男~」

「な、なに!?」

「今日は雨降るから、傘」

「え…こんなに晴れてるのに?」

「うん」

「そ、そっか。ありがと」

「うん、いってらっしゃーい」

「いってきます!」

359 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 20:43:14.98 prVtNyrAP 112/158

幼馴染「む」

「お、おはよ」

幼馴染「ちょっと、遅いかな」

「ごめん」

幼馴染「ふふっ、いいよ。全然」

「あ、ありがとう」

362 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 20:53:28.97 prVtNyrAP 113/158

「今日は、どこいこっか?」

幼馴染「今日は公園に行くって言ってたじゃん」

「そ、そうだっけ?」

幼馴染「はぁ…」

「と、とりあえず行こうか」

幼馴染「うん」

365 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 20:56:32.35 prVtNyrAP 114/158

幼馴染「…」

「どうしたの?」

幼馴染「ん? なんでもないよ、大丈夫」

「ほんと?」

幼馴染「平気よ。私が信用できない?」

「そ、そうだよね。ごめんごめん」

366 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 21:01:55.50 prVtNyrAP 115/158

幼馴染「…」

「ポカポカしてるねぇ」

幼馴染「…そうね」

「…」

(やっぱり、なにかおかしいよ…)

371 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 21:11:42.51 prVtNyrAP 116/158

「そうだ。弁当食べたいな」

幼馴染「え? お弁当?」

「うん」

幼馴染「ご、ごめん、持ってくるの忘れちゃった…」

「え…」

幼馴染「ほんとにごめんねっ…」

372 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 21:15:23.64 prVtNyrAP 117/158

(可愛い…)

「全然いいよ! 気にしてないから!」

幼馴染「う、うん…」

(それにしても、どうしたんだろ?)

幼馴染「…」

「どこかいく?」

幼馴染「え…ごめん、ちょっと座ってたいな」

「そ、そう?」

幼馴染「うん…」

375 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 21:19:08.04 prVtNyrAP 118/158

「…」

幼馴染「…」

「ねえ、幼馴染」

幼馴染「なに?」

「いきなり肩にもたれて、どうしたの?」

幼馴染「…ダメ?」

「! ううん、全然!!!」

377 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 21:22:22.08 prVtNyrAP 119/158

「…」ドキドキ

幼馴染「…ハァハァ」

「お、幼馴染?」

幼馴染「な、なに?」

「本当に大丈夫?」

幼馴染「だ、大丈夫だよ…」

381 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 21:30:50.32 prVtNyrAP 120/158

「体、熱いよ?」

幼馴染「なに勝手に触ってんのよ…」

「ああ、ごめん」

幼馴染「そりゃあ、好きな人の近くにいるから…」

(ふおおおおおお!!)

(すげえうれしいよおおおおおおお)

幼馴染「…ハァハァ」

383 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 21:39:32.62 prVtNyrAP 121/158

幼馴染「あ、あの…さ」

「ん?」

幼馴染「なにか、飲み物とか買ってきてくれない?」

「え、うん」

幼馴染「ごめんね」

「気にしないで、大丈夫っ」

384 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 21:43:42.49 prVtNyrAP 122/158

「ちょっと疲れてるのかな?」

「あったかいのとつめたいのかっとこ」


「幼馴染~」

幼馴染「…」

「買ってきたよ」

幼馴染「ありがと」

「…ん?」

ポツリ

「あ、雨?」

385 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 21:47:44.19 prVtNyrAP 123/158

幼馴染「私、傘持ってきてないよ…」

「大丈夫! 俺、持ってきたから!」

幼馴染「…男にしては準備いいわね」

「そ、そうかな? ははは!」

幼馴染「…とりあえず、どこか雨宿りしよっか」

「うん」

幼馴染「うわっと…」

「おっと、大丈夫?」

幼馴染「うん」

392 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 21:53:31.40 prVtNyrAP 124/158

(それにしても…)

(あ い あ い が さ !)

