1 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:45:53 nBHhXFno 1/31

「何言ってるの?幼馴染分って何?」

「…はは、幼はバカだなぁ」

「なんですって?」

「幼馴染分は、幼馴染に含まれている成分の事だろう?」

「男が…男がもうダメだ!」

「ていうか、幼馴染成分ってなによ!」

元スレ
男「…幼馴染分が足りない…」幼馴染「は?」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1339483553/

2 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:46:38 nBHhXFno 2/31

「はぁ、仕方ないなぁ」

「何よ、そのため息、腹立つわね」

「俺が幼馴染分について、講義してやろう」

「別にいらないけど…」

「例えばさ」

「始まっちゃったわ、講義」

3 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:47:20 nBHhXFno 3/31

「俺とお前はご近所さんだよな?」

「そうね」

「俺が小学2年の時に引っ越してきてからだから…」

「もう10年近い付き合いだよな?」

「そうね、そうなるわね」

「…これはもう、俺たち、幼馴染の間柄なんじゃないか?」

「まぁ、世間一般ではそう言うんじゃない?」

4 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:48:06 nBHhXFno 4/31

「なのに、何でお前には幼馴染分がないんだ?」

「だから、幼馴染分って何なのよ!」

「そうだな…色々あるが…」

「幼馴染が醸し出す、ほわーっとした雰囲気の事だよ」

「ほわーって何よ、例えばどんな感じなのよ」

5 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:48:55 nBHhXFno 5/31

「そうだなぁ…ウチのクラスで言えば…」

「天然女さんがそれに該当する雰囲気を持っているな」

「ぽやーっとした感じがするだろ?」

「『おとこくん、だいすきです。わはー』なんて言われてみろ」

「それだけで、幼馴染分は満タンまで補給されるな!」

「天然女さん…ねぇ?」

6 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:49:37 nBHhXFno 6/31

「…お前、彼女とあんま仲良くないよね。何で?」

「あの子、キャラ作ってるのよ」

「えっ?」

「おバカな男子は騙されてるみたいだけれど」

「…」

7 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:50:19 nBHhXFno 7/31

「そういう…ふわっふわな感じでキャラ作って」

「ちょっと抜けた感じで男子に接してれば」

「色々やってもらったりして、便利なのよ」

「…うーそーだー!俺は信じねーぞー!」

「天然女さんは、天然でぽやーっとしてる!」

「あのぽやーっとした幼馴染分は本物だ!」

「まぁ、別に信じてればいいんじゃない?」

「私には関係ないし」

「くそぅ…」

8 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:51:00 nBHhXFno 8/31

「で、他にもあるの?その幼馴染成分とやらは?」

「お、おう、あるぞ!」

「女の子は、男の幼馴染を一途に想う!」

「逆に男の方は鈍感で、その想いに気付かない!」

「そういったシチュエーション自体が幼馴染分の一つだ!」

「へぇー」

9 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:51:42 nBHhXFno 9/31

「朝、寝坊しそうな男を」

「幼馴染が優しく、もしくは厳しく起こしに来るとか」

「厳しく起こすってどんな起こし方よ」

「…お昼休みには」

「料理が下手、もしくは超絶上手な幼馴染が」

「手作りのお弁当を、真っ赤な顔しながら差し出す、とか」

「あー、そう言うの、男子は好きそうだわね」

10 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:52:24 nBHhXFno 10/31

「クラスの女子と楽しそうに話す男を見て」

「泣きそうになったり、嫉妬してみたり、とか」

「…女性に夢見すぎじゃない?」

「帰り道、男の影に自分の影をそっと重ねて…」

「真っ赤になったりとか」

「…」

11 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:53:16 nBHhXFno 11/31

「ことほど作用に」

「幼馴染分は、私達の生活に浸透している物なのです」

「今の話しの中で一つだけ、思い当たる事があるわ」

「お?どの部分だ?」

「男の方の幼馴染が鈍感って所」

「…」

「…でしょ?」

「俺は鈍感じゃない!鋭い方だ!」

「はいはい、鋭い鋭い」

12 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:54:46 nBHhXFno 12/31

「むー。つまりだな」

「…何よ」

「朝、俺を起こしに来てくれ!」

「たまにで良いんで、手作りのお弁当をくれ!」

「俺がクラスの女子と話してるのを、睨んだりしてくれ!」

「あと、登下校、一緒にしよう!」

「それらが全て叶えば」

「お前の幼馴染成分は100%になり、完全体になるのだよ!」

13 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:55:40 nBHhXFno 13/31

「…なるのだよ、じゃないわよ」

「む。これだけ言っても伝わらないのか…」

「…だいたいね」

「体力作りの為に、朝の5時からランニングしてるあなたを」

「私は一体、何時に起こしに行けばいいの?」

「」

14 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:56:24 nBHhXFno 14/31

「登校だって」

「中学に上がった時、冷やかされるのが嫌だって」

「あなたが断ってきたんでしょう?」

「」

15 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:57:03 nBHhXFno 15/31

「手作りのお弁当は」

「私は作るのにやぶさかでないけども」

「一流レストランで働いてる、あなたのお父さんが作るお弁当と」

「比べられたら、何も作れないわよ!」

「」

16 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:57:52 nBHhXFno 16/31

「クラスの女子との会話に関しては」

「あなた、普段クラスの女子と話さないでしょう」

「友君との会話姿でも睨みつければ良いのかしら?」