「~♪」

幼馴染「…」

「~♪」

幼馴染「…」ガクッ

「?」

幼馴染「…」ドサッ

「幼馴染!?」

396 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 21:58:19.44 prVtNyrAP 125/158

「よいしょっと…」

「こういうときって、病院に電話したほうがいいのかな?」

「うーん…とりあえず、家まで…」

「って、幼馴染の家相当遠いぞ…」

「とりあえず、俺の家に…」

400 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 22:05:54.20 prVtNyrAP 126/158

ガチャ

「ただいま」

「おかえり、やっぱり降ったわね」

「う、うん。それより…」

「あら、幼馴染ちゃんじゃない。って…なんであんたがおぶってるの?」

「それが…いきなり倒れちゃって…」

「…」

「なんで救急車呼ばないの!?」

「えっご、ごめんなさい」

「本当にあんたは世間知らずね…はぁ…」

403 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 22:12:50.89 prVtNyrAP 127/158

「とりあえず、寝かせるしかないわね」


「妹、邪魔」

「ふぎゃっ」

「ごめん、妹」

「全然かまいま…その女は?」

「幼馴染だよ」

「ほう…これが泥棒猫…」

「泥棒猫って…」

416 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 23:48:25.77 prVtNyrAP 128/158

「幼馴染は何も盗んでないよ?」

「いいえ、盗みました」

「え、じゃあ、何を?」

「私の生きる糧、恋する権利をです」

「お、重いね…」

418 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/22 23:59:16.44 prVtNyrAP 129/158

「それ以上に私は、お兄様を取られたことに腹を立てているのです!」

「俺?」

「はい」

「ははは、そうだったのか」

「…!」

「ごめんね、妹。でも、大丈夫だよ」

「俺は幼馴染と付き合ってるけど、ちゃんと妹とも遊んであげるから」

「わ、私とは遊びだったんですかーーーーー!?」

422 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/23 00:06:28.71 7ACO28U/P 130/158

「え、どういうこと?」

「私は遊びではないです! いつも真剣なのです!」

「あ、ねーちゃん、幼馴染は?」

「相当汗かいてるみたい。大丈夫かしら…」

「そっかー」

「…スルーですか…?」

423 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/23 00:13:34.01 7ACO28U/P 131/158

「理由はわかったんだけどね…」

「え? 何なの?」

「それは…」

「…しょうがない」

「?」

「男、あんたはちょっとピュアピュアすぎる」

「そ、そうかな?」

「というわけで」

「うん」

「今から女の子についてお話したいと思います」

424 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/23 00:22:04.85 7ACO28U/P 132/158

「! ダメです!」

「ええい、邪魔をするなー!」

「お、女の子について…!?」

「聞きたい?」

「は、恥ずかしいよ…うう…」

426 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/23 00:25:51.33 7ACO28U/P 133/158

「こんな恥ずかしがっているお兄様が見れなくなるのは嫌です!」

「私だって苦渋の選択よ!」

「だったら別に教えなくてもいいでしょう!」

「ね、ねーちゃん! なんで幼馴染が上半身裸になってるの!?」

「汗拭いてる途中だったの! 入るな!」

「ご、ごめんなさい!」

427 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/23 00:32:34.68 7ACO28U/P 134/158

「はわわわ…」ドキドキ

「なぜ…なぜです!?」

「な、なにが!?」

「なぜ、あの女の体を見てドキドキするのですか!?」

「な、なんでバレたの!?」

「私の体を見ても、なにもならないのに…」

「うわわ、いきなり脱がないでよ!」

429 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/23 00:47:21.07 7ACO28U/P 135/158

「…」

「…?」

「すこしはドキドキしてくださーい!」

「ええっ、無茶だよ…」

「…」

430 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/23 00:54:00.76 7ACO28U/P 136/158

「それに、大好きな妹だから」

「そんな気持ちにならないよ」

「…お兄様」ウルウル

「あ、悪いこと、言っちゃった?」

「やはりあなたは素敵です…一生ついていきます!」

「え? え? さっき、泣いてたよね…?」

536 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/24 20:27:50.43 xS4jldTUP 137/158

「それでは…」

「?」

「初めてを、あげます」

「初めて?」

「はい」

「うーん」

「どうしました?」

「初めては、俺じゃないほうがいいんじゃないの? よくわからないけど」

537 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/24 20:37:35.43 xS4jldTUP 138/158

「!! な、なぜ…」

「妹の初めてって、なんか…兄の俺がもらうようなものかな~と思って」

(結局、初めての意味はわからないけど)

「残念だけど、逆に男の初めては、幼馴染にあげるもんよ」

「えっ、そうなの」

「…」グスン

「うわわ、泣かないでよ」

538 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/24 20:44:34.17 xS4jldTUP 139/158

「そうですわね…」

「?」

「もう、お兄様は、幼馴染さんとキスをする仲…」

「は、恥ずかしいよぅ」

「私には、ほっぺたキス止まり…」

「そ、そりゃあ家族だしね」

「ならば、お兄様のセカンドキスは私のーーー!!」

「させるか!」

チュウゥ

「あ」

「!」

「!!」

「あはは、二人とも仲いいんだね」

543 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/24 21:21:59.27 xS4jldTUP 140/158

「わ、わたしのファーストキス…!」

「わ、わたしのファーストキス…!」

「ああ、そういうことだったのか!」

「つまり、妹の言っていた初めてって、ファーストキスのことだね!」

「…」

「…」

「あれ? 違った…?」

544 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/24 21:31:03.05 xS4jldTUP 141/158

「はぁ…やはり、お兄様はお兄様ですね」

「ち、違ったのか…」

「でも、そんなところが可愛い」

「か、可愛いって言うなよー」

幼馴染「う…ん?」

「あ、起きたみたいね」

幼馴染「こ、ここは…?」

547 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/24 22:19:36.84 xS4jldTUP 142/158

「だ、大丈夫!?」

幼馴染「あ。男…」

「急に倒れて、心配したんだよ!」

幼馴染「ここは…男の家…?」

「うん」

幼馴染「!! そういえばっ」

「ああ、大丈夫よ幼馴染ちゃん、私がしといたから」

幼馴染「! 姉さん、お久しぶりです…」

551 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/24 23:12:54.16 xS4jldTUP 143/158

「まったく、男は本当に幼馴染ちゃんのことわかってないわねぇ…」

「うう…ごめんね、幼馴染」

幼馴染「いいのよ、男はそれで」

「?」

幼馴染「私がちゃんと、教育してあげるから」

「!?」

「あらあら…これは完璧に尻に敷かれるわねぇ」

552 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/24 23:20:08.33 xS4jldTUP 144/158

「それよりも、無事でよかったよ」

幼馴染「もう、大丈夫だから」フラッ

「ちょ、幼馴染!?」

幼馴染「あれ?」

「ダメよ、まだ安静にしときなさい」

「お、俺、リンゴむいてくる!」

「私も手伝います!」

「まったく、あの子ったら…」

幼馴染「す、すいません…」

553 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/24 23:31:27.80 xS4jldTUP 145/158

「…」

幼馴染「あ、あの…ありがとうございました」

「ああ、うん」

「くれぐれも、男にはバレないようにね」

幼馴染「はい」

「…ねえ、幼馴染ちゃん」

幼馴染「なんですか?」

555 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/24 23:41:14.62 xS4jldTUP 146/158

「あなた、本当に男のこと、好き?」

幼馴染「え?」

「本当に男のこと、好きなのかしら?」

幼馴染「な、なんでですか?」

「ほら、もしかしたらね」

「昔からの付き合いで、私じゃないと男をコントロールできないとか、思ってたりしないかなと思って」

幼馴染「…」

「もし、そうならそれは勘違いよ」

幼馴染「そんなこと…」

560 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/24 23:59:26.70 xS4jldTUP 147/158