「」

17 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:58:38 nBHhXFno 17/31

「下校も!」

「補修で居残りさせられる事の多いあなたを」

「私はずっと待っていればいいの?」

「あなたのご両親の帰りが遅いから」

「夕食の支度をする為に早く帰りたい私を」

「バカなあなたの補修にまで付き合えって言うつもり?」

「何か、あの、すいません、幼さん」

18 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 15:59:33 nBHhXFno 18/31

「あのね」

「はっきり言うけどね」

「さっきあなたが言った『幼馴染成分』のほとんどは」

「男女がお付き合いする事によって、ほぼ叶う事でしょう?」

「つまりそれは『幼馴染成分』じゃなくて」

「『彼氏・彼女成分』でしょう?」

「違う?」

「は、はい教授。違わないと思います…」

19 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:00:21 nBHhXFno 19/31

「まったく。バカな事ばっかり考えてるんだから…」

「おかげで勉強はかどらないじゃないの」

「…その事実だけは言われたくなかった!」

「勉強し過ぎで、脳みその中の幼馴染分が不足してたから」

「なんとかして、幼馴染分を補給したかったんだよー」

「なのに、本物の幼馴染である幼は、幼馴染成分ゼロだし~」

20 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:01:09 nBHhXFno 20/31

「…その幼馴染分とやらが補給されれば」

「受験勉強、頑張れるって言うの?」

「おう!頑張れる!」

「滑り止めの大学4つ落ちてる人の言う台詞かしらね」

「本命は!本命だけは落とさない!」

「当たり前でしょ、落ちたら許さないわよ」

21 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:01:47 nBHhXFno 21/31

「…推薦で決まってる人は余裕ですなぁ」

「まぁ、正直余裕ね」

「だからこうしてあなたに、勉強を教えているんじゃない」

「せっかくの晴れた週末、遊びにもいかずに、ね」

「ありがとうございます」

「そう思っているなら、早く頭を働かせなさい」

チュッ

「」

22 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:02:31 nBHhXFno 22/31

「…これで補給出来た?」

「お前、今の、ちょっと…」

「何?文句でもあるのかしら?聞くだけ聞いてあげる」

「今、ちゅーした?」

「したわね」

「今、俺の口とお前の口が合わさった?」

「合わさったわね」

23 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:03:05 nBHhXFno 23/31

「おま、それは…お付き合いしてる男女がする事だろうが!」

「一概にそうとは言い切れないと思うけども」

「まあ、一般的にはそうかもね」

「お、俺とお前は恋人同士か?違うだろう?」

「あら、私とした事が」

「順番が逆だったわ」

「順番?」

24 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:03:48 nBHhXFno 24/31

「男君、私はあなたの事が好きです」

「私とお付き合いして下さい」

「なっ!なんだって?」

「あら、嫌なの?こんな可愛い幼馴染が」

「今、あなたに愛の告白をしたのよ?」

「もちろん、返事は決まっているわよね?」

「幼、お前…俺の事が好きだったのか?」

25 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:04:46 nBHhXFno 25/31

「さっき言ったでしょう」

「男の方の幼馴染が鈍感って所は当たっているって」

「私はあなたの事が大好きよ」

「世界で一番愛していると言っても過言じゃないわ」

「それに私は」

「好きでもない相手に告白したりしない。分かっているでしょう?」

「お、おう。長い付き合いだもんな」

26 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:05:41 nBHhXFno 26/31

「で、返事は?」

「…」

「俺も幼の事大好きだよ…」

「こんなダメ男で良ければ、お付き合いして下さい」

「はい、これからもずっとずっとよろしくね、男」

「お、おうこちらこそ、よろしくな、幼」

27 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:06:09 nBHhXFno 27/31

「それと」

「これからのあなたはダメ男なんかじゃないわ」

「え?」

「正確には、ダメじゃなくなるわ」

「だって私があなたを変えるもの」

「何する気だよ…怖い事言うなよ」

28 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:07:35 nBHhXFno 28/31

「取り敢えず、目の前に開かれた問題集を全部やりなさい」

「え?こんな時間から?まさか全部じゃないよな?」

「もちろん」

「…」

「全部よ」

「え~~~~」

「朝まで付き合うわよ。彼女だものね」

29 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:08:20 nBHhXFno 29/31

「うあー。さっき貯まった彼女成分が一気に抜けて行くー」

「…まったくもう」

「男は私が居ないとダメなんだから」

ギュッ

「!」

「何よ?可愛い彼女に抱きつかれて幸せじゃないの?」

「今の!今の台詞!」

30 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:09:00 nBHhXFno 30/31

「どの台詞?」

「『まったくもう。男は私が居ないとダメなんだから』」

「コレはキタ!」

「何が来たの?」

「ツンデレにもヤンデレにもドロデレにもほんわかにも」

「全ての幼馴染ルートに共通する、良い台詞だ!」

「はあ?」

31 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/12 16:09:38 nBHhXFno 31/31

「すげー幼馴染成分たっぷりな台詞だった!」

「抱きつかれた事より、台詞の方で感謝されてもね…」

「じゃあ、彼女成分と、幼馴染成分、両方満タンになった?」

「はい!なりました!」

「じゃあ、勉強再開!」

「絶対、私と同じ大学に入ってもらうんだからねっ」

「おほっ!ツンデレな幼も良いなぁ」

「いい加減にしろ、バカ!」

バシッ



おわり

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