「好きなら、そういう気持ちは無しにして」

幼馴染「…」

「男も、そうじゃないと不憫だから…」

幼馴染「…」

「? 幼馴染ちゃん?」

幼馴染「私は、大丈夫ですよ」

「…」

幼馴染「私、昔っから、ずーっと男のことが好きでしたから」

562 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/25 00:11:45.74 IxR+fMavP 148/158

「…そっか」

幼馴染「だから、心配はご無用です」

「…」

(なんで、悔しいんだろ)

「おまたせ!」

「うう…指が血まみれ…」

「あとで手当てしてあげるね」

「いいわ、男。私がするから」

「そう? ありがとう」

「それなら、死んだほうがマシ…」

「いいから!」



563 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/25 00:24:05.28 IxR+fMavP 149/158

バタン

「えーっと…」

幼馴染「…頂戴、リンゴ」

「あ、うん」

幼馴染「綺麗に剥けてるね」

「ありがとう」

幼馴染「いただきます」シャク

「…」

幼馴染「うん、美味しい」

564 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/25 00:34:14.41 IxR+fMavP 150/158

「よかった」

幼馴染「ねえ、男」

「なに?」

幼馴染「男は、私のこと好き?」

「えっ…」

幼馴染「…」

「す、好きだよ」

幼馴染「…」

「は、恥ずかしいなぁ…」

566 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/25 00:38:27.37 IxR+fMavP 151/158

「で、でもどうしたの?」

幼馴染「ううん、なんでもない」

「そっか」

幼馴染「ねえ、男」

「な、なに?」

幼馴染「ちょっとこっち来て」

「う、うん」

568 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/25 00:50:51.14 IxR+fMavP 152/158

「…」

幼馴染「…」

「あの、幼馴染?」

幼馴染「なに?」

「急に抱きつかれると…困るというか…」

幼馴染「ダメ?」

「う、うれしいけど…」

570 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/25 01:06:44.98 IxR+fMavP 153/158

幼馴染「私も、大好き」

幼馴染「でも、心配なんだ…」

「?」

幼馴染「本当に、ただ純粋に男のことが好きなのか…って」

「えっ…」

572 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/25 01:15:26.13 IxR+fMavP 154/158

幼馴染「…」

「…」

幼馴染「ごめんね、こんなこと言って」

「…俺は」

幼馴染「…?」

「俺は、幼馴染のこと、本当に、純粋に好きだから」

幼馴染「…」

「どんなことがあっても、か、かわりゃないから!」

幼馴染「…」

「ま、また噛んじゃった…」

575 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/25 01:32:21.60 IxR+fMavP 155/158

幼馴染「ふふ…」

「は、ははは…」

幼馴染「本当にあんたは…」

幼馴染「…ダメなやつっ」

チュッ

「ほにゃ!?」

幼馴染「…明日、ちゃんとデートしよ」

「え…」

幼馴染「今日は雨と私のせいで、何もしなかったから、ね?」

「う、うん」

幼馴染「遊園地でも、いこっか?」

「うん!」

577 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/25 01:39:37.16 IxR+fMavP 156/158

「痛っ! ちょっと、不器用ですよ!」

「しーっ! 静かに…」

「?」

「…」

「…? どうしました」

「ううん、なんでもない」

578 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/25 01:46:49.77 IxR+fMavP 157/158

「ふぅ…」

「ど う し た ん で す か ! ?」

「セリフが読みづらいわよ」

「じゃあ答えてください!」

「…私、ダメかも」

「え?」

「人、殺したくなるかも」

「それは、ダメです」

「…うん、わかってる」

(…さすが私の姉です…同じ考え方してますね…)

580 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/06/25 01:50:30.60 IxR+fMavP 158/158

幼馴染「ね、男」

「なに?」

幼馴染「絶対に、離れないでね」

「え? うん…」

幼馴染「なんだか、凄く嫌な予感がする…」

「う、うん…」


END...?

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